Risanteki sentaku : kakei rodo kyokyu no moderu to keisoku
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(3) 離散的選択:家. 計労働供給のモデル と計測*). 1992年5月. 松野一彦 中央大学. *)こ. の 論 文 はKEO観 音 崎 シンポジ ウムに 提 出 さ れ た論 文 の 一 部 を 改 訂 し た も の で あ. る 。 シ ン ポ ジ ウ ム で は 種 々 の コ メ ン トを 頂 き 、 そ の 際 の 出 席 者 に 感 謝 す る 。 本 稿 は プ レ リ ミ ナ リー な もの で あ り 、 こ こ に 含 ま れ る 不 備 な 点 や 論 旨 に か か わ る コ メ ン トを 歓 迎 す る 。.
(4) 離散的選択:家. 計労働供給 のモデル と計測. 松 野 一彦. 1.. 序. 離散的選択の観点か ら家計の非核世帯員にっいての労働供給 モデルを構成 し、 その測定を行 う。新古典派的な労働供給モデル に代えて、離散的労働供給モ デル の一般型式 を提示する。 この型 式の内で一変量離散的選択 と呼べ るモデルを詳 し く展開する。一変量モ デルの応用例 として、複数非核世帯員の雇 用就業行動 を叙 述 するいくっかのモデ ルを導 く。そして、各モデルの説 明力を確 かめ るため の測 定 を行 う。更 に、測定 に伴 う統計学的問題を検討する。 従来の家計労働供給 分析では対象 となる労働供給者 は1名 で あった。この1名 が 雇 用 機 会 に 就 くか 就 か な い か の モ デ ル が 展 開 さ れ て き た 、Obi(1968)、 69)を. 参 照 。 あ る い は 、 こ の1名. 小 尾(19. の 供 給 者 が 労 働 時 間 の 異 な る い くっ か の 雇 用 機. 会 の 内 ど れ に 就 業 す る か の モ デ ル が 展 開 さ れ て き た 、 樋 口(1981)、 麓atsuno『(1988) を 参照. 。. こ れ らの 分 析 の 延 長 と し て 、本 稿 で は 特 に 家 計 内 に 複 数 名 の 労 働 供 給 者 が い る 場 合 を 扱 う 。 例 え ば 、 家 計 の 非 核 世 帯 員 で あ る 妻 の 他 に 就 業 可 能 な 子 女 が1名 あ る い は2名. 、 い る場 合 を考 え る。従 来 の 分析 結果 を援 用 す れ ば 、 世帯 主 所 得 が 上. 昇 す れ ば 非 核 世 帯 員 の 労 働 供 給 は 減 少 す る と 考 え ら れ る 。 しか し 、 複 数 名 の 非 核 世 帯 員 が い る 場 合 に は 労 働 供 給 の 構 造 は よ り複 雑 に な る 。 複 数 名 の 非 核 世 帯 員 の 内 で 、 何名 が 、あ るい は誰 が 就業 す るの かが 問題 にな る 。. 展開 される数種類の モデルは複数名 の非核世帯員の雇用就業行動を分析 するた め の も の で あ る 。 この た め の 離 散 的 労 働 供 給 モ デ ル の 一 般 型 は 第2節 る 。 こ の 一 般 型 の 一 例 で あ る 一 変 量 離 散 的 選 択 の モ デ ル は 第3節 れ る 。 こ の 結 果 を 用 い て 、 非 核 世 帯 員 が1 、2あ. る い は3名. 行 動 モ デ ル が 導 か れ 、 そ の 説 明 力 の テ ス トが な さ れ る(第4. 一1一. で 示 され. で 細 か く展 開 さ. い る場 合 の 雇用 就業 、5、6節)。.
(5) 測定 に利用 で きるデ ータは1時 点の横断面資料であ り、 したが って測定 され る パ ラメタはモデルの誘 導形パラメタである。そのため、厳密なモデルのテス トま で は行われず、検証基準 は主 として横断面資料 に対する適合度 とな る。む しろ、 導 かれたモデル を用 い て観察結果 の整理 をし、複数非核世帯員の場合の就業率 曲 線 を得 るとい うのが実証分析の 目標である。 モデル に登場す る確 率的パラメタの分布を測定によって決定す る。いくっかの 代替的特定化 をこころみてその妥 当性を比較 する。これは正規分布の特定化 と対 数 正規分布の特定化の比較であ り、効用関数 の中の どのパラメタを確率的パ ラメ タ とす るのかの比較で あ る。 種々の特定化 におけ るモデルの識別問題が検討され、推定に用 い られる尤度関 数の性質が検討 され る。. 2.. 離散 的家計労働供給 のモデル. 本節では多変量離散 的選択のモデルの一般型式を提示 してお く。問題の発端 か らして家計労働供給 を例 にして提示 する。このモデルの特殊ケー スが次節で述べ る一変量離散 的選択のモデルであ る。. 2.1. 非 核 世 帯員 労 働 供給 モ デ ル. 勤労者家計を考 え、 この家計 は勤労者である核所得者(夫)と 複数名の非核世 帯員(妻 及び子女)か ら成 るもの とす る。非核世帯員 の内就業可能なものをM名 とす る、ただ し義務教育過程 にあ る就業不可能な児童 を除 く。家 計の余暇=所 得 に関する選好 を効用関 数 CJ=W(X・A・. ・… ・A・). で 表 す 。 こ こ でXは. 家 計 の 総(実. (2 質)所. 得、. m,m=1. ,...,. M,は. 第ID番. .1). 目の非. 核世帯員の余 暇時間で ある。 第m非 核 世 帯 員 が 賃 金 率Wrn労 ら 、 所 得 と余 暇 は. 働 時 間hmの. _2. 雇 用 就 業機 会 に就 い た とす るな.
(6) H X=1+ΣWrn h rn m=1 A船=T-hn,. (2.2a 0=1,_,. x,. と い う予 算 制 約 式 で 表 さ れ る 。 こ こ で 核 所 得1は の 収 入 を 示 し 、Tは. 家 計 の 非労 働 所 得及 び 核 所得 者. 非 核 世 帯 員 の 共 通 な 総 持 ち 時 間 で あ る 。労 働 時 間 が 供 給 者 の. 自 由 な 裁 量 に 任 さ れ る な ら 、 最 適 労 働 時 間 は 、 制 約(2.2)の. も と で 効 用(2,1). を最 大 化 す る こ とに よ って得 られ る 。この 最 適労 働 時 間 は次 の限 界 効 用 均等 式 を 満 たさな けれ ば な らな い、 Wmaω/∂X=dω/δAm,. m=1,_,M.. (2.3). も し労 働 時 間 は プ ラ ス の 値 し か 採 らな い 、 そ し て 労 働 時 間 はTを う 条 件 を 考 慮 に入 れ る な ら 、(2.3)の. 解hmが. 越 えな い とい. 非 正 の と き最 適 労 働 時 間 は ゼ ロ と. す る 。解 が ゼ ロ 以 上 でT以. 下 の 値 な らば 、 そ の 値 が 最 適 労 働 時 間 で あ る 。 そ し て. 解 がTを. 最 適 労 働 時 間 で あ る 。 こ の よ うな モ デ ル を 新 古 典 派 労. 越 え る な ら、Tが. 働 供 給 モ デ ル と 呼 ん で お く 。詳 し くはSmith(1980)に. お け る諸 論文 を参照 。. こ の 新 古 典 派 モ デ ル で は 、 あ る労 働 供 給 者 に提 示 さ れ た 賃 金 率W.の. 就業機会. は こ の 供 給 者 だ け に 開 か れ て い る と仮 定 しな け れ ば な ら な い 。 さ も な け れ ば 、 労 働 時 間 が 調 整 可 能 で あ る 場 合 、 す べ て の 供 給 者 は 皆 賃 金 率 が 最 大 で あ る就 業 機 会 に 集 中 し て 、 よ り 低 い 賃 金 率 の 就 業 機 会 に 就 く者 は い な くな る 。 一 番 高 い 賃 金 率 の も とで の 最 適 労 働 時 間 を 選 択 し て し ま う 。 以 下 で 述 べ る モ デ ル で は 市 場 に 提 示 さ れ て い る 就 業 機 会 が す べ て の 供 給 者 に 開 か れ て い る と して も 、 結 果 と し て 種 々 の 賃 金率 へ の就 業 が 並 存 しう る。. 2.2. 離 散 的 労 働供 給 モ デ ルの 一般型. 次 に述 べ る の は 、 上 の よ うな 新 古 典 派 労 働 供 給 モ デ ル と は 異 な り 、労 働 時 間 の 自 由な 調整 はで きな い とす るもの で あ る。非 核 世帯 員 は雇 用就 業 機 会 に直面 し 、 需 要 側 か ら提 示 さ れ た 就 業 条 件 を 拒 否 す る か 受 諾 す る か だ け の 選 択 が 可 能 で あ る と す る 。 こ の 就 業 機 会 に お い て 賃 金 率Wm 条 件 で あ る 。 第m番. 、 労 働 時 間hmは. 需 要 側 か ら与 え られ た. 自 の 非 核 世 帯 員 の 供 給 行 動 は0と1の2っ. 変 数 δ 。 で 表 さ れ る 。 δ 。=0は. 就 業機 会 の 拒 否 、. モデルは. 一3一. m-1は. の 値 を と る2項. 受 諾 を 表 す 。 この 時の.
(7) W=W(X,A1,_,. A口),. M X=1+Σ 腎mhmδ,,, m=1. (2.4). n.m-T一}lmCS m, δ 。=0ま. た は1,. a=1,...,H,. と な る 。 予 算 制 約 は 連 続 的 な 領 域 で は な く 、2” 個 の 離 散 的 な 点 か ら の 選 択 を 意 味 す る 。対 応 し て 、効 用 は CJ=CeJ(1+Σwrn. h rn. δ.の. 関数. m,...,T-hmδm,...). =ωi(δ1,...,δM). (2。5). に な る 。 効 用 最 大 を 求 め る に は2”. 個 の 点 に 於 け る効 用 の 値 を 比 較 しな け れ ば な. ら な い 。 な お 、 い ま ま で の 記 号 法 に お け るX」 合 はx(ji)と. の 添 え 字jが. 二 重 のjiに. 書 く事 に す る 。. 上 の モ デ ル を 一 般 化 し 、 少 し 形 式 を 変 え て 書 く 。 第ID番. 目 の 非 核 世 帯 員 にJ.. 個 の 就 業 機 会 が 開 か れ て い る 場 合 を 考 え る こ と に す る 。 第ID非 た 第j・. な る場. 就 業 機 会 の賃 金 率 と労働 時 間の 組 合 わ せ は. だ し 、 炉1,...,K,. j,nr1,...,J。. とす る。変 数. 核 世 帯 員 に 開 かれ. 【w(j。),h(j.)1で. δ(j。)は. ある。た. 離 散 的 な0と1の. 値. を と り、 モ デ ル は ω=ω(X,A1,_,. M),. Jm X=1+Σ. Σw(jn)h(1m)δ(jm), ID=1. J rn=1 .1rn. m=T一. Σ. h(jm)δ(jm),. (2.6). j。=1 δ(Jm)=o,1,. jm=1,...,Jrn,. Jnt Σ. δ(jm)=1,. m=1,..りM,. 」。=1. と書 かれ る 。 この 場合 な ら. m=iMJm個. の 点 に於 け る 効 用 の 比 較 を す る こ と に な. る 。. 複 数 非 核 世 帯 員 の モ デ ル(2.4)あ. る い は(2.6)の. 一4一. 解 を求 め る の は今 の と ころ.
