特 別 支 援 教 育
特 別 支 援 教 育 に つ い て は 、平 成 1 8 年 1 2 月 に 施 行 さ れ た 教 育 基 本 法 に 、障 害 の あ る 者 が 、 そ の 障 害 の 状 態 に 応 じ 、 十 分 な 教 育 を 受 け ら れ る よ う 、 教 育 上 必 要 な 支 援 を 講 ず べ き こ と が 新 た に 規 定 ( 第 4 条 第 2 項 ) さ れ 、 ま た 、 平 成 1 9 年 4 月 1 日 に 施 行 さ れ た 改 正 学 校 教 育 法 に 、 小 学 校 、 中 学 校 、 高 等 学 校 、 中 等 教 育 学 校 及 び 幼 稚 園 に お い て 、 教 育 上 特 別 の 支 援 を 必 要 と す る 児 童 、 生 徒 及 び 幼 児 に 対 し 、 障 害 に よ る 学 習 上 又 は 生 活 上 の 困 難 を 克 服 す る た め の 教 育 を 行 う こ と が 規 定 ( 第 7 5 条 第 1 項 ) さ れ た 。
1 特 別 支 援 教 育 の 推 進 に つ い て (1) 特 別 支 援 教 育 の 理 念 に つ い て
特 別 支 援 教 育 と は 、 障 害 の あ る 幼 児 児 童 生 徒 の 自 立 や 社 会 参 加 に 向 け た 主 体 的 な 取 組 を 支 援 す る と い う 視 点 に 立 ち 、 幼 児 児 童 生 徒 一 人 一 人 の 教 育 的 ニ ー ズ を 把 握 し 、 そ の 持 て る 力 を 高 め 、 生 活 や 学 習 上 の 困 難 を 改 善 又 は 克 服 す る た め 、 適 切 な 指 導 及 び 必 要 な 支 援 を 行 う も の で あ る 。
ま た 、 特 別 支 援 教 育 は 、 こ れ ま で の 特 殊 教 育 の 対 象 の 障 害 ( 視 覚 障 害 、 聴 覚 障 害 、 知 的 障 害 、 肢 体 不 自 由 、 病 弱 ・ 身 体 虚 弱 、 情 緒 障 害 、 言 語 障 害 ) だ け で な く 、 知 的 な 遅 れ の な い 発 達 障 害 (L D ( 学 習 障 害 )、 A D H D ( 注 意 欠 陥 多 動 性 障 害 )、 高 機 能 自 閉 症 等 ) も 含 め て 、 特 別 な 支 援 を 必 要 と す る 幼 児 児 童 生 徒 が 在 籍 す る 全 て の 学 校 に お い て 実 施 さ れ る も の で あ る 。
さ ら に 、 特 別 支 援 教 育 は 、 障 害 の あ る 生 徒 へ の 教 育 に と ど ま ら ず 、 障 害 の 有 無 や そ の 他 の 個 々 の 違 い を 認 識 し つ つ 様 々 な 人 々 が 生 き 生 き と 活 躍 で き る 共 生 社 会 の 形 成 の 基 礎 と な る も の で あ り 、 我 が 国 の 現 在 及 び 将 来 の 社 会 に と っ て 重 要 な 意 味 を 持 っ て い る 。 (2) 校 長 の リ ー ダ ー シ ッ プ
校 長 は 、 特 別 支 援 教 育 実 施 の 責 任 者 と し て 、 自 ら が 特 別 支 援 教 育 や 障 害 に 関 す る 認 識 を 深 め る と と も に 、 リ ー ダ ー シ ッ プ を 発 揮 し つ つ 、 校 内 の 支 援 体 制 の 整 備 等 を 行 い 、 組 織 と し て 十 分 に 機 能 す る よ う 教 職 員 を 指 導 す る こ と が 重 要 で あ る 。
ま た 、 校 長 は 、 特 別 支 援 教 育 に 関 す る 学 校 経 営 が 、 特 別 な 支 援 を 必 要 と す る 生 徒 の 将 来 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す こ と を 深 く 自 覚 し 、 常 に 認 識 を 新 た に し て 取 り 組 ん で い く こ と が 重 要 で あ る 。
(3) 特 別 支 援 教 育 を 行 う た め の 体 制 の 整 備 及 び 必 要 な 取 組 ア 特 別 支 援 教 育 に 関 す る 校 内 委 員 会 の 設 置
