注意これは講義ノートではありません。計算の要点を抜粋しただけのものです。統計力学II (後期) 2006/12/8, 0915-1045@3-371
10-A 波の状態密度
三次元の箱に閉じ込められた波を考える。境界条件は、両端節とすると振幅は、
( )
r t E k r t Er r, = r0sin r⋅r⋅sinω但し、 = n
(
= x,y,z; na =1,2,3L)
k πL α
α α
∴ x2 2y z2 nx2 n2y nz2 c L
k k k c k
c = + + = + +
= π
ε h h h
ε より小さなエネルギーの状態数は、 n2x n2y nz2
c L + +
> π
ε h を満たす
(
nx,ny,nz)
の数 この不等式が球を表すことと、nrの成分は全て正であることから、
( ) ( )
{ 3
( )
38 1
6 3
4 8
1 ⎟
⎠
⎜ ⎞
⎝
⋅ ⎛
⎟ =
⎠
⎜ ⎞
⎝
⋅ ⎛
⋅
= π
ε π π
ε ε π
3 h 2
1hr c
L
n c
L
モード数
モード数
球
N ,
( )
ε ε
∂
= ∂N D
10-B モード数
同じ
(
nx,ny,nz)
に縮退している状態の数のこと。・スピン縮退=2S+1 (質量ゼロの粒子を除く)
・光子=横波(水平偏波・垂直偏波)の二つ
【余談】日本の地上波
TVは水平偏波、欧州は垂直偏波が多い
・単原子物質の格子振動=縦波1つと横波2つ(水平偏波・垂直偏波)の三つ
・化合物の格子振動=構成元素数×3 10-C 光子集団のエネルギー分布
箱に閉じ込められた光子(溶鉱炉など)の振動数の分布
まずモード数は、2つなので
( )
2( )
3 23 ε
π ε π
π π
ε h ch
V c
D L ⎟ =
⎠
⎜ ⎞
⎝
= ⎛
( ) ∫
∫
∞ − = ∞ −= 0
3
0 ε ε1 ε ε 1 ε
βε
βε d
A e e d
E D
( ) ( ) ( ) ∫
∫
∞⎟⎠
⎜ ⎞
⎝
⎛
∞
≡
= −
= −
0
3 0 3
3 3
,
1 8
1
8 dv
T u
e h c v V
h e d
h ch
V
h h
4 48 4
47
6 ν
ν π ν
π
ν β ν
β
プランクの熱輻射式
(
T)
u ν, のグラフを右下図に示す
山の頂上の位置を求めるために微分すると、 ∝3 2
(
−1)
− 3 =0∂
∂ ν β ν ν β β ν
ν
h
h he
u e
となり、
1 β ν β3hν e h =
− − という超越方程式になる。
(指数関数や三角関数などを含んだ方程式) これでは、解の個数さえわからない。
こういう場合、グラフに書いて考える。
ν βh
x= と置いて、 x e−x
=
− 3
1 となるので、
グラフにすると、交点
x=0及び約2.82が解とわかる。
L 82 . 2
B
=
=
∴ k T
hν hν β
これが「ウィーンの偏移則」
(Wilhelm Wien, 1911ノーベル賞)
※後に出てくるシュテファンボルツマン則は
Joseph Stefan(実験
)と
Ludwig Eduard Boltzmann(理論
)、
1884年
0 2 4 6 8 10
0 0.5 1 1.5
T=1
T=0.707
T=0.5
ピーク位置∝T 面積∝T
4エネルギー∝ν
光子の数∝
ux f (x)
3 1−x e−x
1
3
注意これは講義ノートではありません。計算の要点を抜粋しただけのものです。統計力学II (後期) 2006/12/8, 0915-1045@3-371
10-D なぜ、緑の星はないのか。
温度を上げると、最も多い光子の振動数は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、と
増えて行くはず。しかし、現実には緑の星は無い。⇒ 高温ではいろいろな色が混って白色になる
10-E 光子集団の全エネルギー
( )
∫
∫
∫
∞ − = ∞ − −− = ∞ − + − + −= 0
2 3
0 3 3 0 3
3
3 8 1
1 8
1
8π ν ν π ν ν π ν β ν β ν β ν ν
ν β
ν β ν
β h e e e d
c d V e
e h c
d V e
h c
E V h h h h
h
h L
( )
∫
∞ − + − += 0
2 3
3
8π ν βhν βhν L
e e
c h V
ステファンボルツマンの法則
3 3
4 4 B 5
15 8
h c
T π k
= :意味=温度を上げると光子のエネルギーも上がる (青が増える)し、光子数も増えるので、全エネルギーは、温度の4乗となる。
10-F 固体の格子振動
【フォノン】振動している状態を粒子(フォノン)が居る と見なす。そうすると統計力学で簡単に扱える。
【準粒子】フォノンのような粒子を準粒子と呼ぶ。固体 の中には他にも様様な準粒子が居る。
【光との違い】 格子振動には、最大波数(最小波長)
が存在する。これをデバイ波数と呼ぶ。
飛び飛びに存在している格子点を振動させると、細 かい振動は、振動していないのと同じ(右図)。
よって、エネルギーを求める積分を行う際に、積分範 囲が∞でなく、上限が付く。
⇔ 光子は、いくらでも細かく振動できる(=大きな波 数を持てる)のでそういうことはない。
10-G デバイ近似(Debye) 1) 波の速さを一定とするω =ck
⇔ 実際は振動数によって異なる。一次元鎖ではω ∝sinka
2) 最大波数を全自由度(=粒子数×モード数)から決定する:
∫
0 D( )
=ε D ε dε 3N 一つの粒子の自由度は、xyzの各方向に振動できるので3つである。
( )
33 3232 π
ε ε π
⎟h
⎠
⎜ ⎞
⎝
= ⎛
c
D V より、 N
c
V 3 3
2 3
3 3 3 D
3 =
π ε π
h 但し、εD ≡デバイエネルギー これから、デバイ振動数ωD=εD h、デバイ波数kD =ωD cなどが求まる。
10-H デバイ近似による固体の比熱
∫ ( )
−∂
= ∂
∂
= ∂ D
0 1
ε ν
βε ε ε
e d D T
T
C E h = ∂∂
∫
0D −3
1
ε ε β
ε ε e
d A T
→0
T では、 ≈∂∂
∫
D − = ∂∂∫
0D − 3 40
3 x x
x d e x A T T
d e T A
C ε ε βε ε 但し、xD= βεD なので、積分範囲を∞にしてよくて、C ≈T3×const. ─Debye比熱
フェルミオン フォトン(ボソン) マグノン(ボソン)
金属の比熱=自由電子の比熱+格子振動の比熱 + スピンの比熱 +・・・・・
γT aT3
0 2 4 6 8 10
ゆっくりした振動と同じ