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"Tamatsukuri monogatari" honkoku koi kaidai (ge)

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Academic year: 2021

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(1)Title Sub Title Author Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). 『玉造物語』翻刻・校異・解題(下) 石川, 透(Ishikawa, Toru) 慶應義塾大学附属研究所斯道文庫 1991 斯道文庫論集 (Bulletin of the Shidô Bunko Institute). No.26 (1991. ) ,p.403- 438 資料紹介 Departmental Bulletin Paper http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00106199-00000026 -0403.

(2) 事 百. ﹃玉造物語﹄. (題鑑). 下 ﹀ -解題 (. EJ. l i,. て、なし、見せめやはと、在五のこだま、とぼそ、とぢて、ょ. せたてまつらず、めのとにも、あながちに、ふくめて、いひも、. しもせさせざりけり、むつきにもなれば、人のする見て、ひな. なせそ、これは、女のおとこもち、子ちも、うちとふのへ、かど. あそびせんといふめる、とふのへ、あたへて、はへん¥しくは、. みどりこは、天のなしたる、こふろのまふにて、なにのわろき、. みとり子. 透. でせぬことを、し (lウ﹀れとて、むまやどのおほ君の、みむ. -403ー. 石 おもひもなきを、おふしたてぬる、かぞいろのわざ、見おぼへ. 校 異. すめみやの、なぐさめごとに、はじめさせたまふとぞきく、い. •. て、よくも、あしくも、なりにたり、またその、をきて、たゆ. 刻. としめやかに、とりしたふめて、見せて、この子の手まさぐり、. 九. みぬれば、よからぬこと、しそめて、くせてふ物になりて、え. 十. はやりかなる、そは、きたなし、とかく、いくたびも、おしへ. 翻. 介. たまつくり物語. 料. もわすれぬなめり、 いろ/¥しき事は、ハ1オ﹀いはす、 まい. 資.

(3) しかる (3オ﹀ほどを、わすれやするの、お. きぬるは、母のあながちに、子をなでぬれば、あまへたはれて、. ひとのめの、わざなればぞ、こひな、いろのそば、とをざけを. きのてうど、おり、ぬふわざのぐ、そなへさふらふは、これは、. は、ことおとこに、見えもせじ、見えじとの事ぞ、むし、かし. うちむろに、すへ (2ウ)て、とぼそとぢて、とベいだしせぬ. のこのつとめ、さふらふならひを、あらはすなるぞ、 めひな、. ゆみ、ゃなぐゐ、むま、ものふぐ、そなふるは、これみな、お. こはほかにゐで、おほやけの、みことまじはりするすがたなり、. とぼそのとベ、ゐていだし、うちへ、ゐてかへしするは、おと. しへこそ、あだならね、このひこひゐな、など、とのにすへて、. き/¥しう、ひきつくろふ、見ょや、 めのと、物 (2オ﹀のを. なをして、見をりて、ゆるさ Xれば、ひるにもなれば、はやっ. ければ、いみて、ひいなを、水にながしゃるは、人、天の御手. せば、とがひいなとて、いむ事なり、あるじのため、 いまはし. の、すへをくとき、ひゐな、ころびて、 (4ウ﹀のりを、 おか. めの、みてに、 っかざれば、かなはぬ、ならひなり、たてびと. くにも、たてぬる人の、なすまふに、なりぬベきは、人は、ぁ. 給ひぬること、あたはぬなり、ひいなは、人なり、とにも、か. めっちよりさきに、ありて、天の御こふろにも、わたくし、し. おはして、わがこふろにも、まかせぬは、もののことはり、あ. まつれば、たて人は、天なり、こののり、さ (4オ﹀だまり、. もてするは、このときは、われ、天のおほん身に、なりかはり、. のりある事なり、ひいなたでするに、身をきよめ、 つ与しみ、. みち、みだりならぬや、あめ人、世の人の、さだまれりける、. て、まれ/丸、に、うちへ入て、心にまかせさせぬは、 いもせの. HA. に、っかざれば、とが人とて、天より、ながしっかはし給ふ、. 子のこふろ、た. しへぞや、てふど、なめ物、とりん¥そなへぬは、ちごのとき、. もしゆるして、ながしまさねば、あめも、そのとがを、のがれ、. またりの、 おほひまふち君、 かきしるして、世にはったへ、お. べしとて、 かのみことの、さだめさせ、おはしけるま斗に、か. り、ひいなの、しきもくは、こハ 5オ)の事、のちは、たえぬ. まさぬは、物のことはりには、あめも、まけます、さだまりな. ものたしむに、 はちねば、 のち、物くふに、はぢしろひせぬ、 むさぼり、はちがはしからぬ、くせ事あればにぞ、おちご、. か (3ウ)しみに、名をけがしこそすれ、 ひこなの、うち入と. 男女の道、 いとうはぢつけよ、はちしらはねば、 みだれのはづ. ちご、ひとつところ、せぬ事どもを、おさあひより、ならはし、. め. -404ー.

(4) はしけるとかや、なれも、子もたらば、よくおしへてよ、. ふみのかきをく、見ゆるに、まかせ、ことのこ (7オ)とはり、. ふれて、かくまふに、はや、うかめて、こゑも、あはれなるや. けも、事すぎぬる、さまなれば、叉いともかきぬぺしゃ、折に. ひきながせば、いつしか、物かくことは、ねびやかに、いたひ. 此ころこそ、をり/ヘ、手ならひも、する?とを、さとく、. とは、なにとこの子は、見ならひぬべきや、きくはいつはり、. あな心くるし、此まきも、むかしの人のことにて、めに見ぬあ. 人はまことにはうけぬなるぞ、ならへる人のとがふ (7ウ)は、. なしきことの葉に、いひきこへば、まことしがほにいふとも、. のある事をば、人も、まことにならへ、あともなきことを、む. きこゆるに、まかせて、おしへなす事は、ふるなの物いひもあ. うにぞ、うたふめる、ことかく、ひかんといへば、それは、よ. 見るはまことの見ならひぞかし、おしへのみふに、ならふをや. みとり子のなにこふろなきひなあそひこれや世をふるはし. からず、がくひとつ、ひさに、ならへとて、こえさせず、ことひ. めて、なして自に、ならはせんには、しかざらまし、わか身む. ベいけれども、わが身に、そのかたかる事なしてこそ、まこと. ろけ. めなるらむ、. くこ (6オ)とにも、こゑのうるはしきは、心こそ、そ. まれなをらばやと、うちなげくも、ありし、あだしわざの、こ. の、むかし人も、つくりけめ、ほとけもひきたまふ、いろにな. かし、. の子に、 (8オ﹀ったはりなんと、まきの見るめも、 いやはづ. HA. だて、これは、人のこふろ、やはらげとこそ、からの、やまと. れとには、あらぬぞ、楽、七つ、八、よくかきなして、ひきょ. おりぬふわざは、神はあまてるおほんがみ、なし給ひ、人は、. いにしへをそれはむかしとをよはてゃありにしあとのいま. 人にも、ならひなんとて、教へざりけり、もののこふろ、心つ. きさいのみやも、したまふけるとぞ、此ころは、人のこふろ、. く、しらんといふ、秘曲は、こふろなく、ならへば、そ Xろに、. かざるほどに、ものよめと、ひきさそへば、いなむいろもなし、. くもにのりて、びはことの、いとのみ、てなれて、︿ 8ウ﹀はり. なかるらん、. よきことよと、れつじよでん、よまする、あけくれのわざには、. のいとの、なをくゅくをしらず、ふえたけのねの、よしあしは、. ひきいれぬるなめり、よしゃ、をの (6ウ﹀がてたれのとき、. このふみの、心、とき、おしへぬるほか、わざもなかりけり、. -405ー.

(5) まて (9オ)のあいだ、ちかきは、ころもに、ふしこそたて、. 見なれて、よくぬふなめり、そのはりの、ゆきこそ、よからね、. そなりと、われなしもしてこそ、おしへめ、かくぬひゅくを、. てもしらず、きぬたちぬは父、わらはめ、なさせそ、せめて、. ふきならせども、はたものの、をとのすめる、にごれるは、開. ふ、もてきて、此はなうちかざせといふ、あやしとしる/¥、. らかなる、女わらはの、まだ、めもなれぬ花の、か. 琴に、かき︿i オ)ならしたるに、みどりのきぬの、いとなよ. なき、こよひならめと、なかめをりつふ、日はそらに、ゆびは. 正覚とりし、みこふろの、かたちなしたるは、ゆびをるとしも. そう、かすかに、ゐでそめけるも、こよひ/¥に影まさりて、. かざしもはてぬに、くものかけはし、うちわたりて、てりか斗. tA. やきにほ. たぶさの、ちぶささがりぬれば、はりの道、わきゆきすなる、 あはれわかおりぬふわさのはしたをもふみのあとにておし. になん行っきけり、からうするけハ1ウ﹀もなく、うちに入て. ゃく、しろかねのかにみ、ちさとの、はてもしらさる、おもて. たれこめたる、かたはらに、なにの事とは、なうたちけり、そ. 見れば、ひさかたのあめ、あらかねのっち、世界にたがはざる. tA. いでくるもおなし、すいしゃう、さむご、しろかね、こかね、. 叉めなう、こはく、うちまぜて、とのづくりせし、いくはくな. るらん、うちつくに、ちさとふ開しも、ものふかずかは、たま. のくるま、と Xろきわたり、内裏にのほりまふて見るに、玉を. いとにくりて、めの見るきはをはなれたる、あやおりつけて、. -4 0 6ー. へでもかな、. らだちは、せぬ事なり、いろこのみは、こひするとて、心よ. が、みなてるましろのこがねの、うるはしく、すきとをりぬる. は、わがすむかたも、てにとるばかりに見ゆめる、こ. 9ウ﹀せすなり、みちしりは、こふろうかれぬとて、そしる、 ︿ まんところには、うつけけり、 みやづかへやはせん、人のしう. うみぞありける、あをうしろく、むかひのきはもなし、此海し. t ま. にも、. とは、 かくては、いか Xおさめん、なれよ、かふらば、身をい. ほみちくれは、我かたのしほもさすめり、ひか (2オ﹀たの、. (題答欠). かにはせむ、(日オ). ︹玉つくり物語 十 ︺. 月のみやこ. おきのうは風、をとづれそめつる、月もくれて、にしの空、. 十.

