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Seiji shakaigaku kara mita modaniti : shakai undoron no tenkai o chushin ni

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Academic year: 2021

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(1)Title Sub Title Author Publisher Publication year Jtitle Abstract Notes Genre URL. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). 政治社会学から見たモダニティ : 社会運動論の展開を中心に 大石, 裕(Oishi, Yutaka) 三田社会学会 1998 三田社会学 (Mita journal of sociology). No.3 (1998. ) ,p.10- 16 特集I: 社会学におけるモダンとポスト・モダン Journal Article http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AA1135 8103-19980000-0010.

(2) 三 田 社 会 学 第3号(1998). 政 治 社 会 学 か ら見 た モ ダ ニ テ ィ 社会運動論の展開を中心に. 大 石 1.. 裕. 「 政 治 」 概 念 の 拡 が り と政 治 社 会 学. モダニ テ ィ をめ ぐる諸 理 念が 、政治 学 の領域 にお いて も 「 大 き な 物 語 」 を用 意 した の は 確 か で あ る 。 そ う した 「 物 語 」 の 中心 に あ る の が 、 選 挙 制 度 を 中 心 とす る 民 主 主 義 制 度 で あ る 。 この 制 度 は 、 これ ま で 多 くの 批 判 を 浴 び 、 様 々 な 修 正 を 加 え られ な が ら も 、 と りわ け 先 進 産 業 諸 国 にお い て は 、 国 民 国 家 と い う枠 内 で 重 要 な機 能 を担 っ て き た 。 そ して 、 第 三 世 界 の 国 々 に して も 、 そ の 種 の 「 物 語 」 を 共 有 す る こ とが 期 待 さ れ 、 そ れ に基 づ い て 、 政 治 発 展 論 や 政 治 的 近 代 化 論 が 多 くの 研 究 者 に よ って 論 じ られ て き た の で あ る 。 政治社 会 の 民主化 とい う 「 物 語」 は 、一般 大衆 の政 治参 加 に関連 して、次 の よ うな機会 を 満 た す 制 度 を 備 え る こ と を求 め て い る 。 そ れ は 、 第 一 に 人 々 が 要 求 を 形 成 す る 機 会 で あ り、 第 二 に 個 人 的 あ る い は 集 団 的 行 動 を 通 じて 、 同輩 市 民 や 政 府 に対 し、 そ の 要 求 を 表 現 す る機 会 で あ り 、 第 三 に政 府 の 対 応 にお い て 、 これ らの 要 求 を 平 等 に 取 り扱 わ せ る機 会 で あ る(R.A. ダ ー ル,1971-1981:・. )。先 進 産 業 諸 国 、 と りわ け ア メ リ カ 社 会 で は 、 選 挙 制 度 や 利 益 集. 団 の活 動 を通 じ て こ れ らの 機 会 が か な り の 程 度 生 か され て い る と い う見 解 が 、 数 多 く の 論 者 に よ っ て 指 摘 さ れ て き た 。 いわ ゆ る 多 元 主 義 論 は 、 そ う した 論 者 に よ っ て 構 成 さ れ 、 そ こで は 主 と して 可 視 的 な 政 策 過 程 が 分 析 対 象 と され て き た の で あ る 。 と こ ろ が 、 こ う した 「 物 語 」 は 、 第 三 世 界 に お い て は 民 主 主 義 制 度 の 受 け皿 と な る は ず の 国 民 国 家 や 、 そ れ を 正 当化 す る 役 割 を果 た す は ず の 国 民 文 化 そ れ 自体 の 形 成 が 順 調 に 進 まな か っ た こ と に よ っ て 説 得 力 を 減 退 させ て きた と言 え る。 と い う の も、 多 元 主 義 論 で は 、 「交 通 ・通 信 網 の 発 達 が 所 属 や 忠 誠 心 を 重 複 ・多 元 化 させ 、 紛 争 は伝 統 的 な 社 会 的 亀 裂 を 越 え て 縦 横 に交 錯 し、 多 元 化 し 、 や が て 新 しい 紛 争 解 決 の ル ー ル 形 成 に に い た る」 (石 川, 1994:10)と. 考 え ら れ て い た か らで あ る 。 こ こ で は 、 近 代 社 会 の 形 成 、 国 民 国 家 の 統 合 と. 安 定 、 そ して 多 元 社 会 の 成 立 と い っ た 目標 の 同時 達 成 の 必 要 性 と 可 能 性 が 主 張 さ れ 、 近 代 化 論 、 政 治 発 展 論 、 多 元 主 義 論 は相 互 に 関 連 し 、 補 強 しあ い な が ら 「 物 語 」 を作 り上 げ て いた と と ら え られ る 。 そ れ に加 えて 、先 進産 業諸 国 にお いて も、従来 は社会 的 に不可 視 の まま政治化 され る こ と が まれ で あ っ た 社 会 問 題 が 、 様 々 な 社 会 運 動 に よ っ て 顕 在 化 さ れ る に い た り、 この 「 物 語 」 の 有 効 性 に 対 して 疑 問 が 投 げ か け る よ う に な っ て き た 。 多 元 社 会 論 に よ っ て 描 か れ た 政 治 社 会 に お い て も、 様 々 な 理 由 に よ っ て 政 策 過 程 か ら排 除 さ れ る個 人 ・集 団 が 存 在 して 10.

