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Node"noni de setsuzoku sareru fukubun no imi: Shinteki jōtai ni kiin suru ingasei o arawasu baai no bunseki

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(1)

態に起因する因果性を表す場合の分析

著者

中川 裕志

雑誌名

制約に基づく日本語の構造の研究

10

ページ

125-144

発行年

1996-01-31

その他のタイトル

Node"noni de setsuzoku sareru fukubun no imi:

Shinteki jotai ni kiin suru ingasei o arawasu

baai no bunseki

(2)

「の で」 「の に」 で接 続 され る複 文 の意 味

一 心 的 状 態 に 起 因 す る 因 果 性 を 表 す 場 合 の 分 析 一 中 川 裕 志 概 要 本 論 文 で は 日本 語 の 複 文 の う ち 、 接 続 助 詞 が 「の で 」 「の に 」 で あ り、 従 属 節 に お い て 記 述 さ れ る 心 的 状 態 が 原 因 と な る よ う な 因 果 性 を 記 述 す る 複 文 の 意 味 に つ い て 分 析 す る 。 特 に 、 従 属 節 の 記 述 に お け る 意 味 役 割 な い し 語 用 論 的 役 割 の い ず れ が 主 節 に お け る 主 語 な ど に な る か 、 と い う 問 題 を 扱 う。 特 に 、 従 属 節 の 述 語 が 、 「苦 し い 」 な ど の 主 観 形 容 詞 、 主 観 形 容 詞 に 接 尾 辞 「が る 」 が つ く場 合 、 「苦 し む 」 な ど の 主 観 動 詞 、 受 け 身 の 各 々 の 場 合 に つ い て 、 ど の よ う な 意 味 役 割 あ る い は 語 用 論 的 役 割 が 、 従 属 節 か ら 主 節 に ま た が る 因 果 性 に 関 与 し て く る か に つ い て 分 析 す る 。 こ の よ う な 分 析 は 、 日本 語 に 頻 繁 に 見 ら れ る 省 略 さ れ た 主 語 な ど を 補 う た め の 情 報 を 供 給 す る 基 礎 理 論 と な り、 計 算 機 に よ る 自 然 言 語 処 理 シ ス テ ム 構 築 に お い て も 寄 与 す る と こ ろ が 大 き い 。 ForsemanticsofJapanesecomplexsentencewhichrepresentspsycho-logicalcausaht》 弓weintroducenewpragm.aticrolescalled御of伽fε4,0わ 一 5跚8γandsoforthtomakecleartherelationshipamongsemanticrolesof subordinateandmainclauses.Bytheserolesconstraintsontherelations amongthosesemanticorpragmaticrolesare㎞owntobea㎞ostlocahn te㎜sofsubordinateormainclauseinJapanesecomplexsentencewhose subordinateclauseiscometedbyco司m廿vepar且cleπ0480rηoη1・

キ ー ワ ー ド:日 本 語 σapanese)、 意 味 論(semantics)、 語 用 論(pragmat-ics)、 複 文(complexsentence)、 接 続 助 詞(cor⑩nction)、 の で(πo鹿

'because') 、 の に@oηf'although')、 因 果 性(causality) 1は じ め に こ こ で は 、 従 属 節 で 記 述 さ れ る心 的 状 態 が 原 因 に な っ て 引 き 起 こ さ れ る 動 作 や 状 態 が 主 節 で 記 述 さ れ る 複 文(以 下 こ れ を 順 接 の 複 文 と 呼 ぶ)と 、 従 属 節 で 記 述 さ れ た 心 的 状 態 が 原 因 125

(3)

とな っ て 引 き起 こ され る と予 想 さ れ る事 態 と は異 な る事 態 が 起 こ っ た こ とが 主節 で 記 述 され る複 文(以 下 これ を逆 接 の 複 文 と呼 ぶ)に つ い て 分 析 す る。 この よ う な範 囲 の複 文 で も接 続 助 詞 に よ っ て様 々 な もの が あ り、そ の 意 味 も接 続 助 詞 に よ って微 妙 に異 な る こ とが 多 い 。 そ こで 、分 析 の 焦 点 を 「の で 」 で 接 続 され る順 接 の複 文 と、 「の に」 で接 続 され る逆 接 の 複 文 に絞 る。 た だ し、 この よ う な複 文 が 複 文 全 体 か らみ て どの よ う な位 置 付 け に あ るか を明 らか にす る 目 的 で 適 宜 別 の 接 続 助 詞 を用 い た複 文 に も言 及 す る 。 さ て 、 こ こ で 本 論 文 で扱 うテ ー マ を 明 らか にす る意 味 で い くつ か の 間題 を提 起 し よ う。 (1)花 子 は 、 寒 くて 窓 を閉 め た 。 (2)花 子 は 、寒 が っ て 窓 を 閉 め た 。 まず 、両 方 の 文 と も主 節 の 主 語 も従 属 節 の 主語 も省 略 され て い る。 しか し、 この 省 略 さ れ た主 語 は 、 動 詞 が 必 須 格 と して 要 求 して い る もの で 、 一般 に ゼ ロ代 名 詞 と呼 ば れ る もの だ か ら、省 略 され て は い て も存 在 は して い る もの で あ る。 そ の 上 で 、 こ れ らの文 で は 、 いず れ も 従 属 節 「寒 くて 」 あ るい は 「寒 が っ て 」 の 主 語 と主 節 「窓 を閉 め た」 の主 語 は 一 致 し、文 主 題 の 「花 子 」 に な る とい う読 み に な る。 と ころ が 、 次 の 最 小 対 の 例 文 で は事 情 が 異 な る 。 (3)花 子 は 、 寒 か っ た の で 、 窓 を 閉 め た 。 で は 、依 然 と して 従 属 節 の 主 語 と主 節 の 主 語 が 一 致 し、 「花 子 」 で あ る が 、 (4)花 子 は 、 寒 が っ た の で 、 窓 を閉 め た。 で は 、 「窓 を閉 め た」 の は 「花 子 」 で あ るが 、「寒 が った 」 の は 「花 子 」 で は な い とい う読 み が 直 観 的 で あ る。 こ こで 、 まず 問 題 に な るの は 、対(1)(2)と 対(3)(4)の 間で なぜ この よ う な読 み の 差 が 生ず るの か で あ る 。 こ れ に答 え るた め に は 、次 の ふ たつ の問 題 に答 えれ ば よ い 。 す な わ ち 、 ひ とつ め は 、 なぜ(1)と(2)で は 主節 と従 属 節 の 主 語 が 一 致 す るの か で あ る。 ふ た つ め は 、 なぜ(3)で は主 節 の 主 語 と従 属 節 の 主 語 が 一 致 す るの に 、(4)で は一 致 しな い の か 、 で あ る 。 まず 、簡 単 に 分 か る こ とは 、(1)(2)の 対 で は接 続 助 詞 が 「て 」 で あ る の に 対 し、(3)(4)の 対 で は 接 続 助 詞 が 「の で 」 で あ る点 で あ る。 南(1974)に よ れ ば 、接 続 助 詞 と 節 の構 造 の 間 に シ ス テ マ テ ィック な 関係 が あ る。 そ こ で 、 まず 第2節 で 、 南 の 分 類 な ど を参 考 に し て両 方 の 対 に お け る従 属 節 の性 質 に つ い て 議 論 して い く。 先 取 りす れ ば 、 この 考 察 の 結 果 に よ り、(1)(2)の 対 で は 、主 節 の 主 語 と従 属 節 の 主 語 が 一 致 す る こ とが 構 文 的 に要 請 さ れ るの に対 して 、(3)(4)の 対 で は主 節 の 主 語 と従 属 節 の 主 語 の一 致 は必 ず し も構 文 的 に要 請 され な い 。 で は 、 な ぜ(3)で は 主 語 が 一 致 し、(4)で は 主 語 が 一 致 しな い の か 、 とい う問 題 が 生 ず る。 澤 田(1993)は 、 こ の 問題 を次 の よ うな 形 で 文 法 的原 則 の 形 で定 式 化 して い る。 (5)感 情 述 語 の 経 験 者 名 詞 句 は 、 ひ とつ 上 の 文 の 主 語 と一 致 して い なけ れ ば な ら な い 。

(4)

