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kyakusharingata robotto no doteki dansa kaidan shoko ni kansuru kenkyu

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111・稲田大学審査学位論文(19士)

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付録D 2足歩行型脚車輪ロボットの運動方程式の導出

参考文献

関連業績一覧

謝辞

1V 123 130 132 135 1 1

本研究の背景と目的

章 序 論

 現実の世界で活躍しているロボットのほとんどは,一般に産業川r7ポットと呼ぱれ ている工場内で働くロボットである.しかも,その大半がベースが固定されているマ ニピュレータである.これは,現在ロボットが必要とされている場所がドに工場内で あるということも1つの原因ではあるが,ロボットが自律的に確実かつ安全に移動す るための技術が未成熟であることもその要因といえる.  そのため,ロポットの使用範囲を拡大し,例えば屋外のような未知あるいは未整備 な環境や人間生活環境のような変動する環境などでロボットが使用できるように,ロ ボット白身が安定かつ確実に移動する技術開発が望まれている.そこで,欧県の研究 機関でさまざまな環境での使用を念頭においた移動ロボットの研究開発が行われて いる.しかし,未知環境の認識,自立型にするためのエネルギー源,自然からの影響 に対する耐久性など,解決すべき問題が山積している中で,不整地を安定かつ│応速に 移動するという根本的な技術さえもまだまだ研究途上にある.  ロボットの移動方法はさまざまであるが,自動車のように車輪を使った移動(IljC輪 式移動),動物のように脚を使った移動(脚式移動),戦11jCのように腹帯を使った移 動(クローラ式移動)などが代表例である.車輪式はず坦地における走行能力,すな わちエネルギ効率や走行最高速度などには優れるが,段差,特に車輪半径以11のIQさ の段差などの障害物を乗り越える能力や不整地を走行する能力は著しく低い.嘔輪に 工夫を加えることによって1段の高さが車輪半径と同程度以ドの階段を昇降できる 車輪型ロボット1】2】や前輪を段の垂直面に当ててその車輪の駆動力を利JI]してi私輪半 径よりも高い段差を昇る能力を持つ車輪型ロボット3jなどが開発されているが,必輪 を大きく作る必要性が生じたり,階段降りが困難であるという問題が生ずる.‥一方, 脚式,クローラ式は,障害物を乗り越える能力や凹凸の激しい不整地等の未整備環境 を走破する能力には比較的優れているものの,平坦地移動能力を見ると,脚式では多 数の脚の往復運動が必要であること,またクローラ式では腹帯の回転に多大なエネル ギーを要するJことから高速移動が難しくかつエネルギー効率が悪い.そこで,それら の移動方式を複合させ,それぞれの長所のみをうまく取り入れた形態の移動ロボット が注目され,これまでいくつかが試作されている.  その中の代表的な形態は,脚のもつ高い凹凸地一段差踏破能力と車輪のもつ高い平 坦地走行能力の両者の長所を取り入れたロボットであり,一一般に脚車輪型ロボッlヽと 1

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呼ばれている.この脚巾.輪坦ロボットに関するさまざまな研究開発例を以下に紹介す る.   {菱咀工で開発された脚車輪型移動装置j' jは,本体の前後に,脚先に車輪を取り付 けた2白山度の脚を2本ずつ持ち,本体の左右に本体の重龍を支えるための小型の車 輪を有するものである.白山度数は,脚が8自由度,車輪が6自由度の計14自由度 である.脚の配IS:や構造は昆虫のようなタイプであり,段差や階段の昇降は脚を用い て脚先の巾.輪を1つづつ段の│乙や下に│乙げ下げすることによって行う.  神戸製鋼で開発された石油生産施設防災ロボット51は,通産省工業技術院のプロジ =・lクト「極限作業ロボットの研究開発」の一環として行われたもので,その使用環境 の性格11,移動速度の迅速性が要求される災害現場における,不整地,溝,配管など の地ト突起物の走破能力,狭いスペースでの機動性などを確保したもので,6脚車輪 ハイブリッド移動機構を持つ.各脚ユニットは,2自由度の脚の先に車輪駆動とステ アリングの2自由度を持つ車輪を取り付けたもので計4つの自由度を持ち,ロボット 全体としては24自由度である.この脚の上下運動と車輪の回転運動により障害物を 踏破することがIり'能となる.  販芝で│剤発された原子力点検用ロボッMjは,円周上に等間隔で3つの小型車輪を 配した・IIC輪系を前後それぞれ1対,計4つ持ち,各々の車輪系はその3つの小型車輪 と車輪系の中心にある車軸とを連結するアームから構成される.各車輪系の小型車輪 は1つが駆動輪になっており,車輪回転に4自由度存在する.そして,前後の車輪系 全体を回転させる2自由度と前後独立にホイールベースを伸縮させる2自由度の計 8 1″│山度から構成される.このロボットの走行方法は,平坦路では各車輪系の2つの 小型車輪を接地し8輪走行となり,小型車輪と車軸を連結するアームを回転させるこ とで段差や障害物を乗り越えることが可能となる.  実用に近い所では,1995年の東京モータショーにトヨタが出展したトヨタモー グル7'は森林作業用に開発された4輪車で,4輪駆動でかつ大ストローク4輪独立油 ││モサスペンション機構を持ち,山地のような大きな凹rjll地を走破する能力を持ってい る.そして,アクテfブ姿勢制御システムや小回り操舵機能を持ち,運転者が運転し やすいような機能も兼ね備えている.また,4つの車輪をそれぞれ小さな腹帯を持つ クローラユニットに取り捧えることにより,より軟弱な路面への対応が可能となる.  大学の研究室では,東京工業大学の広瀬研究室で,蛇をモデルとした下部に車輪を 持つ円筒形の基本節を複数個連結した形態から成る節体幹型移動ロボット81が開発さ れている.このロボットは,基本節に1つの駆動輪を持ち,節と節の連結部に鉛直方 向に駆動する白山度,水平方向に回転する自由度の計3自由度を持つ.そしてこれら 2 の自由度を│嘉調制御することにより対地適応能力の向EIを目指したものであり,この 基本節を6つつなげたもので(仝18自由度)階段yl,降を行・Jている.また,4本の 脚先に従動輪を装着し,平地を走行する時は人間がローラースケートで走行するよう に脚を動かすことにより車輪で走行し,階段などの不整」也llでは脚先の1llC輪を畳み込 んで4本足で歩行する,ハイブ`リッド型の脚車輪ロボット9’も│剤発されている.この ロボットの各脚は,脚を動かすための3自由度と車輪を畳むための1白山度の計4自 由度である.そのため,ロボット全体では16自由度となる.  東北大学の中野研究室で開発された脚車輪型ロボットl ’11は,脚部と11f輪部が本来 の特性を発揮できるようそれぞれを独立させ,対地適応性が要求される場面では脚機 構を用い,平坦地を高速走行する場合は車輪機構を用いるというハイプリット型の移 動ロボットである.このロボットは,本体前後に2自由度の昆虫型脚を1本ずつ,/Iモ 右に進行方向に対して平行に大きな駆動輪が配置されている移動ロボットであり,計 6自由度のシステムである.脚機構による段差の昇降,車輪機構によるヽ│り│].地走行を 実現している.  また,海外では,イタリアのトリノ大学で,圭に原子力発電所のメンテナンスや検 査用の移動機構111として,大ストロークのサスペンションをもつ脚車輪を4本持ち かつ前後に前方や後方への移動可能な鉛直の脚を2本持つロボットが│則発されてい る.つまり,脚の自由度のみで6自由度存在する.このロボットは,脚の水平方向と 鉛直方向の伸縮をシーケンシャルに行うことにより階段昇降ができる4輪(2輪が駆 動輪)の脚車輪型ロボットである.  スイスのETHロボット研究所では,主に森林原野や建設現場などのM外での使用 を念頭においた,前方に3自由度の脚を2本,後方に1白山度の脚先に従動輪がつい た脚車輪を2本持つ移動ロボットj2’(仝8自由度)が│罰発されている.このロボッ トは作業用として,6自由度のマニピュレータが1本取り付けられている.  また最近では,通産省工業技術院機械技術研究所の自律11』御研究室において,前部 に3自由度の脚に従動輪を備えたものを2本,後部に1自由度のアームの先に駆動輪 を備えたものを2本持つ4脚の脚車輪型ロボット1 3jが開発されている.白山度数は, 脚が8自由度,車輪が2自由度の計10自由度であり,脚を巧みに動かすことにより 段差乗り越え等を実現している.  以上に紹介したように,これまでに開発されてきた脚車輪型ロボットは,段差など の不連続な凹凸面を踏破する場合でも車体重心が必ず安定な位置にあるような,すな わち重心位置が低くなる構造を取・った上で,常時静的安定状態を保つような機構を採 用している.このような機構は,自由度の増加に伴うシステムの複雑化により,エネ 3