(8) ま だ その 内 の特 殊 ケ ー ス にっ い て だ け可 能 で あ る 。 これ を一 変 量 離 散 的選 択 の モ デ ル と呼 ぶ 。 し た が っ て こ こ で は 、 特 に 非 核 世 帯 員 が1名. の 場合 に限 ってモ デル. の 展 開 を 行 う 。 す な わ ち 効 用 関 数(2.6)が ω=ω(X,A1). (2.7). と な っ て い る 場 合 で あ る 。 こ れ が 次 節 以 降 の 課 題 で あ る 。 た だ し複 数 名 の 非 核 世 帯 員 に っ い て の 分 析 で あ っ て も 、 上 の 枠 組 に 納 ま る よ う に構 成 す る こ とが で き る 場 合 が 多 い 。 そ の 意 味 で は 非 核 世 帯 員 を1名 る 。 第4節. と したモ デ ル で も 十分 に一般 的 で あ. 以 降 は複 数 名 の非 核 世 帯 員 を も対 象 と した種 々の 労 働 供給 モ デ ル を提. 示 し そ の 検 証 を 行 うが 、 い ず れ の モ デ ル も 一 変 量 モ デ ル の 応 用 例 に な っ て い る 。. 3.. 一 変量 離 散 的 選 択 のモ デ ル. 本節では一変量離散 的選択のモデルの型 を提示 し、このモデルの諸性質を示 し て お く 。 こ の モ デ ル の 応 用 と し て 複 数 非 核 世 帯 員 の 労 働 供 給 モ デ ル が 後 の 第4 、 5・6節 で展 開 され る 。 な お こ こで のモ デ ル と従来 の 離 散 的 選択 のモ デ ル あ るい は 質 的 反 応 の モ デ ル と の 違 い は 松 野(1991a)で. 3.1. 示 され て い る 。. ___.,変 量離散的選択のモデル. い ま属 性(ベ ク トル)S、 例 え ば 核 所 得 等 、 を 持 っ 家 計 を 考 え る 。 こ の 家 計 はJ 個 の 選 択 肢 ξ 」(j謬1,_,J)に 直 面 し 、 そ の 中 か ら効 用 最 大 を も た ら す も の を 選 択 す る と考 え る 。J個. の 選 択 肢 は そ の 属 性(ベ. 働 時 間 、 で 特 徴 付 け ら れ る 。家 計 が 第j選 の 関 数 と し て の 属 性(N次 Z」 ㌔ 【Z1」,Z・ =Z(S,. ク トル)Xj. 、例 えば賃 金 率 や 労 択 肢 を 採 っ た 時 の 状 態 はsとXjと. 元 ベ ク トル). 、,_,Z、j】. Xj),. (s.i) j=1,...,. J. で 特 徴 付 け ら れ る も の と す る 。 そ し て 、 属 性sの ωj=θ1期Zl」+θ =θ1幽Z7j+V1,. 家 計 が 第j選 ・'Z・ 」+…+θ. 択 肢 を 採 っ た と き の 効 用 を. 、・'ZN; j=1,..,. 一5一. J. (s.2).
(9) と 特 定 化 す る 。 効 用 関 数 は パ ラ メ タ θ'お が 、 も との 変 数S,Xに 辺 の 第2項. よび 変 数zに. っ い て一 次 式で あ る. っ い て は 必 ず し も線 形 で は な い 。 こ こ でVlは. 上式の右. 目以 下 を表 し. v;=82'z2;+...+8N'zN;. (3.3). で あ る 。 た だ し 、 一 般 的 に は 必 ず し も θ',Zの. 一次 式 でな くと もよ い 。非 線形. の 場 合 は測定 の計 算 法 が複 雑 にな る 。 パ ラメ タの 内 のひ とっ 、例 えば. θ ド 、 を 密 度 関 数f(8,”)を. 持 っ確率 的パ ラ. メ タ で あ る とす る。 θ1.∼f(θ ユ亀), た だ し 区 間(r,R)は. r<θ1白 〈R,. (3.4). 分 布 の レ ン ジ で あ る 。 他 の パ ラ メ タ θ'は 恒 等 的 に θ に. 等 し い も の と す る 。 分 布 型fと. し ては い ろ い ろな もの が利 用 で き るが 、後 の測 定. で は 正 規 分 布 、 あ る い は 対 数 正 規 分 布 の 特 定 化 が 試 み ら れ る 。(3.2)の. よ うな 線. 形 モ デ ル で 、 正規 分 布 の特 定 化 を 採 用 した場 合 、測 定 は 本 質 的 に は線 形 モ デ ルの 測定 にな る 。 た だ し、 対 数 正規 分 布 の 特定 化 を採 用 し た場合 で は 、非 線 形 モ デ ル の 測 定 に な る 。 な お 、 本 稿 で は 確 率 的 パ ラ メ タが 一 個 だ け の 場 合 を 扱 う 。 複 数 個 の 確率 的 パ ラ メ タを扱 うの が多 変 量 モ デ ルで あ る 。 確 率 的 パ ラ メ タe,. に付 随 す る 変 数zl」. に っ い て は 、 一 般 性 を 失 う事 な く 、. 順 序 付 け られ て 、 Z11>z12>'。 ●>zlJ と す る 。第i選. (3.5). 択 肢 とj選. 択肢 の効 用 の 差 を 計算 す る と. ω ・ 一ω 」・(z1・一zlj)(θ1㌔y・1), た だ し 、 臨 界 値yi」. y・j=(v・ 一v・)/(zlj-z1・),. と 定 義 さ れ る 。vが. (3.6). は i,j=1,_,. J,. i≠j. (3 .7). パ ラ メ タ に っ い て の 線 形 関 数 な ら臨 界 値 もパ ラ メ タ に っ い て. 線 形 関 数 に な る こ とが わ か る 。 そ し て 、 次 の 諸 定 理 が 成 り 立 っ 。 証 明 は 松 野(1984)、Matsuno(1985)を 定 理1:. 家 計 が 順 序 付 け ら れ た 選 択 肢 集 合.,u{ξ. 直 面 し て い る と し 、 家 計 の 所 得=余 タ. θ1.の 分 布 は(3.4)と. 暇 の 効 用 関 数 は(3. す る 。家 計 が選 択 肢. 条件は. 一6一. 亅,...,ξis...,ξ. .2)と. 参照 。 」}に. す る 。確 率 的 パ ラ メ. ξ1を 選 択 す る た め の 必 要 十 分.
(10) R>ylk,. k=2,...,. J. (3.8). で あ る 。 ξj(j=2,...,J-1)に. っ い て の 必 要 十 分 条 件 は. y.j>r, yij>yik>y」k,. i=1,...,. j-1. R>y」k,. k=j+1,...,. (3.9). J. で あ る 。 ξ」 に っ い て は yiJ>r,. i=1,...,. J一・1. (3.10). で あ る 。 定 理2:. 定 理1の. 条 件 の も と で 、 各 臨 界 値y12,. Y13,...,. yJ-1Jが. 定 義 さ. れ 、 条 件 R>y12>y23>y34>…. >yJ-2J-1>yJ_l」>r. (3.11). を 満 た す 時 、 そ し て こ の と き だ けJ個 定 理3:. J個. 全 て の 選 択 確 率 が プ ラ ス に な る 。. が 全 て 選 択 さ れ る 時 、 選 択 肢jが. 選 択 さ れ る 確 率Pjは. R P,=∫. f(θ1.)dθ1亀. Y12 Y]2P. 2=S. f(θ1ゆ)dθ1燈. (3 .12). Y2a. YJ-1J P .,=S. f(θ1宀)dθ1磚 r. ,. と な る 。. パ ラメタ θtを. θユ'は 家 計 の 母 集 団 に 関 して の 確 率 分 布 に 従 い 、 あ る 家 計 は 大 き い. 持 っ て い る し、他 の 家計 は小 さ い. y23とy12の. 間 の 大 き さの. な る 。y34とy23の 家計の選択は. 間 の. θ1'を. も っ て い る 。そ して. θ1噫 を も っ て い る 家 計 は 選 択 肢. θ1吻 を も っ て い る 家 計 は 選 択 肢. 臨界 値. ξ、 を 選 ぷ こ と に ξ、 を選 ぷ. 、等 々 。. θ ジ の 大 き さ に 従 っ て 順 序 付 け ら れ 、 選 択 確 率 は 密 度 関 数fに. っ て 決 定 さ れ る 。 次 の 定 理 で はX;の. 添 え 字iが. 二 重 のijに. な る場 合. 、 x(ij). と書 いて あ る。 定 理4:. 選択 肢 集 合. ξ(j.),_,ξ(j鬥)}を. 菖 のM個. の 要 素 か ら な る 部 分 築 合G={ξ(」1),...,. 考 え 、 変 数z,に. っ い て. 一7一. よ.
(11) z1(j1)〉 ・・。>zt(jm)〉 … >z1(jM). (3.13). と 順 序 付 け ら れ て い る も の と す る 。 そ し て 補 集 合Gーを 択 確 率 ゼ ロ を 持 っ と す る 。 こ の 時Gの. 考 え 、GCの. 要 素 は 全 て選. 全 ての 要 素が プ ラ スの 選 択 確 率 を持 っ ため. の 必要 十分 条 件 は R>y(j1,. 」2)〉。・。>y(jm-1,. jm)〉 ・・6>y(j門_1,. jM)>r. で あ る 。 ま た 、 こ の と き 、 各 選 択 確 率 は(3.12)の と あ る と こ ろ をy(」. 。一1,j。)に. (3.14) よ う に な る 。(た. だ し 、yj.Ij. 書 き 換 え る 。). 以 上 の モ デ ル の 主 張 は 次 の よ う に ま とめ ら れ る 。 い く っ か の 離 散 的 選 択 肢 が あ る と す る 。 選 択 肢 を そ の 属 性Xjに. よ っ て 順 序 付 け る 。 各 階 層 の 選 択 確 率P,,. P2,_,. 横 軸 に と っ たグ ラフ を考 え る。 この 時 、個 々. P」 を 縦 軸 に と り 属 性Sを. の 選 択 確 率Pjの. 動 き は ど う な る か わ か らな い が 、 集 計 し た選 択 確 率 R. Qm=Pt+…. はSの. +Prn=∫ ym-1m. f(θ1亀)dθ1申. (3.15). 減少 ま たは増 加 関 数 にな る。 どち らにな るか は. ∂ym-1rn/asの. 符 号 に依. 存 す る 。 こ れ が モ デ ル の 帰 結 で あ り 、 こ の こ とが 成 立 し て い る の か ど うか を 調 べ る のが 以 下 で 行 われ る実 証 分 析 の 課題 で あ る 。. 3,2. 尤 度 関数. 属 性Sの. 値 に 応 じ て 家 計 群 をK個. も っ 家 計 の 個 数 をnkと い る も の と す る 。 第k階 n2k個. が. ξ2を. 率(尤. 度 関 数)は. L・・ 賑. の 階 層 に 分 け る 。 属 性Sk(k=1,_,. す る 。 ど の 階 層 に 属 す る 家 計 もJ個 層 のnk個. 選 び 、,..、n」k個. の 家 計 の 内 、 n1レ 個 が 選 択 肢 が. ξJを. K)を. の 選 択肢 に直面 して 9を. 選 び、. 選 ん だ とす る と 、 こ の 事 象 の 確. 多項 分布. !認;7;蕭P1餮lk鎚. 警k…P・. 餮Jk. (3.16). と な る 。 こ こ で. Plk嵩. R ∫ y12k. Y12kP 2k詔 ∫ y23k. f(θ1.1θ1)dθ1・. f(θtilθ1)dθ1由. (3.17). 一8一.