2複 文 の 階 層 構 造127 つ ま り、 こ こ で は経 験 者 とい う意 味 役 割 を導 入 して い る 。 なお 、従 属 節 の 「ひ とつ 上 の文 」 とは 、 主 節 を意 味 す る。 さ ら に 、接 尾 辞 「が る」 と(5)と の 関係 と して は 、 (6)(5)は 「た い 」 に は適 用 され る が 、 「た が る」 に は適 用 され な い 。 と し て い る。 まず 、(3)で は 、 従 属 節 の 「寒 い 」 は経 験 者 の 感 情 的 経 験 な い し は主 観 的 経 験 を 表 して い るか ら、(5)を 適 用 す る と、 主 節 と従 属 節 の ゼ ロ主 語 が 一 致 す る とい う読 み が 得 られ る。 一 方 、(4)で は 「が る」 が 使 わ れ て い る。(6)で は 「た が る」 だ け を対 象 に し てい るが ・ こ れ が 「形 容 詞+が る 」 に拡 張 で き る と考 え れ ば 、(4)で は(5)が 適 用 さ れず 、結 局 、 主 節 の ゼ ロ主 語 は従 属 節 の ゼ ロ主 語 と一致 す る必 要 が な くな る。 しか し、 この 説 明 で は 、 こ れ らふ た つ の ゼ ロ主 語 が 一 致 し ない とい う読 み ま で は 予 測 しない 。 さ らに 、 これ で は単 に現 象 を原 則 の 形 で 記 述 した に過 ぎず 、 そ の ま まで は一 般 化 が 難 しい 。 そ こで 、 第3節 で は この 問 題 を 語 用 論 的役 割 を導 入 す る こ と に よ り説 明 す る こ とを 試 み る。 第4節 で は 、埋 め 込 み の 深 い複 文 を こ こで提 案 す る手 法 で扱 お う とす る際 の 問 題 点 な ど に つ い て 述 べ る。 2複 文 の 階 層 構 造 本 論 文 で 考 察 の対 象 と して い る 「の で 」 「の に」 に よる複 文 の 位 置 づ け を明 らか にす る た め に は 、 一 般 的 な 日本 語 の発 話 の 構 造 が どの よ うに な っ て い る か 、 に注 意 す る必 要 が あ る。 こ れ に つ い て は 、 既 に三 上(1972),南(1974),田 窪(1987),郡 司(1988)な ど で述 べ られ て い る。 例 え ば 、 三 上(1972)で は 、節 を 単 式 、複 式 と分 類 し、 さ ら に複 式 を軟 式 と硬 式 に細 分 し て い る 。 三 上 の 分 類 は、 節 内 部 の 要 素 と主題 な ど節 外 部 で 定 義 され る要 素 との 関 係 の可 能 性 の 大 小 を反 映 す る分 類 で あ る 。 これ を引 き継 ぐ系 譜 と して 、南(1974)で は 、 日本 語 の構 造 をA類(動 詞 句)、B類(A類+主 語+時 制)、C類(B類+主 題+様 相)、D類(C類+終 助 詞)の4層 の 階 層 構 造 と して 表 現 して い る。 ま た 、 田 窪(1987)で は 上 述 のA類 を さ ら に2 つ の 階 層 に分 け て い る。郡 司(1988)で は 、 さ らに細 か い 階層 構 造 を設 定 し(7)の よ うな木 構 造 の 形 式 で 表 現 して い る。 (7)日 本 語 文 の 階 層 構 造

(5)

こ の構 造 は 一 見 した とこ ろ 、単 文 の構 造 を表 す よ う に見 え るが 、以 下 の よ うに考 え る と複 文 に も対 応 して い る。 す な わ ち 、一 例 と して 、判 断 は主 題 とふ た つ の 意 見 を接 続 助 詞 で 接 続 した複 合 的 な 意 見 か ら で きて い る と見 な せ ば 、(8)の よ う に な り、 こ れ に よ っ て複 文 の 構 造 も表 し う る 。 た だ し、 こ の 図 で は 意 見 の 下 に付 く命 題 以 下 の構 造 は 省 略 して い る。 (8)複 文 の 階層 構 造 の例 これ と同様 に して 、 意 見 、命 題 、過 程 、動 作/状 態 、述 語 、行 動 が 、 各 々 そ の1つ 下 の レ ベ ル の 命 題 、過 程 、 動 作/状 態 、 述 語 、行 動 、 動 作 を接 続 助 詞 な どで複 数 個 接 続 した構 造 を 下 の レベ ル の ノ ー ドに 持 つ こ とを許 せ ば 、種 々 レベ ル の複 文 あ るい は並 列 動 詞 句 な どの 構 造 に も対 応 す る 。 こ の よ う な構 造 に お い て 、前 節 で 問 題 に した 例 文(1)一く4)の従 属 節 を位 置 付 け て み る 。 ま ず 、(1)(2)で あ るが 、 いず れ も従 属 節 は連 用 形 に 「て」 が 直 接 付 い た 形 で あ り、相 辞 も時 制 辞 もな い 。 した が っ て 、 これ らの 文 の従 属 節 は 、(7)の 過 程 よ り下 で あ る こ とは確 か で あ る 。

(6)

2複 文 の 階 層 構 造129 さ らに 、 これ らの従 属 節 に無 理 に 主 語 をつ け る と、 (9)*花 子 は 、太 郎 が 寒 くて 窓 を 閉 め た 。 (10)??花 子 は 、 太 郎 が 寒 が って 窓 を 閉 め た 。 の よ う に非 文 な い しは か な り受 け 入 れ難 い もの に な って しま う。 したが っ て 、従 属 節 独 自 の ゼ ロ主 語(GB風 に言 え ば、[一照 応 的,+代 名 詞 的】)があ る とは考 え られ な い。 つ ま り、 こ の 従 属 節 の 中 身 は(7)の 動 作/様 子 の レベ ル の もの とい う こ とに な る。 こ の場 合 、 そ の 主 語 は 主 節 の 主 語 に 制御 され て い る(再 びGB風 に言 え ば 、[+照 応 的,+代 名 詞 的 】)とい う こ と に な る。 これ に よ っ て 、(1)(2)に お い て 主 節 と従 属 節 の 主語 が 一 致 す る とい う理 由 を説 明 で き た 。 実 際 は 、(1)(2)の 従 属 節 は む しろ 従 属 句 とい うべ き もの だ っ た わ け で あ る 。 ま た 、(2) で は接 尾 辞 「が る 」 が 使 わ れ て い る に もか か わ らず 、(1)と 同 様 に主 節 と従 属 節 の 主 語 の 一 致 が 見 られ るの も、 この 構 造 の文 にお け る構 文 的 要 請 で あ る か らで あ る. こ の よ うな 現 象 は 、他 の接 続 助 詞 で もみ られ 、南 のA類(こ こで い う動 作/様 子 レベ ル)に 付 く とさ れ る同 時 平行 状 態 の 意 味 の 接 続 助 詞 「な が ら」 で も同様 の 主 語 の 一 致 が観 察 され る. (11)花 子 は 寒 が りな が ら窓 を しめ た 。 と こ ろが 、 同 じ 「なが ら」 で も主 語 の あ る行 動/状 態 よ り上 の レベ ル で は 、 そ の 意 味 が逆 接 に 変 化 す る。 例 え ば 、 (12)?花 子 は 、子 供 が 寒 が りな が ら 、 窓 を 閉 め な か っ た は 、若 干 奇 異 に感 じ られ る もの の 、従 属 節 につ く 「なが ら」 は 明 らか に逆 接 で あ る。 もち ろ ん 、 (13)花 子 は 、 子 供 が 寒 が っ て い なが ら、 窓 を閉 め な か った の よ う に して相 辞 「い 」 をつ け れ ば 問 題 な く逆 接 の複 文 と な る(中 川,今 仁,郡 司,田 窪,原 田 ・森1993)。 さて 一 方 、(3)(4)で は接 続 助 詞 が 「の で 」で あ る。 南(1974)に よれ ば 、 「の で」 はB類 に 付 く接 続 助詞 で あ る。 さ ら に、 これ らの例 文 で は 、従属 節 に 「た」 とい う時 制 辞 まで つ い てい るか ら 、事 象 レベ ルの 節 で あ り、 したが っ て 、(3)(4)は 、独 自の 主 語 つ ま り 【一照 応 的,+代 名 詞 的]を 持 つ 。 この 主 語 は 、 一照 応 的 だか ら、主節 の 主 語 には 制御 されず 、そ の 指 示 対 象 は意 味 論 な い しは語 用 論 的 要 因 に よ っ て決 め な け れ ば な らな い 。 以 上 の 考 察 に よ り、前 節 で予 告 した よ うに 、 主 節 と従 属 節 の 主 語 は 必 ず し も一・致 し な くて も よい こ とが 示 され た。 しか し、 ま だ(4)で は、 一 致 しな い とい う読 み が 支 配 的 で あ る こ と を説 明 して い ない 。 この 問 題 には 次 節 で 答 え る こ とに な る。

(7)