(3) 特 集1:社. 会 学 に お け る モ ダ ン と ポ ス ト ・モ ダ ン. き た こ とが 明 ら か に な った の で あ る。 エ ス ニ シ テ ィ 問 題 は そ の 典 型 で あ る 。 こ こで 注 目す べ き は 、 多 元 主 義 論 に立 脚 す る 民 主 主 義(論)と いう 「 物語 」 が、現 実 的 側 面 に お い て 動 揺 さ せ られ る一 方 で 、 不 可 視 の 権 力 に対 す る 注 目 と い う理 論 的 変 革 に よ っ て も、 そ の 正 当性 が 批 判 さ れ る よ う にな った こ と で あ る 。 こ の 理 論 的 変 革 を端 的 に述 べ る な らば 、 そ れ は 「目 に 見 え な い 力 が 生 活 の な か で 人 を拘 束 す る」 力や 、 「(暴 力 装 置 や イ デ オ ロ ギ ー 装 置 と い っ た)装 置 が も つ 力 とは 別 に 、 装 置 を安 定 さ せ る 力 が 目 に 見 え な い と ころ で 働 い て い る 」 (カ ッ コ 内 、 引 用 者)と 1994:13)。. い っ た 状 況 を重 視 す る点 に 求 め らよ う(竹 内. , こ う した 観 点 に立 つ な らば 、従 来 の 政 治 理 論 、 と りわ け 多 元 主 義 論 の 対 象 領. 域 、 な い し は そ れ と連 動 しつ つ 発 展 を して き た行 動 論 的 政 治 学 の 対 象 領 域 が 、 著 し く拡 張 さ れ る こ とが 了解 され よ う。 そ して 、 「 権 力 を そ の 社 会 的 文 脈 に お い て 取 り扱 う」 研 究 領 域 と し て 、 政 治 社 会 学 を と らえ る な ら ば(T.ボ ッ トモ ア,1979-1982:8)、 政 治 社 会 学 に して も多 元 主 義 論 に 基 づ く民 主 主 義 の 「 物 語」 、 さ らに は モ ダニ テ ィ とい う 「 大 き な 物 語」 を 所 与 とす る こと な く 、 不 可 視 の 権 力 に つ い て の 分 析 を 試 み 、 そ れ を 通 じて モ ダ ニ テ ィ の 再 検 討 と い う作 業 に 着 手 す る 必 要 が あ る と言 え よ う。 この 時 点 に お い て 、 「 政 治 」 概 念 は ま さ に拡 が り を 見 せ る こ と に な る の で あ る。. モ ダ ニ テ ィ の 理 念 や 民 主 主 義 を具 現 化 レて き た 諸 制 度 に対 す る 異 議 申 し立 て は 、 こ れ ま で は典 型 的 に は 社 会 運 動 と して 顕 在 化 して き た 。 そ う した 「 物 語 」 に対 す る 批 判 勢 力 と し て 社 会 運 動 を位 置 づ け る こ とが で き る の で あ り、 そ の 重 要 性 を認 識 しつ つ 研 究 を進 め る こ とは、 「 政 治 」 概 念 の 拡 が り に対 応 す る も の で あ る 。 そ こで 以 下 、 社 会 運 動 論 の 展 開 に つ いて検 討す るなかで 、政 治社 会学 にお け るモ ダニテ ィの問題 につ いて考 察 を加 えて い くこ と に した い。 2.モ. ダ ニ テ ィの 中 の 社 会 運 動 論. 社 会 運 動 を 最 大 公 約 数 的 に定 義 す る な ら ば 、 そ れ は 「 公 的 な 状 況 の 一 部 な い しは 全 体 を 変 革 しよ う とす る 非 制 度 的 な 組 織 的 活 動 」 と い う こ と に な ろ う(片 桐 ,1995:73)。 