(6) もふのつかさのさなごに、たまのうてな、 いくゑの上におはし. て、おなじかほのこびたる、 いは. みやばしら、ふと (4ウ﹀しきたてふ、あてなるに、はたちば. のうてなをへて、行たりける、これはなを玉のゐらかたかく、. まひらせよと、おほせごとあれは、はるかなるうしろの宮、百. あらずしも、かなつる、いはんかたなし、托天のみや、おがみ. ける、これなん、月よみの太神とまふすにやとおもふるに、御. かりの、女みことにて、おはしますが、おほんかたち、ひかり. 打きたる、おとこ、おとめの、はかり (2ウ﹀しるほとはっき. みきり、御ひたり、いくなみとなく、有識めける公卿の、おは. をつくし、 にほひをあつめたる、よく見かたし、かずしらぬ、. おろかなり、すめろぎは、. しける、やふ、 いかなる人たちにやと、とへば、こは、みな、. っかさおとめの、ちえもふえに、たてまつりたるみまへに、し. HA. からも、 (3オ﹀やまとも、かしこかる、ひ、ちりなる、人/¥に. ろききつねのおはすは、いかなる事にかと、とへは、此きみの. ほせあり、まで行て、おがみたてまつれば、院もさきの宮に、. こそあめれ、孔子と聞え給ふは、みぎりの一のなみの第一の人、. この外に、都こ (3ウ﹀としきたてふこそ、おはせ、あそびき、. たかはず、神のみすかたも、またをとる御事なし、いとうつく. みたまにてこそ、わたらせ給へ、狐王ぼさちとは、開たて (5. ませる官はあれども、ことみゃなり、かの、むまやとのおほ君と、. しき、おとめ君にてぞ、わたらせ給ふ、やまと、もろこしの、. 孟子ときこえおはするは、二のなみの第一の人、顔回は第二. もふしたてまつるは、いかにや、かのきみは、此さかひの人に. げいのう、たえたる、人/¥、みな/¥つどひ (5ウ)おはす、. オ﹀まつらずや、このみやこそ、あめがしたの、とみ、ことぶ. は、おはしまさず、これも、あそびきませる院こそあなれ、か. 此院こそ、げいのう才覚の事、 っかさどり給ふなれ、人こ. の人、老子ともふせしは、ひだりの一のなみの第一の人、三皇. ふる、ひぢりたちは、みな此みやこに、あつまりもふきて、あ. ゐまする中に、としは、やそちにもや、あるらんと見ゆる、白. く事、っかさどりおはすなれ、妓芸のみや、おがませよと、お. めかしたの、まつりごと、いつくしみおさめ、て (4オ)りお. ひげありけり、せき、ゆふしうかまへて、おはすが、うちまね. ともふしたてまつるは、そのきは、真人にておはせば、此みや. こなひてたのしひ、ことぶきおはすなめるよ、御前のふたいに. くに、たちよれば、われをば、いさしらずやと開ゆ、さにこそ. tA. ら. は、一二千の舞妓ゐながれて、いとたけの、みふのよく聞ほとに. -407ー.

(7) と、いらへぬれば、柿本の人まろとは、きかずや、君は、歌よ. 君も、いまそかりけり、いつのほどに、こふには、 き ま し け. より、しきしまの道、おこせとて、. さかるおもひ、うすき (6ウ)ことの葉、もてあそびとなるや、. いてで、おさまりひさし、かろきすがた、 よはき、けはひ、あ. に、かしこきおほきみ、 っかふまつりに、た Xしきまちきみ、. つよく、心ふかみ、ことばあっき、ときは、みくにおさめ給ふ. と歌は、わがくにの、もとのならはしなり、すがたおもく、け. ゃ、とひまいらせん、やまと歌のこふろ、なになるらん、やま. はくらく天、かんたいし、なりけり、かん退しの、物おもふけ. せきに、おはせる、ふたりは、り太白、としみ、 つ、ぎのせきは、. 見ゆめるは、たれにてゃあるらん、中の︿ 8オ)なみの、上の. そ、ゆるされ、まひらせて、かへりきましなん、もろこし人の、. なさに、とみには、かへらじ、二千歳、下界にあそびてのちこ. には、いまさず、のちは、かへりきまさんや、身のわざの、きた. あまくだりけれは、そのかげの、うつり見ゆるなり、今はこふ. tA. おほきみかろく、まち君うすくして、みたれにちかく、おさま. なるは、はじめひがみければなりし、のちに、心かへの、よか. (7ウ)む、 いな/'¥こ. りにとをし、いま見るに、在五の君のうた、ひさしく、あめが. りけれは、ゆるされきたるが、なをその事の、くやしさにこそ. いで. した、おさめなん、なれの歌は、女にしあれば、かなへるめり、. あなれ、そのよは、ものかく、ゑかく、いとたけ、ゐる、のる、. ﹀ まひらめ、 くよめは、たちかへり、此宮にこそ、 (6オ. ますらおの歌、 つよからぬは、古ならなくに、君かなかめませ. はある、玉つきあげし山は、丸くうるはし、我くにのふじのや. いくばくのわざ人、 (8ウ) みなおはすに、名もとふかぎりや. ほの/¥と明石のうらのあさ霧にしまかくれ行ふねをしそ. まと見たるは、なに山ぞや、これは、あめの、ひとつの山を、. し中には、いつれそや、 (7オ ﹀. おもふ、. くにふうっしゃりて、人の心のかたとなす、 ふじの山なりけり、. 山のふもとに、雪なる、おしか、ゃあたの、たけも、ゆらにた. ﹂れは、神の代、人の世の歌なり、 あまのうみに月のふねうけかつらかちかけてこく身は月人. ﹀ 七えだの、 たまなす、 てるが、 つのは、とをあまり、 (9オ. 光なす、こは何そ、むまやどの、すめらみこの、たぐひなき、. おとこ、 ﹂れなん、比都の風にそ、あなる、又ならべるせきに、在五の. -408-.

(8) しるしなりけり、あめがしたの、みなせご、ひとりと、やもお、. はの、とりは、なにぞや、こも、かのみことの、まつりごとの、. 辺に、たけ五あたのきふすのましろの、しもけの、やゑは、玉. ものなり、すそのふ、玉の百いろ、ちくさの花さくハ9ウ)野. の、ゐき、月のみやこのひかりましぬる、きりのみもとの、け. されて、たみ人、みなみめくみに、よろこび、さかゆるこふろ. まひとなる、しるしに、まひらせ給ふ、くにの、みつき、ゆる. らし、まふ︿日ウ﹀のぼり見れば、たまたれ、たれて、おくは. まふち君、たちて、いで行ます、百丈の玉のきさはし、ふみな. でや、むまやどの、ひっきみこの宮、行ておかみまひらせまし、. みなかふらは、あめの上やすく、天かしたたのしかりなん、い. ののり、つくりしためしなりけり、からにも、やまとにもあれ、. ひし、(日オ)ひちり人の君、 かなへつくり、 みかとのしるし. て、かふやくは、何そ、こはこも、ーからくにの、夏の高と、い. ざのきた︿口オ)なきなれは、此まふちきみのとが、うすきに. 見えず、いまおはしけるやかは、学寄といふはかせ、こは恵慈. とのとりなりけり、よく、かのみあと、したひまさば、あめの. こそ、さはあれど、なを、今は鬼の中にそ、おはす、これは、. やもめ、ゃしなひ給ひ、やみ、くるしむ人たみの、すベなき、. みこふろやすく、くにおさまりなん、山のたをりの水うみに、. うつれるかげなりけり、のち三千歳ありてこそ、かへりきまさ. てふぜんじ、こまの、あさ太子も、おはす、また馬子のおほひ. あなる、たつまの、せに、まろきかたある、いっそぢあまり、. め、いまもかも、君はあしはらの、中つ国へは、行まさずや、. くすしまして、世すくひ給へば、くにのえびす、みな道しりて、. 五つのほしの、みぎりめぐりて、(日ウ﹀てれるは、何なるや、. いつことはなく、やまと歌よむなる方には、必ゆき至りあそふ. まふち君もます、このまふちきみの、たのしまざるけは、君を. こは、そのから国の、ふきといひし、まひとの君、八のかけし、. にそ、西王母の宮を、見まさん(口ウ﹀や、さらはとて、まか. 四の(叩オ)うみ、なみ風なく、世とおさめ給ふ、てほんとな. むそぢあまり、四のかけし、もとなり、こや、人の、あめのこ. てふ、とのにのぼる、かずよむべくもなき、仙のおとめ、仙の. 試したてまつりしとがの、なをはれぬなりけり、かの君、みわ. とはり、しるためしなりけり、しらたまの、おほかめの、せに、. おきな、つどひをりて、神丹といふめるくすりをねる、王母は、. して、月のめくれる道たどす、みたすけなす、ほうわうの、も. けたなるかたに、よそぢあまり、五つのほしの、ひだりめぐり. -409ー.