3「 の で 」 「の に 」 に よ る 複 文 本 論 文 で扱 う心 理 的 因果 性 を表 す 複 文 とは 、NakagawaandNishizawa(1994)を 拡 張 し た も の で 、具 体 的 に は表1の 従 属 節4種 類 、 主節4種 類 で あ る。 これ らは い ず れ も構 文 的 に 認 識 で きる もの な の で 、例 え ば本 論 文 で の 提 案 を計 算 機 上 の 自然 言 語 処 理 シ ス テ ム と して 実 現 す る こ とが 比 較 的容 易 で あ る. 表1:従 属 節 ・主 節 の分 類 主 節 意 志 的 動 作 動 詞 使 役 態 可 能 態 状 態性 動 詞 お よび形 容 詞 (受動 態 を含 む)(可 能 態 を除 く) 従 属 節 主 観 形 容 詞 主 観 形 容 詞+「 が る」 主 観 動 詞 受 動 態 さ て 、 こ の 表 の 主 観 形 容 詞 、 主 観 動 詞 で あ るが 、大 江(1975)に よれ ば 、「主 観 的 経 験 の形 容 詞 と動 詞 」 と呼 ば れ て い る 。 また 、仁 田(1992)の い う 「話 し手 の 感 情 ・感 覚 と い っ た 心 的 態 度 や 内 的状 態 」 を表 す 形 容 詞 あ るい は動 詞 で あ る。 ま とめ れ ば 、「話 し手 に しか わ か ら な い 内 的 な 感 情 、状 態 を 表 す 」 形 容 詞 あ るい は動 詞 とい う こ と に な る。 具 体 的 に は 、 主観 形 容 詞 と して は 、「悲 しい 」 「苦 しい 」 「淋 しい 」 「嬉 しい 」 な ど、 主観 動 詞 と して は 、「悲 しむ 」 「苦 しむ」 「喜 ぶ 」 な どが あ る。 ま た 、「暑 い 」 「寒 い 」 な ど も主 観 的 に使 わ れ る。 当 然 、 こ れ らに は 人称 制 限 が あ る わ け で 、詳 しい 分析 は仁 田(1992)に あ るが 、概 略 、肯 定 文 で は主 格 が 一 人称 しか と らず、二 人 称 の 場 合 は 疑 問 文 、三 人 称 の場 合 は 、「ら しい 」 な どの モ ダ リテ ィが 必 要 で あ る と さ れ る。 た だ し 、次 の例 文 に見 られ る よ う に こ の 制 限 は 、形 容 詞 の方 が 強 く、 ま た過 去 形 に な る と若 干 緩 和 され る。 (14)???彼 は 苦 しい 。 (15)?彼 は 苦 しむ 。 (16)??彼 は苦 しか った 。 (17)彼 は苦 しん だ。 特 に、(17)は 、書 き言 葉 で あ れ ば ほ と ん ど違 和 感 が な い 。 と ころ で 、本 論 文 の 場 合 、複 文 従 属節 に こ れ らが 現 れ る場 合 を扱 うの で 、上 記 の 人 称 制 限 は必 ず し も当 て は ま らな い が 、 大 江(1975)に よ れ ば 、 ひ とつ 上 の 構 造 の 主 語 つ ま り複 文 な ら主 節 の 主語 を話 し手 す な わ ち 一 人 称 に見 立 て れ ば 、 同 様 の 人称 制 限 が 成 立 す る。 さ て 、 「の で 」 に よ っ て接 続 され る複 文 は 全 て 「原 因 ・理 由一結 果 」 の 因 果 性 を表 す 。 「の に」 で接 続 され る と複 文 は 、「原 因 ・理 由 一 この 原 因 か ら予 想 さ れ る の と異 な る結 果 」 を表 し て い るが 、 まず 従 属 節 で記 述 され る原 因 、理 由 か ら予 想 され る結 果 が 主 節 に お い て 前 提 さ れ

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3「 の で 」 「の に」 に よ る複 文131 る の で 、 や は り原 因一結 果 の 因果 性 を抜 きに は 分 析 で きな い 。 この 「因 果 性 」 を扱 か うた め に は 、 因 果 性 に おけ る 原 因 を受 け 止 め 、 そ れ を動 機 と して 、 因果 性 の 結 果 に相 当 す る 動作 を 行 な う人 物 が 必 要 に な る。 因果 性 自体 、 「殴 られ た ら痛 い 」 とい う よ うな 常 識 知 識 に よる も の まで あ る わ け で 、 内 容 的 に 因果 性 に お け る 動 機 を持 つ 人 物 を定 義 す る こ とは 困 難 で あ る。 そ こで 、 こ こ で は 、常 識 知 識 に は踏 み込 ま な い で 、言 語 的 に分 か る 因果 性 に お け る動 機 を持 つ 人 物 につ い て考 察 す る こ とにす る 。 な お 、 以 下 で は 、 この 人 物 を動 機 保 持 者 と呼 ぶ 。 この 動 機 保 持 者 は 、意 味 役 割 や 以 下 で 導 入 す る語 用 論 的 要 素 を用 い て3.4節 の 表2の よ う に 特 徴 付 け ら れ る 。 た だ し、敢 え て直 観 的 な 定 義 を述 べ れ ば 、 の よ う に な る。 定 義1(動 機 保 持 者)1)順 接 複 文 に お け る動 機 保 持 者 と は 、従 属 節 で記 述 され る状 況 を経 験 な い しは観 察 して 、主 節 中 で 記 述 さ れ る何 らか の 動作 も し くは状 態 を引 き起 こす に十 分 の 動 機 を持 つ 人物 を指 す 。 2)逆 接 複 文 に お け る動 機 保 持 者 とは 、従 属 節 で記 述 され る状 況 を経 験 ない しは観 察 した 人 物 で あ れ ば行 な う と予 想 さ れ る動 作 の動 作 主 、 な い しは そ う な る と予 想 され る状 態 の 経 験 者 で あ る。 た だ し、 実際 に は、 主 節 で は そ の動 作 や 状 態 は 、記 述 され な い 、 な い しは その 否 定 が 記 述 され て い る。 以 下 の各 節 で こ こで 提 案 した動 機 保 持 者 とい う概 念 を利 用 して 、 「の で 」「の に」 文 の ゼ ロ 主 語 の 指 示 対 象 を決 め る制 約 に つ い て 述 べ る。 なお 、以 降 で 、意 味 役 割 や語 用論 的 要 素 の 照 応 関 係 を 記 述 す る場 合 、"役 割 名1設定された節】"と い う表 記 を用 い 、 特 にそ の 意 味 役 割 が 表 現 上省 略 され て ゼ ロ代 名 詞 とな っ て い る(用 言 の必 須 格 に対 応 して い るが 、 文 中 で は 明 示 され て い な い)場 合 には 、"φ鸚 された節】"と 表 記 す る.例 え ば 、"動 作 主[主1"は 、 主 節 中 の 動 作 主 を示 し、"φ鴇 者"は 、 従 属 節 中 の 、ゼ ・代 名 言司と な っ て い る纖 者 を示 す. 3.1主 節 が 意 志 的 動 作 の 場 合 お よび 従 属 節 が 主 観 述 語 の場 合 まず 、主 節 が 意志 的 動 作 の 場合 お よ び従 属 節 が 主 観 形 容 詞(+「 が る」)の 複 文 に つ い て 典 型 的 な 例 と して 、(18)(19)を 用 い 、検 討 をす す め る。 (18)φ 鴇 者暑 が っ た の で 騾 主窓 を 開 け た 。 直 観 的 に は 、φ騾 主は 、φ鸚 者自身 で1まな く、 φ鸚 者の暑 が る 状 態 を観 察 した 人 で あ る.ま た 、逆 接 の 場 合 、 例 え ば次 の 文 で は 、 (・9)φ 鸚 者暑 が っ た の に 、結 局 騾 主窓 を 開 け な か っ た. φ黥 卍主は 、 φ鏖簸者の 暑 が る状 態 を観 察 した 人 と い う読 み が 支 配 的 だ が 、 弱 い 読 み と して 鵜 者自 身 と も読 め る 。 た だ し、 この 読 み1ま 「結 局 」 の よ う な語 彙 に依 存 して い る部 分 が 大 きい と考 え られ る・ 一 方 ・(・8)で は ・ 仮 に主 節 に 「結 局 」 をつ け て も 、嚇 墨主は φ鸚 者 自身 に は 読 め な い 。

(9)

この 読 み を 形 式 的 に議 論 す る た め の道 具 立 て 及 び 制 約 につ い て以 下 に説 明 す る。 まず 、従 属 節 に つ い て 見 て み る と、 主 観 形 容 詞 「暑 い」 に様 態 辞 「が る」 の 過 去 形 「が っ た 」 が続 い て お り、主 観 形 容 詞 の"経 験 者"が ゼ ロ代 名 詞 と な っ て い る 。 と こ ろで 、 (20)彼 は苦 しが っ た 。 が 「彼 」 に し か分 か らな い はず の 内 的状 態 を表 す に もか か わ らず 、 自然 な文 で あ る こ とか ら も分 か る よ う に、 主観 形 容 詞 に 「が る 」 を つ け る と、 主観 形 容 詞 に よ り表 現 され る主 観 的 感 情 が 「が る」 に よ っ て外 部 か ら観 察 で きる よ うに な る(大 江1975,Pa㎞er1986)。 この 現 象 を、"観 察 者"と い う役 割 を導 入 す る こ と に よ り扱 う。観 察 者 は述 語 の 要 求 す る格 で は な い か ら 、意 味 役 割 とは い えず 、 む し ろ、 語 用 論 的 に 導 入 さ れ た 要 素 で あ る。 定 義2(観 察 者)観 察 者 とは 、 命 題 部 で記 述 され る状 況 を、 直接 も しく は間 接 的 に 観 察 す る 人物 の う ち命 題 部 の 状 況 の経 験 者 役 割 に は な ら な い 人物 を指 す 。1 この 観 察 者 とい う役 割 を用 い れ ば 、(18)で は 、観 察 者 が 動機 保 持 者 に、(19)で は 、観 察 者 あ る い は 経 験 者 が 動 機 保 持 者 に な る とい え る。 とこ ろ で 、 観 察 者 は 「が る」 以外 に よ って も導 入 さ れ る こ とが あ る 。例 え ば 、(17)の よ う な主 観 動 詞 の 場 合 、 「彼 が 苦 しん で う な っ て い る 」状 況 を記 述 して い る な ら、 そ の 状 況 を観 察 す る こ とは 物 理 的 に可 能 で あ り、結 果 、彼 の状 況 を観 察 す る観 察 者 を想 定 で き る。 逆 に言 え ば 、 観 察 者 を導 入 で きる か ら こそ 、 話 し手 が観 察 者 に な る とい う解 釈 で(17)が 受 容 可 能 に な る と言 え る。 以 上 ま とめ る と 、 こ の よ う に して導 入 さ れ た観 察 者 を用 い て 、従 属 節 か ら計 算 さ れ る 動 機 保 持 者 の 参 照 物 に 関 して は次 の 制 約 が 観 察 さ れ る。 制 約1従 属 節 が主 観 形 容 詞+「 が る」 に よ る記述 の 場 合 、順 接 の 複 文 で は、動 機 保 持 者=観 察者 【従】で あ り、逆 接 の複 文 で は 、(動機 保 持 者=観 察者 【従])が 支 配 的 だ が(動 機 保 持 者=経 験 者【従り も弱 い な が ら可 能 な 場 合 が あ る。 次 に 、従 属 節 か ら、例 え ば 制 約1に よ って 求 ま った 動 機 保 持 者 が 主 節 の どの 人 物 に結 び付 くか を議 論 す る 。例 文(18)(19)で は 、動 機 保 持 者 は い ず れ も主 節 の 主 語 に一 致 す る読 み と な っ た。 斎 藤(1992)に よ れ ば 、動 機 保 持 者 は 主節 の 主 語 に結 び 付 く とさ れ て い る 。2しか し、 次 の例 文 を見 て み よ う。 (21)φ 鴇 者ガ ー ル フ レ ン ドの 酒 ぐせ を嫌 が っ た の で 、 φ罧 主嶋 者ふ られ た ・ (22)φ 鸚 者鰤 ・っ た の に 、φ罧 主φ羅 者無 理 矢 理 注 射 さ れ た ・ 1た だ し、「が る」 のつ く主観 形容 詞 の経 験者 として話 し手 が照応 す る場合 、(「が る」の過去形 「が った」のつ く主観 形容 詞 の経験 者)=(「 が る」に よる観察 者。 ただ し現 在 か ら過去 を振 り返 る形 で 回想 してい る)と い う解釈 は 、4f5卿cε4θgo(大江1975)と 呼 ばれ る もので あ る。 した が って、 この場合 は経験 者 を現 在 と過去 の2人 に分割 して別人 と考 え る こ とになる。 2斎藤(1992)で は 、動機保 持者 の かわ りに認知 者 と呼 んでい る