近 代社 会 に お い て 社 会 運 動 は 、 知 られ る よ う に 、 大 別 す る と二 つ の 系 譜 か ら研 究 が 進 め られ て き た(塩 原,1976:222-232)。. 第 一 は 、 社 会 変 動 の 原 因 も し く は 結 果 と して 生 起 す る 社 会 的. 諸 矛 盾 が 、 構 造 的 な 階 級 対 立 と な って 顕 現 し 、 さ ら にそ の 解 決 と して の 闘 争 及 び 運 動 を 惹 起 す る と い う観 点 に 立 ち な が ら 、運 動 を 合 法 則 的 に 把 握 し よ う と す る マ ル クス 主 義 的 な 社 会 運 動 論 で あ る 。 第 二 は 、 ル ・ボ ンな どの 主 張 に 見 られ る よ うに 、 群 衆 の構 成 員 で あ る 個 々 人 が 、 群 衆 と い う集 合 的 場 の 中 に入 り込 む こ と に よ り、 全体 と して は 非 合 理 的 な 行 動 と し て 集 合 行 動 が 生 じる と考 え る 集 合 行 動 論 で あ る。 こ こ で 留意 され るべ き は 、集 合 行 動 論 が 集 合 行 動 を 「 あ た ら しい 制 度 化 の 起 点 なの で あ っ て 、 運 動 の 組 織 化 過 程 が と りも 直 さ ず 制 度 化 の 過 程 で あ る 」 と把 握 して い る 点 で あ る(同. 11.

(4) 三 田 社 会 学 第3号(1998). 書:230)。. 集 合 行 動 論 で は 、 一 般 の大 衆 が い だ く不 安 や 不 満 が 集 合 行 動 や 社 会 運 動 に よ っ. て 社 会 的 に 表 面 化 し、 そ れ が 政 策 過 程 に 反 映 さ れ 機 会 が 重 視 さ れ て い る 。 した が っ て 、 社 会 運 動 の 組 織 化 か ら制 度 化 に い た る一 連 の 過 程 は 、 多 元 主 義 論 が 主 張 す る 権 力 や 支 配 の 拡 散 と い う傾 向 に 対 応 す る と と らえ る こ と が で き る 。 集 合 行 動 な い しは 社 会 運 動 に 関 す る こ う した 見 解 は 、 当 然 の こ と なが ら、 マル ク ス 主 義 的 な 社 会 運 動 論 か ら は批 判 の 対 象 と な る。 と い う の も、 こ の種 の社 会 運 動 論 は 、 「究 極 的 に 、 安 定 と は 、 理 性 の 問 の 問 題 で は な く 、 力 の 問 題 で あ る 。 敵 対 者 とは 和 解 不 可 能 で あ り、 真 の 調 和 と い う観 念 は 、 少 な く と も階 級 社会 に か ん して は 、 欺 隔 で あ る か 、 さ もな けれ ば 幻 想 で あ る 」 と 主 張 す る か らで あ る(R. ミ リバ ン ド,1977=1979:29)。 この よ う に 、 これ ら二 つ の 社 会 運 動 論 は 、 モ ダ ニ テ ィ と い う 「 大 きな物 語」 の枠 内 にあ りな が ら も 、 マ ル ク ス 主 義 と多 元 主 義 論 と い う 、 そ れ ぞ れ の 「 物 語 」 の 中 に社 会 運 動 を 位 置 づ け 、 そ の 機 能 に つ い て 考 察 を 加 え る な か で 自 らの 主 張 を 展 開 して き た の で あ る。 