(9) みそちばかりして、月のおもて、花のかたちの女房なるが、八 らむ、. 月よみの神のかつらのちる花を秋はまされるひかりといふ. 返しをたてまつる、. いろのたまを、いとくりて、こりょうのにしき、おりたる、た はもと(日オ﹀のみや. 久かたのかつらなりてふ月をなよはなにならへる名をゃな. tA. ならずや、ころんは、あそびをる方なり、此宮にてこそ、人の. かさむ、. ちきたり、ころんの山とこそきけ、こ. やむ、まめ、はからひませ、やむものふ、をのづから、 いえな. くわうていは、おはしまさずや、きればよ、かのひぢりたちは、. り、くはた、 へんざくと聞ふるは、あのおきななり、しんのう、. より、くもきりのけに、くすりのせて、たびてな. はきてさふらふ、くすりのみたるは、いか. みし(日オ)好織の、 にくさのすかたなり、さらばなどこ斗に. ゃうの、ひきかへるの、玉の花の枝にすめるなり、くすりぬす. 精娘といふめる、女のありとこそ、開つれ、真珠をつくねたる. かつらの木、いっこにか、さ (Hオ﹀ふらふらん、なを行/¥. つねにらにの匂ひすなる、手も今にらにの香、そする、きこえし. したのたえ、心のをよぶさかひかは、それよりなん、くちの香、. 月をやき、人のくにをやくにそ、月の精あまくたりて、ゆみゐ. ウ﹀なり、わるきおにの、日の気ぬすみて、八の日をなしもて、. たてまつる、弓矢もたるおとこは、こうげいと、いへる人(日. いづこにかくれぬらん、水精のたかどのに、八十乙女の、もの. HA. 見れは、一二千丈のかつらあり、玉のいはほの上に、ね、ざしたり、. る人と成れりける、王母に薬をえて、ゐるへかりけらし、はじ. tA. ふとこと(日ウ)しきたてたる、ことみやここそ、おはすなれ、. ううゐのきよくまふとは、舞妓にあたれる日は、あまつおと. をるは、こ. ぎはく、らいかうも、みなしたかへり、王母見給ひて、青衣し. めのすがた、ゆるされぬるなめり、うさぎもさふらふなるは、. はせん、げいしゃ. て、名におふもふの、うめるを、とりてたびたり、なめ見れは、. 木はめなうににたり、花はぼたんのごとして、ちえにかさなり、 雪のいるに、か. 日をぞゐける、そのいさをしすぐれたりけれは、此みやこの長. めのくすりは、椅蛾にのまれつ、のちの薬にて、羽をなして、. やく、ざる中に、むらさき、あけ、なをみど. り、又黄なるいろの、 いづこの色のにほひとはなう、匂ひてり. 者にて、 つね(日オ)は仙客のすかたなるを、をこたりて、く. tA. ﹀ ましる、 いはいさ}との葉なし、まふち君、 (Uウ. -410ー.

(10) おはしけるや、何のたすけぞ、(日ウ)かふるらん、ひぢりも、. も、きかなくに、いさをしか、さきか、いかなれば、わたらせ. こ tAに入ませし事は、かしこきにしも、まゐて、ひぢりとだに. かどのふ下へ行見れば、しろきうさぎのかげぞ見えける、唐帝. すりぬすまれつれは、そのつみもて、身のかげうさぎなり、た. あるにや、億/¥兆/'¥、かずはしるものなきにこそ、はじめ. れて、いざなへり、こふの人の、ことぶきは、かぎれるほとの. よくの、をのづから、月のみやこ、ひ父かして、おとめ、うか. ふろさまの、こふにいたるへきにあた(日オ)りぬるを、ひき. やしき、人間にあまれる、そのいろにあはせける、あやしきこ. 玉つくり物語. くのひぬ、かつ道徳経うやまひ、神仙の雲にうちのる心あり、. ま見れば、月のかつらのはなにざりけり、かの乙女の袖ひきか. あまつおとめの、もできて、うちかざせし、世に見ぬ花は、い. (題鑑). あらめ、たれはたしれるかは、(日ウ). あるなるものふ、をはりなきは、さふらはじ、げにをはりこそ. の能楽の王にて、いまそかりけり、. tA. かしこきも、そは神仙をたのしむねがひなし、されは、こむ事 よしなし、かの君は、こ. 色この HA. はたほとけの道をも、あがまへ、ほとけのみやこも、見るばか. へすが、ほうらい官、見まさんや、いでや、見さふらひなむと、. ろ人聞をたのしまず、風月のきよく、神仙にひきまじはりぬ、. 峰をつふみ、ふもとをめぐり、はれみくもりみするを、みどり. 木、からくさ、はへしげり、いくえもしらぬ、いろ/¥のくも、. -411-. もろこしの風月の道、おこせとて、あまくたりし、その事なふ さ/'¥に、とげをはりしいさをし、すぐれにたり、た. むきたなさはあれど、孝行の事も、ほねに入ておも(日オ﹀ふ. りなり、仁愛あっぅ、人をせめます心なきなめり、されば、あ. うちかたらひ行に、いづこともなき、あまのうみ、うちわたり. 十四. まのはごろものきよく、人聞につたえよと、仙客のたよりに入. て、なが (lオ)れくれば、わかしほさす海に、いにけり、こ. ゃうきひ. こ︿打ウ﹀し人ぞかし、よしさらば、わらはが、きたなき身の、. がねの山の、いく百丈ともなき、岩はそびえ、見もせぬ、から. 雲ふみしたききよきおもひと、うるはしきかたちの、たえてあ. なにしにか、きましつらん、君ももと、こふの人になん、こ. tA. も、すてがたし、つねは孝経をのみ、たとび見て、これにてつ. 十.

(11) A くめるあつまるさけもしらぬか、香ににほふ花の露、た さ tげ. けとて、名もしらず、あぢはひもしらざる、さかな、このみ、. ざんこそ、希有なめれ、此わたり (2オ﹀仙人、まろふともふ. 玉妃も、とこをりて、むかへます、開ったへてし、小野小町、げ. 天のみつかひの、やごとなさよと、乙女子とも、たちさはげば、. かの海裳のねむれる人の、すみかなるらんと、た. ずみ見れば、. らびて、おかしきが、楊妃殿といふ、格こそ、見ゆめれ、こは、. ひおちする、ひま (1ウ﹀ム¥に、こがねのむね、ゐらか、な. の霞、叉たちそひて、水のくま、たどよひ、瀧のながれに、あ. あまつ神、くにつ神の、まさんか、ぎりの、ちかひなりけり、又. うか父ひっる心あめれども、とげ、ざるや、そ︿ 4オ)のことは、. かはあれど、しき島のやまとのくには、もろこしより、いく度. ベき、それは、あがちからのをよぶか、ぎりに、さふらはす、し. しこきこふろありて、玉女のいろ、入まさずは、何とかし給ふ. ふでのあとこそ、おもなけれ、かのきみ、 いたりいたれる、か. きになん、すどろにゆきて、あらぬ (3ウ﹀ありさま、人間の. はらへとて、あまてらす日の都より、おほせごと、そむきがた. は、神もをよばぬきはの、あなるとて、あれ行て、くせごと、. たむけなんと、こ斗ろのねざしふかく、人のたけく、はかる事. 額. めならし、かもしけん、なをまだくちびるふれなくに、はやし. この国のやっこらが、あまつひっき、うかどひてし事の、あな. るも、とげざりしも、神風ゃいせの、三つのみやばしら、た. tA. たにあまれることの、何とか、ときも、かたりも、 つくしなん、 唐ていに、なれまひらせて、 ふきったへてし、 ふえたけの、. んかぎり、すみの江の、松のみさほの、さかえんか、ぎり、八百. 今は時かはといへば、こ. (4ウ)らぬから人、やまと人、をよびなき事、思ひそめてぞ、. よろづの神の、みこふろすめらんか、ぎり成べし、このことし. sA. (2ウ)こゑすみわたれば、春のうぐひす、さへづりいづる、. れも、琴ひきねあはするに、楽もやふはてければ、過こしもの. をのがこふろの、をのが身をかきけちぬるも、いとかなし、ゎ. は、とこよの名にしるからずや、あ. かたり、うちはじめて、しらぬからくに、たつのみやこ、のこ. が国の神/¥は、いづれか、あてに、おはしますらん、うちの. tA. おどろかして、 めづらかなる、何のゆへにかかふる人. 宮は、やたのみか Xみ、あまてるおほん神の、ものしります、. tA. の、太平の御世かたぶ (3オ﹀け、おはしけん、 かの唐帝の、. みたまの、天のことしります神なり、とのみやは、月よみの神、. と、み. しること、めくむこと、けなる、きみにて、やまとのくに、か. -412-.