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3「 の で 」 「の に」 に よる複 文133 で は、従 属 節 の経 験 者 の 嫌 が るの を観 察 した観 察 者 は 、主 節 の受 動 態 の主 語 で は な く、ふ っ た り(21)、 注 射 した り(22)す る動 作 主 で あ る 。 した が っ て 、 この よ う な文 ま で扱 うた め に は 、 従 属 節 か ら求 ま っ た動 機 保 持 者 が 主 節 の どの役 割 と一 致 す るか に 関 して は意 味 役 割 を 用 い て次 の 制 約 とす るべ きで あ る 。 制 約2主 節 が意 志 的 動 作 記 述 の場 合 、動 機 保 持 者=動 作主[主】で あ る。 次 に 、従 属 節 が 「が る」 の つ か な い主 観 形 容 詞 の場 合 につ い て考 察 す る 。既 に挙 げ た 例 文 (14)あ るい は(16)の 非 文 性 は 、 主 観 形 容 詞 「苦 し い 」 で 記 述 さ れ る 「彼 」 の 内 的 状 態 は 、 「彼 」 以 外 に は 分 か らな い の を 、 「彼 」 で は な い話 し手 が 記 述 す るか らで あ る と説 明 さ れ る (仁 田1992)。 つ ま り、 「彼 」 の 「苦 しい 」 状 態 の 観 察 者 は い ない こ と に な る。 した が っ て 、 「が る 」 の つ か ない 主 観 形 容 詞 の場 合 、動 機 保持 者 に な りう る役 割 は経 験 者 自身 しか い な い 。 結 果 と して 、 制 約 は 次 の よ う に な る 。 制 約3従 属 節 が主 観 形 容 詞 の み に よ る記 述 の 場 合 、 動 機 保 持 者=経 験 者【従属節】で あ る。 例 え ば 、 次 の文 で は 、"φ鴇 者=φ 罧 主"と い 懈 釈 だ け が 容 認 で き る。 (23)櫑 者暑 か った の で φ罧 主窓 を 開け た 。 次 に 、従 属 節 が 主 観 動 詞 、 例 え ば 「困 る」 「悲 しむ」、 の 場 合 につ い て検 討 す る 。既 に 、例 文(15)(17)に 関 して 説 明 した よ う に 、 主観 動 詞 の 場 合 、 観 察 者 を導 入 す る こ とは 可 能 で あ る 。従 って 、動 機 保 持 者 に な り う る役 割 と して は経 験 者 の他 に観 察 者 もあ る はず で あ る。 こ の こ とを次 の 例 文 に よ って 見 てみ よ う。 (24)φ 騾 者友 人 が お 金 に困 っ た の で 、 φ騾 主援 助 した. (25)φ 麒 者友 人 が お 金 に困 っ た の}こ、 φ罧 主見 て 見 ぬ ふ りを した 。 この 例 で は 、主 節 の ゼ ロ動 作 主 は 、 「お 金 に 困 っ た 友 人 」 す なわ ち従 属 節 の経 験 者 で は な く、 そ の 状 態 の 観 察 者 で あ る話 し手 と い う読 み に な る 。 もち ろ ん 、次 の 例 文 の よ うに 、 従 属 節 の 経 験 者 が 動 機 保 持 者 に な り、 結 果 的 に主 節 の動 作 主 に な る場 合 もあ る. (26)φ 鸚 者お金 に困 った の で 、騾 主援 助 を 求 め た. (27)φ 鸚 者お金 に困 っ たの に 、嚇 濃主援 助 を 求 め た り しな か った 。 ま とめ る と、 主観 動 詞 で は 動 機 保 持 者 に 関 して は 次 の よ うな 制 約 とな る 。 制 約4従 属 節 が主 観 動 詞 の み に よ る記 述 の場 合 、(動 機 保 持 者=観 察者 【従】)あるい は(動 機 保 持 者=経 験者 【従】)であ る。 次 に 、 次 の例 文 に示 す よ う に主 節 が 使 役 態 の場 合 につ い て検 討 す る 。 (28)φ 鸚 者暑 か っ た の で 、 φ搬 者 φ轟 主窓 を 開け させ た.

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直 観 的 読 み は 、従 属 節 で導 入 され る纖 者 φ鴇 者が 主 節 に お け る 「窓 を開 け させ た 」使 役 者 つ ま りφ搬 者に 一致 す る・ こ れ は 、主 節 が使 役 態 で あ る 複 文 一般 に関 して 成 立 す る・例 え1ま、 次 の例 文 の よ う に従 属 節 に 「が る」 の つ い た 場 合 は 、従 属 節 で 記 述 され る 「暑 が って い る 」 人 物 の様 子 を観 察 した 観 察 者 が 、 「窓 を 開 け る」 こ と を許 可 した 、 な い し は別 人 に 窓 を 開 け る よ う に命 令 した主 節 の 使 役 者 で あ る とい う読 み が 直 観 的 で あ る. (29)φ 鸚 者暑 が っ た の で 、φ騾 者嚇 差主窓 を開 け させ た. 従 っ て 、 主 節 が 使 役 態 の 場 合 の 従 属 節 か ら求 ま っ た動 機 保 持 者 が 主 節 の ど の役 割 に結 び 付 くか に 関 す る制 約 は 次 の よ う に な る。 制 約5主 節 が使 役 態 の 場 合 、 動機 保 持 者=使 役者[王】で あ る。 換 言 す れ ば 、 主 節 の 使 役 者 が させ た 動 作 の動 作 主 な どは 、 従 属 節 か らや っ て くる 動 機 保 持 者 との 直 接 的 関係 は 持 た な い こ と に な る。 3.2従 属 節 が 受 動 態 の場 合 受 動 態 の 文 に は 、大 き く分 け て 直 接 受 動 文 と間 接 受 動 文 とが あ る。 外 池(1991)な ど に も 述 べ られ て い る よ うに 、 まず 間接 受 動 文 に つ い て 、 そ の 主格 に対 応 す る意 味 役 割 と して 被 害 者 を設 定 す る こ と とす る。3そ して 、直接 受 動 文 、間接 受 動 文 に関 わ らず 、被 影 響 者 とい う意 味 役 割 を次 の よ う に定 義 し、設 定 す る。 定 義3(被 影 響 者)被 影 響 者 と は、受動 態 で記 述 され る動 作 ・作 用 の影 響 を受 け る人物 を指 し、 ● 直接 受 動 文 の 場 合 、接 尾 辞 「られ」 が下 位 範 疇 化 す る動 詞 句 での 受動 者 と同 一 人 物 を 指 す 。 ● 間 接 受 動 文 の 場 合 、 接 尾 辞 「られ 」 の 主 格 す な わ ち被 害 者 を指 す 。 従 属 節 が 直 接 受 動 文 の場 合 につ い て 、 次 の よ うな例 文 を考 え て み る。 (30)φ 鸚 者先 生 に叱 られ たの で 、 嚇 墨主理 由 をたず ね た ・ こ の文 だ と、 叱 られ た 話 し手 が 動 機 保 持 者 に な り、 そ の 理 由 を先 生 に た ず ね た 、 とい う解 釈 が 自然 で あ る 。 つ ま り、動 機 保 持 者 は被 影 響 者 とい う こ とに な る。次 に、 間 接 受 動 文 の 場 合 に つ い て(31a)を 例 文 と して用 い検 討 す る 。 (3・)乱 φ鸚 黯 子 供 が 先 生 に叱 られ た の で 、螺 主理 由 を たず ね た ・ b.子 供 が 先 生 に 叱 ら れ た 。 3こ れ は、従 来 、被害 受 身文で考 え られて きた 「被害 者」 に一致 す る。