そ の 一 方 で 、 集 合 行 動 論 の 系 譜 に 位 置 しな が ら も 、 そ れ とは 異 な る 独 自の 視 点 か ら社 会 運 動 の 分 析 を 試 み る 資 源 動 員 論 が 、1970年. 代 にな って か らア メ リカ社 会 学 の 中か ら生 ま. れ 、 多 くの 関 心 を 集 め る よ う に な っ た 。 こ の ア プ ロ ー チ の 特 徴 は 、 次 の 点 に 求 め られ る (M.N.Zald,1992:332-333)。. 資 源 動 員論 は、 集 合行 動 論 にお いて 社 会運 動 の 発 生要 因. と見 な され て い た 人 々 の 不 安 や 不 満 を そ れ ほ ど重 視 し な い 。 そ う した 不 安 や 不 満 は 、 どの 社 会 、 ど の時 代 に も存 在 す る と考 え る。 そ して 、 社 会 運 動 を 概 して 合 理 的 な 運 動 と と らえ 、 そ の 発 生 原 因 よ り も展 開 過 程 を 重 視 し、 運 動 資 源 の 動 員 、 そ の 際 に 採 用 され る 運 動 組 織 の 戦 略 を 分 析 の 中 心 に 据 え る 。 従 っ て 、 既 存 の 社 会 的 ネ ッ トワー ク が 社 会 運 動 組 織 へ と ど の よ う に 発 展 し て き た か と い う問 題 、 あ る い は社 会 運 動 組 織 と他 の 組 織 との 結 び つ きが 重 要 な 研 究 課 題 と な る 。 さ ら に は 、 マ ス ・メ デ ィ ア や 紛 争 当事 者 以 外 の 社 会 成 員 の 意 見 の 集 合 体 と して の 世 論 との 関 連 も 分 析 対 象 とな る 。 と い う の も 、 これ らの 社 会 的 ネ ッ トワ ー クや 他 の 組 織 、 そ して マ ス ・メ デ ィ ア や 世 論 が 、 資 源 動 員 に 当 た っ て 重 要 な 供 給 源 とな る か ら で ある。 資 源 動 員 論 は 、 当 然 の こ と な が ら多 種 多 様 な 社 会 運 動 を扱 って お り、 そ の 点 で は 民 主 主 義 とい う 「 物 語 」 の 問 い 直 しを つ ね に行 って き た と 言 え る。 さ ら に は 、 そ こで は 環 境 問 題 や 女 性 運 動 な ど 、 民 主 主 義 制 度 の み な らず モ ダ ニ テ ィ と い う 「 大 き な 物 語 」 そ の もの に 挑 戦 を試 み る運 動 も扱 わ れ て き た 。 と ころ が 、 知 られ る よ う に 、 あ る個 人 や 集 団 が 目標 達 成 の た め に 影 響 力 を 行 使 す る に あ た り諸 資 源 を動 員 す る と い う観 点 は 、 利 益 集 団 論 と密 接 に 関 わ る 多 元 主 義 論 に お い て も す で に 採 用 さ れ て い た(RA.Dah1,1991)。. した が っ て 、 資. 源 動 員 論 の 観 点 は 、 社 会 運 動 組 織 の み な らず 、 様 々 な 圧 力 団 体 の 分 析 に も有 効 だ と言 え る し 、 資 源 動 員 論 の 用 語 や 概 念 の 使 用 法 を見 る と、 そ の 点 は か な り意 識 さ れ て い る 。 ま た 、 資 源 動 員 論 の 分 析 枠 組 み で は 、 先 に見 た 集 合 行 動 論 と同 様 、 そ の 組 織 化 や 制 度 化 の 過 程 が 重 視 され 、 さ ら に は 社 会 運 動 組 織 の 主 張 や 利 害 が 政 策 過 程 に 反 映 され る(あ 12. るい は、 され.