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-ルギー効率が低ドし,高速な障害物踏破が難しくなっている.これまでの研究開発例 においても,段差や階段などの障害物を踏破するためには,車輪以外に4自由度以L  (東北大学の例が4自由度)は必要とすることが分かる.また,電気通信大学の山繭 研究室では,恥│倫式の高重心型移動ロポットによる不整地移動の研究として,3輪静 的安定状態と2輪静的不安定状態を切り換えることによってフレキシブルな走行が できるロボット’oや中C輪の付いた非駆動補動輪を持つ腕を杖のようについて段差を 昇降できるロボット15】 が提案されている.これらは本研究で提案する脚車輪型ロボ ッ】ヽと類似の中l輪型倒立振了・タイプである.しかし,段差を昇降できる後者のロボッ トはllf輪以外に2つしか自由度を持たないものの,姿勢制御に外界センサである地面 と接触する接触 ̄r・付きのポテンショメータを用いているため,高速な段差昇降が困難 となる.また,動的な運動制御を行っていないため,段差昇降に1分以上の時間がか かることが報宍されている.  そこで本研究では,屋内使用を念頭においた脚車輪型システムを対象とし,屋内移 動における代表的な障害である段差や階段を高効率かつ高速に踏破するための機構 及び制御r・法を確立することを目的とした.ロボットの機構としては,できるだけ自 由度数の少ないシステム(車輪以外で4自由度以下)の構築を目指した.具体的には, 通常の平地走行時は機構的な静的安定を保ちながら車輪で走行し,段差や階段などの 不整地に対しては車輪の能動的制御により動的なバランスを保ち乗り越える能力を 持つ脚中C喩唄ロボット,及びその段差・階段昇降制御法を提案する.動的な段差・階 段jII,降能力を持つ脚車輪型ロボットは,段差・階段昇降時に機構的に安定性を保つ必 I鰐がないためその機構を単純化でき,自由度数が少ないシステムとなる.そして,そ の緋果エネルギ消費の効率化と段差・階段昇降スピードの高速化を図れる可能性があ る.また重心位置移動を巧みに利用するため,比較的高い重心位置が有利であるとい う特徴があり,縦型で専有面積が少ない移動システムを構築できる.家庭やオフィス などの人間のJ,4住環境で使用される知能ロボットを想定した場合,小回りがきくよう にホイールベースの短小化,作業用としてのマニピュレータの搭載,自立化のための 計算機,駆動源の搭載,などの影響により重心が高くなることが予想される.さらに, 111:輪式移動は移動のエネルギー効率の面で他の方式を圧倒しているため,自立坦ロボ ットでの使用は将来的に考えても有効な方式である. 1

2 本論文の構成とその概要

第レjモ「序論」では,本研究の目的及びその背景を明らかにするとともに,従来の 4 -研究との比較を行うことにより,本論文の位置付けを明倆にした.  第2章では,動的に段差・階段昇降「1」'能な脚車輪型システムの概念を提示L,その 段差・階段昇降方法を,倒立振子制御形と動的軌道制御型の2種類に分類する.そし て,それぞれの昇降制個]を実現するためには,動的安定走行ll」御と動的軌道個禰]が必 要であることを指摘する.また,それらの制御法を検討する際の実証機として試作し た,車輪型倒立振子及び構造可変型4輪ロボットの機構を紹介し,それらのモデル化 及び運動方程式の導出を行う.この構造uf変型4輪ロボットは,車輪以外には】つし か自由度を持たないにもかかわらず,段差の昇降ができるロボットである.  第3章では,脚車輪型ロボットの動的安定走行制御f法として,ロボットのダイナ ミクスと内界センサ情報より姿勢を推定するオブザーバを構成し,それを用いた状態 フィードバックにより安定化する方式を提案する.この方式を用いると,センサのみ で姿勢を検出する従来の方法では避けられなかったドリフト,ロボットの加速度運動 による誤差,外界の変化による影響などの問題が解決されることを眼輪型倒41振了・を 用いて実証する.また,構造可変型4輪ロボットの動的安定走行個個]にも適JIJu』'能で あることも示す.さらに,外乱オブザーバを構成すると路面の傾斜も推定できること を理論的に示し,それを用いた車輪型倒立振子の未知凹凸路│痢走行用制御系の有効性 を実験的に確認する.  第4章では,脚車輪型ロボットの動的軌道制御手法として,動的段が・階段3rII・降を 行う脚車輪型ロボット特有の動力学的干渉条件を考慮し,軌道計画及び軌道制御を行 う手法について提案する.具体的な議論は,構造可変型4輪ロボットに特化した形で 行い,まず,2輪接地静的不安定状態での構造l」'変型4輪ロボットの動的モデルから 得られる運動方程式から,ダイナミクスに動力学的干渉条件が存在することを明らか にする.次に,その干渉条件を満たすような動的軌道計画法を提=案する.この動的軌 道計廸丿法を段差昇降時に動的軌道制御が必:iとなる3つの運動に対して適用し,具体 的な軌道生成手法を例示する.また,実験を行うhで必要な,軌道制御法についても 提案する.  弟5章では,構造可変型4輪ロボットによる段差昇降を実現するために,第3軋 第4章で提案した動的安定走行制御と動的軌道制御を用いた3種類の段差昇降方法 を提案し,実験によりその有効性を確認する.  最初の方法は,制御モードを巧みに切り換えて段差昇降を行う手法で,ロボットダ イナミクスが正確に分からなくても昇降可能であるという特徴を持つ.まず,4輪接 地状態から2輪接地状態への移行は,接地している車輪の回転と車体変形とを協調的 に制御することで実現する.静的不安定である2輪接地状態での車体変形は,第3章 5

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で提案した車輪型倒ヽy振子の動的安定走行││」御を適用することで安定化させる.2輪 接地状態から4輪接地状態への移行では,第4章で提案した動的軌道制御法を用いた ソフトランディング制御を行う.これら匍』御手法を場面に応じて切り換えて行う段差 帰陣実験により,それら制御手法の有効性を実証する.  次の方法は,第4命で提案した動的軌道計画法を用いて段差昇降運動全体を軌道計 lllljし,軌道制御する手法である.この手法は,段差の高さが正確に分かれば,非常に 高速に(約2秒)段差昇降できるという特徴を持つ.例として,前輪が段差上面に着 地する際にソフトランディングする軌道及び同じく前輪着地時に地面から受ける反 力を利川する軌道を計測し,それらを用いた高速な段差昇降実験について述べる.  最後の方法は,構造可変型4輪ロボットに高さが未知の段差昇降を実現させる手法 である.この手法では,段差昇降全体の動作を2つに分離し,それぞれに対して第4 11μで提案した動的軌道計画法を適用する.また,ロボットの最終着地位置を制御する ための手法についても提案する.そして,実験により浮上絵回転検出用角度センサデ ータから運動中に段差の高さを検出できることを確認する.その結果,段差の高さが 未知でも高速に踏破できることを実験的に確認する.  以ll3つの実験により,第3章,第4章で提案した動的安定走行制御及び動的軌道 制御が,脚車輪型ロボットの動的段差昇降制御に有効であることを実証する.  第6Qでは,構造可変型4輪ロボットでは困難であった踏面長さに制限がある階段 を動的に昇降する脚車輪型システムの概念を提示し,この例として試作した2足歩行 型脚巾.輪ロボットについて紹介する.このロボットは,車輪以外には3つしか自由度 を持たないにもかかわらず,階段昇降が可能な脚車輪型ロボットである.まず,その 階段昇降㈲』御手法として,第4章で提案した動的軌道制御手法が適用できることを示 す.動的軌道としては,安定かつ高速な階段昇降軌道を容易に生成するため,重心位 丿毀が常時接地輪接地点上に存在する軌道「静的歩容」を提案する.また,その軌道を 用いてロボッ】ヽを動的に制御する手法についても提案する.さらに,提案した軌道生 成・制御手法を用いて階段昇降実験を行い,踏面長さに制限がある階段でも高速に昇 降できることを実証する.  第7章では,以上の成果を要約し,今後の課題について述べる. 6 一