学 校 に お い て は 、 校 長 の リ ー ダ ー シ ッ プ の 下 、 全 校 的 な 支 援 体 制 を 確 立 し 、 発 達 障 害 を 含 む 障 害 の あ る 生 徒 の 実 態 把 握 や 支 援 方 策 の 検 討 等 を 行 う た め 、 校 内 に 特 別 支 援 教 育 に 関 す る 委 員 会 を 設 置 す る こ と が 必 要 で あ る 。
校 内 委 員 会 の 設 置 に つ い て は 、各 学 校 の 実 態 を 踏 ま え て 設 置 す る こ と が 大 切 で あ り 、 例 え ば 、 新 規 の 委 員 会 を 新 た に 設 置 す る 方 法 や 、 既 存 の 校 内 組 織 ( 生 徒 指 導 部 、 教 育 相 談 部 な ど )に 、 特 別 支 援 教 育 に 関 す る 委 員 会 機 能 を 持 た せ る 方 法 も あ る 。
イ 「 実 態 把 握 」 の 実 施
学 校 に お い て は 、 在 籍 す る 生 徒 の 実 態 の 把 握 に 努 め 、 特 別 な 支 援 を 必 要 と す る 生 徒
の 存 在 や 状 態 を 確 か め る こ と が 重 要 で あ る 。
高 等 学 校 に 在 籍 す る 発 達 障 害 の あ る 生 徒 に つ い て は 、 小 ・ 中 学 校 の 段 階 で 本 人 や 保 護 者 の 障 害 に 対 す る 認 識 が 不 十 分 な こ と や 医 師 に よ る 診 断 が な さ れ て い な い こ と も 多 い た め 、 ホ ー ム ル ー ム 担 任 や 教 科 担 任 等 は 、 発 達 障 害 の あ る 生 徒 が 示 す 学 習 面 ・ 行 動 面 に お け る つ ま ず き や 困 難 に 気 付 き 、 適 切 な 対 応 を 行 う こ と が 必 要 で あ る 。
し た が っ て 、 実 態 把 握 を 行 う 際 に は 、 知 的 発 達 の 程 度 、 教 科 ・ 科 目 の 学 習 状 況 、 生 活 行 動 、 対 人 関 係 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 状 況 な ど 、 生 徒 の 困 難 や つ ま ず き の 状 況 に つ い て 的 確 に 把 握 し 、 学 習 面 、 行 動 ・ 生 活 面 で の 教 育 的 な 支 援 の 必 要 性 を 把 握 す る こ と が 必 要 で あ る 。
さ ら に 、 特 別 な 支 援 が 必 要 と 考 え ら れ る 生 徒 に つ い て は 、 特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィ ネ ー タ ー 等 と 検 討 を 行 っ た 上 で 、 保 護 者 の 理 解 を 得 る こ と が で き る よ う 慎 重 に 説 明 を 行 い 、 学 校 や 家 庭 で 必 要 な 支 援 や 配 慮 に つ い て 、 保 護 者 と 連 携 し て 検 討 を 進 め る こ と が 大 切 で あ る 。 そ の 際 、 実 態 に よ っ て は 、 医 療 的 な 対 応 が 有 効 な 場 合 も あ る の で 、 保 護 者 と 十 分 話 し 合 う こ と が 必 要 で あ る 。 ま た 、 必 要 に 応 じ て 教 育 局 の 専 門 家 チ ー ム や 巡 回 相 談 員 を 活 用 す る 取 組 を 進 め る こ と が 効 果 的 で あ る 。
ウ 特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 指 名
校 長 は 、 特 別 支 援 教 育 の コ ー デ ィ ネ ー タ ー 的 な 役 割 を 担 う 教 員 を 「 特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィ ネ ー タ ー 」 に 指 名 し 、 校 務 分 掌 に 明 確 に 位 置 付 け る こ と が 必 要 で あ る 。
特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィ ネ ー タ ー は 、学 校 に お け る 特 別 支 援 教 育 の 推 進 の た め 、主 に 、 校 内 委 員 会 ・ 校 内 研 修 の 企 画 ・ 運 営 、 関 係 諸 機 関 ・ 学 校 と の 連 絡 ・ 調 整 、 保 護 者 か ら の 相 談 窓 口 な ど の 役 割 を 担 う も の で あ る 。
