ぬぐいでふき始められた。 で弟子たちの足を洗い、腰にまとった手 とわれた。それから、たらいに水をくん て上着を脱ぎ、手ぬぐいを取って腰にま (イエスは、)食事の席から立ち上がっ
(ヨハネ福音書
13章 4・
5節)
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
今年、キャンパスに皆さんをお迎えし、ともに学びを始められましたことを大変嬉しく思っています。
皆さんがこの大学で学ぶのは、誰かの役に立ちたいという思い、その心を具体的なカタチにするための知識であり、技術、そして実践力です。私たちがこの世界で共に生きていくとき、困難を抱える方々は必ずいらっしゃる。福祉も心理も、そうした方への支援、いや「共に生きる」を実現していくために必要な専門性です。今、この感染症が広がりの中、支援の手が行き届かないでいる問題が吹き出してきています。社会全体が整えられなければならないし、私たち自身が変わっていくべきでしょう。そのためにここで学び、様々な課題を見出し、それに取り組む力を身につけて行って欲しいのです。
同時に、この大学での学びまた 2020年度の進路支援につきましては、緊急事態宣言等により新年度開始の
4月から学生が通学できない状
況の中で、当初予定していた進路支援プログラムがすべて白紙となり、遠隔による支援を手探りで行っていくことから始まりました。
前期は進路相談、履歴書添削、模擬面接を、Zoomやメール等を利用して遠隔で実施し、一部の授業で通学が再開した後期は、相談対応を遠隔・対面で行うと共に、合同企業説明会や求人紹介フェア、就職活動対策講座、保育士対策講座、社会福祉士対策講座、就活ワークショップ等の就職進路及び資格取得に関する講座を遠隔で
8回、
望を感じました。昨年は、入学式を行うことができませんでしたので、今回の入学式は教職員にとっても感慨深いものであったと思います。新たな生活様式に適応しながら、これからの学生生活を充実した学びのある学生生活を送って欲しいと思います。
また、昨年入学式を行えなかった
2
年生には、
4月 6日(火)のオリエン
テーションのプログラムの冒頭の時間を使い、「新年度始業の祈り」を行いました。学長のメッセージ、チャプレンの聖書の言葉とお祈りを行い、コース主任が学生の氏名を読み上げました。このような時間が、
2年生にとって大
学に入学した実感をもち、これからの学生生活への力になることを願います。 様々な出会いや活動の中で、皆さんには、自分を知り、人間を知り、世界を深く探求して、多様な人々と共に生きる思い、その心を育んでいって欲しいのです。
この聖書の箇所は、いわゆる「最後の晩餐」と呼ばれる食事の一場面です。イエスが、十字架にかけられる直前、弟子たちとの最後の食事をした時に、弟子たちの足を洗われた出来事が記録されています。イエスは子を思う親のように、弟子たち一人ひとりの汚れた足を手にとり、その疲れを癒すように、洗い清めてくださったというのです。汚れ疲れた足がそうであるように、私たちには表には見えないところにある傷ついた姿や弱さ、醜さがある。それをこの手にとって受け止め、清め癒す。イエスの弟子たちを思う心が、この手に表されているのです。
イエス・キリストは、もう弟子たちとこうして一緒にいることはできなくなるのだけれど、その弟子たちを心から大切に思い、忘れることもないし、見捨てることもなく、必ず共にあると約束されました。そして、弟子たちに対し、あなたたちもわたしと共にいるように生きなさい、「わたしがあなた方の足を洗ったのだから、あなた方も互いに足を洗い 合いなさい」と教え励ますのです。弟子たちには、そのイエスの言葉とともに、自分の足を手にとって洗い清めてくださった、キリストの手のぬくもりや、その眼差しの優しさが強く心に残ったことでした。彼らは、自分の足を洗ってくださった「この手」を通して、キリストの心に触れたといって良いでしょう。 今日からこのルーテル学院での学生生活が始まります。希望を持ってスタートしていただくことですが、
4年間のうちには悩んだり、苦しん
だりすることもあるでしょう。けれども、その皆さんの人生のために、キリストの心が、手が働いて、あなたを大切に支えてくださることをどうか知っていて欲しいと思うのです。皆さんは、ここルーテルで、一人ひとりを愛し、大切に思うキリストの心を聖書の言葉に聞くでしょう。そして、その心が、誰かを通して、皆さんに触れていくことでしょう。だから、皆さんも癒されていく。力づけられる。励まされ、生かされていく。皆さんの心に力が湧いてくる。人の痛みを知り、そして、人を愛すること、誰かを大切にすることが心に育まれてくる。