(12) 日の神のひるて (5オ)りかはかすを、よるてりうるほす、. の中にまして、あまてらす神といはれ、ひかりをわけで月よみ. の神となり、うみをたふえて、海の中に、. (7オ)山をなして、. ちしる神なり、 いそのみやは、みむすめこふろをだやかにして、. 人のくにもる神に (7ウ)のみつかへまつれは、神とがめにこ. くにの神、あかたにてはあかたの神、我すむ方のはすでないて、. 神、三輪の神はくにつくる神なめり、かくはいへと、国にては. たけにます、わか国のくにはしらなり、いつもの神はっちしる. ちくふしまにまし、山をつみて山の上にうみをなして、ふちの. むまれて、神となる神なり、われもこの神の、み魂の、. tA. まの神は、玉のみすまろの、くにをとまするみたまの、うみに. をにくみ、きよきをよろこひたまひて、けかるふをうれへます、. うたかひぬるをすてます、誠になるをこのみ給ふて、いつはる. そあへれ、神のみこふろは何とかますや、神は信するをもりで、. 入て、わたづみのむすめとなりて、あらはれいでましたるなり、. たふしきにやはらき、よこしまなるにいかり、ことはり︿8オ ﹀. をうけ、あらさるをつみなへます、おとめたちさはきて、はや. むは玉のよもあけになん、いさふせませとて、ころもてひくに、. ひさかたの月のほとりにうかれなはかへりきてこそ君をた つねめ、. いかはかり月のみやこはすむと (8ウ﹀てもよもきか島を. 楊妃返し、. りいてます、知仁勇のまろかれたる神なり、かしまのみや、か. かへり見つるなこり、雲へたふりて、月はにしの山の端に、お. わすれすをとへ、. いてひく神なり、ふちの山は、あまの中なるへさい天母の、日. とりの宮は、たけくいさめる神、あしはらの中つ国もるもろ神、. さの宮は、あまてる神のみたま、神功の君の (6ウ)身にやと. し、きよきみけとろけて、三はしらの神となりたる神なり、う. あつまりて、いざなぎのみことの、けがれ、はらひをはりませ. ことはり、いさめることはり、人いつくしむことはりの、こり. 国のとみしる神なり、すみの江の宮は、あめっちの、ものしる. これあまてらすおほん神の、人いつ︿6オ﹀くしみますみたまの、. 人のくに、たいらげて、此固まもりし、たぐひなり、 いつくし. こと. ふ、おさむる神なり、内の宮 (5ウ)は、みつるぎのたま、み. の、みつるぎ、あまてる太神の、いさめる、みたまの、ものふ. 世にほどこして、人もる神なり、あったのとのみやは、とっか. 日のかみかはかし、月の神うるほす、なりわひを、おさめもて、. ぜ っ ‘.

(13) とめはしの斗めのそらに、. たまつくり物語. 十 五. 9 ︿ オ ﹀. 十. (題築). や (2オ﹀しほてふみのもるこし人の、たづさへぬザーばかりな. る、五つもらせて、きのふ王母より給ひたり、まろふと、もふ. けとて、あるじのつ、ぎのとこに、なをりゐて、しらぬからくに. のこと、かたりいっるをきけば、湯玉は、さしもの、ひぢりな. りけれども、こきみの身の、おほきみこらして、その天(2ウ). がしたを、君がゆかりにも、ゆづらで、をのが、ものともなし. けらしとが、いかなる、あまつみかども、月の都も、たたりや. なからん、さはあれど、ひとりの帝を、きりたてまつりで、も. る、わざのきょく、 つふがなかりしゃ、みゆるハ3オ)し有て、. 斗の王をたすけ、ひとつの氏をたち、よろづのかばねをたてた. の (lオ)すにゐるまの、ことにこそあめれ、何よりも、わき. みこ、みむまご、かはる/¥、ひさしう、あめがした、おさめ. けれども、さのみは、いか父、ゆるしまさん、とがあらば、ぅ A. か い はんうたんと、あめのつかさたち、あからぬもせず、見く. けん、らきにも、たえぬすがたは、ち. くびりころしなば、かきけちても、かへりくべきを、世斗の人. わらはに行て、くびれとて、くびらせたまひっ、すでにハ3ウ). だしまもる物から、約王の心きたなし、このひまこそあらめ、. りこぼれて、あが女のこふろも、そ Xろけたつ、が、大真の月の. /¥、みめよき女は、みなこたまぞ、見よとて、しほうてふ、. のこふろうごきつらな. すがたに、あらそひて、いづれをとらんとも、おもひさだめぬ. ひ、ちりのために、くびられにたりけり、こは名にながれたる、. HA. なん、もふきたり、八人の青衣に、 つまとらせ、わらはベの、. だっき、なめりと、おそろし、いまは、いづこに、おはします. ﹀ ゆくてれる、 かほばせは、こびいくしほにか、そめなし(lウ. には、ふたとせ三とせも、 ふけにたる、けはひの女房の、まば. この、おほみきたまひてたひけるなかばになん、はたちばかり. て、あやしう、はかりがてなりしは、蓬斐呂に入て、月のみや. の、たつの宮ゆくより、けふのいざよひに、ならんとする、鳥. りも、すぎやしけんと、おもひたどられしに、きのふのもち月. にさそらひし、そのほどをおもヘば、十のとをかを、十日ばか. ひさかたの中なる、みやこにあそび、わだづみの上なる、しま. 巳. おかしげなるに、紫金の盆に、ベにさしたる、もふのおほきさ. -414-. 姐.

(14) りをはかりで、世中のさかひを過て、たえ、たえたるをば、人. かたきことこそあらめ、かのおほひぢりのごときは、人のかき. わらはが、たよりうるところなり、さはいへど、ひとつふたつ、. き、かの聖帝も、 (4ウ﹀いろこのむ心の、なきにしもあらず、. は、あるべき、なにのくまにしもたよりてか、かちまし給ふベ. ず、発舜高の大聖としもいふとも、かちなんとせば、かたでや. ひにけん、みたりの聖人は、こひぢりなれば、いふにしもたら. かどの朝には、三人のひぢりのありしには、いかでか、かち給. /11. かのみ 4 ︿ オ﹀のみやこぞ、わらはがすみかなれといふ、. にやと、おもへば、まだいひもいでざるに、比しまの、しか. あきらけきこそ、いつもかはらね、それよりぞ、しづみても、. なりては、ひ (6ウ)ちのこふろあるか、さはあれど、仏性の. いか Xおはすらん、よみとなりでは、よみの心あり、ひぢりと. あれ、さらば、ぼさち、よみと、ならせたまひては、御こふろ. わざ、人間の、はかりしりたまふべきやは、げにさることこそ. びりまさんと、おもひ給へば、玉妃心にえて、不思議げだっの. 悲観音、何のまよひに、妖魅とはなりて、世をみだし、人をく. ふみて、たきてたてまつりなんとす、さ (6オ﹀るにでも、大. くのすみくべ、さんごのうてなにすへて、さしいでつ、もてす. 香箱に、こっせたんといふ、香をもり、るりのこうろに、こは. なすつみはとくもをそくものかれぬとしる/¥人のなとま. 又うかびいでぬめる、小町、. り、身にふるまへる (5オ)中に、とがめよるべき、とがこそ. よふらむ、. にあらずとですてふ入されは、いかふはせん、又は、心にはか. なけれ、とがあらなくには、ちからなし、もしゃ、なれてむつ. あまつ空くもりなきめのまもハ7オ﹀るをはふりさけ見れ. 唐妃、. してん、かふる、こだまの、何のきよきすぎゃうのありてか、. としらぬかほなる、. ましかる中とさへ、ならましかば、いかなる、ひぢりも、をか. 此きよらのさかひには、すまふにやと、おもひめぐらせば、玉. 段妃、. ひるは日かり夜るは月よみ照し見てかそふるつみをたれか. (5ウ﹀こたまには、あ. なれ、まことのおほん身は、さばせむゐしゃの、ぼさちにてこ. のかれむ、. 妃うちゑみて、この君は、いまこそ、. そ、わたらせ給へ、あれ供養したてまつりませとて、めなうの. -415ー.