第2章 構造可変型4輪ロボットの機構とそのモデリング

 本章では,動的段差・階段昇降可能な脚車輪型ロボットの概念を提案し,その昇降 方法を2つの形に大別する.いずれもその昇陣中に機構的には不安定な状態となるも のの,1つの方法は接地車輪の制御に倒立振子の安定化制御を利用した倒立振r一制御 型,もう1つはロボット全体を動的に軌道制御する動的軌道制御型である.そして, 次章以降で提案する具体的な制御手法の検証用として製作した,車輪型倒な.振r・及び 構造可変型4輪ロボットの機構及びそのモデル化について述べる.また,そのモデル に基づき運動方程式も導出する. 2 1

動的段差・階段昇降可能な脚車輪型ロボット

 第1章で指摘したように,これまで開発されてきた脚車輪型ロボットは,いずれも 段差や階段などの不整地を踏破する際に機構的な静的安定を保つため複如なシステ ムとなり,その結果踏破速度やエネルギ効率の低下をまねいている.そこで,本研究 では屋内での使用を念頭に置き不整地として主に段差や階段を取り上げ,段差・階段 昇降時に機構的には不安定となるものの動的安定性を保つ脚車輪型ロボットの段 差・階段昇降制御手法の確立を目指した.  まず,その段差・階段昇降方法を,Fig.2.1,2.2に示すような2通りのタイプに分け て検討することにした.ただし,本研究では左右方向には高さ一定の2次元凹凸路面 の走行を対象とし,左右方向のバランスについては機構的に補償することを前提とす る.また,ステアリングのようなヨー方向制御は考慮しない.     1)     2)       3)       4)      5)

Fig.2.1 Concept of the leg-whecled robot wjth the abilityof dynamic negotiation of steps        (lnverted pendulum control type)

(9)

   1)     2)      3)       4)      5)

Fig.2.2 Concept of the leg-wheeled robot with the ahilityof dynamic negotiation of steps        (Dynamic trajectory control type)

 Fig.2.1,2.2に示す2つの段差昇り動作は,いずれも機構的には不安定な状態での制 御が必要となるが,Fig.2.1に示す方法は,2足歩行ロボットの静的歩行に類似したタ イプで,令輪接」他の機構的安定状態と片輪(前輪もしくは後輪)接地の機構的不安定 状態間の移行制御時を除いて,片輪接地状態(Fig.2.1の2)や4)など)ではロボット の・R心位置が常時接地車輪の接地点上に存在する.この手法は,片輪接地状態の機構 的に不安定な状態において,接地車輪の制御に第3章で詳述する車輪型倒立振子の動 的安定走行制御を適用し,かつ他の自由度を緩やかに駆動することで実現n」‘能である と考えられる.ただし,この方法は段差の昇降に時間がかかるのが難点となる.以下, このような段差昇降を,倒立振子制御型段差昇降と呼ぶことにする.  次に,Fig.2.2に示す方法は,2足歩行ロポットの動的歩行に類似したタイプで,片 輪接地状態でロボットの重心位置が必ずしも接地車輪の接地点上に存在するわけで はないため,ロボットのダイナミクスに基づいた動的軌道制御を行う必要がある.こ のT一法は段差昇降を高速化できる利点がある.以下,このような段差昇降を,動的軌 道制御型段差昇降と呼ぷことにする.  そこで,2つのタイプの段差昇降にそれぞれ不可欠である,動的安定走行制御及び 動的軌道制御の基礎実験用に,車輪型倒立振子及び構造可変型4輪ロボットを試作し, 第3章以降で提案する制御手法の実験的検討を行うことにした.以下にその2つのロ ボットについて紹介する. 8 一 2 2 2 2

車輪型倒立振子

1 車輪型倒立振子の機構  倒立振了・制御型段差昇陣中に用いる動的安定走行匍」御の基礎実験JI」として試作し た,車輪型倒立振子の構造をFig.2.3に示す.脚車輪型ロボットの段万一階段M・降制 御や未知凹凸地走行制御手法の検討が目│的であるため,姿勢センサとして内界セン サしか持っていないのが特徴である. ダ ̄

Fig.2.3 Wheeled inverted pendu】um

-X

 寧輪駆動用のDCサーボモータ【山洋電機,Super-Rシリーズ,│】fW])は惘々l振了・ 本体に取り付けられ,その動力は・段減速歯車を介して車輪に伝わる.センサは,モ ータ軸にモータ回転検出用としてロータリエンコーダ,車体h郎にピッチ方向の車体 傾斜角速度検出用としてレートジャイロが存在する.このレートジャイロは, TOKIMEC社製の振動ジャイロ(TFG-160)で,周波数応答性能は20田z]である.こ のセンサは,「振動している物体に角速度が加わると,振動方向と垂直方向にコリオ リの力が発生する」という力学現象を利用した,回転体を持たない角速度センサであ 9

(10)

る.具体的には,先端に質量を持つ音叉をある振動数で振動させ,そのときの音叉の 長F軸回りの角速度によるコリオリの力を音叉の根元部分の曲げモーメントで検出 することでブ・j速度を得る16≒  このように,この車輪型倒立振了・は2つの内界センサしか搭載していない.これは 脚巾輪型ロボットの段差・階段昇降制御への応用を考えた場合,外界と接触するセン サ(例えば,地面と接触する接触了・を付けたポテンショメータなど)はその妨げにな るからである.また,そのようなセンサは未知凹凸地を走行する│祭に使用が困難とい う難点もある. 2 2 2 車輪型倒立振子のモデリング この中l輪型佃by振fはFig.2.4のようにモデル化できる.

0!:I】lclinationangle of the hody e2: Rotation ang]e of the wheel ml : Mass onhe body

m2: Mass ofthe wheel

J I: Moment of inertiaof the body around the cente】・ofgravity 」2: Momenl of inertiaof the wheel around the cenler of gravity l:Length between the wheel ax】eand the center of gravity of the body

r: Radius of the wheel

Fi9.2.4 Modeling ofthe wheeled invertedPendulum on a nat plane

10 -  Fig.2.4は,車輪型倒立振r・が.水平面上にある場合のモデルを示している.このモ デルにおいて,車体,車輪共に時計回りが正になるように方向を定めたときの運動方 程式は式(2.1),(2.2)のようになる.運動方程式の導出過程にー)いては,付録A-1を参照 されたい.また,このシステムの物理パラメータを,Table 2.1に小す.

(n/2十jl十がム)∂1十(m

「cOSθI−がム)∂2

−撰11gsinθ1十万(θ1−θ2)=一計心

{m

・cOSθ1−ぷ八戸I十{(n十,772)r2十JII十n汪佃l

―謂lr/θ12 sinθ1十j(θ2−θ1)=nklul

fr:viscous resistance in the driving system Jm: Moment of inertiaof the motor rotor k,:Torqueconstanlofthemotor

n: Reduction ratio of the gear u: Motor current

     Table 2.1 Parameters of the w11eeled inverted pendulum

(2.1) (2.2) ml[kg] 1.0449

r[m]

0.03 m2[kg] 0.1736 n[N・m/(rad/s)] 2.0×10-4 JI[kg・m2] 1.86×10'2 JI4kg・m2] 1.86×10-6 J2[kg・m2] 4.70×10 ̄s kt[N・m/A] 3.43×10-2

1[m]

O」48 n 5.0 2 2

3 構造可変型4輸ロボット

3 1 構造可変型4輪ロボットの機構  次に,動的段差・階段昇降可能な脚車輪型ロボットのプロトタイプとして製作した, 構造可変型4輪ロボットの全景及びその構造をFi9.2.5,Fi9.2.6に示す.このロボット は,2つの車輪型倒立振子をアクチュエータを持つず行リンクでつなぎ4輪にした移 動ロボットである.アクチュエータとしては,移動及び車体の安定性を保つために用 いられる各倒立振子の同轍の車輪を駆動するモータ(山洋電機製,SuPer-Rシリーズ, 11

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Fi9.2.5 Photograph of the variable structure type four-wheeled robot     Rotary cncoder