(5) 特 集1:社. 会 学 に お け る モ ダ ン と ポ ス ト ・モ ダ ン. な い)要 因 分 析 が 重 要 な研 究 課 題 と な る。 以 上 の 点 か らす る と、 資 源 動 員 論 の 方 法 論 と問 題 関 心 は 、 多 元 主 義 論 と 共 通 す る 部 分 が あ り、 そ れ を補 完 す る役 割 を 担 う と見 な す こ と も で き よ う。 資 源 動 員 論 は 、 民 主 主 義 制 度 や モ ダ ニ テ ィ の 「 物 語 」 に対 して 挑 戦 を 試 み る 社 会 運 動 を も研 究 対 象 と しつ つ 、 と りわ け ア メ リカ 社 会 学 の 枠 内 に お い て は 、 そ う した 「 物 語 」 の 再 構 築 に 関 わ る ア プ ロ ー チ と して 位 置 づ け る こ と も可 能 だ と思 わ れ る 。 3.. 「 新 し い社 会 運 動 」 論 の 視 座. 資 源 動 員 論 とほ ぼ 同 時 期 、 ヨー ロ ッパ 社 会 学 を 中 心 に 、 「 新 し い社 会 運 動 論 」 と呼 ば れ る研 究 が 多 くの 関 心 を 集 め る よ う にな っ た 。 そ れ らの 研 究 は 、 反 核 運 動 、 環 境 保 護 運 動 、 女 性 運 動 、 さ らに は様 々 な エ ス ニ シテ ィ 運 動 を 「 新 しい 社 会 運 動 」 と と らえ 、 そ の 展 開 を 主 に 扱 う も の で あ る 。 こ こで 新 し い 社 会 運 動 と い う用 語 を用 い る の は 、 資 源 動 員 論 を は じ め と す る他 の社 会 運 動 論 と は異 な り、 こ の ア プ ロ ー チ が社 会 運 動 を 通 した ア イ デ ンテ ィ テ ィ の 構 築 と い う 問 題 を 前 面 に掲 げ 、 そ れ らの 運 動 に モ ダ ニ テ ィ を 超 え る 意 味 を見 出 そ う とす る か らで あ る。 そ れ と 同 時 に 、 新 しい 社 会 運 動 論 は 、 ヨー ロ ッパ 社 会 にお い て い ま だ 大 き な 影 響 力 を 有 す る 、 前 述 した マ ル ク ス 主 義 的 な 観 点 と も一 線 を画 し て い る 。 そ こで は 、 経 済 的 要 因 に よ る構 造 的 な 階 級 対 立 と関 連 づ け て 新 し い社 会 運 動 の 説 明 を 行 う と い う手 法 ば 採 用 され な い 。 ま た 、新 しい 社 会 運 動 論 は 、 従 来 の 民 主 主 義 制 度 の 限 界 を 強 く意 識 して い る 点 で 、 資 源 動 員 論 と は 異 な る 問 題 関 心 を 有 して い る と言 え る 。 と い うの も、 資 源 動 員 論 が 、 社 会 運 動 組織 に よ る政 策 過 程 へ の参 入 と い う問 題 を 比 較 的 重 視 す る の に対 し 、新 しい 社 会 運 動 論 は 、 「市 民 社 会 の 諸 制 度 に 浸 食 す る 国 家 の 統 制 に対 す る 反 撃 を 、媒介 的機 能 を喪失 した制度 的 な 政 治 か ら離 れ た と ころ … 私 的 空 間 と 制 度 的 ・国 家 的 政 治 空 間 に位 置 す る 『非 制 度 的 な 政 治 の 空 間 』 (C.オ ッ フ ェ)の 創 出 に よ っ て 実 現 しよ う とす る 」 (伊藤. ,1996:136)動. き の 中 に 、 新 し い社 会 運 動 の 位 置 づ け試 み る か らで あ る。 次 に 、 新 しい 社 会 運 動 論 の 特 徴 で あ る ア イ デ ン テ ィ テ ィ 重 視 と い う観 点 に つ い て 検 討 し て み る 。 こ の ア プ ロ ー チ で は 、 ア イ デ ン テ ィ テ ィ と い う概 念 は 、 通 常 、 (相互 に密 接 に 関 連 す る)以. 下 の3つ. の 領 域 に お い て 研 究 対 象 と さ れ て き た(H. .Johnston 第 一 は、 主 と して心 理 学 者 に よ って 担わ れ て きた もの で 、諸個 人 の社 会 運 動 へ の 参 加 動 機 を主 題 にす る 「 個 人 的 ア イ デ ンテ ィ テ ィ」 の 研 究 で あ る 。第二 は 、 社 会 運 動 組 織 の 成 員 の 定 義 、 組 織 の境 界 、 運 動 組 織 の た め に そ の 成 員 が 行 う活 動 に 焦 点 を et.al.,1994:10-20)。. 合 わ せ 、 そ れ ら を通 じ た ア イ デ ンテ ィ テ ィ の 社 会 的 な 構 築 を主 題 に す る 「 集合 的 アイ デ ン テ ィ テ ィ」 の 研 究 で あ る 。 第 三 は 、 社 会 運 動 の 参 加 者 や 支 持 者 の 自 己 認 識 に関 わ る 運 動 外 部 の 人 々 が 有 す る影 響 力 を主 題 とす る 「 公 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ」 の 研 究 で あ る. 。. この うち 、 新 し い社 会 運 動 論 は 、 他 の 二 つ の ア イ デ ンテ ィ テ ィ と の 関 連 を 視 野 に 収 め な が ら も、 集 合 的 ア イ デ ンテ ィテ ィ の 問 題 を 中 心 に 据 え て き た 。 こ の 領 域 の 代 表 的 論 者 で あ 13.