(15) なでふ、ぼさち、うけまさん、ぼさち、いかでか、か与るよみと、. /'¥よりとて、まとうちくゐの神たち、もふで来つミ いとた. しければ、月のみやこ、ほしのみや、たつのみや、仙のみやこ. 仏、にくの身の、みほとけ、いくらとなう、はかりもなく、ま. なりまさんと、うたがふこ斗ろのそこひ、(7ウ)のこりて、お. けの、くさ/¥さまft、供養したてまつり、ふしぬかづきて、. す、君がさる心にて、. ぼつかなきに、なをしもよの人f t・-を、しちにあはれむ、だい. H なみだこぼるふも、世にたうとし、あのけふりのうちに、ち ム. tA. ひのおもひの、うすうして、あはき、こふろの、ゆくかぎり、. のたどむき、おはし (9ウ﹀ますは、あれこそ、せんず大悲に. 今はとて、たきければ、玉妃のたまは. ぼさちの、みこふろに、かなはず、此たときうつはの、世に、. て、わたらせ給へ、とをあまり、 ふたつの、みかほ、ますは、. 心︿8オ)にかろひたるけぞ、ありける、か. るこ・ふろにては、. 女房なりけりと、うちあなどるおもひに、うや/¥のぬかづき、. 怨怒尊なれ、五色の毛のしふに、のりたまふは、もんず斗り、. まの、かふベの、みいたいムきに、いまするは、それこそ、めづ. これは、十一面ぼさち、 いかれるみかほの、四ついまして、む. a. たからとするに、こ ふろありて、きよくふりす斗きたる心なう、. いかなる摩尼の玉もてさふくめるも、ほとけは、うけまさず、. にてこそわたらせたまへ、六牙の象にの(叩オ)りますは、. ゃ、あらん、みやの天井は、二丈ばかりもと、見ゆるに、ながさ. て、わたりなんほどなる中より、けふりのふとさ、十尺 ばかり. かずつきなくに、櫨のくちは、わたりわづか、ゆびまたきのベ. どりに、 きに、︿8ウ﹀しろき、こかる、うすかる、もふちいム. きけれは、此けふり、むらさきの、こく、うすう、あけに、み. あらたむる、きよきほとに、ひきかえて、なをひれふして、た. ば、さはあらずかしと、かたらふ、こと葉のすゑに、けむりた. (叩ウ)まふにや、こふろし、かなヘれはかふり、かなはざれ. ふりにうつりけるなり、此香たきぬれば、いつも、うつらせた. との、おほん身にはあらず、浄土にいまする、みすがたの、け. も、つねには、おがみたてまつらぬよ、よしさはこれも、まこ. はさふらはず、君きよきこ斗ろの、香にわすればなり、わらは. げん大士ょ、此大聖尊は、いつも/︿¥わたらせたまへるや、さ. -416ー. tA. 又神もなをうけぬにぞ、げにさる事こそあれ、こ ふ t ろひとつを、. は、一二千尺にたちて、 にほひ、あめっちに、 かほりて、 心のゆ. 、 、 は 、 ちきえければ、聖衆は見えさせたまはず、あめっちの神 / t. J. くへたえにたり、此けむりのうちに、こがね (9オ)の身の御. ふ 、.

(16) 十 一 二 ︺ ハ題築欠﹀. みなぬかづき、しそきて、もとのみやこへ、かえり入ます、(日オ). ︹玉つくり物語. ろに、きたなきおもひ (2オ﹀のなければ、きたなきこと、. tA. ったなき、あだしくさ/¥の、みだり/¥は、見はせさせおは. さぬなり、人はゆめにて、をのがこふろの、きたなき、おそろ. しき、しりぬるなり、かくてこふろの、きよききたなき、しつ. かにしり、さてなん、身のさかへ、おとろへ、よくたふしくし. りて、はやあらためすれば、わろきも、. ゆめあはせ ゆめのうきはし、かけてもおもはぬことをも見つるか、めのと. こそ、たとひ、神つげますとも、物のことはり、よくわきま. うちに)ちかきほとりの竹のそのふのたね、たえばこそ、在五. ︿. めさめね、かくこそ1'¥と、夢ときすれば、九帳のそとに、ゐ. へで、ことはりの、あたれらば、まことふおもふベし、ことは. 2ウ﹀よきになるに. τ、はふがこゑぞと、うちおどろき、いたいけしたるも. はやも、. の君も、さる御事もやとも、うたがひなまし、さらずは、世. ねをり. 在五の君も、古院の御うまこにて、おはしませば、などや、御. (3オ﹀にたえませし、ひ、ちりみ心にて、うぢ、なにはにも、. ︿. くらゐにも、っかせおはしまさ Xらんと)ょにうれしげに、ゅ. まさばこそあらめ. このゆめ、さらにことはりにあたらず、人. めあはせL っ、むばたまの夜はまだふかし、をさあひものは、. は身のかぎりをしりぬベし、そのかぎりをこえつれば、よきも. にのぼりなん、在五のきみのことは、ことはりにあたらず、わ. 1. いねのねごきならひょと、一たゆみおもひて、はからず、あらぬ. あしきになりなん、われなにのいさをしありて、かかるくらゐ. めは. らはがハ3ウ)ことは、かぎりにあたらず、みなあだなる、な. ︿. は、神にかよひて見るには、まことある・なる、さらぬは、みな. れよ、心せよ、かまへて、よくおもほえて、母かなからんあと. いかにつけざりけん、かひなし、なれきけよ、このゆめ. わがはらのうちの、さま/¥を、こふろのゆきかよひて、あら. の、にはのおしへとせよ、かくいひしぞ、おやと子との、なが. 1. ぬさかひをのみ見て、ゆめむすぷなり、まことの人は、とここ. 事をも、. lウ﹀きかせつるか、めのとは、こふろして、めさ. 1オ)きさいのみやにたふせ給ひさふらふへけれ、. りならず、うたがひぬベし、おほやけみ子いまさず、なをおほ. 十. のごしして、かふる御ゆめこそうれしうさふらへ、はふ君こそ、. 七. i. 円. dせ.

(17) との外なるつかれ、いまにおぼえぬはだゑかきさぐりぬれば、. きわかれのひとことなり、かくはいへど、などやらん、身もこ. 込 ニ ︾ つ + ム 町 、 いかに、ひさかたのあめ、たかけれども、なをその カ ナ 宅 t. しぬらん、こ斗もとにこそ、 いまそかりけれ、そのほとけのみ. し、かほもたげにきけば、みなよくしづまりふせり、しのび. す Lしのひとへ、うちへたてたる、それよハ4 オ﹀りなをあや. なく、みん (6オ)なみもきたも、みまへ、御うLろの、かぎ. とをし、にしも、ひんがしも、みぎりひだりの、御手のはても. 上はるかなり、あらかねのっち、あつけれども、いやそのそこ. NA. さらば人ならなくに、とどまりなましゃ、しばらくも、やすらふ べきは、関のそなたにこそと、たちいでぬるに、いつしかしづの めの、身とも成けり、よくあよまる与まふ (5オ)に、うちたど りて、せき寺にゐにけり、見れば、こふこそ、一日ふっかの、身は. たとへならず、あか斗るひかりは、あかねさし出る日も、をよ. びなし、さらば、むなしきそらに、なりたまひけるや、むなし. きそらはのりもなし、この御ほとけは、ょのなか世のほか、あ. る (6ウ﹀とあるいなる、御法のみくらの、御身なれは、空には. いかでか、たぐひさふらはん、ことなるうば君にこそ、あの蝉. 丸か、住あらしたる、わらやの中に、やどりをりて、 つねはも. うできて、うちものかたらひなん、あさなゆふなのわざは、法. 師こそはからひなん、いざとて、をし入れぬ、水はたけのよに. 入てハ7オ)のみ、いゐはひさごにもりはむ、見えぬればはむ、. っちもおなじこふろに、うちねふりをる、ぁゃしゃ、うへぬる. 見えざれは、いとなみなき、いやきよく、そらになりて、あめ. まかせつくる、いできて、うばきみ、あやしき、けしきして、. tA. ろにてこそ、ょをばおくりけめ、せみまろか、. A こそなけれ、げにもろこしの、いやしきちまたに、すみ こ tろ. し人も、かふるこ. いづこよりか、きぬらん、わらはふ、空王如来の、 みもとより、. すむベけれ、寺に行て、仏おしおがみ、たふずみぬるに、法師の. りもなし、御身のきよきためし、いけのきたなる、山路の雪も、. みひきょせ、うちむかへ. /'¥をきもて、ともしひかふげ、か ば、うらしまが子は、よそならず、夜もあけ、人も見ば、. せきてら. はぢやみん、夜のまにはやもかく、本のま与 (4ウ). なるこたま、きたりて、小町を、みなくひて、のこりゐたるとて、. し 、. きたりけらし、それは、 (5ウ)過去久遠の仏、いづこにかおは. : -418-. か. 九重のうちは、人てふ人の、すむとすみぬる、かぎりなりけれは、. 十 八.