特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィ ネ ー タ ー を 担 当 す る 教 職 員 が 、 そ の 役 割 を 発 揮 で き る よ う に す る た め に は 、 校 内 の 理 解 や 協 力 意 識 を 高 め る と と も に 、 各 種 研 修 会 等 に 参 加 し 、 校 内 で 特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィ ネ ー タ ー と し て の 役 割 を 果 た せ る よ う な 知 識 、 技 能 を 身 に 付 け る こ と が で き る よ う に 配 慮 す る こ と が 大 切 で あ る 。
特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 位 置 付 け に つ い て は 、 校 内 委 員 会 の 役 割 の 一 つ と し て 位 置 付 け る ほ か 、 既 存 の 生 徒 指 導 部 や 教 育 相 談 部 等 の 組 織 に 位 置 付 け る な ど 、 各 学 校 の 実 態 を 踏 ま え て 位 置 付 け る こ と が 大 切 で あ る 。
ま た 、 校 長 は 、 特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィ ネ ー タ ー が 、 学 校 に お い て 組 織 的 に 機 能 す る よ う 努 め る こ と が 大 切 で あ る 。
( 5 ) 各 学 校 に お け る 、 生 徒 を 支 援 す る た め の 取 組
ア 関 係 機 関 と の 連 携 を 図 っ た 「個 別 の 教 育 支 援 計 画 」 の 策 定 と 活 用
発 達 障 害 を 含 む 障 害 の あ る 生 徒 一 人 一 人 の ニ ー ズ を 的 確 に 把 握 し て 、 長 期 的 な 視 点 に 立 っ て 一 貫 し た 教 育 的 支 援 を 行 う た め 、 必 要 に 応 じ て 、 教 育 、医 療 、 保 健 、 福 祉 、 労 働 等 の 関 係 機 関 と の 連 携 を 含 め
ど し て 、 効 果 的 に 支 援 を 行 う こ と が 大 切 で あ る 。 イ 「 個 別 の 指 導 計 画 」 の 作 成
発 達 障 害 を 含 む 障 害 の あ る 生 徒 一 人 一 人 の 障 害 の 状 態 等 に 応 じ た き め 細 か な 指 導 が 行 え る よ う 、 学 校 に お け る 教 育 課 程 や 指 導 計 画 、 当 該 生 徒 の 「 個 別 の 教 育 支 援 計 画 」 等 を 踏 ま え 、 必 要 に 応 じ て 、「 個 別 の 指 導 計 画 」 を 作 成 す る な ど し て 、 一 人 一 人 の 教 育 的 ニ ー ズ に 応 じ た 教 育 を 進 め る こ と が 大 切 で あ る 。
な お 、 高 等 学 校 に お い て 、 個 別 の 教 育 支 援 計 画 及 び 個 別 の 指 導 計 画 を 作 成 す る に 当 た っ て は 、 近 隣 の 特 別 支 援 学 校 や 各 教 育 局 の 巡 回 相 談 員 等 を 活 用 し 、 そ の 助 言 を 得 る こ と が 大 切 で あ る 。
ウ 教 員 の 専 門 性 の 向 上
特 別 支 援 教 育 の 推 進 の た め に は 、 教 員 の 特 別 支 援 教 育 に 関 す る 専 門 性 の 向 上 が 不 可 欠 で あ る 。 し た が っ て 、 校 内 で の 研 修 を 実 施 し た り 、 教 員 が 校 外 で の 研 修 に 参 加 し た り す る こ と に よ り 、 専 門 性 の 向 上 に 努 め る こ と が 大 切 で あ る 。
ま た 、 北 海 道 立 特 別 支 援 教 育 セ ン タ ー を 活 用 し た り 、 地 域 の 特 別 支 援 学 校 や 専 門 機 関 等 と 連 携 し 、 教 員 の 研 修 の 充 実 を 図 る こ と が 大 切 で あ る 。
(6) 保 護 者 か ら の 相 談 へ の 対 応