(6) 三 田 社 会 学 第3号(1998). るA.メ ル ッチ は(た だ し 、 メル ッチ 自 身 は 新 し い社 会 運 動 と い う 範 疇 を 設 け る こ と に は 批 判 的 で あ る)、 資 源 動 員 論 の研 究 手 法 に 対 して 一 定 の 評 価 を 与 え る 。 そ の 理 由 の 一 っ と し て は 、 メ ル ッチ が 、 「 集 合 的 主 体 が 公 共 政 策 と対 立 し紛 争 状 態 に な る と き は ど ん な と き で も、 隠 れ て い た ネ ッ トワ ー ク が 可 視 化 さ れ る 」 (A.メ ル ッチ,1989-1997:77)と. 論 じるよ. う に 、 重 要 な 動 員 資 源 の 一 つ と して(潜 在 的 で あ れ)既 存 の 社 会 的 ネ ッ トワ ー ク の 存 在 を 重 視 して い る点 が 指 摘 で き よ う。 た だ し、 メ ル ッ チ は 、 資 源 動 員 論 が 社 会 運 動 の 参 加 者 が ア イ デ ンテ ィ テ ィ を 構 成 す る プ ロセ ス を 暗 黙 の 前 提 と して し ま い 、 そ の プ ロ セ ス に 関 す る 検 証 を 怠 っ て い る と批 判 し 、 そ の うえ で 次 の よ う に 論 じ る(同 書:29)。 「自 己 定 義 を し 、 行 為 の 場 を 定 義 す る こ と の で き る行 為 者 の み が 、 期 待 を構 成 す る こ と が で き る の で あ り、 現 実 との 比 較 を す る こ とが で き る 。 私 が 集 合 的 ア イ デ ンテ ィ テ ィ と 呼 ぶ の は 、 行 為 シ ス テ ム を 構 成 す る こ の よ うな 過 程 の 結 果 な の で あ る。 集 合 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ と は 、 相 互 に 交 流 して い る 諸 個 人 に よ っ て 生 み 出 され る 、 相 互 作 用 的 で あ り共 有 され た 定 義 で あ る 。 」 メ ル ッチ は 、 集 合 的 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 重 視 す る な か で 、 新 し い社 会 運 動 を 、 「 意味の ネ ッ トワー ク 」 と と ら え 、 運 動 自体 が 目標 とな り、 ま た 運 動 の 形 式 そ の もの が メ ッセ ー ジ に な り、 そ の 結 果 、 この 種 の 運 動 が 支 配 的 コ ー ドに対 す る象 徴 的 挑 戦 にな る と考 え る の で あ る(同 書:64-65)。. こ こ で 重 要 な の は 、 新 し い社 会 運 動 に備 わ る こ の よ う な 特 質 、 な ら. び に そ の 種 の運 動 に 関 す る メ ル ッチ らの 把 握 の 仕 方 が 、 モ ダ ニ テ ィ の 理 念 の 中 か らむ つ 出 され た 様 々 な 運 動 や そ れ に 関 す る 理 解 と は 異 な る 性 質 を有 す る と い う 点 で あ る 。 と い うの も、 資 源 動 員 論 を は じめ とす る 社 会 運 動 論 は 、 目標 達 成 の 手 段 と して 社 会 運 動 を 位 置 づ け る傾 向が強 か った か らで ある。 4.小. 括. す で に指 摘 した よ う に 、 社 会 運 動(論)は 、本 来 は民主 主 義制度 とい う 「 物 語 」 に対 す る 批 判 と い う 一 面 を 有 し て い る は ず で あ る。 