Fig.2.6 Structure of the variable structure typc four-wheeled robot

12 -231w])2個と,全体の構造を変えるモータ(ハーモニックドライソシステムズ杜製, 11[W])1個の,計3個のモータを有する.また,センサとして外モータのII II転を検 出するロータリエンコーダ3個と,車体のピッチ方向の回転角速度を検出するレート ジャイロ(車輪型倒立振子で用いたのと同じもの)1個を111C体│-.部に持つ.また,巾. 体構造変形用モータの回転により重心の位置を前後・れ輪間からはずすことによって 車体を不安定にし,転倒させることができるよう設計してある.このロボットの特徴 は,中央の車体構造変形用モータ1つで,重心位Ili':の移動及び脚の持ちllげが11」'能な 点である.また,段差昇降を想定し車輪型倒立.振fl川様,姿勢セン升として外界と接 触するセンサを持たないのも特徴である. 2 3 2 構造可変型4輪ロボットのモデリング  動的軌道制御が必要となるのは,前輪か後輪のどちらかの車輪のみが接地している 2輪接地状態であるため,このロボットの2輪接地状態でのモデルをFig.2.7に示す. 以後,2輪接地状態で接地している車輪を接地輪,浮卜している・F輪を浮ト輪と呼ぶ ことにする.また,浮上絵の回転運動を考慮しなければこのモデルは3白山度である ため,運動方程式は式(2.3)∼(2.5)の3式で表すことが出来る.運動方程式の導出過程 及び肘11〔θ!〕∼M11の詳細については付録Bを,Fig.2.7及び式(2.3)∼(2.5)における物理 パラメータの値はTable 2.2を参照されたい. 2 4

本章のまとめ

 本章では,動的段差・階段昇降可能な脚車輪型ロボットの概念を提案し,その昇降 方法を,倒立振子制御型と動的軌道制御型の2種類に分類した.そして,それぞれの 昇降制御を実現するためには,動的安定走行制御と動的軌道制御が必要であることを 明らかにした.また,それら制御方法を次章以降で検討する際の実証機として試作し た,車輪型倒立振子及び構造可変型4輪ロボットの機構を紹介しそのモデル化を行っ た.そして,それぞれのモデルに基づいて運動方程式を導出した. 13

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    m5=nll+m2     b=1!-(ml/m5)│

OI: lnclinalionangle the hody lrad]

02:Rotalionangleofthewheelcontaelingthegro°d[rad] 03:Rotationangleofthebodylrad]

ml-lm: Mass ofthe each pan lkg]

JI-Js:Momentofinertiaofeachpartlkg・m2] │,l・-14:Lengthof each part【ml

l・:Radiusoflhe wheeHm】

TI: Torque of thc motor driving the wheeUN ・ ml T3: Torque of the motor rotatingthe body【N・m】

-Fig.2.7 Modeling of the variah】eslructure type fbur-wheeled robot 〔2-wheeled slale〕

仙│(θ3玲十yW12(θ1,θ3)θ2十Af13(θ3)θ3+ml山(2θ1+θ3)θ3cosθ3 − 「咽sinθl十謂jlgcos(θl+θ3)−,/;1(θ2−θl)=一池山1 訂21(θ1,θ3)∂I十肘22∂2十訂23(θI,θ3)∂3−回心r&12sinθ1 十nlarh(∂I十函)2COS(θ1十θ3)十万1(∂2−∂1)=屁凹I 肘31(θ3)θI十7M32(θ1,θ3)θ2+ルf33θ3−。1ム11∂12 cosθ3 十'?1・・g/lcos(θ1十θ,)+y;・3θ3=ん3副 14 (2.3) (2.4) (2.5) 一 ただし 謂。=四十四十211n 「,=澗拓+md4+2,m山一/,) 「j,=刑I/+j副/,十四/4+n15(お一司 7',=η£IZjl 7',=瓦,3副 g: Aeceleration of gravity [mノs2] n:Reduction ratio of gear of the whce】

Ktl:Torqueconslantofthemotordrivinglhewhecl【N・m/AI Kt3:Torque constanl of thc motor rotating the bodyrN・m/AI ul:Motor current of the motor driving lhe wheel【A】 u3:Motor eurrent of the motor rotating the body1A] Jm】:Rotorinertiaofthemotordrivingthcwhecllkg・m2] Jm3:Rotorinerliaofthemotorrotatingthebodylkg・m2]

fr】:Resistancein the driving system of the whee11s motor 1N・m・s] fr3:Resistance in the driving system of the hodyls molorlN・m-s]

Table 2.2 Parameters of the variable slructure type 4-wheeled roho1 mllkg] 1.028 Hm] 0.191 m2[kg] 0』70 11[m] 0.100 m吋kg] 0.963 12[m] 0.175 m4[kg] 0.454 13[[m] 0.340 m吋k幻 1.198 14[m] 0.160 JI[kg・m21 1.82×10-2 dml 0.03 Jバkg・m21 4.65×10-5 n 5.0 J3[kg・m21 8.66×10-4 fil[N・m・s] 6.0×10-4 J4[㎏・m21 409×10-4 ら[N・m・s] 6.0×10-2 J緋kg・m21 2 12×10-2 KldN・ 「A] 4.02×10-2 J。1[㎏・m21 451×10-6 K13[N・ 「A] 4.78 Jロ3[㎏・m21 4.91×10-2 g[m/s2] 9.81 15

(13)

第3章 動的安定走行制御

 かIJ?では,第2章で定義した脚車輪型ロボットによる倒立振子制御型段差昇降で必 要となる動的安定走行制御法を確立するため,車輪型倒立振子を用いてその検討を行 う.只一体的には,IIll輪丿剛到,y振子のダイナミクスからオブザーバを構成し内界センサ のみで精度よく姿勢を推定する方法,そしてその推定値を用いて状態フィードバック をかける姿勢制御法についても提案する.また,内界センサのみを用いて外部環境情 報の1つである路面傾斜角度も推定し,未知不規則凹凸路頂Lhでの安定走行を実現す る制御法についても提案する. 3 1

移動ロボットの姿勢検出における問題点

 収輪型倒,y振r・に代表される静的に不安定な移動ロボットを安定化するためには. まず第一に自分白身の姿勢を正確に知る必要がある.しかし,安定化制御中や走行制 佃』中はロボットは動的な運動をするため,その正確な姿勢(重力空間における)検出 が困却・になる.つまり,動的な運動を行う移動ロボットは,通常のマニピュレータの ように空間内の絶対位置に固定されている部分を持たないため,その正確な姿勢検出 が極めて難しい.以ドに,通常良く用いられる姿勢センサとその問題点について言及 する. 1 2 ) 外界(圭に地面)との接触をもつ相対角度センサ )傾斜計 3) い 積分形ジャイロスコープ 外界に設置された非接触のセンサ(例えばカメラなどの視覚センサ)  まず,1)の相対角度センサは,接触する外界の状況が既知な場合や別のセンサで 把握ll」`能な場合は姿勢を正確に検出することが可能となるが,外界が未知な場合,正 しい姿勢を得ることはできない.特に,本研究で対象としている段差や階段を昇降す るロボットには,その妨げとなるため使用不可能となる.  2)の傾斜計は,ロボットの姿勢を重力加速度の方向を検出することで求めるため, 移動ロボットが加速度運動を行う場合,その加速度を検出誤差として含むことが避け られない.  3)の積分型ジャイロスコープは,原理的にドリフト(累積誤差)が避けられず,ド 16 リフトの少ないものは非常に高価である.また,何らかの力’法で初期姿勢をセンサ系 に与える必要があること,小型軽量化が困徊なことなども問題である.  4)の外界に設置された非接触のセンサは,そのセンサで姿勢が検出11f能な狭い空 間内でなら有効であるが,例えば屋外などの広い空間を動く場合は使用が困個になる.  以上のように,未知環境の中を加速度運動する移動ロボットの姿勢をセンサlii一体で 誤差を少なく,またその誤差を累積することなく検出するのは非常に難しいことであ ると討える. 3 2

