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教育出版『新編書道Ⅱ』(書Ⅱ 307)準拠シラバス
芸術科 「書道Ⅱ」 シラバス
単位数 2単位 担当者
学科・学年・学級 科 第 学年 組 使用教科書・副教材等 新編 書道Ⅱ(書Ⅱ 307)教育出版
1 学習の到達目標
1 書道における創造的な活動をとおして,書を愛好する心情を育てる。
2 書を楽しむ態度をとおして感性を高め,書の文化や伝統についての理解を深める。
3 1と2の学習をとおして,個性豊かな表現の能力と書の美しさを感じ取る鑑賞の能力を伸ばす。
2 学習の計画
月 単元名 学習項目 学習内容や学習活動 評価方法
第1学期
4 書写材料と書体・書風の 変遷
さまざまな様式の書道の古典に ふれ書体の変遷について理解を深 めます。
発表内容(関)
ワークシート
(関・鑑)
5 一 漢字の書の学習 一 篆書の学習
1 さまざまな篆書 2 篆書の基本を知ろう 石鼓文の鑑賞と臨書 身のまわりに見られる篆書 3 金文(召尊)の鑑賞と臨書 4 甲骨文の鑑賞と臨書 5 篆書の作品の鑑賞と臨書
篆書とはどのような書体かを知 り,歴史的位置づけを理解します。
代表的な篆書の古典を鑑賞し,時 代背景等に関する知的理解を経て、
臨書学習で各古典の特徴を把握す る こ と に よ り 篆 書 の 基 本 的 な 用 筆・運筆,結構を習得し,その特徴 を理解します。
ワークシート(関・鑑)
中間まとめ(構)
まとめ作品(技)
6 二 篆刻・刻字の学 習
1 篆刻の学習 2 刻字の学習
書表現の一分野としての篆刻・刻 字の意義を理解する。
作品に対する効果を考え,姓名印 を刻し,押印する。
ワークシート(関・鑑)
作品(技)
7 三 隷書の学習 1 さまざまな隷書 2 隷書の基本を知ろう 乙瑛碑の鑑賞と臨書 曹全碑の鑑賞と臨書 3 漢代木簡の鑑賞と臨書 4 石門頌の鑑賞と臨書 身のまわりに見られる隷書
隷書とはどのような書体かを知 り,歴史的位置づけを理解します。
代表的な隷書の古典を鑑賞し,時 代背景等に関する知的理解を経て、
臨書学習で各古典の特徴を把握す る こ と に よ り 隷 書 の 基 本 的 な 用 筆・運筆,結構を習得し,その特徴 を理解します。
ワークシート(関・鑑)
中間まとめ(構)
まとめ作品(技)
2
月 単元名 学習項目 学習内容や学習活動 評価方法
第2学期
9 四 草書の学習 1 草書の成立 2 書譜の鑑賞と臨書 3 十七帖の鑑賞と臨書 4 真草千字文の鑑賞と臨書
草書の成立と歴史的位置づけを 理解する。
代表的な草書の古典を鑑賞し,時 代背景等に関する知的理解を経て、
臨書学習で各古典の特徴を把握す る こ と に よ り 草 書 の 基 本 的 な 用 筆・運筆,結構を習得し,その特徴 を理解します。
発表内容(関)
ワークシート
(関・鑑)
10 五 行書の学習 1 集王聖教序の鑑賞と臨書 2 祭姪稿の鑑賞と臨書 3 蜀素帖の鑑賞と臨書 4 温泉銘の鑑賞と臨書
代表的な行書の古典を鑑賞し,作 者や時代背景等に関する知的理解 を経て、臨書学習で各古典の特徴を 把握することによりさまざまな行 書の用筆・運筆,結構を習得し,そ の特徴を理解します。
ワークシート(関・鑑)
試書(構)
中間まとめ(構)
まとめ作品(技)
11 六 楷書の学習 1 皇甫誕碑の鑑賞と臨書 2 顔勤礼碑の鑑賞と臨書 3 魏霊蔵造像記の鑑賞と臨書 4 小楷の書の鑑賞と臨書
代表的な楷書の古典を鑑賞し,作 者や時代背景等に関する知的理解 を経て、臨書学習で各古典の特徴を 把握することによりさまざまな楷 書の用筆・運筆,結構を習得し,そ の特徴を理解します。
ワークシート(関・鑑)
試書(構)
中間まとめ(構)
まとめ作品(技)
漢字の書の制作 学習した古典を題材とし,習得し た技法を生かして制作を行います。
