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偏微分係数と極大・極小の必要条件
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April"2018
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傷微分係数と極大・ 極小の必要条件 1/zロ I・ l pIl ln・P』 | 】弓置
」
│ ミクロ経済学における基本的な問題
ミクロ経済学では最初に以下の基本的な問題を学びます.
o生産理論(ProductionTheory)
・消費者理論(ConsumerTheory)
傷微分係数と極大・極小の必要条件 z/zO
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|
生産理論(ProductionTheory)
生産物(product)Cが生産要素(productionelements)A,Bから生産される とします. A,B,Cの価格はそれぞれp,q,rとします. AとBをそれぞれ xとy投入するときcがz=f(x,y)得られるとします.
このときf(x,y)を生産関数(productionfunction)と呼ばれます. またこ の状況で利潤関数(profitfunction)を
T(x,y)=rf(×,y)‑px−αy
と定義します.
生産理論の最初のステップは,利潤関数汀(x,y)を最大化して生産要素需
要関数
x=×(p,q,r),y=y(p,9,r)
を求めることにあります.
| 偶微分係数と極大・極小の必要条件 ヨノZロ
''1Flト 『Ⅱ T 弓
」
消費者理論(ConsumerTheory)
商品(Goods)A,Bがあるとします. Aをx,Bをy購入するとき,消費者 が効用関数(util ityfunction)"(x,y)の効用を得るとします. さらにA,B の価格がp,qであるとします.
消費者が予算/を全額消費してA,Bを購入するとします. ここでの問題は 予算制約と呼ばれる制約条件
ノーpx‑qy=0
の下で"(×,y)を最大化して需要関数(demandfunction)
x=x(p,9,/),y=y(p,9,ノ)
と所得の限界効用(mariginal util ityof income) 入=入(p,q,ノ)
を得ることです.
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Lg開集合の例
以下のR2の部分集合は開集合です.
eR2
④上半平面
", ;={(x,y)ER2;y>0}
・第1象限(1StQuadrant)
R4+:={(x,y)ER2; x,y>0}
・開円盤
(
QT2キSP
Br(Po) :、PER2i d(P,Po)<r}
7/犯 属微分係数と極大 極小の必要条件
hlohld,'HI T堵
開集合一反例
以下のR2の部分集合は開集合ではありません.
ePOER2のなす集合{Po}
●閉上半平面
Fi :={(x,y)ER2;yZ0}
●閉第1象限
恵手:={(×'y)R2; ×,yZ0}
●閉円盤
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半侭
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開円盤CT246p
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開円盤(OpenDisc)
r>0'Po(a,b)ER2に対して
Br(Po) :={PER2; d(P,Po)<r}
を中心PO,半径r>0の開円盤と呼びます. こ こでd(Po,P)は2点Po,Pの距離です. P(x,y)
のとき
〃
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P[:P)
1
(X−a)2+(y‑b)2 d(Po,P)=」
注意今後「Poの近くで〜」という言い方をしますが, これはある正数 r>0に対して
任意のPEBr(Po)において〜
■微分係数と極大・極小の必要条件 5/Zロ
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│開集合(OPensubsets)CT246P
〜
価
とします. Uが開集合 Lr Uに対してr>0が存 在して
Br(Po) :={PER2; d(P,po)<r}cU ,、(P、)
が成立することです.
注意Uの任意の点POの周りがUに含まれてい るということです.
侭微分係数と極大・極小の必要条件 5/20
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PaltialDifferentiation
R2の開集合〃上の関数
f: 〃→R し
Cx/tj> I‑−−、jfx,3)
が定義されているとします
Po(a,b)EUに対してxの関数 F(x) :=f(x,b)
をX=aの近くで定義できます. さらにy の関数
G(y) :=f(a,y)
をy=bの近くで定義することができます.
6
個微分係数と極大・極小の必要条件 g/麺
N・I 旧h 7
PartialDifferentiation
この状況で,定義の中の極限が存在すれば, Xとyに関する偏微分係数を
F(x)LへJ−FLQ)
F(。、)
− 二二
&(a,b) :=F'(a) 、ー X−ナa X−a
f(a,y)‑f(a,b) フー→Qへ フc一c,
4(a,b) :=G'(6)=lim
y→b y−b
と定義できます.
Et(1)‑G(e.)