ロボットのダイナミクスを利用した姿勢推定法

 そこで,上記の問題を解決する方法として,ロボットのダイナミクスからオブザー バを構成し,内界センサ情報のみを用いてロボットの姿勢を粕度良く推定するf法を 提案する.この手法は,路面形状に関する先験的な借報を全く必要とせず,逆に路111i 形状をシステムの状態量の1つとして推定することもできる.また,ロボットのダイ ナミクスを考慮しているために加速度が原因となる誤差を軽減できること,センサ情 報処理系が安定に設計されているために3.1節の3)で間題にな・Jたlii.独の積分器 による発散の問題がないことなどの点で有効である.  第2章で紹介したように,車輪型倒立振子や構造11」'変型4輪ロボットに内旨センサ としてレートジャイロを用いた理由は,角速度が原理的に計測しやすい鼠であるとと もに,現在,レーザジャイロ,ガスジャイロ,振動ジャイロなどが技術的にも倆・?lし ており17≒製品化されたセンサを容易に入手できるためである.  車輪型倒立振子の安定走行制御については,尾坂らlsjは一輪車を,また山藤ら19) は本研究と同じ同軸二輪車を研究対象とし,いずれも外界センサの一種である地面と 倒立振子本体との角度を検出するための接触了・をもつ角度センサを川いて,│白:立及び 走行制御を実現している.また林ら2ojの研究では,同輔二輪・・Fで振r・聖姿勢検出器 を用い,そのセンサをオブザーバのダイナミクスモデルに含めることにより姿勢推定 を行い直立制御を実現している.これらの方法に比べて本研究で提案している方式で は,センサとして内界センサであるレートジャイロとロータリエンコーダのみを用い て制御可能なため,未知の凹凸地でも高速走行可能であること,またレートジャイロ を用いるので振子型姿勢検出器を用いる場合に比べてオブザーバのダイナミクスの 次数が減り姿勢の推定が簡単かつ精度よく行えることが利点である.  以下に,車輪型倒立振子の具体的な姿勢推定法及びその安定走行制御方法について 述べる. 17

(14)

3 3

平地における車輪型倒立振子の安定化

 制度0のず地や斜度が既奎11の斜面においては,接触子型傾斜角センサなどを用いて 路面との相対角度を検出し,その情報から真の車体傾斜角度を検出する1とができる が,未知の斜面や凹凸路面では検出に定常誤差を含む.そこで,本節では,まず平地 においてこのような外界センサを用いずに,車輪型倒立振了・のダイナミクスにより構 成されるオブザーバで車体傾斜角度を推定し,それを用いて直立及び走行制御を実現 するF法について示す.また,本手法において,センサ計測誤差の制御に及ぼす影響 についても考察する. 3 3 1 平地上でのシステム表現  中:輪丿剛到・y振fが平地にある場合の運動方程式(2.1),(2.2)は,車体がほぼ直立姿勢を 保つ場合,θI,ilは0近傍の偵しかとらないため,a12≒0,sinθ1≒θ1,eosθI≒1と おくことにより線形化することが可能となる.そこで,現代制御理論におけるシステ ム表現をすると,式(3.1)のようになる. ただし

旦x=/U十かM

−  ︲ rj    rjQ5 S ︲q5 .q5 j    N ︲q5 ︲q:5 一 一 0 0 1  0 0 0 0  1 al o a3 −召3 a2 0 a4 −a4 (3.1) j   NO 0 4 4 L ・      1 −  alヽα4,ゐlj,2の詳細については付録A-2に示す.良く知られているように,こ のような惘々.振了・システム(Å,ゎ)は11j‘制御であり,もしすべての状態変数  (θlj,,θ2j2)がセンサ等によってすべて計測可能であれば,Fig.3.1に示すような 状態フィードバックによって安定化することができる.制御則は次式で表される. 18 一

uこず(λ ̄x贈く)

ァ=[ハ八八仁] x・げ=[0,θ,-げ,0,ω肘]7 恥/:車輪の目標回転角度【radl 匹げ:ポ輪の目標回転角速度11・ad/secl  xref →・    一 (3ぶ

Fig.3.1B】ock diagram of the stale feedback conlrol systcm

 yは状態フィードバックゲインベクトルであり,システム(メい・¥)を安定化するよう 禰配置法などを用いて選ぶ.また,x,がは水平移動のための││標値ベクトルで,この ベクトルを変化させることにより走行が可能となる. 3 3 2 オブザーバによる姿勢推定  前述のように,もしすべての状態変数(θ1,1,θ2j2)がセンサにより直接検出lj」' 能であるなら,状態フィードバックを用いて安定化することができる.しかし,本シ ステムではすべての状態変数をセンサにより直接検出することはできない.特に,11{ 体傾斜角度θ1を検出するにはレートジャイロの伝りーを単純に積分する方法が考えら れるが,この方法を用いると直立安定化は自]'能なものの,積分誤差の影響で時間が経 過すると前後どちらかの方向に動き続ける.そこで,その問題を解決するための方法 として,内界センサ情報のみを用いてロボットダイナミクスからオブザーバを構成し ダ,レートジャイロの出力を用い,これにロータリエンコーダ出力を計算機上で差分 することにより求めた角速度を加えて出力ベクトルとする.出力ベクHレyは状態ベ クトルxと式(3.3)の関係にある. 19

(15)

y 一 -

G

yニ[g2,41,φ]7' 1 0 0 。。︲100 / 唄:モータllll転卸鮑「ad」 41 : 帽剔頃斜角速度【rad/sec】 唱・:モータIIII転角速度【rad/secl OI.。︲1 0 0 1 1 (3.3) オソザ・-バで状態変数が観測可能であるかどうかを確認するためには,このシステム の11」観測性を確認しておく必要がある.ここで,(C,洵の可観測行列じ(12行4列) は,以│ヽ’の形になる. び 一 一

CO

C42

(:¥

Tc00

1 0 0 1 0 0 O −1  1 0 −1  1

al  O α3 −の

(3.4) 1バ〕ランクは4であることは容易に確認できる(付録C-1参照).つまり,じはフルラ ンクになるので,(c,湘は可観測となる.以11により,オブザーバを構成することで状 態変数の測定がil)'能となることが分かった.そこで,Fig.3.2のような同一次元オブザ ‘一一八を構成し21≒式(3.5)により推定状態ベクトルx・を得ることにした.

i*=(Å−£C)x*十柳十仙

ただし、J:*=1θ1*、θ2*、∂1*、∂2*]7   θ1*∼θ2*:測定された状態変数 20 (3.5) 一 1面面!y.9りs乃頌

         Fig.3.2 Block diagram of theidentilyobservel・

また,オブザーバのフィードバックゲインマトリクスXを選ぶことにより(メ1−£C)の 極を任意に指定することができるため,推定値の真の状態量に封する追従特性を変え ることが可能となる. 3 3 3 オブザーバを併合した状態フィードバック  このようにして推定された車体傾斜角度を用いて状態フィードバックをかけるこ とができる.つまり,オブザーバを併合した状態フィードバック系を構成することに より,車輪型倒立振子の直ふ:及び走行制御を行う.状態フィードバックは,バを用 いて以下のような操作量を考える.

ぐy

μ

λフ*−λフrげ) (3.6) 制御系のブロック図をFig.3.3に示す.この図における非線形補償の詳細については 3.5.2項で述べる.

Fig.3.3B】ock diagram of the state fiedback contro】using an identity ohserver

(16)