学 校 及 び 全 て の 教 員 は 、 保 護 者 か ら の 障 害 に 関 す る 相 談 な ど に 真 摯 に 対 応 し 、 そ の 意 見 や 事 情 を 十 分 に 聴 い た 上 で 、 当 該 生 徒 へ の 対 応 を 行 う こ と が 重 要 で あ る 。
(7) 教 育 活 動 等 を 行 う 際 の 留 意 す べ き 事 項 等
障 害 の あ る 生 徒 は 、 そ の 障 害 の 特 性 に よ る 学 習 上 ・ 生 活 上 の 困 難 を 有 し て い る た め 、 周 囲 の 理 解 と 支 援 が 重 要 で あ り 、 生 徒 指 導 上 も 十 分 な 配 慮 が 必 要 で あ る 。
特 に 、 い じ め や 不 登 校 な ど の 生 徒 指 導 上 の 諸 問 題 に 対 し て は 、 表 面 に 現 れ た 現 象 の み に と ら わ れ ず 、 そ の 背 景 に 障 害 が 関 係 し て い る 可 能 性 が あ る か 否 か な ど 、 生 徒 を め ぐ る 状 況 に 十 分 留 意 し つ つ 慎 重 に 対 応 す る 必 要 が あ る 。
そ の た め 、 生 徒 指 導 の 担 当 者 は 、 障 害 に つ い て の 知 識 を 深 め る と と も に 、 特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィ ネ ー タ ー を は じ め 、 養 護 教 諭 等 と 連 携 し 、 当 該 生 徒 へ の 支 援 に 係 る 適 切 な 判 断 や 必 要 な 支 援 を 行 う こ と が で き る 体 制 を 平 素 か ら 整 え て お く こ と が 重 要 で あ る 。
ま た 、 学 校 に お い て 特 別 支 援 教 育 を 進 め て い く た め に は 、 当 該 生 徒 の ニ ー ズ に 応 じ た 支 援 を 行 う と と も に 、 周 囲 の 生 徒 の 理 解 が 必 要 に な る こ と も あ り 得 る 。 そ の 際 は 、 生 徒 の 発 達 段 階 や 、 障 害 の あ る 生 徒 の プ ラ イ バ シ ー 等 に 十 分 配 慮 す る 必 要 が あ る 。
(8) 進 路 指 導 の 充 実 と 就 労 の 支 援
障 害 の あ る 生 徒 が 、 将 来 の 進 路 を 主 体 的 に 選 択 す る こ と が で き る よ う 、 生 徒 の 実 態 や 進 路 希 望 等 を 的 確 に 把 握 し 、 早 い 段 階 か ら の 進 路 指 導 の 充 実 を 図 る こ と が 必 要 で あ る 。 ま た 、 企 業 等 へ の 就 職 は 、 職 業 的 な 自 立 を 図 る 上 で 有 効 で あ る こ と か ら 、 労 働 関 係 機 関 等 と の 連 携 を 密 に し た 就 労 支 援 を 進 め る こ と が 大 切 で あ る 。
(9) 厚 生 労 働 省 関 係 機 関 等 と の 連 携
学 校 は 、 必 要 に 応 じ 、 発 達 障 害 者 支 援 セ ン タ ー 、 児 童 相 談 所 、 保 健 セ ン タ ー 、 ハ ロ ー ワ ー ク 等 、 福 祉 、 医 療 、 保 健 、 労 働 関 係 機 関 と の 連 携 を 図 る こ と が 大 切 で あ る 。
2 高 等 学 校 に お け る 発 達 障 害 の あ る 生 徒 へ の 指 導 事 例 (1) 特 別 支 援 学 校 と 連 携 し た 校 内 支 援 体 制 の 確 立
A高 等 学 校 は 、 郊 外 に 位 置 す る 小 規 模 校 で あ る 。 生 徒 の 中 に は 、 発 達 障 害 を 疑 わ れ る 生 徒 も お り 、 そ の 対 応 に 苦 慮 し て い た 。 ま ず 、 当 該 生 徒 の 実 態 を 把 握 し 、 生 活 ・ 学 習 面 で の 指 導 方 法 を 工 夫 す る た め 、 近 隣 の 特 別 支 援 学 校 に 協 力 を 依 頼 し 、特 別 支 援 教 育 に つ い て の 研 修 を 始 め た 。