(18) あまつ日月の、御うへに、しろしめしなば、からくにの、つどみ. は、このはしばかりも、おはしまさじ、あはれか Lるこ Lろを、. ぬ、われもものうきは、人にとをかる身とこそなれ、こふろは、. たしれぬる、手ぶり、みやびかならぬ、をとなひ、なよらなら. 道行人、たちやすらひぬるが、なのら︿ 9ウ﹀ぬものふ、あが. の関、. かけし (8オ)御代の君、わかくにの、けふりみませし、みよ. あがたきよく、身はみやこきよし、うたてきは、つれあひせぬ. このい (7ウ)ほにありしも、さこそすみちぎりしこふろなり. のすべらきとや、なりたまひなん、又おほきおほひまうちきみ、. なめり、かくてぞ、代とのひぢりの、をよひなきかぎりは、し. こふろをはとふむるせきもなかりけりむかしの人にあふさ. 、おほやけの御師にて、ものおしへたてまつらせた. けん、まどしきこふろほと、きよき物は、ょにはあらざる、き. ゑたまは. るかりける、法師わうりやうに、いハ日オ)ひもりで、もでき. かの関、. まふきはの、さぞやよからん、大納言中納言なといふ人しらば、. てたぶ、大かたは、こつがひびとにあとふ、三日四日も、うち. のみかは、根つくにたのし、あめっちしろしめす、御たのしひ. 上にものもうし、下にものいふや、すめらん、かのがんゑんも、. すぎぬれど、うへもおもほえず、仙人にゃなりつらん、なに仙. あめがしたおさめもて、人しれぬ、ひじりの世を、ひとりや、. 心のつねなるや、. 人うらやまん、身はみまかりなんときに、身まかりこそせめ、. HA. ひぢをまくらに (8ウ)まきて、ひとりが心に、をのづから、. こふろに、たのしひけん、かくとはいはぬを、孔子ともふせし、. そのことを、よそにやいたくほめ、おはしけん、叉とをのさか. ち見、うち聞て、うば君は、小町のきみの、風戸のしたりや、. みやこより、 人/¥聞ったへきたりて、 (叩ウ﹀つく/¥とう. 此間関文. ひも、すくひをしへなん、こ与をやほとけも、くにもる (9オ). その人にはあらず、 つねならぬ人にこそとて、よね、ころも、. ひ、ちり、こふろと心とにのみ、しり給ひて、それとはいはで、. 経とは、のべましけん、よしゃ、すめろぎの御位も、わが心、. あまたをくる、みなこつがひにたびつ、なをおほかれば、法師. に、まいらせぬる、その人ににたりと開て、むすめも、めのと. ほとけの御身も、わが心なりけり、 とふむるもとふまるもたれ戸さしせん心つからやあふさか. -419ー.

(19) いへば、勅使こふろえて、. 一芸のうへはありしむかしにかはらねと見したまたれのうち. も、まうできて、 うせたまひし人の、風声したるは(日オ)と て、見れども、その人にてあらばこそ、なみたのみ、あめとふ. かくやといふ、しかりといらへまひらせければ、さればこそと. そゆかしき、. おきて、かへりつ、かくすれども、かなしきおもひもなし、身. いひて、かへり給ふ かへるやとき、行やおそきと、たち(日. らして、似たることの、なつかしさにとて、きぬ九ぎ、でふど. まかりたる人の、このよにある、子どもうまごどもを見るや、. 十九. (題築). LtA. もてゆく(日ウ﹀ オ)いでふ、せたのからはし、会. あかたのおしえ. 玉つくり物語. わがこふろならん、あれはわがこ、わがなれしわらはめとはし れども、なごり(日ウ﹀おしさの、かなしみもなし、 我子そと見れとあはれのとまらぬは身こそこ ふ t ろをあらた むるらめ、 心こそあらためけめなこの世から此ょにあらぬ身とをなり. くもの上にも、小町ににたるありと、きこしめしぬる、それか. かき御しふむら、さんごのすきとをる、みどりの御かみ、むば. っき、ひきひらくに、しろき御ほね、めなうに、似たる玉、あ. A つき、おはしまし、けふりもたえ給へば、こがねのひ たき Hも. ︿口オ﹀あらぬか、見てまいりてよと、大納一一一目して、御歌たま. 玉のくろき、これを舎利とは、そのくにの人の、ことのはなり、. しは、. はりけり、御返し奉りねと、せめたまふ、げにや、さ返し奉ら. あい (lオ)く玉と申せし大玉、いしのとう、八万四千つくり. て 、 一つのとうに、 一りうおさめ、まひらせ、おにかりて、なん. さらば、君をやわすれまいらするにならん、御歌に、 くもの上はありしむかしにかはらねと見し玉たれのうちゃ. と、っかはしける、このあいわうざん、その一つにておはしま. せんぶしうのうちに、たえたまふところん九、に、たてたてまつれ. 歌はよまざりけれど、御返し(口ウ)たてまつらずしもあらば、. す、もろこしの、 いわうざんてふ、それもこれなり、うかやふ. ゆがしき、. おそれこそさふらふベけれ、ぞもじ一もじこそ、御返しなれと. -420-. 十 四.

(20) 此とうの地りんに、かふります、これより人、ことをそしれる、. らせ給ふ、三百あよみはがり (2オ)より、みづからおどりて、. まりおはして、そこより、みてぐら、かんなぎが、かたにかふ. で斗おがみまいらせん、御こし此山の、やまのたをりに、とど. ひし御時に、しらひげの明神、たくせんしおはしまして、もう. そのありはじめし、しる人もなし、志賀に、みやこうつしたま. きあはせずのみこと︿lウ﹀の-御ときより、わたらせたまへば、. 心はなれずは、何のひざのつかれに、ことなるかほなして、. むるは、はなれゆくこふろ、とりとめぬる、みのりなりけり、. なふるみなの、人のみふ、かまびすしくもせんや、ざぜんっと. こふろの仏、かくれたまはず、身のほとけ、やみまさずは、と. に、そのきわ (3ウ﹀あり、よびつらねて、そとなれとなり、. ふるは、わが心に、まずよびいだして、これをとどめ、わが身. れなきはほとけのみ名、心なきは坐禅なり、仏の御名を、とな. さ、きりし、女は入て、をりぬいせん、われなくこふろなき、. 人のめ、けがらすに、なさめや、かいは、つ (4オ)みやめぬる. このしづのめあはれがりて、いできて、いたわりぬ、ありふし. など人にこびする、女は人にしたがふとこそ、むかしの人もい. 山のありたにかならすこそ、としに一たび、打むれてまいりぬ. ま斗に、をのがこふろはなし、あるじのこ・ふろのみ、さとのあ. へ、三従ハ 4ウ)てふこと、をさなくしては、父母にしたがひ、. みのり、つみつくらねば、ふすも、をくるも、かい、はんにや. がめの上人、まてきて、うばはいつのよまでか、ながらへむと. さかりにしては、夫にしたがひ、老ては、子になんしたがふ、. れ、うばもまいらん、道のべのちりかきしける、くさまくらは、. すらん、さらにわらひてをる、なをやみもせで、ふたたびみた. きればこそ、われしたがひさふらへ、をさなき時は、よくかぞ. は、さとりさとらするのみのり、こふろの月、くもらねば、ね. びとふ、わかきさへあらん、いまやのちゃ、かぎり、たれ (3. いろに、したがひまいらせて、わがこ Lろとて、さむらはず、. たとへもなき、きよきかぎり、をかしきまふに、このころ、し. オ﹀かは、しりぬ、さらばなどしも、のちの世の、かてたくは. さかりにしては、よくいもせに、したがひて、くねる思ひ、さ. むるも、さむるも、はんにゃなり、をとこはいでふ、回うちく. へざる、時にはとき、日には日、ほとけの道、つとめまつるの. らになかりき、老ては、子にしたがひて、わ (5オ)がまふし. はふに、やすらひをる、人あやしめとへば、ハ2ウ﹀しか/¥、. み、きくに、仏のみなも、となへず、見るにざぜんもせず、わ. -421ー.