3 3 4 構造可変型4輪ロボットヘの適用  構造可変型4輪ロボットの車体構造変形用モータをある車体姿勢で位置制御した 場合,車体構造が一定になるため2輪接地状態では車輪型倒立振子と等価なシステム となる.つまり,2.3節で求めた運動方程式(2.3)∼(2.5)において,車体変形がある  j定のfヽリいθ.とする)になるよう位置サーボをかけている状態を仮定すると,函, 函は0であると見なせる.すると,以下の式(3.7)を満たすようなθh,「車体の重心が 接Jtk輪接」也点土にある状態でのθ1)を用いた新たな変数としてθ'1(=θI−θ1,jを考 えると,式(2.3),(2.4)は平衡点(θ'j=O)近傍で式(3.8),(3.9)のように線形化するこ とが出来る. 一周/哨SinθI,・十周jlgCOS(θh,十θ句=0 jW'11θ'I十M'12θ2−{ 「。COSθh,十謂jlSin(θh・+θ3.)}gθ'1 −か(θ2−ぴl)=一一,IMI    ●●    ●・    ●     ● M'21θ1+M22θ2十戸1(θ2−θ'1)=nklxull ただし y 十2 11=謂I/2十用3/32十撰4/42十用5(/3−/2)2十(Zル十2脚5)/12 用/jlsinθ3,・十./l十九十/4十九十がみ1 μ'。=Af'21=刑ムrcosθ1。十謂。rllsin(θh十θ3,)一月2J。,1 式(3.8).(3.り)をまとめてシステム表現すると,式(3.10)のような形になる. λ− jEしv=Åλ7十/用 ぶ θ'1 θ2 θ'1 θ2 Å= 0 0 0 0 1 0 0 I a勺 O α勺 −a勺 どど2 0 どy4 −a≒ 22 1 0 0 わ 一 一 が1 y2 (3.7) (3.8) (3.9) (3.10) 一  この形は,式(3.1)で表わされる車輪型倒立.振f・システムの形式と同 -である.そこ で,前項で提案した車輪型倒立振了・の安定走行制御手法を用いて,2輪接地状態での 安定化を図ることにした.つまり,式(3.10jのシステムを安定化するために必要な情 報であるe″Iをオブザーバを用いて推定し,その器定植を用いて状態フィードバックを かけ安定化を行う.ただ,その際用いるオブザーバはロボットのダイナミクスを用い るため,車体構造を変化させた場合を想定すると,正確なオブザーバを構成すること はできない.しかし,車体変形によるダイナミクスの変化が小さいことやll・[休変形を 緩やかに(静的に)行うことを考えると,ある巾体姿勢でのダイナミクスを用いてオ ブザーバを構成し安定化制御しながら車体構造を変化させても実験的には安定性に 全く問題がなかった.ただし,駆動系に存在する非線形要ぶぐギアのバックラッシ, クーロン摩擦等)の影響で多少の横揺れは避けられないため,例えば大きな貨殖の重 りが突然付加されてダイナミクスモデルと実際のロボットのダイナミクスとの「n」に 過大な誤差が生じると,不安定になり転倒する可能性は高くなる.  以上により,構造可変型4輪ロボットの2輪接地状態での動的安定走ljll』御に,前 項で提案した車輪型倒立振子の安定走行制御手法を適用可能であることが欄認でき た. 3 3 5 センサの計測誤差が姿勢制御に汲ぽす影響  ここでは,センサの計測誤差がこの安定化制御系にどのような影響を与えるのかを 考察する.本システムで用いているセンサは,ロータリエンコーダ,レートジャイロ の2つのみであり,観測量はそれらにロータリエンコーダのソフトウェア上での差分 値を加えた3つとなる.そのうちロータリエンコーダに関しては,1回転で500パル スのものを4逓倍して用い,しかも車輪出力軸では5倍に減速されるため,その誤差 は問題にならないと考えられる.しかし,レートジャイロの出力(角速度)には温度 ドリフト等の誤差が存在する.使用したレートジャイロの出力は,制御に必要な周波 数帝城ではほぼ正確な角速度偵を与えるものの,時間とともに極めてゆっくりと変化 するオフセット誤差が存在すると考えられる.そこで,ここではすべての観鮭吸の誤 差を時間によって変化しない定常誤差として捕らえ,そのような誤差が姿勢推定に与 える影響について考察する.  センサの誤差ベクトルをμとすると,式(3.5)のオブザーバは次式のようになる. 23

(17)

.*=(λ−yC)J*十紅y十や)十加

ただし,泗゜[92j,4]j,42d]γ qld∼qld:センサ定常誤差 (3.11) そこで,オブザーバによる推定誤差ベクトルを△1とすると,卜式と式(3.1),(3.3)の 関係から以ドの関係が成立する.

=(Å一大で)血十紅j

ただし,AX=

ヽ-Q_ つ λ*−λフ (3.12) で,(.4−・C)はKによって安定化されているので,漸近的に以下の関係が成り立

血=−(Å−KC) ̄l旅j

(3,13) このことは,センサの定常誤差と状態の推定誤差が線形な関係にあることを意味する.  次に,状態フィードバックをかける際,オプザーバによる状態の推定誤差が制御に 及ぽす影響について考察する.Fig.3.3において,直立制御(恥,=0)を行う際に,オ ブザーバの状態推定量が真の状態ベクトルxに先ほどの考察による誤差ベクトルAX が加わ・こjたものであると考えると,そのときの制御入力uは以下の式で表される.

zj=ア(x十∠U)

ただし,AX=IJθ1,j,θ2j,θlj,62ボ   θI。∼θ2j:状態推定誤差 そして.ト式と式(3.1)の関係から,

i=(/

1

十好)x十1必J

(3.14) (3.15) という関係が成立する.この場合も,(j4+邨)はyによって安定化されているので 常状態(.i・=O)を考えると以下の関係が成立する. 24 定 -ここで

jv=−(j十好)〕ザM

(メ1+好) ̄1¥= 0 ど/I 0 0

O画00

0︲100

O 函

0 0

ただし,jl=−yl/ハ,ぬ=−,か/拡ふ=−ズ4/斤

(3.161 (3.17) となる.式(3.17)の行列の2行目だけがOでないということは,もし状態稽定の定常 誤差が存在した場合,車輪が回転することで吸収され倒φで振j'・が倒れることはない, またその回転量は時間とともに累積するものではないということを示している.そし て,先の考察により,状態推定の定常誤差はセンサの定常誤差と線形な関係にあるた め,結局センサの定常誤差は姿勢制御において車輪の回転鼠に変換される.つまり, 本システムで構成したオブザーバを併合した状態フィードバック系では,センサに定 常誤差が存在したとしても,倒立振子は目標位置からある量だけ剛れた位置でIlll:立状 態を保ち続けることが分かる. 3

4 斜面における車輪型倒立振子の安定化

 後述の3.5節の実験結果に示すように,3.3節で述べた制御系は斜lfli hでも一一 応機能するが,車輪位置に関して大きな制御偏差を生ずる.もともとヽ│袖口lのモデル に基づいて設計されたオブザーバの推定値は,斜面上ではその物理的な意味を失うか らである.そこで本節では,大石らによって提案されている外乱オブザーバ221の考 え方を応用し,斜面の斜度を状態量の1つとして推定し,制御に用いる方法について 述べる. 3 4 1 斜面上のモデルと斜度の推定を行うオブザーバ  まず,車輪型倒立振子が斜面上にある場合のモデル図をFig.3.4に,その運動方程 式を式(3.18),(3.19)に示す.運動方程式の導出過秤については付録A-3を参照されたい 25

(18)

       (l:Slope gradient

Fi9.3.4 Modeling of the wheeled inverted Pendulumonaslope

(i・71/2+、/I十nり、ll涌l十{m1rjCOS(θ│+α)−j12ム}函 一川IlgsinθI十万(θ1−θ2)=一nktu {n"ICOS(θ1十α)−ぷ八戸l十{(。II+。2),・2十j2+,22八}函 −n出in(θ1十α)∂12+(ml十削2)rgSinα+y;(θ2−θl)=仙zj (3.18) (3.19)  まず,路面の斜度αは,倒'QI振子系に対する外乱とみなすことができるが,その涯 弦c(=sill哨を状態量の1つと考えることにより,運動方程式(3.18),(3.19)は平地上と 同様の線形化を行うことができる(付録A4参照).また,eのダイナミクスとして r/ − 冶 ぴ 一 一 0 (3.20) を仮定すると,このシステムの状態方程式及び出力方程式は5次のシステムとして以 ト'のように書くことができる. 26 -ただし, ただし, j 冶 θ1 θ2 λノ=/びλソ+か‰  Å −  ︱.Q i  λ θ2 ど y 一 一 一 一

Cjソ

0 0 ぶ a2 0 0 0 0 0 0 yニ(・72,・il,42)T C″= 1 0 0 1 0 0 α3 −a3 a5 a4 0 。。︲100 ﹄ −ど74  0 1 0 0 a6 0

OI川

9 0 0 1 が 一 -J 0 0 0 0 0 か bl 0 (3.21) (3.22)  要素a5,α6の詳細については付録A4にぶす.なお,式(3.20)では斜度が一定かステ ップ状に変化することを仮定しているが,斜度が連続的に変化する場合でも推定の速 度が十分に速ければ問題は生じない.また,(C',j4')のlj』'観測行列U□5行5列)は以 下の形になる. び 一 一 び Cり4' びA'2 Cり1'3 びぶ4 一 一

︲1000m

1 0 0 0 0 O I −1 −1 a3 0 0 1 1 −α3 0 0 0 0 α5 a2−α1 0 £z4−a3 a3−a4 a6−α5 (3.23)  じ'のランクは5であることは容易に確認できる(付録C-2参照).つまり,lノ・はフル ランクになるので,(Cり4')は可観測であることが分かる.そのため,オブザーバを構 27

(19)

成することで,IJポットの状態変数及び路面傾斜角度αが推定可能となる.また,4 次の場合と同様に,rを選ぶことによりM'−rC')の極を任意に指定することが可能 となる.そして,センサの定常誤差とオブザーバの状態推定誤差の関係は,3.3. 4節における議論を5次に拡張したものとなるため,4次の場合と同様に線形となり, 確定誤ズは時間とともに累積して行くことはない. 3 4 2 未知斜面での走行制御系  宇・地では,平地と鉛直の方向が車体の定常方向であったが,斜度αの斜面卜では Fig.3.5のように鉛直からθ16だけ傾いた方向が車体の定常方向となる.