研 修 を 受 け 、 実 態 把 握 を 進 め る 中 で 、 数 名 の 生 徒 が 特 別 な 支 援 を 必 要 と し て い る と 考 え ら れ た た め 、 教 育 相 談 委 員 会 が 中 心 と な っ て 支 援 シ ス テ ム を 立 ち 上 げ た 。 さ ら に 、 引 き 続 き 特 別 支 援 学 校 に も 支 援 を 依 頼 し 、 対 象 生 徒 の 実 態 に 応 じ た 具 体 的 な 指 導 方 法 に つ い て 助 言 を 受 け 、 全 教 職 員 の 共 通 理 解 の 下 、 指 導 を 始 め た 。
特 別 支 援 学 校 の コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 助 言 も あ
り 、 特 別 な 支 援 を 必 要 と し て い る 生 徒 が 、 困 り 感 を 減 ら す た め の 具 体 的 な 支 援 方 策 を 保 護 者 と 協 力 し て 指 導 を 展 開 し た 。 保 護 者 と 学 校 が 、 本 人 の 「今 の 状 態 」 と 支 援 方 法 を 共 通 理 解 す る た め の 「 連 絡 ノ ー ト 」 を 活 用 し 、 授 業 等 で の 指 導 方 法 や 周 囲 の 生 徒 と の 関 係 、 生 徒 の 様 子 の 変 化 、 家 庭 で の 様 子 な ど を 確 認 し た 。 ま た 、 学 校 生 活 で 起 こ り 得 る 様 々 な 対 人 関 係 上 の 課 題 を 設 定 し 、「 そ の よ う な 場 面 で ど の よ う に 行 動 す る か 、 相 手 の 感 情 は ど う か 」 な ど の ワ ー ク シ ー ト を 作 成 し 、 学 校 と 家 庭 で 取 り 組 ん だ 結 果 、 望 ま し い 行 動 が 多 く み ら れ る よ う な っ て き た 。
(2) 校 内 研 修 の 推 進 と 個 別 の 指 導 計 画 に 基 づ く 指 導 B 高 等 学 校 は 、 全 員 が 校 内 委 員 会 の 構
成 員 と な り 、 全 教 職 員 で 情 報 を 共 有 し 、 共 通 理 解 と 共 通 実 践 を 行 っ て い る 。
毎 月 、 学 年 団 と 生 徒 指 導 部 教 育 相 談 係 で の 事 例 検 討 を 行 い 、 生 徒 の 状 況 を 分 析 し 、 前 月 の 指 導 の 反 省 及 び 次 の 支 援 目 標 や 具 体 的 な 支 援 計 画 を 作 成 し 、 全 教 職 員 で の 教 育 相 談 研 修 会 を 行 っ て い る 。
ま た 、 当 該 生 徒 の 困 難 さ な ど を 把 握 す る と と も に 、 生 徒 の 行 動 を 変 容 さ せ る た め の 指 導 の ポ イ ン ト を 明 ら か に す る た め に 個 別 の 指 導 計 画 を 作 成 し て い る 。
個 別 の 指 導 計 画 の 作 成 を 通 し て 、 一 人
一 人 の 生 徒 に 対 し て よ り 丁 寧 に 対 応 す る 必 要 が あ る と い う 教 職 員 の 意 識 化 が 図 ら れ 、 こ れ ま で 以 上 に 有 効 な 指 導 が 可 能 と な っ た 。
◆個別の指導計画の作成に当たっての観点◆
1 生徒の実態
(1) 学習…主に基礎学力が、どの程度定着しているかを知る。
(2) 生活…自己肯定感を育むためにも得意な側面を知る。部活動などで困難さを抱えていないかを把握する。
(3) 進路希望…早い時期に進路希望を模索することにより、校内での支援体制を整える。
(4) 本人・保護者・担任の願い…各々の願いを知る。
2 支援方法の検討
(1) 長期目標…前期、後期での見通しのある目標の設定 (2) 学期ごとの支援…①実現可能な短期目標の設定
②具体的な教師の支援方法
③1か月間の生徒の変化
(3) 配慮事項…全教職員が、対応のポイントを把握し、本人とよいかかわりができるようにする。
3 「 高 等 学 校 に お け る 発 達 障 害 支 援 モ デ ル 事 業 」 に つ い て
文 部 科 学 省 委 託 事 業 の「 高 等 学 校 に お け る 発 達 障 害 支 援 モ デ ル 事 業 」の モ デ ル 校 と し て 、 北 海 道 名 寄 農 業 高 等 学 校
が 指 定 を 受 け 、 発 達 障 害 の あ る 生 徒 へ の 具 体 的 な 支 援 の 在 り 方 に つ い て 実 践 的 な 研 究 を 行 っ て い る 。