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3「 の で 」 「の に」 に よる複 文135 この 例 文 で は 、(31b)は 能 動 文 「先 生 が 子 供 を 叱 っ た。」 に対 応 す る直 接 受 動 文 と して 認 識 され るが 、(31a)で は 、次 の よ うに 、 同 じ従 属 節 に対 して直 接 受動 文 と して の 解 釈 と間接 受 動 文 と して の解 釈 双 方 が 許 され る。 つ ま り、 受 動 文 を従 属 節 と した と きに は 、そ の受 動 文 が 直接 受 動 文 な の か 間 接 受 動 文 な の か 区 別 で きな くな る 、 とい う現 象 が 生 じる。 直 接 受 動 文 と して の 解 釈 で は 、φ罧 主は従 属 節 の 受 動 者"子 供"で あ る。 一 方 、 間接 受 動 文 と して の解 釈 で は φ蹟鯉 は従 属 節 の 被 害 者(多 分 、子 供 の親 で あ る と ころ の話 し手)で あ る 。被 影 響 者 の 定 義 に よ れ ば ・ ど ち らの 場 合 も・騾 主力・櫑 響者と な る・ した が っ て 、φ鸚 黯=動 機 保 賭 =φ罧 主 とな っ て い る. な お 、(31a)の 間接 受 身 の 被 害 者 は 「子 供 」が 叱 られ た こ と に よ り何 らか の 影 響 を受 け る 人 物 で あ る。 例 え ば 、 そ の 「子 供 」 の 親 な ど、 「子 供 」 と何 らか の 関係 に あ る人 物 が 挙 げ ら れ る 。 この 「子 供 」 の 例 の よ う に 、名 詞Xか ら、 そ のXに 関 係 の あ る人 物 が 容 易 に連 想 で き る場 合 に は 、 この 例 の よ う な読 み が 得 や す い 。他 の 例 で は 、父 親 、母 親 、姉 、兄 、上 司 な どが あ る 。 もっ と極 端 な例 で は (32)a.財 布 が 盗 まれ たの に 、気 づ か な か った 。 b.足 が 隣iに立 って い る 人 の ハ イ ヒー ル の か か とで 踏 まれ た の で 、頭 に来 た。 の よ うに 、持 ち 物 や 身 体 の一 部 の場 合 は 、持 ち主 や 本 人が 被 影 響 者 にな る こ とが よ く知 ら れ て い る 。 ま た 、 これ らの 例 文 で は 、 主 節 の ゼ ロ主 語 で あ る経 験 者 は、被 影 響 者 に一 致 す る とい う読 み が 支 配 的 で あ る 。 な お 、 主 節 が 使 役 態 の文 、例 え ば 、 (33)φ 鸚 響者弟 子 の 書 い た論 文 が1丿ジ ェ ク ト さ れ た の で 、 φ搬 者φ驟 主舳 を 知 ろ う と学 会 に電 話 をか け させ た 。 で は澗 接 受動態 の鰍 ・つ ま り弟子 の指導教官で あるφ鸚 響者が螺 者に一致す る とい う読み が直観 的であ る・ したがって・いず れの場合 も渤 灘 賭=φ 鸚 響者とい 懈 釈 をす れ ば よい 。 ま とめ る と、 動 機 保 持 者 に関 す る制 約 は 、次 の よ うに な る。 制 約6従 属 節 が 受 動 態 の場 合 、動 機 保 持 者=被 影響者 【従】で あ る。 3.3主 節 が状 態 性 の 述 語 の場 合 こ の小 節 で は 、主 節 が状 態 性 の述 語 の場 合 を 、可 能態 とそ れ以 外 の場 合 に分 け て議 論 す る。 3.3.1可 能 状 態 こ の 節 で は 、 主節 が 「休 め る」 「食 べ られ る 」 「読 め る」 な ど とい う形 の 「可 能 状 態 」 を表 す 場 合 につ い て 検 討 す る。 寺 村(1982)で は 、"日 本 語 の 可 能 態 の 表 して い る 中 心 的 な 意 味

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は 、 「何 々 し よ う と思 え ば 、 そ の 実 現 に つ い て妨 げ る もの は な い 」 とい う こ と"と 述 べ て い る。 これ は言 い 替 え れ ば 、"「可 能 状 態 」 を 実 際 に可 能 とす る た め の何 らか の(意 志 的)動 作 ・ 行 為(「 妨 げ な い 」 とい うの も これ に含 む。)を 行 っ た 人物 が 存在 す る"と な るか ら 、次 の よ う に性 格 付 け られ るす る 許 可 者 とい う要 素 を導 入 して 可 能 状 態 を扱 う こ と とす る 。 定 義4(許 可 者)許 可 者 と は 、 可 能 状 態 を記 述 す る文 に お い て 設 定 され 、 そ の 「可 能 状 態 」 が生 じ る よ う な な ん ら かの(意 志 的)動 作 ・行 為(許 可 を含 む)を 行 な う 人物 の う ち そ の 可 能 状 態 の 経 験 者 以 外 の 人 物 を指 す。 当然 、 許 可 者 は 、 述 語 の格 に は 対 応 せ ず 、語 用論 的 に導 入 され る 要 素 で あ る。 しか も、 場 合 に よ っ て は 、 そ の 導 入 自体 が 文 脈 依 存 的 で あ る た め 、 形 式 的 な扱 い の 困難 な 要 素 で あ る。 た だ し、 そ れ に もか か わ らず 、主 節 が可 能状 態 を記 述 す る場 合 を分 析 す る に は 、有 用 な概 念 で あ る こ と を以 下 に論 じて い く。 な お 、 許 可 者 とい うの は使 役 態 の使 役 者 に対 応 す る もの で あ るが 、 陽 に 表現 さ れ て い な い点 が異 な る。 まず 、 次 の文 に つ い て 考 え る 。 (34)φ 隰 者腹 を痛 が っ た の で 、 嶋 者会 社 を休 め た ・ こ の複 文 の 解 釈 と して は 、次 の ふ た つ が あ る と考 え られ る 。 ・.φ 霧 者4=φ 鸚 者 つ ま り、休 め た の は 、櫑 者 自身 で あ る が 、 φ鸚 者が 痛 が る様 子 を嬾 し嫁 族 な ど が 、 φ鸚 者が 会 社 を休 む こ と を許 した ・ とい う よ う に読 め る・ 2φ 霧 者=観 賭 【従】・ こ の解 釈 で は 、例 え ば 、子 供 が 腹 を痛 が っ た の で 、 そ れ を観 察 した 母 親 つ ま り観察 者 【従】が そ の こ と を口 実 に して会 社 を休 ん だ よ うな 状 況 が 想 定 で きる。 た だ し、 この 場 合 で も想 像 をた くま し くす れ ば 、 そ の母 親 か ら連 絡 を受 け た 会 社 の 上 司 な どが い て 、 そ の上 司 が 母 親 の 休 み を許 可 した と想 定 され る。 す る と、 そ の 上 司 も母 親 か らの 連 絡 に よ り子 供 の 腹 痛 状 況 の 間接 的 な観 察 者 で あ る と考 え ら れ る. これ らの 解 釈 よ り、"従 属 節 の観 察 者=主 節 の許 可 者"と す る(つ ま り、従 属 節 で 記 述 さ れ て い る状 況 を観 察 した もの が 、 あ る 人物 に対 して何 らか の 許 可 を与 え る と考 え る)の が 、意 味 的 に も妥 当 で あ る と考 え られ る。 ま た 、 主節 の 使 役 態 にお い て 動 機 保 持 者 が 使 役 者 に な る とい う制 約5と の 平 行 性 か らい っ て も この 解 釈 は理 に か な って い る。 こ の よ う な考 察 に よ り、 動機 保 持 者 に関 す る制 約 は 一応 「動 機 保持 者=許 可 者国 」 の よ うに な る 。逆 接 の 場 合 は 次 の よ う な 例 文 が あ る。 (35)φ 鴇 者痛 が っ た の に 、驫 者会 室土を休 め な か っ た・ 4つ ま り、 「休 め た 」 人 で あ る 。