な ぜ な ら、 既 存 の 民 主 主 義 制 度 の 有 効 性 を 主 張 す る 多 元 主 義 論 に お い て は 、 「国 民 国 家 とい う 単 位 に も っ と も信 頼 を 寄 せ 」 、 「 そ こで は 、 国 民 と い うデ モ ス が 過 剰 な ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 持 つ こ と に よ っ て 、 他 の 可 能 な ア イ デ ンテ ィ テ ィ を 抑 圧 す る 危 険 性 は 不 当 に軽 視 さ れ て い る 」 (杉 田,1998:156)と. と ら え られ. る か らで あ る。 ま た 、新 し い社 会 運 動 論 を 、 モ ダ ニ テ ィ の 重 大 な 帰 結 と し て の 「 消 費主 義 が は び こ っ た 結 果 と して の 地 球 の 汚 染 は も ち ろ ん の こ と 、 消 費 社 会 にお い て な さ れ て い る 抑 圧 、 差 別 、 支 配 へ の 抵 抗 を行 っ て き た 」 (D.ラ イ ア ン,1994=1996:127)運. 動 と して と. らえ る な ら ば 、 こ の 種 の 社 会 運 動 を モ ダ ニ テ ィ と い う 「 大 き な 物 語 」 に対 す る 挑 戦 と見 な す こ と も相 応 の 妥 当 性 を 持 つ と言 え る。 こ こで 指 摘 して お き た い の は 、 こ う した モ ダ ニ テ ィ に 対 す る見 方 が 、 例 え ば メ ル ッチ が 情 報 社 会 の到 来 を強 く 意 識 しつ つ 自 らの運 動 論 を展 開 して い る ことか ら 了解 さ れ るよ うに 、 14.

(7) 特 集1:社. 会 学 に お け る モ ダ ン と ポ ス ト ・モ ダ ン. ポ ス ト ・モ ダ ニ テ ィ の 社 会 理 論 と 密 接 に 結 び 付 く 点 で あ る(A.Melucci,1994)。. 前述 し. た よ う に 、 新 し い社 会 運 動 論 で は 、 社 会 運 動 が 物 質 的 な 側 面 で の 目標 達 成 よ り も 、 情 報 の 共 有 に よ る ア イ デ ンテ ィ テ ィの 構 築 の 側 面 が 重 視 さ れ て お り、 そ の 点 で は モ ダ ニ テ ィ の 枠 を 超 え た 運 動 論 が 提 示 され て い る と見 る こ と も で き よ う。 他 方 、 資 源 動 員 論 で は 、 社 会 運 動 に と っ て の 情 報 の 重 要 性 を 主 張 す る 論 者 も多 数 い る もの の 、 物 質 的 な 側 面 で の 目標 達 成 の 手 段 、 す な わ ち 重 要 な 動 員 資 源 の 一 つ と して 情 報(な. い しは メ デ ィ ア)を 位 置 づ け る 傾. 向 が 強 い 。 した が って 、 資 源 動 員 論 は 、 す で に 指 摘 し た 多 元 主 義 論 との 共 通 性 に 加 え 、 情 報 に 関 す る と ら え 方 を 見 て も、 ポ ス ト ・モ ダ ニ テ ィ と い う よ り も、 モ ダ ニ テ ィ 、 あ る い は ハ イ ・モ ダ ニ テ ィ の 枠 内 に あ る理 論 と見 な し うる の で あ る。 も ち ろ ん 、 この よ う な 基 本 的 な 視 座 の 相 違 が 、 た だ ち に二 つ の ア プ ロー チ の 有 効 性 を 測 る 指 標 にな る わ け で は な い。 こ こで は そ の 差 異 を指 摘 す る に と どめ て お く。 政 治 社 会 学 の 一 領 域 と して の 社 会 運 動 論 と い う立 場 か ら、 最 後 に述 べ て お き た い の は 、 や は り権 力 の と ら え 方 の 問 題 で あ る 。 