(12) .. .. yJ-1Jk P Jk=S. f(θ1白iθ1)dθ1幽. r で あ る 。 た だ し 、 θ1は. 密 度 関 数fの. yijk=(Vik-V」k)/(zljk-zlik), Vjk=θ2wZ2jk十.● Z」k'・ 【ZiJ、, =Z(Sk,. パ ラ メ タ(ベ i,j=1,...,. ク. J,. ト ル)で. あ る 。 さ ら に 、. i≠j. (3.18). ○十 θN`ZNlk Z2jk,_,. ZNj、1. XJ),. j=1,...,. J. で あ る 。 K個. の 階 層 に っ い て の 実 験 が 独 立 な ら 、 全 体 と し て の 観 測 値 を 得 る確 率 は. K. L=II. Lk. (3.19). k=1 と な る 。 こ の 関 数Lは X2・ …. ・XJ)}を. 、 観 察 値{(nk,. n!k,...,. nJk,. 所 与 と し た 場 合 、 パ ラ メ タ81,θ2. Sklk=1,...,K),(X1 ,...,. BNを. , 推 定 す る た め. の 尤 度 関 数 で あ る 。 こ の 関 数 の 性 質 は 後 で 調 べ る 。. 4. 非核世帯員1名 の雇用就業行動. この 節 で は 非 核 世 帯 員 が1名 で あ る 場 合 の モ デ ル を 構 成 す る 。 こ の モ デ ル の 解 は 前節 の 一変 量 離 散 的 選 択 の モ デ ル の に っ い ての 諸定 理 を利 用 して導 か れ る 。そ して導 か れ たモ デ ル の 測定 結 果 を 提 示 す る 。. 4.1. モデル. 世帯主(夫)が 勤労者 で就業可能な非核世帯員が1名 いる家計 を考 える。家計 は次の所得=余 暇 に関す る効用関数 を最大化するよう非核世帯員(妻)の 就業行 動を決めるもの とする。家計の所 得 と余 暇に関す る効用 関数 を ω畦. γ1のX2+γ2ゆX・. た だ しXは. 家 計 の(実. γ3車XA・Ya”A・. 去 γ ・・A・. 質)所. 非 核 世 帯 員 の余 暇時 間 、 γ爾はパ ラ メ タ. 得 、Aは. 一g一. 、. (4.1).
(13) で あ る 。 効 用 関 数 は 変 数 に 関 し て の2次. 関 数 で あ り 、 パ ラ メ タ に 関 し て は1次. 数 で あ る 。 し たが っ て 前 節 の 効 用 関 数(3.2)の 世 帯 員 に対 し て 賃 金 率wと. 労 働 時 間hの. 形 を して い る 。こ の家 計 の 非 核. 雇 用機 会 が 開 か れ て い る場 合 、非 核 世. 帯 員 が 就 業 す る か し な い の か を 考 え る 。 就 業 の 選 択 肢 は 効 用 場[X,A】 wh, T-h]で. 表 さ れ 、 非 就 業 は 点[1,. 関. T]で. の 点 【1+. 表 され る。. 所 得 の 限 界 効 用 の 切 片 項 γ ゴ 、 あ る い は 余 暇 時 間 の 限 界 効 用 の 切 片 項y4.を 確 率 的 パ ラ メ タ と した場 合 を測 定 す る 。 さ らに は 、確率 的 パ ラ メ タの 分布 と し て 、 正 規 分 布 の 特 定 化 と対 数 正 規 分 布 の 特 定 化 を 採 用 し た場 合 の 測 定 を 行 う 。. 4.2. 正 規 分 布 の特 定 化. 正 規 分 布 の 特 定 化 を 採 用 す る に も2っ の や り方 が あ る 。 イ)前. 節 の 定理 を用 い て 、. G`が. 正規分布. γM∼N(γ2,σ2) 従 い 、 他 のy ̄. (4.2) は恒 等 的 に γ に等 しい とい う時 の就 業 確 率 と非 就 業 確率 を計 算. す る。両 確 率 は常 にプ ラス で あ る 。結 果 だ けを整 理 す る と Pr{非 就 業 確 率}=1一 Φ(ξ12) Pr{就 業 確 率}. (4,3). 言Φ(ξ12). と な る こ とが わ か る 。 こ こ で Φ は 標 準 正 規 分 布 の 分 布 関 数 で あ り、 ξ12=一α一βI a=(α. ㌧ γ2)/6. (4.4). a=a'/6 ただし α'=一「 』騨hγ1一(T-h)γ3+(1/w)γ4+{(T一. 歩h)/W}γ5. (4.5). β'=一γ1+(1ノの γ3 で あ る 。方 程 式(4.3),(4.4)が. ク ロ スセ クシ ョンデ ー タを用 い た測 定 の 対 象 に な. る モ デ ル で あ る 。 誘 導 形 パ ラ メ タ α,β 唱が 推 定 さ れ る 。 ロ)次. にya'を. 確 率 的パ ラ メ タで正 規 変 数. γ4“∼N(γ4,s2). (4.6). と す る 場 合 を 考 え て み る 。他 の γ'は 恒 等 的 に γ に 等 しい と す る 。 こ の と き も 前 節 の 諸 定 理 か ら 、2っ. の 選 択 確 率 は 常 にプ ラ ス で あ り 、 選 択 確 率 は. 一10一.
(14) Pr{非 就 業 確 率}31一 Φ(x12) Pr{就. 業 確 率}. (4.7). 詔Φ(Xi2). と 書 か れ る こ とが 分 か る 。 こ こ で x12=a十bI a=(a㌔. γ4)/s. (4.8). b=bソs た だ し、 a`=吉w2hγ1+wy2+w(T-h)γ3一(T一 b ̄=wy. 去h)γ5. (4.9). -y3. で あ る 。 こ こ で は パ ラ メ タa,bが ハ)上. の2っ. 測 定 の対 象 にな る 。. の 特 定 化 の い ず れ の 場合 で も、 次の 形 式. Pr{非. 就 業 確 率}=1一 Φ(Z12). Pr{就. 業 確 率}. (4.10). =Φ(Z12). の モ デ ル に 帰 着 す る 。 イ)と. ロ)の. 特 定 化 は 同 じモ デ ル に帰 着 し 、 ク ロ ス セ ク シ. ョ ンデ ー タ に 関 し て 同 等 で あ る 。 こ こ で 臨 界 値 Zi2=A+BI. (4.11). の パ ラ メ タA,Bが. 4.3. ク ロ スセ クシ ョンデ ー タ で測 定 され る。. 識 別 性 と尤 度 関 数 の 検 討. 上 の モ デ ル(4.10),(4.11)の が(3.16),(3.19)で yj_1j. 形 の. 与 え られ 、 臨 界 値 が. =A;_1」+Bj_1jlk,. で あ り 、 分 布fを 3[A12. 識 別 条 件 を 調 べ る 。 一 般 形 で い う と 、 尤 度 関 数. , B12,_, 」=2,A=A,2,. j=2,...,. AJ-1J,. BJ-1J1の. B=B12の. k=1,...,. す る 。 ここ で. θ'. 識 別 条 件 を 検 討 す る 。 上 の モ デ ル は こ の 一 般. ベ ク トル)yの. 同 時 分 布(尤. 度 関 数)を. θ は 分 布 の パ ラ メ タ で 、 パ ラ メ タ 空 間0の. る 。 こ こ で の 分 布Lは(3.16),(3.19)で. 与 え ら れ る 多 項 分 布(の. 次 の よ うに定 義 を す る 。 定 義:. K,. 場 合 で あ る 。. ま ず 諸 概 念 を定 義 す る 。 観 察 値(の L(y,θ)と. J,. 標 準 正 規 分 布 と す る場 合 を 考 え る 。 こ の モ デ ル の パ ラ メ タ. パ ラ メ タ 空 間0の. 一点. θ。 を と り 、. 一11一. 点であ 積)で. あ る。.
(15) L(y,θo)=L(y,θ) と な る 他 の 点 が 存 在 す る 時 、 θ。 と equivalent)で 定 義:. θ は 観 察 値 に 関 し て 同 等(observationally. あ るという。 パ ラ メ タ空 間. θ がOに. ◎. の一点. θ。 を と り 、 θ。 と 観 察 に 関 し て 同 等 に な る. お い て 存 在 しな い 時 、 θ○ は 識 別 可 能 で あ る と い う 。 これ が. 近 傍 に お いて 成 立 す る時. θ。 の. θ○ は 局 所 識 別 可 能 で あ る と い う 。. 識 別 可 能性 を判 定 す る ための 基 準 は次 の定 理 に与 え られ て い る 。 補 助 定 理(Bowden,1978):分. 布L(y,θ)の. パ ラ メ タ θoが 正 則 点 で あ り 、 こ. れ が 局 所 識 別 可 能 で あ る た め の 必 要 十 分 条 件 は 、情 報 行 列Infが に な る こ と で あ る 。(た. 正 値 定符 号行 列. だ し、正 則 点 とは そ の近 傍 で 情 報 行 列 の位 数 が 変 わ らな. い よ う な 点 の こ とで あ る 。) この定 理 を 使 っ て先 の離 散 的 選 択 の モ デ ルが 識 別 可 能 で あ るか を調 べ る 。一 般 的 にJ個. の 選 択 肢 が あ る 場 合 を 扱 っ た前 節 の 尤 度 関 数(3.16),(3.19)を. 情 報 行 列 を 計 算 す る 。 た だ し 、 密 度 関 数fは 列Infを. 正 規 分布 とす る 。基 準 にな る情 報行. 計算 す る と 、. Inf=一E{一. d21agL 一 一一 …一 一}=. K ΣnkZkBkAkBk'Z'5(dθ δ θ, k=1. こ こで. ∵1鰻] Zk,=[1,. も とに. (4 .12). '. Ikj=【1×2】. ∵馴 燗 一12一. (4.13).