(21) もしりぬる、身にあらず、なりなんとしも、おもはざれば、又. のあめの上、四のあめがしたのぬし、うばはくさ引むすぶかけ. つには、たいしゃくとならず、たゐさくは、みそぢあまり、三. あるじにてもなし、おもひもかけねば、さはりやはあらん、二. 5ウ)うばは、 ひざくむあとの、 は、しゃば世界のあるじ、 ハ. はれたる事、ひさにさふらふ、 一つには、党王とならず、党王. あり、よくうばは、しれりけるや、五つのさはり、われこれを、. をやとなし、わかきを、子とするにては、あらずや、女に五障. き、此あるしは、さらば此うばが、子にてゃある、老たるを、. ぬる、わざもなし、女のみち、まもる、このあまりやはあるべ. ものにしもあらず、又まねくよしありとも、いかでかあらたに. ば/¥ほがらかなり、はらひさふらへども、ふりてしり、ぞく、. らかに、身はハ7ウ)てれるかげのごとく、むなしくして、し. 断とも、いかい はのたまふべき、心はすむ月に似て、常にあき. ならん、心もきえうせ、さとりもあとなしと、はからざれば、. 此あいたに、とどまりぬるてふ、おもはきれば、などかは、常. み、みのりとしめなくに、有にしもあらず、むまるとまかると、. しとせざれば、無にあらず、世中のこと、つねにして、これの. 外道とは、有無常断、すぎゃうのたねも、このみ (7オ)もな. さらに、いかるけもなし、うばは、外道の、はげたるにこそ、. 上人いざずりて、あふぎをもたげて、おもてをうつ、うてども. 上人すぎやうじやとなりて、よるも、ひるも、か X ま り つ か. -422ー. A. さはりてふこともなし、一ニには、魔王とならず、ま (6オ﹀わ. A べき、上人おどろきて、うばは、さとれる人にこそと、 す tむ. たちつ、ゐつ、ぬかづく、ぬかづきぬれども、よろこびもせず、. うと成て、魔民をしも、したがへなむ、あなむつかし、四には、 りん王とならず、りんわうは、劫初にあらざれば、ある事なし、. あつまりゐたる、あがため、ほハ 8オ)とけに、ゐますと、み. 雲はれてはしめていっとおもへとも月はもとより有明のそ. なをがむ、. にごれる末の世、うばのみ、くらゐうる事かは、五には、仏 とならず、仏とは、まへは釈迦、のちはみろく、このあいだに は、ねがへどえたる、人もなし、ほとけになれる、ときいたり. まはずは、ならざらまし、むつかしの、さりほっ尊者や、うる. ﹀ ふ 、 (8ウ. て、ほとけわれを、仏になさば、︿6ウ﹀なりてまし、 なした. さの、ちさくぼさちゃ、さこそ、りうにょがをかしかりけめ、. ら.

(22) しき、道のほとりの松のかげ、も. しきの玉のひさし、こがね. tA. やもゆけ、このつつみ、此ふくろ、此あぢか、みのもこそあれ、. りぬベけれと、まちをるに、いでわれゆかむ、いざすぎやうじ. たまつくりのはにふ、いつの日の、そのころこそ、小町はきた. づのめ、こゑをあげて、おひおとろふる、見にくきを、あざ. ちのせまるうれへもなし、まへにたち、うしろにたふずむ、し. ども、人をまつおもひもなく、日はにしにかたふけども、いの. ん(叩ウ)の床、からぬいもの斗しとね、月はひがしにのぼれ. のゐらか、みちしばのなびくにたまりたるちり、雲の上のした. かさもこそあれ、たけのつえと、わらのくつと、 つふみには、. けれども、はぢしらふなさけ、むねのいっこよりかをこらん、. 二十. あかつける、 (9オ﹀やぶれたるころも、夜はのしも、 よはの. みぎりにめぐり、 (日オ﹀ひだりにかこむわらはベ、 手をうち. 玉つくり. かぜ、しばしいけるまの、よさむをふせがん、松のちいさきす. て、ものこふいやしきをわらゑども、いかりぬるこふろ、おも. かさそへて、 (叩オ)かいひさげたり、 つえは右の手に、わな. におひ、 ふくろはくびにかけ、あじかは、ひだりのひぢにかけ、. 身にかけて、こるものやぶれたるををぎなふ、 つふみはせなか. て、あめのときの、はだへをたすけん、日はてれども、みのは、. やぶれけれども、みのはさけつれども、人のすてたるをひろひ. ざれは、を (9ウ)のづから、うゑて、かてにあてん、かさは. のうゑをやすめん、あじかには、田のくわゐ、民つくりおさめ. さん、ふくろには、あはのいひ、こよひまからであらば、あす. くまだになき、山のあしは、いづの(ロオ)うみの、なみにあ. かふる山の、 一いろばかりの、ことみねの、さけわかれたる、. あまりて、いづのくにふまたがり、とをくみをやふみつらん、. る、ましろにねりくだして、ふもとはするがのくにを、つくし. り、すがたまとかに、うつくしきが、雪にゃある、ふににゃあ. だせる、たまきのかし(日ウ)ら、そらにたふゆるうみにひた. にいたりぬ、ふじのたかねを見あげければ、みねは絵にかきい. たどれるあしのあよむにしたがひ、ゆく/¥に、するがのくに. ひのはしにもさはがんとせず、道のちまたのふめるにまかせ、. tA. ろのうごくかぎりの事をしる. り、たけのみ、ちかきふで、こ. ふきっきて、みつわくむ、こしひざくちの、よろほひぬるをす. らひ)うきしまがはらの水にすふぎて、あまぐもをすそのふは. HA. くふ]此あさのやぶれたるこちも、むかしのからあや、こまに. -423ー.

(23) くににも、あるてふためしこそなけれ、. こゑだにたえてのぼらぬは、もろこし、なをそのにしの、から. らの、おばながするムにやどし、それより上には、なるかみの、. にまとはれて、こひせたげん、かへりなんいさ、かへりなんい. て、むかしのたまづさ、 いまたびてよと、そでにすがり、こし. るすがたを、ありし雲の︿Hオ﹀上の、人/¥に見せまひらせ. えてなし、むかしはものふ (Uウ﹀ことはりをおもへども、ま. さ、すがたの花、みなちりしかば、こふろのはなも、ちりっき. いざ我かみのしろさにくらべ見ん、しらがのいと、かきさぐる. たものありて、心にそふ、そひてこふろをこばめぬれば、をの. 人ならぬふしのたかねもおひハロウ)てしろしとしのつも. に、いつかはをちはてて、ところ/'¥に、かつのこれる、むす. づからことはりくらみて、ことにまよふ、今は事もものも、こ. てのこらず、身のいろうせて、なかりければ、おもひの色もた. ぼほれて、をどろのごとく、いとふさびはて、きばみかれて、. ふろにそはで、心ひとりありて、ことはりをのづから、ことは. りのゆきのかきりは、. 雪のいろさへ、むかしのおひなり、(日オ). きはなく、たかく、. りに見えて、まがはず、 ふじを見れば、た. HA. むはたまのそのうるはよりしりけれはしらかやもとのかみ. いときはめて、うるはしきに、と(日オ﹀し/¥のゆきつもり. ばて午、をのづから、しろたえなり、比山の、たかふれば、た. にはあるらん、 み見れは、目はをち入て、かれゐのごとく、. かきけもえて、くえて、けふりとたてるのみ、かくのみ見えて、. HA. ははぬけて、くちびる、くちにまくれ、なをすぼみよりて、し. おもひするこころのもえ、こひのけふりの、くゆるなど、そふ. 江によりて、か. 、 ふくろにことならず、ほうは、あくにまとはりて、ふ. りて、やぶれし、ほどきのそこハ日ウ﹀ににたり、しもをくよ. らずかし、 一ときをふるに、ちとせのたの(日ウ)しひ、千と. ものこそなけれ、おひのたのしひ、われにありて、人さらにし. J こzD voJiZロ. もぎ、たれかわがかしらにうゑけん、たつのみやこや、わがか. 老らくのくるを待えしさいはいそこのたのしみをわかもの. せのたのしひ、又よろづ世、. こしをうかれて、むねはまへに、こしはうしろに、ひざはさき. となす、. ほにうつりぬらん、やゑなみしきたふむ、あさっさのゆみさへ、. ヘ、すねはあとへ、みつわくむとこそ、これをいふなれ、か斗. -424ー.

(24) なけれど、月ゆき、としゆきぬるまふに、これなん、むさし野. はらのうちに. すひてまける. かたみなりけり. 入つきも. 行くれて. こし人ことにとひみはや. いてふは草に. 野への心を. みちかふる. くさよりも. こしかたの︿日ウ). なりけり、此野と見しより、いくかゆくらん、日かずよむ、お. このむさしのふ. おひのあしの、か父まり、ふるへる、いくらのほど、ゆくとは. もほえず、こ(日オ﹀ここそ、野なかなるらめ、くにはなれた. 返し歌. むさし野は月のいつへき山もなしくさよりいてて草にこそ. る、わだづみの、おきつしほぢのベ、しらぬこふちこそすれ、 日のいづるもて、かたしりて、ひんがしにむかひ、みんなみを. あよむにつかれをこれば、いづ(日オ﹀ことはなくふす、ぬる. いれ、. すがたも見えず、にしをかへり見すれば、もふえの雲のあなた、. にこふろきたれば、いっとはなくゆく、ひるゆくにもかぎらね. 見、きたをのぞむ、ちさとのほか、やちさとの外にあしびきの. ちゑのかすみ(日ウ﹀のほかに、かすかに見ゆるは、白妙の雪. ば、よるぬるにもかぎらず、よるともなく、ひるともなく、た. こふろのさそふに、うちまかせたり、月をとことしなせば、. しろかねの世かひにふして、ゆめも人の世中の、うきふしをむ. HA. じり、見かへる事の、きだかならぬや、いたはし、ふじのねな. せざるはなし、あくれば又うかる、はぎすり、をみなへし、か. すばず、露をまくにまけば、てれるたまのうてなに(日ウ﹀い. と山をく山の. さねきるも、花のころも、ふむものは、花のむしろ、くものの. らで、何のみ雪のそらがちで、のぼりなん、ふくろをたふき、. 日そひかしなる. ねて、めさめて見るも、じゃうどのかざりに、まどろみを、ょ. ちさとの外の. いつるには. ちさとにも. むさし野は. あかねさし. 九つのともしひをかふげ、あらかねのっちは、われにしたがひ. かけもなし. ふみまよふ. りもの、かぜのおもとびと、ひさかたのあめは、わがために、 しらぬまでに 見えぬるや. て(日オ)五つのもふけをなす、たびのものうきは、たがこふ. さらてはこふに みなみもさらに ふしのねの. みやこのかた. にしならん. ふるへる、うちあげて、うた(口オ)うたふ、. 雪ぞととへば、行かふ人、ゆきがてに、しほれて、おひのまな. を、ちひろ、又千ひろ、つみあけたるのみあり、こはなになる. の む. よるには月や. むは玉の きたもはた. のふはてなきに. ー4 2 5ー. の.