研 究 課 題 を 「 農 業 高 校 に お け る 地 域 の 専 門 家 チ ー ム や ハ ロ ー ワ ー ク 等 の 関 係 機 関 と 連 携 し た 発 達 障 害 の あ る 生 徒 へ の 就 労 支 援 に 関 す る 指 導 方 法 の 研 究 」 と し 、 2 年 間 の 研 究 に 取 り 組 ん で い る と こ ろ で あ る 。
(文 部 科 学 省 作 成 資 料 ) 4 「 特 別 支 援 教 育 体 制 推 進 事 業 」 に つ い て
道 教 委 は 、 平 成 1 7 年 か ら 「 特 別 支 援 教 育 在 り 方 検 討 委 員 会 」 を 設 置 し 、 北 海 道 の 特 別 支 援 教 育 の 在 り 方 に つ い て の 検 討 を 行 い 、委 員 会 か ら 、 平 成 1 8 年 3 月 の 第 1 次 報 告 及 び 平 成 1 9 年 2 月 の 第 2 次 報 告 に お い て 、 高 等 学 校 で の 校 内 の 支 援 体 制 の 整 備 や 一 人 一 人 の 教 育 的 ニ ー ズ に 応 じ 、 学 習 上 又 は 生 活 上 の 困 難 を 克 服 す る た め の 指 導 及 び 支 援 を 行 う こ と が 大 切 で あ る な ど の 提 言 を 受 け た 。 道 教 委 と し て は 、 こ の 提 言 を 踏 ま え 、 平 成 1 8 年 度 に 続 き 平 成 1 9 年 度 に 、 各 教 育 局 を 推 進 地 域 と し て 指 定 し 、 幼 稚 園 、 小 ・ 中 学 校 及 び 高 等 学 校 等 に お け る 支 援 体 制 の 一 層 の 整 備 を 進 め る こ と に よ り 、 全 道 に お け る 特 別 支 援 教 育 の 体 制 整 備 の 充 実 を 図 っ て い る と こ ろ で あ る 。
高 等 学 校 に お け る 発 達 障 害 支 援 モ デ ル 事 業
【 資 料 】
乳 幼 児 期 学 齢 期 卒 業 後
各学校における教育課程の具体化
各学校では、必要に応じて「個別の指導計画」を作成し、全教職員の共通理解に基づいた組織的な指導 を行うとともに、関係機関等との連携を図り、生徒一人一人の教育的ニーズに応じたより適切な指導を行 うことが大切です。
「個別の教育支援計画」は、さらに長期的な視点で、就学前から卒業後の進路先までを見通し、関係機 関等による一貫した教育的支援を行うことを目的として策定するものです。
詳しくは、北海道教育委員会 Web ページ(http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/)「個別の教育支援 計画モデル」を参照してください。
「発達障害」の用語の使用について
平成19年3月15日 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 今般、当課においては、これまでの「LD、ADHD、高機能自閉症等」との表記について、国民のわ かりやすさや、他省庁との連携のしやすさ等の理由から、下記のとおり整理した上で、発達障害者支援 法の定義による「発達障害」との表記に換えることとしましたのでお知らせします。
記
1 今後、当課の文書で使用する用語については、原則として「発達障害」と表記する。
また、その用語の示す障害の範囲は、発達障害者支援法の定義による。
2 上記1の「発達障害」の範囲は、以前から「LD、ADHD、高機能自閉症等」と表現していた障害 の範囲と比較すると、高機能のみならず自閉症全般を含むなどより広いものとなるが、高機能以外の 自閉症者については、以前から、また今後とも特別支援教育の対象であることに変化はない。
3 上記により「発達障害」のある幼児児童生徒は、通常の学級以外にも在籍することとなるが、当該 幼児児童生徒が、どの学校種、学級に就学すべきかについては、法令に基づき適切に判断されるべき ものである。
4 「軽度発達障害」の表記は、その意味する範囲が必ずしも明確ではないこと等の理由から、今後当 課においては原則として使用しない。
5 学術的な発達障害と行政政策上の発達障害とは一致しない。また、調査の対象など正確さが求めら れる場合には、必要に応じて障害種を列記することなどを妨げるものではない。
個別の教育支援計画
個別の指導計画