(16) Ak=. 1 一一一・. 1 +一 一). =[J-1xJ-1]. -1(. 一一∼. 0. P2kPコk. .... o. -1( ... P34,. O. P2k. 一 LK 2. P. 1 一+一. 1. P2k. Paa:. 一 一). 一…. ●. ・. 0. と な る 。 た だ し. φjk自. 多 項 分 布(3.16)に pF:,=【nlk/nk,。. φ(yj-ljk)で. 1 1 一 一 ・+一 一) PJk. ...(一. (4.15) と き 、. PlkQtk. -PlkP2k. 一P2kPIk. P2kQ^. 一PJkPik. と な る 、Cra皿er(1946,. (4.14). た だ し. 。., nJk/nk]. ck. …. 一P1kPJk. 。・・. 一P2kPJk. ■ ■. o. (4。16). PJkQJk. ● ■. p318)を. =[JXJ]. ■. 参 照 。 た だ しQjk富1-Pjkで. 1`i.k=Ck'WkCk は!nkCk'Pkの. PJ-lk. は 標 準 正 規 密 度 関 数 で あ る 。. 従 う 確 率 ベ ク ト ル!nkPk、. の 共 分 散 行 列 は 、1>Pjk>0の. Wk=. 、 φ. ●. あ る 。 す る と. (4.17) 共 分 散 行 列 に な っ て い る 。 た だ し. 一13一.
(17) 1. 1. Plk. P2k. Ck'=. 0. 鐸【工一1xJJ. 0. 1. 1. P2k. P3k. 0. 0. 0. 0. 1. -. 0. i. P,一,k. で あ る 。 し た が っ て 、1>P」k>0の. (4.18). 10 P,. と き 、Akは. 正 値 定 符 号 行 列 で あ る 。 Bkも. 特 異 行 列 で あ る 。 従 っ て こ れ ら の 積 で あ るBkAkBk'も こ こ で 計 画 行 列(design. 非. 正 値 定 符号 行 列 で あ る。. matrix). (4.19) ㌔1L:::}、]=[z置 の 位 数(rank)が2で. ・…. H2XK]. あ れ ば 、 Z kは. フ ル ラ ン ク の 行 列 で 、 情 報 行 列Infも. 正. 値 定 符 号 に な り 、 モ デ ル は 局 所 識 別 可 能 にな る 。 以 上 を ま と め て 定 理5:. 正 規 分 布 の 特 定 化 の も とで 、 条 件. +◎o>vt2k>…. >yJ_1Jk>一. ◎o,. k=1,...,. K. が 成 り 立 っ て い る と す る 。 そ し て 外 生 変 数 の 観 察 行 列Z” 2)で. あ る とす る とパ ラ メ タ空 間. ⑤. の正 則 点. Z噛 が 位 数 を 持 っ た め の 必 要 条 件 はK≧2で こ の 結 果 を モ デ ル(4.10),(4.11)の. θoは. は フ ル ラ ン ク(位. 数が. 局 所 識別 可 能 で あ る 。 なお 底. あ る。. パ ラ メ タA,Bに. も 適 用 す る こ とが で き. る。次 の定 理 を得 る こ ともで きる。 定 理6: 正 規 分 布 の 特 定 化 の も とで 、(3.19)の 尤 度 関 数Lか ら得 られ る 対 数 尤 度 関 数10gLは パ ラ メ タ θ の 強 凹 関 数 で あ る 。 し たが っ て 、 一 意 な 最 大 点 を もっ 。 証 明:. Pratt(1981)の. 方 法 を 用 い る 。 詳 し く は 松 野(1991b)を. 参照 。. こ の 定 理 に よ り・ 最 尤 推 定 値 を 得 る た め の 収 束 計 算 の 初 期 値 と し て ど こ か ら 出. 一14一.
(18) 発 して も 、尤 度 方程 式 の 解が 得 られれ ば 、 そ れ は 一意 な 最 大値 を達 成 して い る 、 と い う こ とが わ か る 。 本 稿 で は1時. 点 の ク ロ スセ クシ ョンデー タ を もち い た誘 導 型 パ ラ メ タの 測 定 だ. け を 扱 っ て い る 。数 時 点 に 亘 る ク ロ ス セ ク シ ョ ンデ ー タ が あ れ ば 効 用 関 数 の パ ラ メ タ が 測 定 の 対 象 に な る 。 そ の 場 合 の 識 別 性 の 検 討 も こ こ で の 方 法 を 、 さ ほ ど変 更 す る こ と な く 、適 用 で き る 。 こ こ で の モ デ ル に 最 尤 法 を 適 用 し た場 合 の 性 質 の 検 討 に っ い て は 松 野(1991b)を 参照。. 4.4. 測 定 結 果1一 正 規 分 布 モ デ ル ー. (4.10),(4.11)よ. り測 定 さ れ る モ デ ル は. Pr{就 業}零Φ(Z12). (4.20). Zt2=A+BI と い う形 式 で あ る 。パ ラ メ タA,Bが 54年. 推 定 され る。測 定 に用 い た デー タは 昭和. の 「全 国 消 費 実 態 調 査 」 で あ る 。 こ の デ ー タ の 取 扱 の 詳 細 、 及 び 別 の 分 析. に つ い て は 松 野(1988)を. 参照 。. 勤 労 家 計 で 就 業 可 能 な 非 核 世 帯 員1名(妻)が. い る家 計 を 選 ぶ と 、16236家. に っ い て の デ ー タ が 得 られ る 。 核 所 得 に は 世 帯 主 の 勤 め 先 年 間 収 入(万. 計. 円)'を 用. い 、 こ の 核 所 得 の 値 に 応 じ て 核 所 得 階 層 は15階 層 に分 割 し た 。 パ ラ メ タ の 推 定 に は 最 尤 法 を 用 い 、 モ デ ル の 説 明 力 の テ ス トに は 疋2一検 定 法 を 用 い た 。. 表1. 正規分布モデルの測定結果. =塁彎1蕈冨』==嵩=套⊇=_一____B:一____⊥2三 三_一__d二 」f二__を二値 一 一 一 鴨 輔 嘲 幡 一 口 哺 一 髄 幽 一 零 一・鱒on噂 剛 一 ・噛輙 噛 一 鴫 噸 軸8-csss.=;亀==鬻 1-15 i +.090631 一.0021439 1 21.244 13 .073一.055 1. 【2.811. [一22.21】. 10gL. 露3===. -9270.12. 1. ==躍=====_=__====3=詔2累=3詔===自3=冨. 含3言==冒====零. 謡3. 畧=3零. 署=翳 詔呂 觜2=雷==. パ ラ メ タ を 最 尤 推 定 し た も の を 表1に ま と め て お く 。 表 の 見 出 し で 、A・, B・ は 推 定 値 、x2は 適 合 度 検 定 の 為 の 検 定 量 、 P一値 は 有 意 性 検 定 の た め の も の で あ る 。 ま たd・f・ は κ2一検 定 の た め の 自 由 度 で あ る 。 推 定 値 の 下 の. 一15一. 【1内 の 数 値 は.
(19) 漸 近 的t一 値 を 示 す 。 最 大 化 さ れ た 尤 度 関 数 の 値 をlogLと. して掲 げ る 。 こ こで は. デ ー タ を 妻 の 年 齢 等 で 統 御 し て い な い 。統 御 し た 場 合 の 測 定 結 果 に っ い て は 松 野 (1991b)を 参 照 。 こ の 測 定 で はB^=一.0021439と. し て ダ グ ラ スr....有 澤 法 則 と合致 す る負 値 の 推定. 値 が 得 られ て い る 。 ま た 、t一値 は 一22.21で の た め のx2一. 値 は21.24セ. あ り(自. 確 率 す な わ ちP一 値 は.073一.055の は0.01と. あ り非 常 に 有 意 で あ る 。適 合 度 検 定. 由度=13)、x2が. これ 以上 大 きい値 を とる. 間 に あ る 。 従 っ て 、 有 意 水 準 を0.05あ. るい. す る な らば モ デ ル は 適 合 度 の 点 に 関 し て 棄 却 さ れ な い と判 断 で き る 。. ま た系 統 的 な 当 て は め 誤 差 が 生 じ て い る とい う 事 も な い 。 就 業 率 曲 線 の 観 察 値 と モ デ ル か ら の 理 論 値 を 図 に し た も の が 図1で. あ る 。横 軸 は核所 得 を 目盛 って あ. る 。 ロ印 は 観 察 値 を表 し、曲線 は 理 論値 の 軌 跡 で あ る 。. 図1 `).6. 0.5. }馬 一. 皿. 』}一. 一. 一. 一. 一. 一. 一r-. 一一. r_. ⊥. 一 一. 一. 0.4. 正規 分布モデルの理論値 と観察値;. 一. 一一. 一一一. 一 ,7曹. 7一 一 一 一一 一. 一『 一 一一 一. 国 一一. 一一. 一幽 一一. 一一. 一〒__. 一一一 『一. ,一鹵,巳一. 一 一. 一. 一一. 一 『 一一. 一- 3一一. 一. 鴨一. 一一一 鹵. {匸 …. 膠』. 『 一一一. 曽一. 一 畠n』. 一. 非核世帯員1名. 一. 一. _. }雫. 『. __. __,. 冖 一一 一一. _. 一一. 一. 一. 『. 一__⊥. 一曹一 一_. o_z. 一. \. 冒一 噛一一一_. 一. π-一一. 一一. 一一一幽層. }一r. 一 一噌一. 一. 黛. 『. 一 一. 一一. 一一. 一9. 一 一一. 巳一. 一一 一」7一 一. 一 一. 辱. 一. 一. 一一一一一}. 巳`・争鹵 一. 一一. 一. 一 - 一' 一__. 毛 一. 触. L. 一一. \ 民 一 一 \. 一一一 一_. _. 畄 o.3. 一. 一一 畠一一. 7一. 一一. 『. 一r. ■ -一. 一. ユ. _. 一一. 一『一. \. 0.1. }{. 一 免一. 一凾一P一_了. 一. 一 一. 一一一=∼. 一冒. 一. 一 醒 皿. 一. 『. \. 一. 一 一一曹 『. 『. 一. .丶匿___. 一一一. 一『 一. 儡. }}『. 一 一一 一 一 一_. 一. \. 一一. 『 こ=こ=ト o. 『. 冒一. 0. 4.5. 一畠 尸一. 一. 一. 一,. 一. 0.2. 一一. 一一. 一 一. _. 畠 _. }}圏. 0.4. 一尸 騨一. 0.6 (mousands). 含,一 一. 一. 0 .8. 〔幽一皿. 鴨齟一. 『. 尸. 曽『. 竿. 兀. r-一. 一. ー 一∼{ヨ 一 1.2. 対数正規分布 の特定化. ここで は確率的パラ メタの分布 として対数正規分布 を採用 してみ る。対数正規. 一is.