ワークシート(関・構)
試書(構)
まとめ作品(技)
漢字の書の鑑賞 教科書等の漢字作品を鑑賞し、感 想を自分の言葉で表現します。
ワークシート・発表(関・
鑑)
12 二 仮名の書の学習 1 仮名の種類 2 仮名の書の特徴
3 高野切第一種の鑑賞と短冊 の書式
4 三色紙の鑑賞と臨書
書道Ⅰの学習をもとに仮名の種 類,特に変体仮名の種類について学 習し,理解を深めます。
仮名の書の古典の臨書や鑑賞を とおして表現技法を習得し,短冊や 散らし書き等の形式についても理 解を深めます。
ワークシート(関・鑑)
中間まとめ(構)
まとめ作品(技)
月 単元名 学習項目 学習内容や学習活動 評価方法
第3学期
1 4 小字による表現
5 大字による表現と鑑賞
これまでの学習を生かして短歌 一首を大色紙に散らし書きで創作 します。
大字による仮名作品を鑑賞し,感 想を自分の言葉で表現します。
ワークシート(関)
試書(構)
まとめ作品(技)
ワークシート・発表
(関・鑑)
3
2 三 漢字仮名交じりの書 の学習
1 意図に応じた表現 2 名筆に学ぶ表現の工夫 3 感動や思いを表現しよう 4 自分の表現を目ざして 5 漢字仮名交じりの書の表現 と鑑賞
これまでに学習した漢字およ び仮名の古典の学習をもとに,その 表現を応用した漢字仮名交じりの 書の制作を行います。
詩文,形式,用具・用材,構成な ど工夫し,漢字と仮名の調和の方法 を考え,自分の感性をどのように表 現していくかについて考えます。
教科書等の漢字仮名交じりの書 の作品を鑑賞し、感想を自分の言葉 で表現します。
ワークシート(関)
試書(構)
まとめ作品(技)
ワークシート・発表
(関・鑑)
3 書を生活の中に生かしてみよう これまでの書の学習を生活の中の さまざまな場面で生かす工夫をし てみよう。
ワークシート(関)
3 評価の観点
書への関心・意欲・態度(関) 書の創造的活動の喜びを味わい,書の伝統と文化に関心をもって,主体的 に表現や鑑賞の創造的活動に取り組もうとする。
書表現の構想と工夫(構) 書のよさや美しさを感じ取り,感性を働かせながら,自らの意図に基づい て構想し,表現を工夫している。
創造的な書表現の技能(技) 創造的な書表現をするために,基礎的な能力を生かし,効果的な表現の技 能を身につけ表現している。
鑑賞の関心・意欲・態度と 鑑賞の能力(鑑)
日常生活の書の効用や書の伝統と文化について幅広く理解し,その価値を 考え書のよさや美しさを創造的に味わっている。
4 評価方法
1 提出作品,「学習記録」の記録状況,「学習のまとめ」の内容を中心に用具・用材の扱いを含めた学習活動への参 加の態度なども含めて総合的に評価します。
2 学期全体の評価は提出作品で 80%,「学習記録」と「学習のまとめ」で 15%,学習活動への参加の態度で5%の 配分で行います。
3 提出作品については,臨書においては対象となる古典の特徴を表現できたか,作品制作においては意図した表現に 近づくことができたかが評価の基準となります。
5 担当者からのメッセージ(確かな学力を身につけるためのアドバイス,授業を受けるにあたって守ってほしい事項な ど)
・書道の学習においてはまずよく見ることが大切です。自らの感性に基づき対象となる作品や古典に素直な気持ちで向 かいましょう。
・得られた感想は何に由来するものか,用具・用材,構成,また作者や時代背景といったさまざまな要素について考え 分析する姿勢が大切です。
・技法の習得は主として古典の臨書によりますが,ただ枚数を重ねるのではなく1枚1枚 , 1字1字について自分の 解決すべき課題や問題点を見極めながら練習することが大切です。そのために「学習記録」は丁寧に書きましょう。
・作品制作においては「今自分は何を表現したいか」を第一に考え,詩文や用具・用材などを積極的に選択していきま しょう。