(25) ろにかつどひけん、うれへてふ、われさらにしらず、ゆきつく. て、きみの御けしきとりて、御子もいできさせおはしまして、. おひはておはして、はもをちて (lウ)なかりせば、中宮の、. あまつひっきつぎたまは斗、おほきさいのみや、さらずは、女. のへにあけて(日. して、ゐねぬるも、ゆめきはまりて、さめぬるも、みなやすく、. 山にくれ. 御かうゐの、み田もありなん、空さいのみやにて、かくしも、. はてしもなし. こふろよし、なをうたひ/¥てゆく、 あつまちは. おほんちぶさこそあらめ、よし人のめとなるとも、みだいどこ. のくるしみ、ひとりこそうれへ給へ、もものおもと人、たれか. ふらふべき、きさいのみやの、いみじき御くらゐ、それもおひ. き心、 いざわらはと、ともなひませ、何のをも (2オ)なくさ. くやと、とひいたはる、うれしくもあひ見つるかな、君がさと. れるはてのありさまぞや、さこそをもなく、いかばかりくやし. ろ、きたの方にてこそ、いまそかるべけれ、こはいかなる、な. かせに. み ち の く ま / ¥ おもしろや. 月にむかへられ. ゆきぬれは. をくられ 返し歌. (却オ). (題籍﹀. 風はをくり月はむかへて東路のかきりなきはてに我をいさ なふ、. たまつくり物語. かはりたてまつる、さらぬつゐのみゆきには、たどひとりこそ. のつかさめ、したがひたてまつるはたそ、. のをと、しれりける人にざりけり、此人見て、おどろきて、君. ゃ、しら雲の、たちくる人は、もふしきの花のえんづ、まこと. こむらさき、こよなふさきちる、こ萩をしなび、たびねしぬる. りつ、雲の上のあさなゆふな、をりゐのさとの、むろのうち、. そ、をはりぬベけれ、わらはも人のよのつね、すでにしりはべ. しりまさず、わが身みにして、なにがしの人のかぞいろにてこ. 君は人のをはりぬるをのみ見て、人のよ (2ウ)のつねをしも. HA. はありつる、なひしのかみ、うなげしそれならずや、いたくお. つねてふことはしりさふらひしが、かはれるのちは、叉いまに. ゆきおはしませ、ち. ひ、いたうを (lオ)とろへて、道のしばふのやさしきに、つ. 二十. 五止. てこそさふらヘ、 つねてふこと (3オ﹀しります、などしもし. ゆめのあげつらひ. 十. かれはてぬる、たが人やりのみちにや、世中のおなしこふろに. -426-. ウ 、 ー ノ.

(26) めると、あやまたれたるは、はくふの (5オ﹀瀧とぞいふ、つ. るぎたてならへたるみね、五らうのみね、雲にかけたる、これ. かならん、人の身のとりつとめぬる、のりにたがはぬ、われや はそれをいふ、君が心しめいひて、人のつねの上にしも、と. はえふる人のわたりし、こけひのはしならん、とうていとは、. ぢりにもあり、かしこきにもあ (3ウ﹀り、むかしの人のかは. ばだちさけて、はるかなる、江をさしハ 5ウ)はさみたるは、. てもて、うみに入、天門七ふ、ひだりみぎりのたかきみね、そ. HA. まらなくに、かくかはれることの、はやきにこそ、かはれりけ. しゃうせうのふたつのながれ、入日をあらひ、よるのあめをい. れることにあひっる、いかにおなじためしならん、世はこぞり. 人のたてたるかどのごとし、なみのとびて、をりさがる、ひさ. J. るためしは、わらはのみかは、むかしの世、 いくそばくぞ、ひ. て、みなにごれり、われひとりすみにたり、げにさる事こそさ. いだきいれ、みんなみにひらきのベ、ひんがしにはきいだす、. かたのあめに、をしひらきけり、いくらともなき、いづる舟、. たのしまず、こ ふ a ろの位は、たかきにまかするを、身のくら. あひそめいたせるは、くもをそめ、空をあらふなる、何かふる. ふらへ、われは世のにごりけるをも見ず、我すみぬるをもしら. ろのとみは、きよきま. 入ふね、ゆくなる、かへるなる、とまりぬる、ふなよそひする、. ゐは、人のためにうばはれぬる、こ. のみならん、こふろみに心をして、あめのみかどの、きさいの. ず、にごりけるをL見れば、にくみこふろ、いとうるさく、す. に/ヘ、とき/¥にまさり、身のとみは、むさぼらざれば、. みやにそなへつれば、しもつかたには、あまつをとめの、もの. 此水、山をうしとらかけて、をしやらひて、七そぢあまり、ふ. 日/¥にへり行、あしは一まをもゆか (4ウ)ねども、心はち. もふすにつかれ、かみつかたには、党王のみめのそねましかり、. みにけるをおもへ (4オ﹀ば、これてふこふろいやむつかし、. さとを行かふ、目はさうじをもこさなくに、こふろは、こま、. よしゃ (6ウ﹀七くち仏母となれとて、仏のはふとなしけれ. たみねの、にしきほしゃう、引たる、うみを、、 (6オ)にしに. もるこしを見て、山にあそび、水をもてあそぶ、君、がこ Lろ 、. ば、三世のほとけみなわがまへに、ひざまづき給ふ、それもな. 心こそとこなれ、身はとこならず、こ斗ろこそたのしめ、身は. 何のくま/¥をか見ます、まづるさんといひしは、むらさきの. をまだ、女のけはなれざりけり、すてて、をとことなれば、は. tA. けふりのたちのぼりぬるは、かうろほうならん、天の河をちく. ~427 ー.

(27) しぬれば、くるしみすなはち身をこそせめぬれ、がきてふ鬼. ゃをとことなり、地ごくとかやきふし、をそろしきか、ぎりにな. うらやみたてまつりさふらふべき、君はきみが、あめのさだめ. ょのつねをたどり、さぐりさふらはん、何のきさいのみやをか、. とにかくにかけをはくもにまかす (9オ﹀へし見るはこふ. にまかせよ、われはわがさだめならまし、. の、かみほとけ、なすにしたがひて、なりもて、さはりきしる事. ﹀ ろよそらにすむ月 (9ウ. (7オ﹀になせば 1うへかはく ζととみなりけり、:とりけだも. はさふらはず、花となせば花になりて、ちえひとへ、あけむら さき、このいろ山をにしきにかへし、さとをくもにうづましぬ. たびごろも、はる/¥とさそらひきて、みちのおくの、こふも. 二十二. れと、おどろかす、 (7ウ)にほひかほり、 その香、はなぶさ. とまでいたりぬ、人にこの野をとへば、たまつくりといふ、し. tAbc. をうかれて、かすみにとろけ、風にのりて、いろごのみの、そ. げれるくさの草むら、きり/¥す、まつむし、やどして、タぐ. 一むらす. でにと何十まりぬなり、月になせば、月となり、つりばりをまげ、. れのかぜのをと、つまとふしかのこゑ、あはれをのみあらそふ. る、をろかなるをぱいやまどはし、かしこかるをばさとりあた. 弓をはり、ますか工みかけ、よはにみがき、ひるにさび、まど. なる、さとふき(叩オ)くるかぜの、をとの聞なれたるこゑし. ならず、こたびみたびきけは、. へるをばあはれにいれ、さとれるをば、おのが心をみせなどし. 又そらとなせば、そらとなる、ほと. て、歌ににたる、又ながむるににたり、 一たびきくに、さだか. l. て、山にかたふき、くもにに (8オ)ほひて、歌人のおもひと なる、あめかせ、つゆ霜. きふしににたれど、此野ベにすむべしとはおもほへず、家もあ. 秋風のふくにつけてもあなめ/¥、. 月も日も、むねのあひだを、めぐるひかり、なりけり、かへり. らなくに、 叉かげもなし、 なをたふずみをりて、(日ウ)きく. りもなく、はてもなく、あめもっちも、わがはらの中のちり、. て人となせば、君もあり、人もあり、おやもあり、子もあり、. ものから、. 秋かせのふくにつけてもあなめ/¥. 心となせば、いつくしみハ8ウ﹀も、うやまひも、はぢ、にく み、これなる、あらざる、みなしたがひ、さふらふ、何の人の、. -428-.

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