そして、その大いなる御手の中で、皆さんご自身の、「共に生きる心」が育まれ、手に手ぬぐいを握って誰かの足を洗うような、具体的な支援のカタチになっていくことと信じています。
これからの大学生活の上に神様の祝福をお祈りしています。 学長
石居 基夫
「 そ の 心、 こ の 手 に 」
対面で
5回実施しました。
講座以外にも、年間を通じて就職・資格取得・進学に関する授業を遠隔・対面で実施し、「キャリアデザイン基礎・実践」計
90名、
「保育士特講Ⅰ・Ⅱ」計
43名、
「インターンシップゼミ」、「インターンシップ実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」計
53名、
「社会福祉特講A・B・C」計 40名、
「臨床心理特講A」
52名
等、多くの学生が受講しました(※学生数は延べ人数)。
コロナ禍でも学生たちが就職活動を頑張った結果、2020年度の就職率は
95・6%でした。
本学は福祉教育をはじめて今年で
45
年。福祉分野で働きたいという志を 持って入学してくる学生が多いため、他大学に比べて、大学での学びを生かした福祉・心理・子ども等に関する就職先が多いのも特徴です。 進路支援は
1学年定員
アットホームに相談対応を行っています。 め、普段から専任教員が親身になって も、学生と教員の距離がとても近いた に丁寧に対応しています。それ以外に ルタントと進路支援担当教職員が個別 教育を活かして、専門のキャリアコンサ 90名の少人数
就職活動は就活サイト等を利用して一人で行うこともできますが、日々の学びやアルバイト、サークル等で忙しい中、教職員と一緒に行った方が効率良く進められ、希望する内定先に近づく可能性も高くなります。就職活動を行なう時期が来た際には、是非、進路支援担当教職員までお声掛けください。よろしくお願いします。
2020 年度の就職支援を振り返って
就職支援委員 山田
竜也
2021 年度
入 学 式 報 告
人間福祉心理学科長
教授 田副
真美
4月 ペルにて ロナウイルスの感染予防のため、チャ 入生たちを向えてくれました。新型コ たが、桜の花も新 心配をしていまし うのではないかと の花が散ってしま も開花が早く、桜 ました。例年より に入学式が行われ 1日(木)
度入学した学生は、学部 3部制による式でした。今年
1年生
93名、
2年次編入生
5名、
3年次編入生
大学院修士課程 3名、
16名(臨床心理学専攻
11名、社会福祉学専攻
程 5名)、博士課
1名で
した。新入生たちが、学長のメッセージに真剣な面持ちで聞いている姿には、これからの大学生活への希
2 0 2 1 年度
入学式メッセージ
NO. 2021.6.1 146
発 行
発行人
ルーテル学院大学・
日本ルーテル神学校
〒181-0015 東京都三鷹市大沢 3-10-20 TEL:0422-31-4611 FAX:0422-33-6405 石居 基夫 http://www.luther.ac.jp/
1
ルーテル学院だより行 事 予 定
6月〜
9月
3月 式は新型コロナウイルス感染防止のため、 11日(木)快晴。本年度の卒業
11時から大学院、
13時と
して互いにとって 自分にとって、そ に装い、この日を ちはそれぞれ綺麗 しかし、卒業生た 方ないことでした。 教えるルーテル学院の方針として致し ます。密を避けることは、命の大切さを 員も映し出される映像を別室で視聴し ルには来賓や保護者もおられません。教 と、三度に分けて行われました。チャペ 15時から大学 『新版
論文の教室
レポートから卒論まで』
戸田山和久著
NHK出版、2012 この本の内容は、論文が上手く書けない架空のキャラクターである作文ヘタ夫くんが著者である戸田山先生と対談形式で会話をしながら、少しずつ正しい書式でレポート作成をする規則を学んでいくというものです。レポートの書式を学ぶ上で、特に読みやすい一冊となっていますので、良ければ一度手に取ってみていただければと思います。
(臨床心理コース
2年)
『ソーシャルワーカーという仕事』
宮本節子著
筑摩書房、
2013
ソーシャルワーカーという仕事を簡潔に説明している本です。事例を交えているため、具体的な仕事内容を知る