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3「 の で 」 「の に」 に よる複 文137 この 例 文 で は順 接 の 「の で 」 に よ る複 文 と 同様 の議 論 が 成 り立 つ 。 (36)φ 鸚 者病気で苦 しが ったのに、φ羅 者会社 を休め なかった・ だ と、φ鸚 者の病気 で乱 い状態 の観賭 力・鶴 者が会社 を休 む こ とを許可 しなか った許可 者 で あ る とい う読 み が 支 配 的 で あ ろ う。 と こ ろ が 、 (37)φ 鸚 者病 気 で 苦 しか っ た の に 、φ羅 者会 社 を休 め なか っ た ・ で は 、会 社 を休 む こ とが 、φ鸚 者自身 の判 断 で で き なか っ た の か ・誰 か す な わ ち許 可 者 に強 制 され て で き な か っ た の か は 判 然 と しな い 。 つ ま り、 一応 きめ た制 約 「動 機 保 持 者=許 可 者 庄 】」 が 正 しい か ど うか を も う少 しよ く検 討 す る必 要 が あ る。 従 属 節 が 主 観 動 詞 の 場 合 と受 動 態 の 場 合 も調 べ て み よ う. (38)φ 鸛 者傷 が 痛 ん だ の で/の に 、φ霧 者会 社 を休 め た/な か っ た・ この 場 合 少 な く と も、φ鸚 者が 会 社 を休 め た わ け だ が ・ その 許 賭 は ・傷 が 痛 ん だ人 自身 の判 断 で 休 ん だ の な らφ鸚 者(渤 機 保 持 者)・ そ れ を観 察 した観 賭(例 え ば会 社 お 抱 え の 医 師)が 休 ませ た な らそ の 観 察 者(=動 機 保 持 者)、 とい う両 方 が 可 能 で あ ろ う。 次 に受 動 態 の 場 合 で あ る。 (39)φ 鸚 黯 親 に 死 なれ た の で/の 。こ・φ羅 者会 社 を休 め た/な か っ た ・ こ の 場 合 は 、従 属 節 か ら計 算 され る 動 灘 儲1ま 、φ鸚 黯 で あ るが 、直観 的 に は この 動 機 保 持 者 が 会 社 を休 め た/な か っ た嘱i聽 で あ る とい う こ と しか わ か らず ・ カ・りに許 可 者 が い た と して も こ の文 だ け か らで は 動 機 保 持 者 と許 可 者 の 関 係 は つ か な い 。 ま た 、(34)の2. の解 釈 も 、 そ こ で 述 べ た よ うな 説 明 は 深 読 み に 過 ぎ る とい う批 判 も あ り う る。 した が っ て 、 動 機 保 持 者=経 験 者【主】を許 せ ば 、 こ の よ うな深 読 み を必 要 と しな くな る。 以 上 の よ うな 考 察 を総 合 す る と、主 節 が 可 能 態 の 場 合 、 先 に示 した 動 機 保 持 者=許 可 者1主】とい う制 約 は強 過 ぎ る こ とが 分 か る 。 した が っ て 、 こ こで は弱 いが 可 能性 の あ る読 み を排 除 しな い 次 の 制 約 を置 くに と どめ る。 制 約7主 節 が 可 能 状 態 記 述 の 複 文 の 場 合 、(動 機 保 持 者=許 可者 【主】)ある い は(動 機 保 持 者 =経 験 者[主】)であ る。 な お 、動 機 保 持 者=経 験 者【王】に な る場 合 は 、経験者 匡 】自 身 が 許 可 者 の 役 割 を して し ま って い る と考 え られ る。 た だ し、従 属 節 にお い て は 、主 観 動 詞 の 場 合 に動 機 保 持 者 に な り う る役 割 に観 察 者 と経 験 者 とい う曖 昧 さが あ り、 こ こ で ま た動 機 保 持 者 の 主 節 に お け る結 び付 き先 に曖 昧 さが あ る の で 、全 体 と し て4個 の 可 能 性 の あ る曖 昧 さに な る。 そ して 、 この 曖 昧 さ は 最 終 的 に は 文 脈 情 報 な ど に よ っ て解 消 され る もの で あ ろ う。

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3.3.2状 態 性 動 詞(非 動 作)お よ び 形 容 詞 前 節 で 扱 っ た 可 能 状 態 以 外 の 状 態 を表 す 状 態 性 述 語 が 主 節 で 使 わ れ て い る場 合 に つ い て 考 察 す る。 ま ず 、経 験 者 が 主 格 に な る形 容 詞 に つ い て考 察 す る 。 (4・)φ 鸚 黯 母 親 に怒 られ た の で 、φ羅 者悲 しか っ た ・ (4・)φ 鸚 響者ガ ー ル フ レ ン ド にふ られ た の に 、 なぜ か φ羅 者悲 し くな か っ た ・ (42)彼 女 が み ん な の せ っ か くの 好 意 を嫌 が った の で 、嶋 者腹 立 た しか っ た ・ こ れ らの 文 で は いず れ も従 属 節 か ら求 ま る動 機 保 持 者((40)(4・)で は φ鸚 黯 、(42)で は 彼 女 の 嫌 が るの を観 察 した観 察者 で あ る と ころ の 話 し手)が 、 主節 の 経 験 者 に 一 致 す る とい う読 み に な る. 次 に 「驚 く」 「喜 ぶ 」 「悲 しむ 」 「困 る」 な どの 、経 験 者 が 主格 に な る状 態 性 の 動 詞 に よ り 主 節 が 記 述 され て い る場 合 につ い て検 討 す る 。例 文 と して は、 本稿 で 対 象 に して い る 従 属 節 の タ イプ に 対 応 し て次 の文 を用 い る 。 (43)亂 櫑 者痛 か っ た の で 嶋 者困 っ た ・ b.φ 鸚 者痛 が っ た の で 嶋 者困 った ・ cφ 鸚 者悲 しん だ の で 嶋 者困 った ・ 乱 φ鸚 響者泣 か れ た の で φ鸚 者困 っ た ・ 主 節 で 設 定 さ れ る 、 主 格 に 対 応 す る 意 味 役 割 は 経 験 者 で あ り 、 こ れ が 、(43a)で は"経 験 者 【従】"と 、(43b)(43c)で は"観 察 者1従】"と そ れ ぞ れ 一 致 す る 、 と い う解 釈 を 得 る 。 ま た 、(43d) で は"被 影 響 者 【従】"と い う 解 釈 に な る 。 一 方 、 逆 接 の 場 合 は 、 ㈹aφ 鸚 者痛 か ったのにφ慰 者困 らなか った・ hφ 鸚 者痛 が ったの に嶋 者困 らなカ・った・ cφ 鸚 者悲 しんだの に嶋 者困 らなか った・ 己 φ鸚 黯 泣か れたの に嶋 者困 らなか った・ の よ うな 例 文 に な る 。 まず 順 接 の 場 合 と 同 じ解 釈 が いず れ の 文 で も可 能 で あ る。 また 、 こ の 例 文 で は 、順 接 の 場 合 以 外 の解 釈 は考 え に くいが 、 例 え ば(44b)あ る い は(44c)で 主 節 を 「結 局 、泣 くの を我 慢 した」 に す る と、従 属 節 の経 験 者 が 主 節 の経 験 者 に一 致 す る読 み もま っ た く不 可 能 とい うわ け で は な さそ うで あ り、結 論 と して 主 節 が 動 作 の 場 合 と同 様 に主 節 の経 験 者 は 動 機 保 持 者 に な る と考 え れ ば よい 。 以 上 の 観 察 に よ り、動 機 保 持 者 を導 入 す る こ とに よ り次 の よ うな制 約 が 考 え られ る こ と に な る。

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3「 の で 」 「の に 」 に よ る複 文139 制 約8主 節 が 形 容 詞 あ る い は状 態性 記 述 の 動 詞 に よ る記 述 の場 合 、動機 保 持 者=経 験 者 【主】 で あ る。 3.4複 文 に お け る制 約 以 上 、 複 文 に お け る動 機 保 持 者 を巡 る 制 約 につ い て 述 べ て き た 。 これ を ま とめ る と、 従 属 節 に お け る どの 役 割 が そ の 従 属 節 か らわ か る動 機 保 持 者 に な る か が 表2の よ う に な り、 こ の よ うに して 求 ま っ た動 機 保 持 者 が 主 節 にお け る どの役 割 と一 致 す る か が 表3の よ う に表 さ れ る。 表2:従 属 節 か らの動 機 保 持 者 の 決 ま り方 動 機 保 持 者 に な り うる役 割 従 属 節 の 形 式1頂 接 逆 接 主観 形 容 詞 経験 者[従】 経験 者【御 主観 形 容 詞+「 が る」 観 察者[御 観 察者【従】か 経 験者 【従] 主観 動 詞 観 察者1従】か 経 験者 【従1観 察者[従】か 経 験者1従】 受 動 態 被 影響 者1従1被 影 響者 【従】 表3:従 属 節 か ら求 ま った 動 機 保 持 者 と、 主 節 の 意 味 役 割 との 関係 主節 の形式 動機保 持者 に関す る制約 動作 動 詞 に よる意志 的動 作(行 為)記 述 動機 保持 者=動 作 主庄 節】 使役 態の記 述 動機 保持 者=使 役 者【主節】 可 能 態 に よる状 態記 述(動 機保 持 者=許 可者圧1)v(動 機保 持 者 二経験 者[王1) 可 能 態以外 の状 態性 の動詞 による記述 動機 保持 者=経 験 者【主節】 こ こ で 、 なぜ 動 機 保 持 者 を導 入 した か につ い て再 考 して み る。 まず 第1に は 、 計 算 機 上 に 日本 語 理 解 シ ス テ ム を作 っ た場 合 の 理 解 プ ロ セ ス に お け る計 算 効 率 の 問題 で あ る。 もち ろ ん 、 表2と 表3を 結 合 して 、例 え ば 、観 察者 【従】=動作 主庄 】の よ うな 制 約 の 集 合 を考 え て も良 い 。 た だ し、 この 場 合 は 、組 合 せ の数 が 大 き くな り、従 属 節 が 順 接 と逆 接 あ わ せ て8種 、 主節 が4種 だ か ら 、計32種 類 の制 約 を書 き下 さな け れ ば な ら ず 、見 通 しが 悪 い 。一 方 、動 機 保 持 者 を 巡 る制 約 を上 の ふ た つ の 表 の よ う に主 節 と従 属 節 に 分 割 す れ ば 、 そ れ ぞ れ 主 節 、従 属 節 で 局 所 的 に計 算 で きる 。計 算 機 で こ れ らの 制 約 を利 用 す る理解 シ ス テ ム を作 る場 合 に、局 所 的 で あ れ ば 、並 列 に計 算 す る こ と に よ る効 率 化 、 あ るい は 制 約 解 消 ア ル ゴ リズ ム の 利 用 が 容 易 に な る な どの 利 点 が あ る 。 この論 文 で は報 告 しな か っ た が 、我 々が これ らの 制 約 を用 い て作 成 した 日本 語 複 文 理解 シ ス テ ム にお い て も制 約 を局 所