(20) 分 布 を 採 用 す る こ と の 理 由 付 け に っ い て は 小 尾(1983,p96)を イ)特. 定 化1:. まず 、. 参照 。. Nを 確 率 的 パ ラ メ タ と し 、 こ れ が 対 数 正 規 分 布 に 従. う も の と す る 。 こ の 時 、 第1選. 択 肢 は 就 業 で あ る 。選 択 確 率 は 、 も し プ ラ ス な ら. ば、 P1=1-F(η. (4.22). ユ2)=就 業 確 率. P2=F(η12). =非 就 業 確 率. と な る 。Fは. 確 率 的 パ ラ メ タy2.の. 分 布 関 数 で あ り、 対 数 正 規 分 布. (4.23). 109γ2“ ∼N(γ2,σ2) と 特 定 化 し て み る 。y2..の. レ ン ジ は(o,+。. 。)で. ある。. 臨 界値 が レ ンジの 外 にあ り 0>η12. (4.24). な らば 、 こ の よ う な. η12を. も た らす 外 生 変 数 の 範 囲 で はPa-Oで. 肢 で あ る 非 就 業 の 可 能 性 は な い(定. 理1)。. あ り第2選. 択. 逆 に 臨 界 値 が レ ン ジ 内 な らば 、2っ. の 選 択 確率 は共 にプ ラ ス で P、=1一 Φ(ξ12)=就 P2=Φ(ξ12) と な る(定. (4.25). 業 確 率 =非 就 業 確 率. 理2)。. た だ し. ξ12={109(η12)一 塁(1/σ)109{α. γ2}/σ ”exp(_y2)+,Q”exp(一. で あ る 。 パ ラ メ タa”exp-y2,β. (4.26). γ2)・1}. 亀exp一 γ2等. が 推 定 の 対 象 に な る. 。. こ こ で 正 規 分 布 関 数 の 性 質 か ら Pr{就. 業}=1一. Φ(ξ12)謬. (4.2?). Φ(12). た だ し ζ12一 ”. 12富Qlo9{α+β1}. Q冨一1/σ α=α. 廟exp(一 γ2). β=β. 噛exp(。 γ2)=(一. (4.2g). γ1+y3/のexp(一. と 書 き 改 め ら れ る 。 こ こ の パ ラ メ タ4は. ロ)特 定 化2:こ. γ2) マ イ ナ ス で あ る. 。. こ で は 、 確 率 的 パ ラ メ タ と し て 対 数 正 規 分 布 に従 う γ べ を. 考 え、. 一17一.
(21) 109γd∼N(γ4,s2) と してみ る。. (4。29). ayの. レ ン ジ は(o,+。. 。)で. あ る 。 こ の 時 の 第1選. 択肢 は非 就 業 で. あ る。 も し、 臨 界値 Yi2=a”+b'1 が条件 +oa>y12>0. (4.30). を 満 た す な ら ば 、2っ. の 確 率 は 共 にプ ラ スで あ る。逆 に. 0>y12 で あ る と 、 第2選. 択 肢 で あ る就 業 確 率 は ゼ ロ に な る 。. 条 件(4.30)の. も と で は2っ. の 選 択 確 率 は共 にプ ラ ス で. P・{非 就 業}呂1一 Φ(x、2) P2{就 業}. (4.31). =Φ(x12). と な る 。 こ こ で` Xt2={109(y,2)一. γ4}/s. 3(1/s)10g{a”exp(一. γA)+b”exp(一. γ4)・1}. (4.32). で あ る 。 書 き 改 め る と 、 γ4ゆ の モ デ ル で は. Pr{就 業}3Φ(x12). (4.33). ただ し xlz=010g{a+bl} Q=1/s. (4.34). a=a'exp(一. γ4). b=b`exp(一. γ4)=(wy. と な る 。 こ こ で のQは ハ)前. の γ ゼ. 1一γs)exp(一. γ4). プ ラ スで あ る 。. の モ デ ル(4.27),(4.28)も. 、 γ4の. の モ デ ル(4.33),(4.34)も. 同 じ形 式のモデル Pr{就 業}3Φ(Z12). (4.35). Z12=Qlog{A+BI} を 持 っ モ デ ル に 帰 着 す る 。 事 前 の 制 約 を 考 慮 しな け れ ば 両 モ デ ル は ク ロ ス セ ク シ ョ ンの 観 察 に 関 し て 同 等 で あ る 。 そ こ で 確 率 分 布 の 分 散 あ る い は 標 準 偏 差 は プ ラ ス で あ る か ら 、Qが. マ イ ナ ス の 時 に は 、 臨 界 値(4.35)は. _18. γゼ の モデ ル の そ れ.
(22) に な る 。 逆 にQが. プ ラ ス の と き は 、 γゴ の モ デ ル の 臨 界 値 で あ る と 区 別 さ れ. る 。 し た が っ て 、 パ ラ メ タQが. プ ラスで あ るか マ イ ナ スで あ るの か を推 定 すれ. ば 、対 数 正 規 分 布 の特 定 化 を ど のパ ラメ タ に適 用 す べ きか が判 定 され る。 ど ち ら の パ ラ メ タ を 確 率 パ ラ メ タ と す る の か と い う 問 題 に 関 し て は 、 小 尾(1983,§IV) で 理 論的 な 検 討 が な され てい る 。 正規 分 布 の 特 定 化 を 採 用 した場 合 は、先 に示 した よ う に、密 度 関 数 が左 右 対 称 で あ る か ら 、 ク ロ ス セ ク シ ョ ンデ..oタ に 関 し て は 、 γ20の. モ デ ル と γバ の モ デ. ル が 区別 で きな か っ た 。対 数 正 規 分 布 の場 合 は左右 対 称 で はな い か ら、違 い が 出 て く る 。分 布 関 数 の 左 裾 と右 上 は じ を 就 業 率 曲 線 に 当 て は め る違 い が 出 て く る 。 図2は. 対 数 正 規 分 布 の 分 布 関 数 と 密 度 関 数 で あ る 。 この 曲 線 の 左 下 の 部 分 を(左. 右 逆 転 して)就. 業 率 曲 線 に 当 て は め るの が. (上 下 逆 転 し て)当. て は め る の が γ ゼ の モ デ ル に な る 。 こ こで は ク ロ ス セ ク シ. ョ ン デ ー タ で パ ラ メ タQを. 測定 してみ る 。. 図2 一児 一,曹 -`. (_. 一. 一. 一rPr一. _.一. O.9. 44の モ デ ル で あ り 、 右 上 の 部 分 を. 一. 対数正規分布の密度関数 と分布関数 _. 一冒一. 上_. 『一. 一. 「-一. 曽.. 『}一. 一一凶 舮「 ,`. 皿. 一. 一一. 一一. }}T. 一一. Y. 一.一_一. …. 一一. 一. ;一一『r. 一. 一. 一. o.s. 匣一 一 ,P` 一. 一』. 一. 冖一. 一. 一 一罰 一一. 一__. 一一_一. _. ∠. '. でで._. レ/. 〆`. i. 一一 一___一. G.7. 一 一____.__一. / __/___ /. 一_. ' 一. ■. 一. 一一. 」 冖. 一T-『. 一. 一. 「一一『. 一. 冖. }. 一τ. -一. 一. 一. 幽.一. 一. 一. 一. 一. '. 冖}一. 0.6. 呻一一. 一. 一. 7一 一=『. 一一 一 一 一一 一}. 『. -}-}一. 冖鱈. 一一. 一. 幽. 『 _. 一一. 一一 一一・一 』 』一. 一. ■ 一 一幽一}一. /. '/ -. 4.5. 一一一 一 一一P一牾一 一. 齟 一. 一. 一一. __P. 一一. 噌. 一『. 一. 一一『. 一. 一. 停「. 7一一 一畆一一 一一. 一一一 一. 暫一影 一,一,_〒. _. 一. ,' /. 一一. 0.4. 一剥. '. 一一 一 一一!!1. 0.3. 」一iiζ. \. 一 一. 亨L. --. 曽'. 隅一 }皿. 0. _. 一7. -. \ 一. 一. 一. 一. G. 0. 亠一. 一 一. ..⊥一■ 三コll. 0.1. 一 一. 一一._`. /,' /i __.. 0.2. 一一 一』. 一. 『. 曹・一一. r噌. 一一一笥騨 冒糟. 一 一`冨. .. 「一. }』. 一. 一一一一一 舸. 一. z. _・一. 一. 駈. 一一. 』r,}. 聡. 一. 『. 一. _. 一一v一. 一. 凾}. 一 一一. 『. 叉. }一. 一 一『. 一. 一. 一 門『3. 一一皿. 一一}. 一. _一___. .\. q畠. 9_ 冒. 一_冒. 斗. 一19一. 匸『. 一. .幽一. \. 一 一. 一. 一. ・}冖7-r,P. }一. -厂.
(23) 4.6. 識 別 性 ・尤 度 関 数 の 形. イ)対. 数 正 規 分 布 の 特 定 化 を 採 用 し た場 合 の 識 別 問 題 を 考 え る 。 対 数 正 規 分 布. を 用 い た2っ. の モ デ ル で 、 第k核. Pk=Φ(Z12k)=Pr{就. 業l. 所 得 階 層 の 就業 確 率 は 、. Ik}. (4.36). Z12 =Qlog{A+BIk} と な っ た 。 こ こ で は パ ラ メ タ θ'=【Q,A,. B]の. の 特 定 化 の 場 合 と 異 な り 、 臨 界 値(4.36)は. 識別 性 を検 討 す る 。 先 の正 規 分 布. 面 倒 な非 線 形 性 が含 まれ てい る。対. 数尤度関数は、 K. logL=const+認. 1. で あ る 。 こ こ でn・. M・9(P・)+(n・. は 第k階. 一r・)・1・9(1-P・). 層 で の 家 計 数 で 、rkは. (4・37). そ の 内就 業 してい る家 計 の. 数 で あ る 。パ ラメ タが 正 則 点 で局 所 識 別 可 能 で あ る ため の 必 要 十分 条 件 は 、 この 尤 度 関 数 の 情 報 行 列 が 正 値 定 符 号 行 列(非. 特 異 行 列)に. 分 布 の 特 定 化 の 場 合 と 同 じ よ う に し て 情 報 行 列Infを Inf・ ただし. 峯1n・ 〔_1_P k(1-Pk)〕 φkは. 点Z72kに. 譱 ・ ・[籌. な る こ とで あ っ た 。正 規 計算する と. φ ・2暑 警 器. (4.38). お け る正 規 密 度 関 数 で あ り、 ま た. 響. 籍]. (4.39). A+Blk A+Blk で あ る 。次 の 命題 が 得 られ る 。 補 助 定 理:. 対 数 正 規 分 布 の 特 定 化 の モ デ ル で 、0〈P、〈1と す る 。 パ ラ メ タ θ. が局所識別可能であ るための必要十分条件は行列. (4.40). [::i/k::::]=[Kx3J が 位 数3を. も っ こ とで あ る 。. こ れ を 更 に 展 開 す る 。 任 意 の 定 数 ベ ク トル[c,d,. 一20一. e)を 用 い て.