3−途
=II,
1‑se
'0/和
| 優微分係数と極大・梗小の必要条件
『』伯&。 「ITb l
」
PartialDifferentiation‑Anexample
R2上の関数
f(x,y)=x3+2xy2+y3 について考えます. (alb)ER2の周りで考えるとして
F(x) :=f(x,b)=x3+2×62+63,G(y) :=f(a,y)=a3+2ay2+y3
と定義します. このとき
F'(x)=3x2+262, and G'(y)=4ay+3y2
から
f<(a,b)=3a2+2b2, i,(a,b)=4ab+362
を得ます.
| ■微分係数と極大・極小の必要条件 皿ノユ、
nM, j, , , ! 『OS
−−−1
ー一七
c、ぐ‑‑s,C‑ c・eS ‑e−
1変数の極大点(極小点)一定義
開区間]a,6[上の関数f: 1a,6[→Rが与えられているとき fがt==cで極小(resp.極大)
今ある6>0に対してfが1c‑6,c+6[上最小(resp最大)
ー
今ある6>0に対して
f(t)Zf(c) (c‑6<t<c+6)
c、m、'rf
. l .(昂
P)
resp.f(t)≦f(c)
一紅
イ −−
6
t=C
Ij l I l TI]垂 傷微分係数と極大・極小の必要条件 狸/
非虫〈, 手山痕
1変数の極大点(極小点) CT104‑105ロ
Q (一 セエ
微分可能な1変数関数の極小点(極大点)に関する次の定理を紹介します
Theorem
微分可能な関数f: 1a,bl→Rがあるとします. fがcE]a,b[で極小(極
大)ならば
f'(c)=0
』
注意これは中身を理解して欲しい定理です.
▲=三一 一アー<‑−
| 傭微分係数と極大・極小の必要条件 ユヨ/即
Ⅱf]ト,、, 11卜 1.C弓
U
Minimal (Maximal)PointsCT268p
P,。! RI) z,、晶、j 、
R2の開集合(ノ上の関数
f: U→R [「、岬ボ瞳)
に対して, fがPo(a,b)で極小(resp極大)であるとはある6 ゞ 在して
f(×,y)≧f(a,b) ((×,y)EB6(Po))
〜
(resp
f(×,y)≦f(a,b) ((×,y)EB6(Po))
〔弐
61
)
が成立するときです.
| 煽徴分係数と極大・極小の必翠条件 14/2ロ
M1jI Ml. 『
Minimal (Maximal)Points-TheoremCT269p
R2の開集合U上の関数
f: U→R
がUの各点PEUでx,yについて偏微分できると仮定します.
Theorem
fがPo(a,b)E〃で極小(極大)ならば
f(a,b)=4(a,b)=0 (1)
』
が成立します.
この状況で(1)を満たす点Po(a,b)をfの停留点と呼びます.
望/
| 傷微分係数と極大・極小の必要条件
NhhM』 Iト 11日弓
l
Minimal (Maximal)Points‑Sketchofproof
fがPo(a,b)で極小とします. このときF(x)=f(x,6)はX==aで極小と
なります.実際
f(x,y)之f(a,b) ((×,y)EBJ(Po))
から 従っ
とな
であ 気
鱈垣一
特z鞘
15ノ 気| 侮微分係数と極大・極小の必要条件
咄1F1」、'$I』J 「
」
Minimal (Maximal)Points‑Anexample
関数
f(x,y)=x2+4xy+2y2‑6x‑8y
q■■ ー
について考えます.
08 60 −00
0||勺一一
十6十8 1−1− yy・y44×4 −−4一斗イト斗 xX一x 2204 1j yy xx iifり
を解くと, (x,y)=(1,1)がfの唯一の停留点であることが分かります
ー謂露丁悪電・極小の必要条件 z7/20
= 2・ c‑t‑(+、斗二−8To o・S
閉り ‑耐
:総説《、 フ
鐇
Nhh,、『Ⅱ, T[巧
込今 at・ ct・
1
|
クラメールの公式CT205‑206p
一
工い
連立1次方程式
{群%二
を考える・ yを消去するために(1)×.
式
・ ・ (1)
…(2)
×bを考える.
a
β
+bdy +bdy
αd βb adx
bcx
:==
‑) ==三
(ad‑bc)× =αd−βb xを消去するために(1)×c‑(2)×aを考える.
α即J︑a
++aaaa
αC
βa
ニーニ
‑) 二二二
(bc‑ad)y=oIc−βa
偶微分係数と極大・極小の必要条件 暉/ZO
│ lJ トu,」咄,T⑪弓
行列式・クラメールの公式
一
行列式
これを用いると
特にD:=│:31≠0のとき
⑬: '一吉: ③
1
x=万
これをクラメールの公式と言います.
ト' ・' ・u 1lkT,癌 | 傷微分係数と桶大・極小の必要条件 19/調
クラメールの公式一例
{融iリ 麺
を解きます.
。=│: :'‑24℃ =‑8≠
からクラメールの公式が適用できます.実際
11 11 88 くく
181811 46 84 48 62
11818X:二二一
y=‑
傭微分係数と極大・極小の必要条件 加/釦
1,1J '4, 1』klT