本 稿 で も 先 に指 摘 した よ う に 、 政 治 理 論 に お いて 権 力 に 関 す る 理 論 的 変 革 が 進 み 、 そ の 領 域 が 日常 生 活 や 不 可 視 の 局 面 に ま で 拡 大 して き た こ と は 、 (政 治)社 会 の 非 制 度 的 な 領 域 の研 究 に も 携 わ っ て き た 社 会 学 の 諸 理 論 と接 続 す る こ と を促 し、 そ の 理 論 的 傾 向 は 権 力 をそ の 社 会 的 文 脈 に お い て 取 り扱 う政 治 社 会 学 、 さ ら に は 政 治 社 会 学 と して の 社 会 運 動 論 に も 必 ず や 影 響 を 及 ぼ す に 違 い な い 。 資 源 動 員 論 、 新 し い 社 会 運 動 論 、 い ず れ に して も(ハ イ ・)モ ダ ニ テ ィ 、 な い し は ポ ス ト ・モ ダ ニ テ ィ の 権 力 論 と の 連 関 を 深 め つ つ よ り一 層 の 理 論 的 展 開 を行 う こ とが 要 請 され る の で あ る 。. 文 献 T.ボ. ッ トモ ア 、 小 山 博 也 訳. RA.ダ. ー ル 、高 畠通 敏. R.A.Dahl,1991,Modern 石 川 一 雄. 1994. 伊 藤 る り. 1996. New. ton. D.ラ. A.メ. ts, Temple. 1976. A.Melucci,1994,"A. 竹 内 成明. eds. ., Yale. 1998 1994. Univ,Press.. 岩 波 書 店 、121-157頁. Uinv.. New. 『シ ス テ ム と 生 活 世 界. 。 social. Movements. ,"in. E.Larana. et.al.eds.,. Press,pp.3-35.. 『ポ ス ト ・モ ダ ニ テ ィ 』 せ り か 書 房 。. ル ッチ 、 山之 内 靖 ほか 訳. 杉 田敦. 5th. 『社 会 運 動 の 中 範 囲 理 論 』 東 京 大 学 出 版 会 。. 1994=1996. リバ ン ド、 北 西 充 ほ か 訳. 塩 原勉. 『ポ リ ア ー キ ー 』 三 一 書 房 。. Analysis. 「 〈新 し い 社 会 運 動 〉 論 の 諸 相 と 運 動 の 現 在 」 山 之 内 靖 ほ か 編 会 科 学 の 方 法V皿)』. Movemen. 1995. イ ア ン. R.ミ. Political. et.al.,1994,"Identities,Grievances,and. Social. 片 桐 新 自. 『政 治 社 会 学 入 門 』 新 評 論 。. 1971=1981. 『エ ス ノ ナ シ ョ ナ リ ズ ム の 政 治 統 合 』 有 信 堂 。. (岩 波 講 座:社 H.Johns. 1979=1982. ・前 田 脩 訳. 1977=1979 1989=1997. 『マ ル ク ス 主 義 政 治 学 入 門 』 青 木 書 店 。 『現 代 に 生 き る 遊 牧 民 』 岩 波 書 店 。. 『組 織 と 運 動 の 理 論 』 新 曜 社 。 strange. Kind. of Newness"in. E.larana. et.al.eds.,. ibid., pp.101-131. .. 『権 力 の 系 譜 学 』 岩 波 書 店 。 r顔 の な い 権 力 』 れ ん が 書 房 新 社 。. 15.

(8) 三 田 社 会 学 第3号(1998). M.N.Zald in Social. 1992 Movemen. "Looking t Theory,. Backward Yale. to Look Univ.Press,. Forward,"in. A.Morris. C.M.Muekkered,. Frontiers. pp.326-349.. (お お い し. 16. and. ゆた か. 慶 磨 義 塾 大 学 法 学 部).

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Referensi

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