(24) azk ζ ・rぴ. ●〔c・d・e]'. .c.1。9(A,BI、).d一. 一Q一一.+e」. 亜.. A+Blk. A+Blk. 1 2__..A+Blk{ψ ・ 一γ ・}. (4・41). ただ し ψk=c(A+BIk)109(A+BIk) vk=一dQ-eQIk と関数. ζkを. =. (4.42). 一D-ETk. 定 義 す る 。 この. ゼ ロ の ベ ク ト ル[c,d,. e]が. る 。 以 下 で は0〈P!k〈1と. ζkがk=1,...,Kに. 対 し てゼ ロ にな る よ う な 非. あ る時 、 また その 時 だ け情 報 行 列 は 特 異 行列 にな. し て お く 、 し た が っ て0〈A+Blk〈. 。。,一 。。〈Q〈+。 。 を前 提. に して い る 。 1)B=0の. 場 合;ψk=cAlog(A)=constで. あ るか ら、. d=cAlog(A)/Q. (4.43). e=0 とd≠0・eを. 定 め れ ば 、 ζk=0,k=1,...,. K,と. な る 。 し た が っ て 、 B=0の. 場. 合 、情 報 行 列 は・ 特異 行 列 で あ る 。 2)B≠0の 取 っ た 図3の. 場 合;こ. の 時 、Ikの. よ う に 描 け る(B>0の. 非 線 形 関数 時 、 ψkは. 強 凹 関 数 で あ る 。 〉 一 方 線 形 関 数A+Blkは. ψkの. に. ζk・0)と. のIkの. 下 向 き にIkを. う ち2っ. ≠0で. 目 盛 っ た 図3の. あ り、 情 報 行 列 は 非 特 異 行 列(正. 時は 第4象. 一 次 式 で あ る か ら 第1象 以 上 の1・. ら ば 、3っ. 値 定 符 号)で. 行 列 は 非 特 異 行 列 に な る 場 合 も あ る 。 作 図 で はB,cを. 限の. に 対 し て 、 ψk富 γ 、(故. な る こ と は な い こ と が 解 る 。 さ も な け れ ば 、 ψkは. 関 数 に は な ら な い 。 し た が っ て 、K≧5な. を. 強 凸 関 数 で あ る 。 逆 にB〈0の. 限 の 直 線 と な る 。 さ ら に 線 形 関 数vkはA+BIkの 直 線 に な る 。 図 よ り 、K個. グ ラ フ は 横 軸 にA+BI、. のkに. ある. 強 凸 あ る い は凹. っ い て かな らず. 。 た だ しK=3で. 4、. も情 報. プ ラ ス と想 定 して い る. が 、 符号 が 変 わ っ て も展 開 は 同 じで あ る 。 な お 、Ikの 値 が 大 き い 場 合 に 、 関 数 ψkは 近 似 的 に 直 線 に な る 。 そ し て 、 ψ 、 ≒vkし たが っ て ζk≒0と な る 事 は あ り う る 。 こ の 時 情 報 行 列 は 近 似 的 に 特 異. 一21一.
(25) 行 列 で あ り 、 そ の 逆 行 列 の 対 角 要 素 とな る推 定 値 の 分 散 は 計 算 不 能 と な っ た り 、 可 能 で あ っ て も 非 常 に 大 きな 値 と な る 。. 図3. 関数. ψkと. 箔,. 7'. k. 6. vk. 5. 4. 3. 皿. O. 上ー. ﹁. (乙. 1. a+$rk. 一. 一. -IF:. ⋮. ○. 一. 2. 一_.__⊥_一_一___一__⊥. 一__. 」一. ⊥_一____L. 1. 2. _____⊥___. _⊥. 一..____」__.__. 3. 4. 以 上 を 次 の 定 理 に ま とめ て お く 。 定 理7:. 対 数 正 規 分 布 モ デ ル に っ い て 、 パ ラ メ タ 空 間{[Q,A,. B]IB=O}の. 点. は 局所 識 別 不 可 能 で あ る 。 実 際 最 尤 推 定 値 を 得 る ため の 収 束 計 算 の 途 中 で こ の 領 域(の. 近 く)に 入 り 込 ん. だ 場 合 収 束 が 達 成 さ れ な い こ とが あ る 。 定 理8:. 対 数 正 規 分 布 モ デ ル に っ い て 、 パ ラ メ タ 空 間{[Q,A,. 正 則 点 を 考 え る 。 条 件;B≠0か っIkが. B】IB≠0}の. っ0〈P,w:〈1と す る 。 こ の 場 合 、 K≧5で. あ りか. 一 定 で な け れ ば 、 情 報 行 列 は 特 異 行 列 に な る こ と は な く局 所 識 別 可 能 で. あ る 。(K=3,4で. あ っ て も 局 所 識 別 に な り う る 。K≧3は. そ し て ・ パ ラ メ タ 空 間{【Q,A,. B]IB≠0}の. 必 要 条 件 で あ る 。). 全 て の点 は正 則 点 で あ る 。す な わ. ち この パ ラ メ タ 空 間 の ど の 点 で も そ の 近 傍 で 情 報 行 列 の ラ ン ク(位 数 〉 は 一 定 で. _22.
(26) あ る 。 し た が っ て 、 上 記 の 条 件 の も と で 、 パ ラ メ タ 空 間{【Q,A,. BaIB≠0}の. ど. の 点 も局 所 識 別 可 能 で あ る 。 こ こ で は 誘 導 型 パ ラ メ タ の 識 別 性 を 問 題 に し たが 、 効 用 関 数 の パ ラ メ タ の 識 別 性 の 検 討 もこ こでの 展 開 を利 用 し て行 うこ とが で き る。. 図4. 対数正規分布 モデルの対数尤度関数 の形状(1). ●.零呈零 冨竃聟. 脚 k ㌦ 乱袴 ⋮. 暑 .g 星.6..書2i3.●8 .●..=呂=6⋮. ⋮. 6.⋮. 印. , ・ ・ 孟・ 一 隔. ま. . ド ボ! 心. .●竃﹂・. Q. ﹂㌻﹂. 一 籍 }. ・⋮i . ■ ⋮ 詈-`⋮ ・⋮ . 冒⋮ ⋮蟹⋮ ⋮ー 啣. ⋮ ㌔ ㌦ A. ㌦ 騎. - 塙蓋. ⋮ ⋮. ー. ー. 一 ⋮惹. 瓢⋮ ◎ 齢 嘩. 鴨 . 嶋 ﹃ 嚇. 卿. τ溺 r 旨.. 鴇 . ﹃ ... 日董 ⋮ ⋮ 日⋮ ⋮婦 冖. ⋮ ⋮ ⋮. ε二 ー..垂. ー. -⋮. ー ー、 口. ⋮ ⋮ ⋮. 8盆﹂﹁23 ・22 3.3 馨 .竃 82633 3●竃 電零 8。●33.葦. ㌃霊急”. 獣 “ 醐 ぐ 鱒 鱒 ㌦“. ・ 画 ぜ 贈蝿⋮ ⋮ 騨の 弓 轍. ・ 凾 . . 竃霤. 丶⋮ 櫨冖 界 習霜 ㍉肖消 蝦. 一. ⋮. 一. ー. ﹁8. 瑾. 跳剳. 靉雛一一瓣 一 一皿四酒 !零. 騨 .. ﹂. . :山 . 儡 . =鴨 一. J 旧 い. 嚇堯. コ誌 舜 ⋮ 露⋮ 冖糧臣⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮. 捧 . . . ・ ⋮ .. .F. 幾 碑⋮ ⋮﹂⋮⋮ ⋮. ⋮. づ ⋮} ぬ 拶⋮冖 淆. κ5. L. 1 0 輯π嚊. ﹁. ロ)対 数 尤 度 関 数 を グ ラ フ に し た も の が 図4、5、6で. あ る 。 モデ ル の臨 界 値. Z12k富Qlo9{A+BIk} に お い て3っ 尤 推 定 値B^に. の パ ラ メ タQ,A, 固 定 し 、Q-A平. Bが. あ る が 、 対 数 尤 度 関 数 の 変 数 の う ちBを. 面 上 に10gLを. 一23一. 描 か せ た 図 で あ る 。 図4は. 最. そ の遠.
(27) 景 で あ り 、logLは る 。logLが. 際 だ っ た 極 値 を 示 し て い な い 。 図5は. 一15000以. そ の ク ロ ーズ ア ップ で あ. 上 の値 を と る範 囲 で 対数 尤 度 関 数 を 拡 大 して得 たグ ラフ で. あ る 。最 尤 推 定 値 の 近 く に2っ. の 「尾 根 」が 見 られ 、 ま た鞍 点 が 見 ら れ る 。 そ れ. ぞ れ の 尾 根 に 極 大 値 が あ る 。 そ し て 東 北 側 の 尾 根 に 最 大 値 が あ る 。 図6は. こ の近. 傍 にお け る対 数 尤 度 関 数 の 等 高線 を描 い た も ので あ る。 最 大値 は 図 の ◇印 に あ る 。 な おQを. 固 定 して 対数 尤 度 関 数 の 等 高 線 を描 い た場 合 は ほ ぼ 楕 円状 に な る 。. 対 数 正規 分 布 の特 定 化 の場 合 の 尤 度 関 数 の強 凹性 を 示 して いな いが 、以上 の グ ラ フ で 、 少 な く と も この デ ー タ に 限 っ て は 、 局 所 的 最 大 値 従 っ て 最 尤 推 定 値 が 存 在 す る も の と考 え られ る 。. 図5. 対数正規分布 モデルの対数尤度関数 の形状(2). 礁編 一・;… 妻 ㌦.ド:『:ll! 馳 雪;. ...,. _r・ 》・ 「 認. 一 一24. :=ぐ 詞;弼.
(28) 図6. 対数 正規分布モ デルの対数尤度関数 の形状;等 高線. ﹁ 、 ⋮ .ー 5!ー ⋮ iー ー . ーー. ⋮ . 7 嫁ノ ぶ 掘 ! '. ♂・ . .. }・冒幽. 測 定 結 果2一. 譱 彈誠. 4.7. ド ⋮ .≒. .;. 一 ナ こごr. d帽 ﹁ 引ヨ .∼ 多. 丶. 0. 乂 、. .ノ. ミ 、. 二:三 ン. ㌧こ. A三. 対 数正 規 分 布 モ デ ル ー. 対 数 正 規 分 布 の 特 定 化 で は 測 定 の 際 に非 線 形 性 が 導 入 さ れ る 。 そ の た め 対 数 正 規 分 布 の モ デ ル に っ い て の 識 別 条 件 が 導 か れ た 。 そ し て 、 実 際 、K=15,. Ik≠l」 で. あ り、 局 所 識 別 可 能 で あ る 為 の 条 件 を 満 た し て い る 。 正 規 分 布 の 特 定 化 と く らべ て 対 数 正 規 分 布 の モ デ ル の ク ロ ス セ ク シ ョ ン デ ー タ に 対 す る説 明 力 が ど の 位 良 くな る の か を 測 定 に よ っ て 確 か め な け れ ば な らな い 。 臨界値 Z123Qlo9{A+BI} の パ ラ メ タQ,A,. (4。44) Bの 測 定 を お こ な う 。. 一25一.