ルーテル学院大学 総合人間学部 臨床心理学科卒業ルーテル学院大学大学院 総合人間学研究科 臨床心理士専攻 修士課程修了獨協大学埼玉医療センター子どものこころ診療センター 勤務 私が働いているセンターでは、小児科領域で就学前から高校生まで、主に心身症・摂食障害・発達障害・不登校などを様々なこころと社会の繋がりで起きる問題を対象としています。保護者とは関わり方の工夫や環境の調節を考えていきます。そしてどちらにおいても、懸命にいる姿勢への労いが不可欠になります。その他には発達検査、心理アセスメント、研究、地域連携、他職種協働で支援にあたっています。業種は多岐にわたり、常に正解はなく勉強をし続けています。
最近では新型コロナウイルスが大きく影響しています。コロナ太りの懸念から摂食障害が増えました。休校中は 三つの能力の向上を
地域福祉開発コース
4年岩田
麻鈴 私は昨年の夏に、高齢者福祉を専門とする社会福祉法人で実習をさせていただきました。実習目標として「その人らしい支援を提供するために、利用者やそのご家族に対してどのような働きかけをしているのかを学びたい」と挙げていました。実習では職員と利用者の交流の様子を観察したり、職員から話を聴いていく中で、その人らしい支援を行うには、その人の自由性の確保と、その人の思いを受け止め、それに合わせた支援を提供することの
2つ
がとても大切だということを学びました。これを実践するには、利用者の状態や仕草から体調や気持ちを把握する
6月 12日㈯
オープンキャンパス7月 11日㈰
オープンキャンパス大学院臨床心理学専攻オープンセミナー
7月 21日㈬
通常授業終了8月 9日㈪~
14日㈯
前期試験期間
8月 14日㈯
オープンキャンパス8月 22日㈰
オープンキャンパス9月 18日㈯
オープンキャンパス大学院臨床心理学専攻オープンセミナー
9月 13日㈪~
18日㈯
集中講義機関
9月 20日㈪
後期授業開始日オープンキャンパス、オープンセミナーの開催形式(オンライン、または来校型)や内容については事前にルーテル学院大学のホームページでご確認ください。感染症対策のため変更になる場合がございます。 大切な記念日として笑顔を交し合っていました。石居基夫学長はその卒業生たちに、どのような困難の中でも神様はけっしてあなたを離れることなく、その生涯を共に歩んでくださると力強く語りました。
ルーテル学院は聖書を土台として愛と奉仕に生きる大切さを教えます。様々な困難を抱え、助けを必要とする人達のもとへ笑顔を届ける卒業生を本年度も送り出すことができました。ここから始まる卒業生たちの日々に神様の豊かな祝福があることを祈ります。
2020 年度
卒 業 式 報 告
チャプレン 河田
優
不登校児にとって味方となる環境になりました。一方で登校が難しくなる子もいました。この状況で、残念ながら心理師はウイルスの治療に役立つことはできません。マスク越しに希望となる変化を見つけ出し、解決できる日に備え、時を味方にする姿勢を持ち続ける役目なのだと思っています。
私が大学に入学した年は東日本大震災があり、大学の手配でボランティア活動に参加しました。惨状を目の前にできることは限られました。そこからなにかできるかもしれないと思い臨床心理士を目指しました。
今も学びとして深く残っているのは「わたしはあなたと共にいる」です。大学生や受験生の皆様におかれましても、コロナに限らずやりきれない気持ちがあり、なにができるだろうと模索されていると思います。それは心理師を志すきっかけになるかもしれません。それでなくても皆様の日々が少しでも良い方向に向かっていくことを祈っています。
・入試要項はルーテル学院大学ホームページから各自ダウンロードしてお使いいただけます。
・学校推薦型選抜 指定校推薦型 在籍している高校が本学の指定校になっているかについては、進路指導をご担当いただいている高校の先生に お問合せください。
・入試に関するお問合せ、個別相談のご予約 電話 0422-32-2949 メール [email protected]
ことができます。また、ソーシャルワーカーにとって大切なことは何かを考えるきっかけにもなります。私は一人ひとりの方に合わせた支援を大切にしていきたいと考えています。知識が増えた後に読むと感じることが違ったため、読み直すのもおすすめです。
(地域福祉開発コース
4年)
『日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか
─児童精神科医の現場報告─』
古荘純一著
光文社新書、
2009