Fi9.3.5 Steady state on a sloPe

この場合,倒立振f・全体の重心(Go)と車輪の地面との接地点を結ぶ直線が鉛直にな るという幾何学的な条件から,αと定常車体傾斜角度elbの関係が求められる.この関 係を式にすると以下のようになる.

T研=nK削研ニり7h十用2)7sinαニ用Ilgsin0、h

7,j。:定常状態保持トルクIN・m] 4:定常状態保持電流【A】 (3.24) そこで,斜面によって生ずるトルクを補償しθ1 。 回りで安定化をはかるために,推 28 一 定されたeを用いて以ドのようなフィードフォワードを力│】えた状態ワィードバックを かけることにする.この式において,状態フィードバックゲインベクトル./'はず旭Lll の場合と同一の4次のベクトルである. ただし,

fz=ヂ

θ1*−θla* θ2*−Θ耐 θ1* θ2*−ω。が +μ頃* θ1わ*=(脚1十甜2)啄ど*/(mx1g)=kl,e* 碩が*ニ(m1十沢2)rge*/(μ拓)=だぞ* (3.25) 制御系のブロック図はFig.3.6のようになる。  ここで,静止状態での安定化制御を考え,車輪目標位Ili7θ,。。速度ω。ヅを共に0とお くと,式(3.25)で示される制御人力は以下のように書き下される。 そこで

Ez=μ*十(n十四2)べg/(がこ)−yl/(n/)ト*

y5=(n十に肩摩/(z虎)−yl/(n/)}

 xref →・    −

Fi9.3.6 Block diagram of the statefeedback control    using an identityobserver on an unkown slope

29

(3.26)

(20)

とおく ただし − ‰ _ = とにより, μ 一 一 λ

yY*

'*=(θ1*,θ2*,θj*,θ2*,.*)≒f=(ylば2,乃,/4,55) (3.28) と簡潔に表すことができる.この匍」御系において,オプザーバによる状態の推定誤Z が制御に及ぼす影響について考察する.Fig.3.6において直立制御を行う際に,オブザ ーバの状態酋定ベクトルXI*が真の状態ベクトルX・に誤差ベクトル∠1XIが加わったも のであると考えると,そのときの制御入力uは(こ1でも静止状態での安定化制御を 考え,0rd=6:,=0とする.)以ト’の式で表される. ただし −

-u=ダ(y十∠U')

A.x;' ゜ (θlj,θ2,j,θlj,θ2j,a)7' a・:eの測定誤ズー の場 八 r「 も,4次の揚合り司様に定常状態(i'=O)を考えると

(ギ十的ご)y十/程趾ソ=0

(3.29) (3.30) という関係が成心lする.ここで(ギ+みで)は5行目がすべてOとなるため正則ではない そこで式(3.30)の要素を見てみると, 00 00 “I十削/'1 みず2 a2十b!D by紅   0   0 00 b巾 bll・1  0 00 み雨 卯か  0 00 | 0 01 00 α3十ゎ│八 −α3十ゎげ4 の十b汀5 a4十ゎづ・3 −a4十b汀4 心十b1り   0     0     0 00 00 ゎlか 峠か  0 bj4 bll.ダ4  0 bげ5 睨卜  0 θ1,j Ola θI,/ θ2,j ー,/ 30        − −  sd θθ’θ・θ c − 】 2   2 ' gD Q 一 一 一 0 (3.31) となっている.そこで,定常状態では状態ベクトルx'の2つの要素θI,θ2はともに 0になり,また5行□は意味をもたないため,3行目と4行目のみに注目する.ここ で,θ1をθ'1十θlj,に置き換える.つまり,変数θ'Iは,現在存イIEする斜面の斜度に応じ た安定車体傾斜角度を基点とした場合の車体傾斜角度となる.ここで,式(3.24),(3.27), 付録A-2,A-4で示すal∼a6,ゐI,ゐ2の値より以下のような関係が成1パ/万つ.   −   i L al十♭巾 a2十か2.か ﹄ ] 0、h十   −   ︱ L α1十ゐげ5 a6+b巾 (mxl十沢2)Qa12−

説dμ722 − μ£(α12十a22)yl 一説Ilga12十月£(α11十む712)yl    防   θ 1 nKI(α12十の2)師I十四2)r{g/0£}−yl(n/)} −(n十mll)r卯II十nK,(a口十α12)(n十四2)r佃/(nK,)−yl(ml/)} ×沢l/恥/{(n十mll)r}=0 そのため,式(3.31)は以下のように簡略化することができる L  =  1 Å ﹁目 ̄ ̄ ̄1 X  Nθ θ 士   Å al十みげ1 α2十かげI 十召I ←  rPI yア  ︲ NQ Q Ou Old  = −  冒 ・θ   リ ’ θ a 0  ︲ ︲yy   NQ 4 L /71 わ2 .41は正則であるから,以下の関係が成立する. ただし,    ︱O j L   = 1 S  Mθ θ L 0 0 −1 j2

j4=一戸/八

0 0

j3 j4

31 1

0、a θ2j  、 ・θ   N ・ θ 心 /71

kD

かl

b汀4

1 (3.32) (3.33) ﹁。 5 1−−月 yy  j 6z Q Q (3.34)

(21)

この場合も,もし状態碓定の定常誤差が存在した場合,車輪が回転することで吸収さ れ,佃bンl振r・が倒れることはないということをポしている.また,センサの定常誤差 は漸近的に状態の薇定誤差と線形な関係にあるため,時間の経過と共に車輪の回転量 が累積することはないことがL式よりいえる.つまり,本制御系で構成したフィード フォワードを加えた状態フィードバック系を用いると,未知斜面上でも倒立振了・は目 標位I毀から││祁1」経過につれて離れて行くことはないことが証明された. 3 3

5 動的安定走行実験

5 1 制御装置  3.3節及び3.4節で示した制御則の有効性を検証するために,パーソナルコン ピュータによるディジタル制御を用いて実験を行った.制御アルゴリズムは,連続系 で,没計し,それをqt純に離散化したものを用いた.そのため,演算時間遅れの補償は 行・jていない.制御コンピュータはPC-9801vmに浮動小数点演算プロセッサ 8087をひ載したものを用い,C2語により制御プログラムを作成した.制御サイクル は演算速度の限界から,4次のオブザーバを川いた平地上での制御系では3.0「msec」, 5次のオブザーバを用いた未知斜面での制佃]系では3.6【msec】とした.また以下の実験 において,状態フィードバックゲインベクトル∫は(yt+¥)の極が-6の4重視に,オ ブザーバのフィードバックゲインマトリクス瓦はG4−K(乃の極が-5の重根と-6の重 根に.KIはG4″-K'(nの極が-5の重視と-6の重根と.7になるように固有ベクトル配 llylに法2:゛を用いて求めた. 3 5 2 平地における直立及び走行制御  まず,平地において式(3.6)に基づき直立制御を行った.その結果をFig.3.7に示す. この図を見ると,オブザーバによ,て推定された車体傾斜角度と実際の車体傾斜角度 の間に最大約2.5【deglの誤差が存在し,それにより前後方向に振幅約5「em」の振動が存 在することがわかる.これは,オブザーバがもつモデルと実際のシステムとの間の差 W,が大きいことが原因の1つであると考えられる.そこで,その差異が生じるのは駆 動系のクーロン摩擦や不感帯による非線形性の存在が大きいと考えられたため,次式 のように非線形補償を行った. 32 -μ´=£j+ttc+£7。

ただし14t・=iJ刄yz(42)

ほn二百nsgn叫十Uc)