(29) 測 定 はQの. 符 号 を 制 約 しな い で 行 っ て お り 、 先 述 の よ う に 、 推 定 さ れ たQの. 符 号 を 見 て 、y2Nの タQ,A,. モデル. と γ ゴ の モ デ ル の 妥 当 性 の 判 断 が で き る 。パ ラ メ. Bの 測 定 結 果 を 表2に. 表2. 冀 里L』 1-15. 二. ま とめ る 。. 対数正規分布のモデルの測定結果. A一 一=___==二 。_叢__。_⊥x2. 1-3.52$4. .94976. 1. 015.29]. [一1.24]. pd.f.logiSL. +.00074027. 1 18 .07. .12一.09. 1. -9269.26. [1.04]. 12. ロ ー 隔 鱒 ■ 一 勵 嗣 一 一 一 〇=====嵩======富===3==冒==冨====3=蟹. 曇 }. O.E. __==. 対数正規分布モデルの理論値 と観測値 T一冖. 曹,一. 一. }一. 一 『. 一 一一一一 一. 一一 一 一 一一_. 「 一}i. 一. ㎜. 0.5. ⊥. 図7. 竃=富===岩=3___. _. E =一. 0.4. {A一. D.3. 一 一山. 一-亠. 一. 匹. 一』. 一一. 一. 一. }一,一. 一. 噛. 曽一. -9辱』. 一. 曹 一,iρ ¶鮎浄一'一. o.z. 舮. 一. 一一. ・ 一. 窯. 一. 一 『」=「. 『 ■一. 一一帽,¶. 一-齟. 一. 一一. 一. 「r一. 一}-曝← 一. 一. 一____一. `一;轄. 」. 幽=一. 一. -. \. 、 ミ \. 0.1. 一膚 一. 』. 一一. 一,. 一. 一 一匿`一}. 一. 一. 一_一 0 0. 0.2. 『. 0.4. 一町. 一一 叫. =一. 一一. 0.5 Thousands). 一一. 一. ・一. 一一. 一τ一一一 『. 0 .8. 一卩. 一 冖. (. 一. 一. 1. 一 兀. 1.2. この測定 では対数正 規分布のモデルが 、適合度及び尤度の点で、正規分布 のモ デ ル よ り も か な り良 い 結 果 とな っ て い る 。 こ こ で は 提 示 し て い な い デ ー タ で 正 規 分 布 モ デ ル で 適 合 度 検 定 に合 格 し な い 場 合 で も 、 対 数 正 規 分 布 の 特 定 化 で は よ り 良 い適 合 度 を 示 す こ と が あ る 、 松 野(1991b)を. 一2s. 参照. 。 た だ し、 核 所 得 の 係 数Bの.
(30) 推 定 値 は 有 意 で は な い 。 正 規 分 布 の 特 定 化 よ り は 尤 度 は 大 き くな り これ らの モ デ ル は 改善 され る余 地 の あ っ た こ とを示 してい る。 そ して 、 この デ ー タ につ い て は Qは マ イ ナ ス に 推 定 さ れ て お り 、 ク ロ ス セ ク シ ョ ン デ ー タ に た い す る 当 て は め で は 、 γ ゼ を 対 数 正 規 分 布 と す る こ とが 適 当 で あ る こ と を 示 し て い る 。 適 合 度 を 見 る た め の グ ラ フ が 図7に. 与 え られ て い る 。. 5.. 非核世帯員2名 の雇用就業行動. 本 節 で は 非 核 世 帯 員 が 複 数 名 い る 場 合 を 考 え て 、 そ れ ら非 核 世 帯 員 の 個 々 の 就 業 背 動 に 関 す る モ デ ル を 構 成 す る 。 こ れ も 第3節. で述 べ た離 散 的選 択 の モ デ ルの. 応 用 と し て 扱 う こ とが で き る 。特 に 非 核 世 帯 員 が2名. い る場 合 に っ い て 、 こ の モ. デ ル の 細 か な 展 開 を 行 い 、 就 業 確 率 の 解 析 を 行 う 。 モ デ ル に従 い 観 察 値 を 整 理 し て 、2名. の非 核 世帯 員 の 就業 行 動 にっ い ての 規 則 性 を見 い だす 。 ただ し、利 用 で. き る デ._..タの 制 約 か ら 、 モ デ ル が 要 請 す る程 の 厳 密 な テ ス トは 行 っ て い な い 。 幾 分 退 い た テ ス トに な ら ざ る を 得 な い 。 こ の 節 で も種 々 の 特 定 化 が 採 用 さ れ 、 そ れ らの 説 明 力 の 比 較 が な さ れ る 。. 5.1. 複 数 非 核 世 帯 員 の モ デ ル ー2名. 一. 勤 労 家 計 を 考 え 、 こ の 家 計 に は 核 所 得 者 の 他 に就 業 可 能 な 非 核 世 帯 員 が2名 (妻 と1名 の 子 女)い る も の と す る 。 こ の2名 の 非 核 世 帯 員 あ 雇 用 就 業 行 動 を 問 題 とす る 。 こ れ ら非 核 世 帯 員 に対 し雇 用 就 業 機 会 が 開 か れ て お り 、2名 の 内 で 誰 が 、 そ して 何 名 就 業 す る の か 、 あ る い は 誰 も 就 業 し な い の か と い う問 題 を 考 え る。 可 能 性 と し て 、第1番 目 の 非 核 世 帯 員 に っ い て 就 業=非 就 業 の2っ の 状 態 が あ り 、 第2番 目 の 非 核 世 帯 員 に っ い て も 就 業 畿 非 就 業2っ の 状 態 が あ る 。 従 っ て2 名 全 員 が 就 業 す る 場 合 か ら初 め て0名 の 就 業 ま で4通 りの 可 能 性 が あ る 。 家 計 全 体 の(実 質)所 得 をXと A1, A2と す る 。 家 計 の 所 得=余 CJ=CJ(X,. し 、2人 の 非 核 世 帯 員 の そ れ ぞ れ の 余 暇 時 間 を 暇 の選 好 を表 す効 用 関 数 を. A 1・A・)・ ω(ξ). (5. _2?_. .1).
(31) と す る 。 た だ し 、 ベ ク トル ξ'羅[0,ξ は3次 CJ. ユ,ξ2】 ≡ 【X,A1,. 元 効 用 場 の1点 2. ただし. (5.2). を 表 す 。 効 用 関 数 は 例 え ば2次. 形 式. 2 z ケΣ Σ m=On=O m=d. γmξm+一 γ 。,サ_. γmnむ ξmξn. ..ynm、 で あ る 。 この 効 用 関数 はパ ラ メタ. で あ り 、(3.2)の パ ラメ タ. A21. γ.に. (5.3). つ い て の1次. 関数. 形 を して い る 。. γ 臼'は 所 得 の 限 界 効 用 の 切 片 項 で あ る が 、 こ の パ ラ メ タ を 確 率 的 パ. ラ メ タ とす る 。 そ し て 、 分 布 の 密 度 関 数 は Ye`^一f(ye”)>0,. r<yo'<R =0,そ. の他. で あ る と す る 。 他 のY'は 第m番. (5.4). そ の 平 均 で あ るyに. 目 の 非 核 世 帯 員 に 対 し 賃 金 率Wrn,労. 恒 等 的 に等 しい とす る 。 働 時 間h,、. の雇 用 機 会 が 開 か れ て. い る もの とし、 非 核 世 帯 員 は この 雇用 機 会 を受 諾 す るか 拒 否 す るか の選 択 が 可 能 で あ る 。 非 核 世 帯 員2人. に 対 し て 開 か れ た賃 金 率 と労 働 時 間 に っ い て は次 を 仮 定. す る、 0〈h1,. h2≦T. (5.5). w2h2>翫h1>0. す な わ ち 、 雇 用 機 会 か ら 得 ら れ る 収 入w=Whの. 小 さ い 方 か ら 第1、. 帯 員 の 順 番 を 付 け て い る 。 ま た 、 各 自 の 総 持 ち 時 間 は 共 通 のTで 核 所 得 を1と ξd'=【1,T,. す れ ば 、2人. 第2と ある。. 共 非 就 業 とな る 選 択 肢 は 効 用 場 の 点. T】. (5.6). を 選 択 す る こ と に な る 。 第1非 ξ3'=【1+wユh1,. 核 世 帯 員 だ け が 就 業 す る な ら、 こ れ は 点. (5.7). T-h1,T】. の 選 択 に な る 。 第2非 ξ2㌔ 【1+w2h2,. T,. 核 世 帯 員 だ けが就 業 す るな ら、 こ れ は点 T-h21. の 選 択 に な る 。 も し2名 ξ1'・[1+wlh1州2h、,. 非 核世. (5.8). 共 就 業 す るな ら T-h,,T-h2】. (5.9). を 選 択 す るこ とに な る 。. 全部で4個 の選択肢が選択肢集合 を作 り、家計 はこの内か ら効用最大 になるも. _2g.
(32) の を選 択 す る 。 そ して この選 択 は外 生 変 数 、各 家 計 の もっ 効用 関 数 の パ ラ メ タ 、 特 に 確 率 的 パ ラ メ タyoの. 5.2. 値 に依 存 す る。. 就業確率. 初 め に2個. の 就 業 機 会 が 与 え ら れ 、 そ れ ら は 唖h2>wlh1の. 条 件 を 満 たす も の と. し た 。 こ れ を 出 発 点 と し て 複 数 名 の 非 核 世 帯 員 が 就 業 す る場 合 の 就 業 条 件 が 導 か れ た 。 た と え ば 、2名 X=1+翫h1+w2h2,. 就 業 な ら家 計 の 所 得 と 余 暇 時 間 は. A1瞿 丁一h1,. A2=T-h2,. (5.10). と な る 。 こ の よ う に 複 数 名 の 就 業 も考 慮 し た 選 択 肢 の 集 合 は4個 =1 ,_,4,か. ら 成 る 。 ま た 、 第j選. の選 択 肢. 択 肢 が も た らす 家 計 の 所 得Xjは. 1累X4<1+疑1h1=X3<1+w2h2鶚X2〈1+Nlh1+w2h2=X1. (5.11). と 順 序 付 け ら れ る も の とす る 。 こ こ でXIは2人. が 就 業 の 時 の 所 得 で あ り 、Xqは. 2人 が 非 就 業 で あ る と きの 所 得 で あ る 。定 義 的 に 、 所 得Xが. 最 小 にな る選 択肢 と. 最 大 に な る 選 択 肢 が ど れ で あ る か は 分 か る 。2名 就 業 が 第1選 第4選. 1fj. 択 肢 で0名. 就 業が. 択 肢 で あ る 。 中 間 に位 置 す る 選 択 肢 の 所 得 も順 序 付 け られ る 。. も し、w2h2=曾1hな. らば 、余 暇 時 間 の短 い もの だ けが 選 択 の 可 能 性 を持 っ 。そ. れ 以 外 の も の は 恒 等 的 に 選 択 さ れ な い 。2人. の 内の いず れ の余 暇 時 間 を考 慮 す る. の か は効 用 関 数 のパ ラ メ タ に依 存 す る。恒 等 的 に選択 さ れな い選 択 肢 を選 択 肢集 合 か ら 除 外 す る 。2っ. の 賃 金 率 の 値 が わ か っ て い る な ら こ れ らの 操 作 は 可 能 で あ. る。 第j番. 目 の選 択 肢. ξjは. ξj'≡ …【Xj,A」1,A」21… 持 っ 。(5・11)の j選. 所 得 と 余 暇 時 間 の ベ ク トル … … ≡【ξi4,ξj1,ξ. 」2]. よ う に 所 得 は 順 序 っ け ら れ て お り 、 第3節. 、. (5.12). の 枠 組 み に 納 ま る 。第. 択 肢 を選 ん だ と き の 効 用 は 2 ωj詔 Σ m=O. 2 2 γ,,亀 ξj佩+Σ. Σ. γmn'ξjmn m=On=0. (5.13). ただ し、 ξjmn≡. 十 ξ 」m●ξjn. 、. (5.14). で あ る 。各 効 用 水 準 の 差 を 求 め る と ω 一Wj薯(Xi扁Xj)●(γo㌧. ηij). (5.15). _2g.