この本は、子どもたちの現状とその周囲を取り巻く人々や環境に着目して総合的に子どもを捉え、「生きづらさ」の実態に迫る一冊です。小児医療と心理の専門家たちによる、子ども版QOL尺度を用いた自尊感情の調査と考察は簡潔ながらもしっかり要点が押えられており、レポートの参考にもなります。社会学・教育学・国際比較に興味がある方にもおすすめです。
(子ども支援コース
2年)
『置かれた場所で咲きなさい』
渡辺和子著
幻冬舎、
2012
シスターの著者が書かれた本です。私はキリスト教に全く馴染みがないのですが、とても読みやすかったです。私のお気に入りの言葉は、「どんなところに置かれても花を咲かせられる心を持ち続けよう」です。置かれた場所で精一杯生きようと思いました。他にも素敵な言葉がたくさんあるのでお気に入りを見つけてみてください。
(地域福祉開発コース
4年)
今回の企画では、私たち学生広報委員がおすすめする本をご紹介しました。本を通して大学生活で役に立つものや、ルーテルでの学びにつながるもの、こころにとまった本など、私たちが学んだことや、学生生活を通して関心を持ったことをぜひのぞいてみてください。
本学HPのWEBオープンキャンパスでさらにくわしくご覧いただけます。
「観察力」、支援を生み出したり、細かな工夫を入れる際に必要となる「想像力・発想力」、利用者との信頼関係を築くために大切となる「コミュニケーション能力」の
3つの力を特に向上さ
せる必要があることに気がつきました。また、利用者の相談を受けながら、そのニーズに合った支援を紹介することで、その人のやりたいことの支援もその場でより明らかになる上、利用者の方も「そうしてくれると安心する」とおっしゃっていたことから、その必要性についても学びました。
実習前では、これらの重要性や難しさを分かっていませんでしたが、他職種連携を行う会議や要介護認定の申請の面談に同席させて頂いたり、利用者の方とのコミュニケーションを通じて、その大切さを改めて実感することができました。
実 習 報 告
入 試 日 程
選抜方式 区分 出願期間 試験日 合格発表 入学手続期間 総合型選抜
授業体験型 活動アピール型 キリスト教会推薦型
Ⅰ期 10/1 ㈮〜10/14 ㈭ 10/23 ㈯ 11/1 ㈪ 11/2 ㈫〜11/18 ㈭
Ⅱ期 11/1 ㈪〜11/11 ㈭ 11/20 ㈯ 12/1 ㈬ 12/2 ㈭〜12/16 ㈭
Ⅲ期 11/29 ㈪〜12/10 ㈮ 12/18 ㈯ 12/24 ㈮ 12/27 ㈪〜1/14 ㈮ 学校推薦型選抜
ミッションスクール推薦型 指導者推薦型 指定校推薦型
11/1 ㈪〜11/11 ㈭ 11/20 ㈯ 12/1 ㈬ 12/2 ㈭〜12/16 ㈭ 社会人入試(1 年次、編入学)
Ⅰ期 11/1 ㈪〜11/11 ㈭ 11/20 ㈯ 12/1 ㈬ 12/2 ㈭〜12/16 ㈭ 編入学入試
留学生入試(1 年次、編入学)
2022 年度入試 総合型選抜(授業体験型)について 総合型選抜(授業体験型)は、オープンキャンパス(模擬講義)に参加して、課題を提 出します。どんなことに興味があり、どのように学んでいくかの計画を示し、意欲をア ピールする方式です。この模擬講義は、本学ホームページ「WEB オープンキャンパス」
で公開している模擬講義(YouTube)でも課題の作成が可能となっています。
【対象講義タイトル一覧】
⃝心理学って、どんな学問?/松田崇志 助教
⃝絵画『最後の晩餐』に隠された秘密/河田優 チャプレン
⃝フクシがつなげる みんなとつながる/髙山由美子 教授
⃝未来をひらくボランティア活動/市川一宏 教授
⃝今、地域で、何が/金子和夫 教授
⃝あなたのストレス対処の特徴は?─ストレスと─ストレス対処─/田副真美 教授
⃝児童福祉って何だろう?〜子どもの幸せに関心がありますか〜/加藤純 教授
⃝臨床心理士・公認心理師・こころの専門家のお仕事入門/高城絵里子 准教授
⃝SDGs と国際協力 ─ソーシャルワークの視点から─/原島博 教授 ※アップされていない講義については順次公開
WEB オープンキャンパス https://www.luther.ac.jp/admission/event/webopencampus.html
ルーテル学院大学の学生広報委員がおすすめする本
心 理 師 の 現 場 か ら
臨床心理士・公認心理師
岩波
純平
一部 大学院
三部 福祉相談援助コース
地域福祉開発コース 子ども支援コース 二部 キリスト教人間学コース 臨床心理コース
ルーテル学院だより