(3.35) ここで,uはオブザーバと状態フィードバック111」により計算された人力であり.,‘は 実際にモータヘ加える電流である.i,とi。はそれぞれクーロン摩擦と不感帯の補信用 定数であり,その偵は実験的に定めた.この非線形補償を加え同様の実験を行った. Fig.3.8にその結果をがす.この図のように,車体傾斜翔の測定値と実測仙の最大誤差 が約0.51deg],前後方向の移動量の振幅が約1.51cm]になり,ll』御が著しく改片された. 以下の実験はすべてこの非線形袖償を加えて行っている. 3 5 3 未知斜面における走行制御  3. 3節で示した平地における制御系で未知斜面を走行させた時の結果をFig.3.9 に示す.斜度αは7.71deg]である.この図を見ると,走行するものの斜度が変化する 所においてふらつきが大きいこと,目標移動量と実際の移動量にかなりの偏差が見ら れることがわかる.  次に,3.4節で示した未知斜面対応の制御系により同じ未知斜面の走行制御を行 った結果をFig.3.10に示す.このように,斜度の変化する場所におけるふらつきが減 り,実際の移動量が目標移動量に追従していることがわかる.制御系の過渡特性につ いては式のうえで検討を行わなかったが,走行実験結果より良好であることが確認さ れた. 3 4 未知不規則凹凸路面走行  未知斜面対応の制御系を用いて,未知不規則凹凸路面を走行させた.そのときの様 子をFig.3.11に示す.この不規則凹凸路面の最大傾斜角度は約221deg]である.この 実験では,0.0851m/seelの目標速度を与え走行させた.また,車体の│ュ・中・ド3ヵ所の ランプはそれぞれ,前方向進行時点灯,後方向進行時点灯,常時点灯する.ランプの 軌跡が示すように,斜度が急に変化する場所では少しふらつくものの,倒れることな く走行可能であることが確認できた. 33

(22)

4 2   0 2 01咄 4 4 2 r02 0  -2 -4 ldcg] レ -L 01 01 1 01 /旦こy9グ

time[sec]

time[sec]

Fi9.3.7 Control resPonse with statc feedback using an observcr       ona nat Plane (without compensation fornon-linearitics)

4 2 0 2 4   4   2 r02 0 ldegl し 2 4

time[sec]

Fi9.3.8 Control resPonse with state fecdback using an observer       on a nat Plane (with compensation fornon-linearities)

34 一 10 tn  C   。06  5 -5 -10

120

   90 r02 60 roref30 C d lr ・ L ド L 副 cml Fig.3.9

timc[sec]

6 !ime【scc】  ̄  ̄ 1 い   一 L _._1.. 12 a

-」

18

Response of running c6ntr6l on thc unknown slopc (usin只statc fcedback with thc obscrver for nat planc)

(23)

S 5t

10 5 0 1g C d −″1’ド・’ ド ’   ζJ 10L

120

0 0 0 C%cPn        f    2  陀   0 0    r r  (も Fi9.3. Lcml ノ CZ け'ぺこ

time[sec]

レー。ノ

6 !ime[sec]. 12

..1 18

10 Rcsponse of running c6ntr61 on the unknown slope

  (usin只state feedback with lhe obscrver for slopc)

36

3 6

「i9.3.1 1 PhotograPh of thc running conlrol on the ullkn()wIHou油su心cc

本章のまとめ

 脚車輪型ロボットの動的安定走行制御手法として,ロボッ1ヽのダイナミクスと内界 センサ情報よりオブザーバを構成し姿勢を推定し,それを川いた状態フィードバック により安定化する方式を提案した.この方式を用いると,センサのみで姿勢を検出す る従来の方法では避けられなかったドリフト,ロボットの加速度運動による誤差,外 界の変化による影響などの問題が解決されることを,車輪型倒,y振了・を用いて例示し た.また,構造可変型4輪ロボットの動的安定化制御にも適丿旧1」'能であることを霞,認 した.そして,外乱オブザーバを構成すると路面の傾斜も推定できることも理,論的に 示し,それを用いた車輪型倒立振子の未知凹凸路面走行を実現する制御系を構成し, 実験によってその有効性を確認した.  ここで提案した姿勢検出法は,加速度運動の絶えない,例えば静的には安定を保つ ことのできない,また外乱の影響を頻繁に受けやすい移動体の姿勢検出に応用すると, 非常に効果的である.また,積分型ジャイロで問題となるドリフトの影響を受けない ため,・昇降動作に時間を要する倒立振子制御型段差昇降を行う脚・tIC輪型ロボットの姿 勢制御に用いると非常に有効であると考えられる. 37

(24)

第4章 動的軌道制御

 本・μでは,第2 ・.‘;7で定義した脚車輪型ロボットによる動的軌道制御型段差昇降に必 要な,動的軌道制個]法について提案する.ここでは,構.造可変型4輪ロボットの動的 軌道㈲」御について限定した議論を展開するが,動的段差・階段昇降可能な脚車輪型ロ ボットに特有の接地車輪回転と支持脚姿勢間の動力学的干渉条件を考慮に入れた軌 道計IIlji法であるため,一般化も可能である.  以ドでは,第2章で導出した2輪接地状態での構造可変型4輪ロボットのモデルを 川いた動的軌道計画法を提案し,その軌道計画法を動的軌道制御が必要な3つの運動 について適J11し,それぞれの軌道計画について紹介する.また,実験を行う際に必要 な軌道制御法についても提案する. 4 1

動的軌道計画法

 2.3節で述べたように,構造可変型4輪ロボットは2輪接地状態においては, Fig.2.7に示すようにθl,θ2,θ3の3つのパラメータでその状態を規定することが出来る ので,3自││』度のシステムとなる(以ドで用いる記号は,Fig.2.7で用いている記号で ある).しかし,その3つの自由度を制御できるアクチュエータは接地輪駆動用モー タと1111体変形用モータの2つしかないので,3つの変数を独立に制御することはでき ない.そこで,荒井ら24りこより提案されている非駆動自由度をもつマニピュレータ の軌道計lllli法をこのロボットの軌道計画に応用する.まず,式(2.3),(2.4)から7iを消 去すると,以下のようなθI,θ2,θ3のみの関係式を得ることが出来る. {肩口(θ!)十肩21(θI,θ3)}θ1十{肩12(θ1,θ3)十肘22}θ2 十{MH(θ3)十肩23(θ1,θ3)}θ3− 「心sin(Γθ12十g) 十n,/l{r(il+函)2十g}cos(θl十θ3) 十 「。11(2θ1+θ3)θ3cosθ3=0 (4.1) この式は,接地輪回転と本体姿勢間の動力学的干渉を示す式である.この動力学的干 渉は,動的段斧・階段昇降を行う脚車輪型ロボットに特有のものである.また,浮.11 輪の高剖心以ドの式で表すことが出来る. ゐ=2/lsin(θ1十θ3) 38 (4.2) 式(4.2)を時間に関して1階,2附微分すると,以下のような関係式が得られる 1・=211(θI十θ3)COS(θI+θ!) 力.=211{(θ1十θ3)cos(θ1十θ3)−(θ1十θ!)sin(θ1+θ3)} (4.3) 匪4) また,式(4.1)と式(4.4)を恥 i,についてまとめると,式(4.5)が得られる ﹁ ̄T ︰び︰限 L ただしN= L −{MI2(θI,θ3)十肘22徊2+如・,sin(r∂12+g) 一mLh(2θ1十θ3)θ3cosθ3 一m山{r(θI十θ3)2+g}COS(θl十θ3) 11 − 21 十(61十函)2 sin(θ1+θ3) /W11(θ3)十肘21(θ1、θ!)MI3(θ3)+肘21(θ・、θ3)   COS(θI十θ3)   COS(θj十θ3)  ] (4.5)  このロボットを動的に軌道制御することを考えた場合,前述のようにアクチュエー タは接地絵駆動用と車体変形用の2つしかないので,θ1,θ2,θ3.17の4つの変数(4つ のうち3つが独立の変数)のうち,2つの変数の軌道しか独立に設計することができ ない.そこで,段差昇降への応用を考慮に入れて,まず始めに浮上絵の高さカと接地 輪回転θ2の軌道を独立に設計することにした.  以下に軌道生成の手順を示す. 1)カ,θ2の目標軌道を独立に設計する.(これを瓦j,θ2。とする.) 2)θIの時刻£=0における初期値θ1(O),θI(0)を決める. 3)式(4.2),(4.3)を用いて,θ3の初期値θ3(0),函(0)を求める. 4)θIとθ3の初期条件を決定すると,式(4.5)においてNはθ1とθ3の値にかかわらずllモ 則なので,式(4.5)を用いてijl(o),1(O)を計算する. 5)式(2.3),(2.5)を用いて,771(0),7i(0)を求める. 6)4)で求めたjl(O)を数値積分することで,サンプル時間後の∂I(Ar),θ1(△1)を 求める. 39

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べElilni斤£;E2i‘n;     Elixnl斤E2ixnli  静解析の場合と同様に 条件を用いることによっ て (2−52)

表Ⅴ-4 では 9

細胞内イオン性代謝物濃度測定方法( CE-TOFMS 法) Makinoshita(24) 及び Soga(20)

2-2 TLC comparison of solvent system and detection method Solvent system; I chloroform /methanol/water 70:30:6, II ethylacetate/methanol/water 20:3:2, III