(33) とな る 。 これ で 臨界 値. ηij,. 2 Σ γm吻(ξjバ m=1. i,j=1,,..,J,が. 定 義 され て. 2 ξim)+Σ. Σ m=On=0. 2 γmn(ξjmn一 ξimn). (w.一w;) と な る 。 た だ しw.は(5.11)で 勾i=aijゆ. 十βi”1. と な る 。 α'と η12鷁 α η23'GY. 定 義 され る 収 入 で あ る 。 こ れ を 整 理 す る と. β ゆ の 幾 っ か を 明 示 す る と. a12+β12幽1. (5.17). 23+β23'1. η34=α34白+β34'1 と 核 所 得 の 一 次 式 に な る 。 こ こ で 効 用 関 数 の パ ラ メ タ を ま とめ て γ=[γ1,γ2,γOD,γtO,γ20,γ11, と し 、 △=軌h1覗2h2と. Q't2ォ_[÷. ・・勢. α…[÷. 仙 戦. ・0・蔑 ㌦. β12崩=[0,0,一1,. と な る 。. Co,. μ1黔. イ・凪L黔. 讐 ・気. 』甼 ⊥矍!イ・ 撃. イ ・4・L}}∠ ∼・÷. 1/Wi,. 一[0,0,一1,. a34. (5。18). す れ ば 、 各 誘 導 形 パ ラ メ タ は. α・3・ ・[髪 ・ 寒三物. N23 ̄. γ12,γ22】. ,07r. ≒1三 ,・ コγ ∼ユ 像 ≧ 皇 彑≧】γ. (5.19). 0,0,0,0]γ. h,/△,一h2/△,0,0,0]γ o,一1,. し た が. liw,,. o,. o,. o,. o]y. っ て. β12◎=β34'. (5.2U). α{2'一a34A=(_yeゥWiW2+γ1②W2+γ20Wi一. γt2)h2/Wi. で あ る 。 他 の 臨 界 値 ηi;=aij吻. η. も. 十βijサ1. (5.21). と い う 一 次 式 で あ り、 各 誘 導 形 パ ラ メ タ の 関 係 は β13◎ 冨β24亀=一Yee+γzo/w2. (5.22). 一30一.
(34) β14一. 一γ00+γ1gh1/(噺h1-w2h2)+γ2ah2/(恥h1一. α13'一. α24`一(α12”. 一a34の)翫h1/w2. 瞥2h2) ha. と な る 。 そ し て 選 択 確 率P1,_,. Paの. 性 質 を 検 討 す る た め に 第3節. の 諸 定 理 が 利 用 で. き る 。例 え ば 、 全 て の 選 択 確 率 が プ ラ ス に な る た め の 必 要 十 分 条 件 は. r〈rf 34<η23〈. (5.23). η12〈R. で あ り 、 こ の 時 の 各 選 択 確 率 は 、yoの P1=1 P2=F(rf. -F(Tj]2)=2名. 分 布 関 数 をFと. 就 業確 率. 12)一F(η23)5第2非. 核 世 帯=員 就 業 確 率:. Pa-F(・ η23)一F(η34)=第1非. 核 世 帯 員 就 業 確 率:. Pv=F(rJ. 34). して、. =0名. (5.24). 就業確率. と書 け る。. このモデルでは所得 に対 する選好の強い家計 ほど高い収入をもた らす選択 肢を 選ぶ 。これは より多数 の非核 世帯 員が就業す るこ とに通 じる。これは確率的パラ メタを所得の 限界効用 の切片項 に取 ったため である。同 じ所得水準を もた らす選 択 肢が あったな ら、その時 に非核 世帯員の余 暇時間が考慮 に入れ られ る 。どの非 核世帯員 の余 暇時間が考慮 され るかは効用パ ラメタに依存 する。これは先 に述べ た。 こ こ で 述 べ た モ デ ル と は 別 の 設 定 を す る 事 も可 能 で あ る 。 例 え ば 、 非 核 世 帯 員 の 余 暇 の 限界 効 用 の 切 片 項 を確率 的パ ラ メ タ とす る事 も で きる 。 しか し、 この 場 合 で は2個. のパラメタ. γ1',γ2噂 の 内 ど れ を 確 率 パ ラ メ タ に す る の か 問 題 が 残. る 。 一 般 的 に は 、 こ れ ら2個 の パ ラ メ タ が2次. 元 同 時 分 布 に従 う確率 的 パ ラ メ タ. で あ る とす る二 変 量 離 散的 モ デ ルが 必 要 にな る 。. 上のよ うに計算 され る臨界値 η の大小関係で各選択 確率 の性質が決 まる。そ こ で 、 各 臨 界 値 の 大 小 関 係 と し て 、 ど ん な 可 能 性 が あ る か を 調 べ る 。 まず 、 効 用 関 数 の パ ラメ タに対 し幾 っか の 制 約 を科 して、 その 下 で モ デル を展 開 す る ら の 制 約 は 複 数 非 核 世 帯 員 の モ デ ル に お い て ダ グ ラ ス=有 め の 条 件 と い え る 。1名. 。 これ 澤 の法 則 が 成立 す るた. の 非 核 世 帯 の モ デ ル に お け る 条 件 を 単 純 に2名 の 場 合 へ. と拡 張 した も の で あ る 。条 件 は 誘 導形 パ ラ メ タ に関 す る符 号 条 件 で あ っ て. 一31一. 、.
(35) レ66γmγ. ]. 舵]WiW2=一10. (5.25). 0-1[ と マ イ ナ ス の 条 件 を 科 す も の で あ る 。 す る と β12'=β34'>0 β13'鬻. (5.26). β24ゆ>0. β14'詔(w,h1β12恵+wehzl3,s”)!(wlh1+W2hz)>0 β23.謬(Wth!β12㌔w2h2βt3)/△r? Iais”. 一a24”1<la,z”. sgn(α13㌔. 一asa”. α24')=sgn(α7G ̄_. 34亀). と い う制 約 が 得 られ る 。 従 っ て 、 こ の 制 約 の も と で 、 η. は1の. 増 加 一 次 関 数 で. あ る 。 係 数a. は 大 ま か に2っ. 24(=a )の. の グ ル ー プ に 分 け ら れ 、 β12幽(・ β34つ. の 組 と. 1'`.. 組 で あ る 。 両 者 の 値 を 先 験 的 に 予 想 す る こ と は で き な い か ら 、 次 の2. っ の 可 能 性 を 考 え る 。 す な わ ち 、 β12。 呂β34'〈 β12・=β34・ の2通. β]3=β24' 〉β13・=. (5.27) 2a. (5.28). りで あ る 。 等 号 の ケ ー ス も 考 え られ る が 、 こ こ で は 扱 わ な い 。 ま たパ ラ メ. タa23*,β14'は. ど ん な 値 を と る か は 制 約 し な い で お く 。. さ ら に 、 パ ラ メ タ. δ. を. δ=一 γ0ゥW7W2+γ10w2+γ20. w1一 γ12. ω隰:i捌[i:1. と 定 め 、 δ>0と す る 。 δ>0あ. δ 〈0の2通 る いは. り の 場 合 を 考 え る 。 δ 躍0の. (5.29). ケ ー ス にっ いて は省 略. δ 〈0の 時 、 そ れ ぞ れ 、. α13。 〉α24・&'α12'〉. α34'. (5。30). α136<α24'&α12'〈. αSQ●. (5.31). 一32一.
(36) と い う符 号 条 件 が 成 り 立 っ 。 以 上 の 様 に パ ラ メ タa” 関 し て2通. に 関 し て2通. り 、(5.27)と(5.28)、. え 、 ηijの. り 、(5.30)と(5.31)、. そして. の 組 合 せ が あ る 。 合 計4通. β.に. りの ケ ー ス を 考. 大 小 関 係 を 調 べ る 。 そ し て 就 業 確 率 の ス ペ ク トル を 導 く こ と に す る 。. こ れ ら は 次 項 で な さ れ る 。組 合 せ を 下 の 表 の よ う に 定 め て お く 。. 極 竺聖 ・ 〈 β13二 躯1壁. Q'13 CX13:;1:i::a,a,:::銑 圭1と 5.3. 型 望哩. ・ バ. ⊥;三ll. 就 業 の諸 形 態. 選 択 確 率:は 各 臨 界 値. η 及 び 分 布 の 上 限R、. 明 の 簡 単 の た め にR=+。. 下 限rの. 大小 関 係 で決 ま るが 、説. 。,r=一 。。、 あ る い は 、 少 な く と もR>ηij>rと. 前 提 して お. く。 ケ ー ス1の α!3'〉 α24.,α1ゼ. 〉α34',β1ゴ=β34'「. 〈β13“=β24噂. で あ る 場 合 の 選 択 確 率 の 性 質 を 調 べ る 。 ηuは して 、 η34は. Lと. η34の. 1.3と. る 平 行 四 辺 形 を 作 る 。 ま た 、 ηkiは て 図 の よ うに各 る各. 核 所 得1の. 勾 配(β つ が 等 し い か ら 、 図8に. 平 行 線 に な る 。 同 様 にrJ. ηijの. η24の M:jと. 所 得1がIbよ. Idと. C,. dに. 定める。. 満 た さ れ な い(定. 理1)。. の 選 択 肢 に つ い て は 条 件R>η12>η24>rが. >0,P2>o,. Pa>0で. あ る(定. -F(71]2)=2名. P2=F(η12)。F(η24)=第2非. 準 にお け. 対応 す る核 所 得. り 小 さ い 場 合 。 図 よ り 、 こ の 範 囲 で は 、 P3>0で. ηi3>・η3kが. η12,. ηi」 の 加 重 平 均 で あ る 。 し た が っ. 残 り の3っ. Pt=1. 見 られ る よ う に. グ ラ フ が 描 か れ る 。 こ れ を も と に 、 特 定 の1水. 水 準 を そ れ ぞ れ1、,Ib,1。,. め の 必 要条 件. 一 次 式で あ っ た 。 そ. 勾 配 も等 しい 。従 って図 に 見 られ. η の 大 小 関 係 が 判 定 で き る 。 こ こ で 図 の 点a,b,. 1)核. (5.32). 理4)。. し た が っ てPa=Oで. あるた ある。. 成 立 す る 。 し た が っ て 、P1. 加 えて 確率 は. 就業確率 核 世 帯 員 就業 確 率 、. 一33一. 1〈1.,. (5.33).
(37) Pa=O. 3第1非 核世帯員就業確率. P4=F(づ724). ・0名 就業確率. と決 ま る 。. 臨界 値. ηijの. 関 係;ケ. 5 4 3. C. G 1. 0. ー ス1. // -. 銃. 6. 核 所 得1と. / 4 /. 図8. 彡f一 一.. 一1. _2. 一3. 一4. 一5. _…L. _6. Ic. ld 3. .. (丁hOUSGnds>. 2)核. 所 得1がIbと1。. の 中 間 に あ る 場 合 。 図 よ り 、 こ の 範 囲 で は 、4っ. 選 択 肢 に つ い て は 条 件R>η12>η23>η34>rが. 成 立 す る 。 これ は全 ての選 択 確 率. が プ ラ ス に な る た め の 必 要 十 分 条 件 で あ っ た(定 P3>Q,. P4>0で. の. あ る 。 加 え て 確 率:は. 一34一. 理2). 。 従 っ て 、P1>0,. P2>0,.
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