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化 す る こ とに よ っ て 、制 約 論 理 プ ログ ラ ム の利 用 が 容 易 に な り、見 通 しの よい シス テ ム を 実 現 で き た. 第2に は 、 認 知 的 な 問題 で あ る。 た しか に動 機 保 持 者 とい う名 前 をつ け て も、 そ の よ う な 実 体 が 認 知 的 に存 在 す る こ と を保 証 す る もの で は な い 。 しか し、本論 文 で扱 っ て い る よ う な 心 理 的 因果 関 係 を表 す複 文 の 場 合 、 その 因果 関係 が 何 か に よ って 担 わ れ なけ れ ば 、従 属 節 と 主 節 の 関係 を捉 え られ な い 。 動 機 保 持 者 と い う名 前 は さ て お い て も、 因果 関 係 の 記 述 に は 、 こ の よ うな 要 素 を導 入 す る必 然 性 が あ る と考 え る。 もち ろ ん 、心 理 的 因果 関 係 以 外 の 関 係 を 記 述 す る複 文 で は 、動 機 保 持 者 な る概 念 を考 え る こ と は無 意 味 で あ ろ う。 た だ し、本 論 文 で 述 べ て きた よ う に 、従 属 節 の述 語 の 構 造 お よび 「の で 」 「の に 」 とい う接 続 助 詞 が 使 わ れ て い る こ と に よ り、 心 理 的 因 果 関係 を表 す 複 文 で あ る こ とは構 文 的 に認 識 で き る わ け だ か ら、 こ こで 述 べ た動 機 保 持 者 とい う概 念 は狭 い 範 囲 の複 文 で あ る にせ よ、 と もか く役 に立 つ 概 念 だ とい え る の で は な い だ ろ う か 。 ち な み に 、 こ こで の 動 機 保 持 者 と い う概 念 は あ くま で も表2、 表3で 決 ま る よ う な言 語 的 に決 ま る もの で あ る とい う点 に注 意 され た い。 もち ろ ん 、動 機 保 持 者 の概 念 を言 語 的 以 外 の もの に拡 大 す れ ば 、 よ り広 い範 囲 の複 文 を扱 え るで あ ろ う が 、今 度 は 常識 を 扱 う必 要 が で て くる 。 例 え ば 、 (45)太 郎 が 助 け を求 め た の に 、花 子 は な に も しな か っ た 。 は 、 本 論 文 で 扱 う範 疇 の 文 で は ない の で 、表2か ら分 か る動 機 保 持 者 は存 在 しな い 。 した が っ て 、本 論 文 で提 案 す る制 約 で は扱 え な い。 しか し、「助 け を求 め る と、 求 め られ た 人 物 は 通 常 何 か して や る」 とい う よ うな常 識 ま で考 慮 さ れ る な ら、 この 文 の 意 味 を扱 え る。 た だ し、 そ の 場 合 の 動 機 保 持 者 は 、 仮 に あ っ た と して も本 論 文 で提 案 す る の と は別 種 の概 念 に な る 。 4埋 め 込 み の 深 い 複 文 こ の節 で は 、埋 め 込 み の 深 い複 文 、実 際 は 二 重 の埋 め 込 み の複 文 につ い て 、 前 節 に述 べ た 制 約 が 有 効 か ど うか を考 察 す る 。 こ こで 問 題 にな るの は複 文 の意 味 的 な埋 め 込 み の 構 造 で あ る。 まず 、 例 文 を見 て み よ う. (46)傘 を持 っ て い た の で 、 雨 に 降 られ た の に 、濡 れ な か っ た 。 この 文 にお け る 「傘...の で 」 の 節 は 、意 味 的 に見 れ ば 次 の 「雨...の に」 の節 に埋 め 込 ま れ て い る わ け で は な い 。 例 え ば 、節 の順 番 を変 え て 、 (47)雨 に 降 ら れ た の に、 傘 を持 っ てい た の で 、濡 れ な か った 。 と して も 、 ほ ぼ 同 じ意 味 を保 存 して い る。 だ か ら、先 頭 の ふ た つ の従 属 節 は 、少 な く と意 味 的 に は 、

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4埋 め 込 み の深 い 複 文141 (48)[【 【...]...]...】 とい う直 接 的 な 入 れ 子 の構 造 で は な く、 (49)【 【...】[...】...】 とい う並 列 的 な 入 れ子 構 造 で あ る と考 え た 方 が よい 。5一方 、 (50)上 司 に怒 られ た の に 、彼 女 が や さ し く して くれ た の で 、 落 ち 込 ま な か った 。 で は 、彼 女 はお そ ら く上 司 にお こ られ た 人 の ガー ル フ レ ン ド で あ ろ うが 、最 初 の ふ た つ の 節 の順 番 を 入 れ 換 え る と、 (51)彼 女 が や さ し く して くれ た の で 、上 司 に怒 ら れ た の に 、 落 ち込 まな か っ た 。 と な り、(51)の 読 み の他 に 、 彼 女 にや さ し くさ れ た こ とが 上 司 の 怒 りを買 う原 因 で あ る 、 例 え ば 、 彼 女 と上 司 の 問 に何 か 関係 が あ る よ う な背 景 を感 じさせ る よ う な意 味 も あ り う る。 つ ま り、 こ の 文 の 意 味 的埋 め 込 み 構 造 は 、(48)か(49)か あ い ま い で あ る. (52)親 に死 な れ た の に 、 会 社 を休 め な か っ た の で 、 親 類 に疎 ま れ た 。 こ の 文 だ と、 「の に 」節 と 「の で」 節 の 順 番 を 入 れ換 える と、意 味 が 全 く変 わ り、結 果 と し て お か しな文 に な っ て し ま う。 とい う こ と は 、 この 文 は 、(48)の 構 造 で あ る こ と に な る 。多 段 埋 め 込 み の 複 文 が 因 果 の連 鎖 を な して い る た め に は 、 この 文 の よ う に(48)の よ うな 入 れ 子 構 造 で な け れ ば な ら な い 。 これ だ と、節 か ら節へ の 因 果 は ひ とつ づ つ で あ るか ら 、前 節 に 示 した 分 析 を深 く埋 め込 まれ た 節 か ら順 々 に適 用 す る こ とに よっ て 分 析 で きる 。 も し、(49) の よ う な構 造 で あ る と、文 前 半 に あ るふ た つ の 従 属 節 は いず れ も主節 の 理 由 に な る た め 、本 論 文 で 示 した よ う な単 一 の 因果 性 の担 い 手 に よ る解 析 は 一般 には で き な くな る 。 どち らの構 造 で あ る か は 、実 際 、ふ たつ の節 の順 番 を入 れ 換 え て調 べ れ ば分 か るが 、残 念 なが ら現 在 の と こ ろ 、構 文 的 に ど ち らの構 造 か を知 る こ とは で きな い 。 この構 造 を同 定 す る計 算 の モ デ ル は今 後 の 課 題 で あ る 。 した が っ て 、(48)の 構 造 を想 定 した以 下 の 考 察 は 、す ぐ に計 算 機 上 に シス テ ム化 す る こ とは で き ない 。 さて 、(48)の 構 造 の文 に つ い て 前 節 ま で の 制 約 が 適 用 す るか ど うか 調 べ てみ よ う。 例 え ば 、 次 の 例 は 、従 属 節 が2段 に埋 め込 まれ て い る例 で あ る。 (53)[【 【φ鴇 響者注 射 され た の で】2φ鴇 者痛 が っ た ら】1、φ鸚 赭 看 護 婦 さ んが 飴 を くれ た】o。 ま ず 、 こ の 書 き 方 で は 、 主 節 、 従 属 節 と せ ず 、[...]η で 示 す 部 分 を 節 番 号 η に よ っ て 表 す こ と に す る 。 ま た 、 節 η の 動 機 保 持 者 を 動 機 保 持 者 η と書 く。 ま ず 、動 機 保 持 者2は 、 注 射 さ 5も ち ろん、 この構 文的 に は(48)と い う入 れ子 構造 であ るか もしれ ないが 、 この構 造 は本論 文で扱 うよ うな意 味 を考 え る に当 た って、 この よ うな意 味的 な埋め 込み構 造 を考 える必要 があ る ことを主張 す る もの であ る。

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れ た 人 つ ま りφ薐諺響者で あ る。 そ れ が 、1段 上 の節1の 経 験 者 φ黜 賭 に な る 。 こ れ は 、 前 節 の 動 機 保 持 者 に よ る制 約 か ら得 られ る読 み で あ るが 、 同 時 に直 観 的 な読 み で もあ る。 節1の 接 続 助 詞 「た ら」 につ い て は本 論 文 で は 述 べ なか っ たが 、6この 場 合 は 「の で 」 と同 様 に考 え て も よ く、 動 機 保持 者1は φ殱 賭 が 痛 が る の を観 察 した 観 察 者 つ ま り 「看 護 婦 さ ん 」 にな り、 節0の 動 作 主 で あ る 。 こ れ は 、前 節 の 制 約 に一 致 して い る 。 この よ う に、前 節 の 制 約 は 、埋 め 込 み 構 造 上 隣 接 す るふ た つ の 節 の 間 で局 所 的 に適 用 で きる こ とが わ か る 。 次 に順 接 と逆 接 が 入 れ 子 に な っ て い る例 を見 て み よ う。 (54)[[[φ 鴇 者嫌 が っ た の に】・φ鴇 響者曝 主 しつ こ くさ れ た の で 】・φ錫雇主逃 げ 出 した】・ まず 、節2と 節1の 問 で は 、動 機 保 持 者2が 「嫌 が っ た」 状 態 の 観 察 者 で あ り、 そ の 人 物 が 節1で 「しつ こ く した 」人 物 す な わ ち 動 作 主 で あ る。 次 に 、節1と 節0の 間 で は 、動 機 保 持 者1が 「しつ こ くされ た」 人 物 、 す な わ ち φ鴇 響者で あ り、 そ の 人物 が 節0の 「逃 げ 出 した 」 人 つ ま りφ錫雇主に 一 致 す る。 こ の読 み は 、 前 節 に述 べ た制 約 か ら得 られ る読 み で あ り、 また 直 観 に もあ う。 た だ し 、直 観 的 に得 られ る 、節2の 「嫌 が っ た」 の経 験 者 が節1の 被 影 響 者 に な る 、 とい う読 み は 、本 論 文 で 述 べ た 制 約 か らは得 られ な い の で 、 この 解 釈 を与 え る制 約 を 明 らか に す る こ とは 、今 後 の 課 題 の ひ とつ で あ る。 しか し、前 節 で 提 案 した制 約 は 局 所 的 に適 用 で き る こ とが 分 か る。 また 、 こ こで は埋 め 込 みが2段 の 場 合 の み を考 察 した が 、 よ り 深 い埋 め 込 み 段 数 を持 つ複 文 につ い て も、制 約 が 局 所 的 に適 用 で きる こ とは予 想 で き る。 し か し、文 全 体 の 意 味 理 解 とい う観 点 か ら は、 別 種 の認 知 的 考 察(例 え ば 、 短 期 記 憶 の 有 限 性 な ど を考 慮 した 考 察)が 必 要 に な る か も しれ ない の で 、 これ ま た今 後 の 課 題 と言 わ ざ る を え ない. と こ ろで 、 この 文 全 体 の 能 動 、 受 動 を反 転 さ せ た 次 の 文 は ど う な る で あ ろ うか 。 (55)[[[φ 羅 者φ鴇 響者嬾 ・られ たの に】・蠍 主 しつ こ く したの で 】・φ緩髭響者φ駄 主逃 げ ら れ た]o まず 、 「嫌 が られ た」 とい う 「が る」 が 受 動 化 さ れ た表 現 で あ るが 、 こ の場 合 だ と一 般 に 被 影 響 者 と観 察 者 が 一 致 す る とい え る。 従 って 、 この被 影 響 者 か つ観 察 者 が 節1の 動 作 主 と な る 。 こ こ ま で は 、 ほ ぼ 前 節 の制 約 で導 け るが 、節1と 節0の 間 は 、節1が 本 論 文 で扱 う心 理 的 因 果 性 を表 す 節 で は な い の で 扱 え な い 。 こ れ も前 節 最 後 で 述 べ た常 識 が 必 要 に な る場 面 で あ る。 こ の よ うに 、前 節 で述 べ た 動 機 保 持 者 を用 い る 分 析 は 、基 本 的 に は本 論 文 の 扱 う範 囲 の 節 で あ れ ば 、埋 め 込 みが2段 に な っ て も適 用 で きる が 、埋 め 込 み が 深 くな る と、(53)で 見 た よ うに 、 自然 な 日本 語 で は 、そ こで 使 わ れ る接 続 助 詞 も多 様 化 し、 よ り広 い 範 囲 の 接 続 助 詞 に つ い て本 論 文 で述 べ る よ うな 考 察 を しな け れ ば な らな い 。 6「ので」「のに」以外の接続助詞の性質についての考察は別稿にて報告する予定である。

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参 考 文 献143 5お わ り に 本 稿 で我 々 は 、1)「 の で 」 「の に」 な どに よ る 日本 語 の複 文 の 意 味 の一 側 面 を 、意 味 役 割 間 の 制 約 関係 で 扱 う方 法 を提 案 した 。 これ に関 して は 、接 続 助 詞 の 意 味 論 よ り動 機 保 持 者 な る概 念 な どの 語 用 論 的 要 素 を導 入 し、複 文 にお け る制 約 関係 を 、従 属 節 お よ び主 節 毎 に局 所 化 した 。 この論 文 で カバ ー した 言 語 現 象 の範 囲 は極 め て 限 られ た もの で あ り、多 くの 問 題 が 残 さ れ て い る。 例 え ば 、「の で 」 「の に」 以 外 に も多 くの順 接 、逆 接 の接 続 助 詞 が あ り、 そ れ らに つ い て の検 討 も必 要 で あ る。 ま た 、 視 点 表 現 「や る」 「くれ る 」 「も ら う」、相 辞 「て い る」 「て あ る 」、 な どに対 して どの よ う な制 約 が 必 要 に な るか な ど は早 急 に検 討 を要 す る課 題 で あ る。 なお 、ゼ ロ代 名 詞 照 応 とい う意 味 で 関連 性 が深 い の はcentering理 論(Brennan, Friedman,&Pollard1987,Walker,Iida,&Cote1990,Kameyama1988)で あ る。 こ れ ら は いず れ も談 話 に お い て あ る文 と次 の 文 の 間 で お こ る代 名 詞 照 応 を扱 っ て い る。 これ らの理 論 を 節 間へ 適 用 し、複 文 の 解 析 に使 う こ と も考 え られ るが 、複 文 の 場 合 、 主 題 が(7)の 図 で 示 した よ う に構 文 的構 造 に よ って 複 文 全 体 に 及 び 、主 題 の 連続 性 な ど も計 算 の対 象 とす る従 来 のcenteringの 直 接 適 用 で は うま くい か な い例 も多 い 。 例 え ば 、 (56)花 子 は 、φ鸚 者暑 が っ た の で 、 φ皺 窓 を開 け た. に お い て は 、 構 文 的 に主 節 、 従 属 節 の 両 方 と も主 題 は花 子 で あ る 。Walkeretal.(1990)の centering理 論 で は Φ と呼 ば れ る最 高 の顕 現 性 を持 つ 焦 点 が 主 語 に一 致 す る。 さ らに 、主題 がCbに 一 番 な りや す い とい う よ うに 定 義 され てい る た め 、 主 題 で あ る花 子 が従 属 節 主 語 の φ鴇 者に も主 節 主 語 の φ轟 主に も敏 す る とい う こ とに な る。 と こ ろが これ 。ま、同様 の構 造 を 持 つ(18)に つ い て も説 明 した よ うに直 観 に は合 わ な い 読 み で あ る。 同 じ批 判 はKameyama (1988)のpropertysharingに も当 て は ま る。 そ れ に対 して 、 こ こで 提 案 した 制 約 は 、構 文 的 お よ び語 用 論 的 要 素 を重 視 す るcenteringと 異 な り、意 味 役 割 間 の 関係 とい う別 種 の制 約 に基 づ くもの な の で 、説 明 で きる範 囲 も 自ず と異 な る。 そ の意 味 で は 両 理 論 の 統 合 も今 後 の 課 題 の ひ とつ で あ る 。 なお 、主 題 の 及 ぶ 範 囲 とい う観 点 か らす れ ば 、三 上(1972)の 単 式 、複 式 な どの 分類 との 関 連 が よ り重 要 で あ ろ うが 、本 論 文 の提 案 は 、意 味役 割 に基 づ く とい う点 で 三 上 の 分 類 と も異 な る意 味 論 ない し語 用 論 的 側 面 を 問題 に し て い る もの で あ る。 参 考 文 献 Brennan,S.,Friedman,M.W.,&Pollard,C.(1987).Acenteringapproachtopronouns. In25飾Aη πμβZM88だ πg(∼厂ACL,pp.155-162. 郡 司 隆 男(1988).「 句 構 造 文 法 の 形 式 化 と機i械処 理 との 関 連 性 」.「 「言 語 情 報 処 理 の 高 度 化 」 研 究 報 告 会 発 表 資 料Lpp.7-14.昭 和63年 度 文 部 省 科 学 研 究 費 補 助 金 特 定 研 究 (1)言 語 情 報 処 理 の た め の 基 礎 的 研 究.

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Referensi

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