2015年度 経済学部経営学科 網倉ゼミナール 卒業論文
なぜ Hootersに客が集まらなくなったのか
A1141055 福井 柾 2015年 1月 15日
目次
Ⅰ はじめに
Ⅱ 基本情報 ① Hooters ② TwinPeaks
③ TiltedPub&Eatery ④ アメリカでの現状
Ⅲ 仮説
① ターゲットを絞れていないため
② ブレストラン増加によりニッチな存在ではなくなったため Ⅳ 検証と結果
Ⅵ 最後に
Ⅰ はじめに
近年、日本にも進出してきているフーターズ。学校すぐ近くの赤坂見附にも 店を構える。行ってみたことはあるだろうか?きれいなお姉さんがハンバーガ ーやフィッシュアンドチップスを持ってきてくれる。そうしてあれよあれよと いう間にビールを頼んで、財布の中がすっからかんになってしまった経験があ る人もいるだろう。日本にはフーターズのみだが、アメリカにはこういった類 の店が他にもある。それ等の店は「ブレストラン」と言われている。ブレスト ラン(breastaurant)とは女性の胸を指す breast と restaurant を掛け合わせ た造語である。言葉通り店にはセクシーな要素が含まれ、大抵どの店でもウェ イトレスの服装は大胆に胸を露わにし、布切れを身にまとったようなものであ る。この言葉が生まれたのは1990年代初頭、ブレストランの本家フーターズが ア メ リ カ で 人 気 が 出 て き た 頃 と 重 な る 。 そ の 後 、 他 の 同 系 統 の 店
(TwinPeaks,TiltedPub&Eatery)もブレストランと呼ばれるようになった。
これらの店にはそれぞれテーマがあり、それに沿ったコスチュームやメニュー を提供している。(第一章で詳しく述べる)ブレストランではアルコールや食事 以外にもサービスがあると言われ、ヤフーによると、「ブレストランでは提供さ れるものが四つある。それはサービス、食事、エンターテイメント、そしてお っぱいである。」と言われている。
Ⅱ 基本情報
ここでは主にアメリカで展開しているブレストランの中から 3 つの店を取り上 げ、各店のテーマ、それに基づく料理
やコスチュームの紹介を行う。
① Hooters
このフーターズ(Hooters)という 名前には2つの意味が込められてい る 。 一 つ 目 は ロ ゴ の フ ク ロ ウ の が
hoot,hootと鳴く点。二つ目は英語の
俗語で女性の胸を指している。会社と しては若い女性をウェイトレスとし て雇う一方、男性はホストやコック、
バスボーイ、女性もマネージャーとして採用している。このウェイトレスの服 装こそが最大の特徴である。フーターズのロゴが書かれた白のタンクトップ。
それにオレンジ色のランナーショーツ。それにルーズソックス、白い靴が彼女 達のユニホームであるメニューはハンバーガー、サンドイッチ、ステーキ、シ ーフード料理、オススメはチキンレッグである。フーターズのほぼ全ての店舗 はアルコール飲料の販売ライセンスを取得している。その他グッズ展開もして おり、Tシャツ、トレーナー、その他さまざまなお土産が売っている。2014年 現在、全米に460店舗、44の州とバージン諸島とグアムに展開している。また その他24の国にも展開している。日本にも2010年に赤坂見附に一号店をオー プン。続いて2012年に銀座店、2013年には大阪に3号店を開店した。
1 歴史
フーターズは1983年4月1日フロリダで6人の起業家によって創設された。当 初エイプリルフールの一つのジョークのつもりだった。何故なら、その 6 人の うち、誰も成功すると思っていなかったからだ。その見通しを見事に裏切り店 は大成功した。オープン当初からコスチューム、メニュー、雰囲気はほぼ変わ らず受け継がれている。25周年記念としてフーターズマガジンが発行されたり、
また、カレンダーも毎年発売されている。この中から歌手やモデルも数多く排
出されていることから毎年注目を集めている。
。
② TwinPeaks
ツィンピークスはスポーツバーとレストランを併設する、いわゆるブレスト ランのひとつである。ここもまた派手なコスチュームで有名である。ファーの ついたブーツ、カーキ色のホットパンツ、ちんけなトップス。店内で行われる イベントのテーマに則したものも着
られる。店のコンセプトとしては荒 野の小屋。料理はアメリカ南部のも の。スローガンは食べて、飲んで、
いい景色を。
(Eats.Drinks.Scenic Views.) 全米 57 か所に店舗があり、Hotters より きわどいという点に誇りを持ってい る。2013年度は 1億6500万ドルを 売り上げをたたき出した。CEOのラ ンディー・デューイット氏はこの躍
進の立役者は魅力的で若いウェイトレスであると述べた。男性客を手玉にとり、
ビールグラスをあけさせることがウェイトレスのミッションであった。
1 歴史
ツィンピークスは2005年にランディー・デューイットとスコット・ゴードンに よってテキサス州ルイスビルで創業された。デューイットはもともと飲食店を 経営していて、山小屋と魅力的な店員をテーマにしたチェーン店をオープンし ようと決心した。2014 年には全米 57 店舗にまで拡大した。また、ほとんどの 店舗はテキサス州にある。
③ TiltedPub&Eatery
ケルト民族をテーマにしたスポー ツバーとレストランを併設したアメ リカとカナダのチェーン店である。フ ーターズ同様、ブレストランの一つと して広く知れ渡っている。フーターズ にスコットランドのテイストが加わ っている。ウェイトレスもそのテーマ に沿ったコスチュームを着る。男性は キルト地、女性はちっちゃなキルト地 に無地のブラを着用する。
2014年2月現在、93店舗、27店舗は計画段階である。
1 歴史
1号店は2003年ラスベガスにマーク・ディマーティノとパートナーであるシャ ノン・レイリー、ジョン・レイノルドによって始められた。コンセプトは「現 代的なケルト民族をモチーフにした、スタッフは美人揃いのスポーツバー」
2 特徴
チルティッドキルトは自ら、「現代的なアメリカン、アイルランド風、スコット ランド風とイギリス風をミックスさせたスポーツパブ」を自称している。メニ ューは伝統的なものと現代的なものを融合させたもので定番のフィッシュアン ドチップスなどがある。ビールの種類も充実していて、24 種のビールを取り揃 える。店内はスポーツ観戦のためのテレビやビリヤードやシャッフルボードな どのゲーム、ダーツが所狭しと設置されている。
簡単に 3 つの紹介を行った。アメリカにおいてはこの 3 つを中心とするブレス トラン業界は飲食業のなかで最も勢いのある業界である。なかでもツインピー クスが急速な成長曲線を見せている。しかし、順調な伸びを見せるなかでフー ターズのみがその流れに乗り遅れている。それを紹介した記事があるので引用 する。
④ アメリカでの現状
ツインピークスにシフトする以前、フーターズは全米57店舗展開して いた。
ツインピークスは新時代のレストランの中で最も成功しているうちの 一つである。人々はその業界を婉曲的に「魅力的なサービスセクター」、 つまりブレストランと呼ぶ。ツインピークスのエグゼクティブオフィサ ーのデューイット氏はそういった言葉を全く気にしていない。昨年
(2013 年)ツインピークスはアメリカで最も急速に成長したチェーン 店だった。(売り上げは1億6500万ドルだった)
デューイットは2005年にチャレンジャーとして元祖ブレストランフー ターズに挑んできた。しかし30年前、「卑猥だ」と言われたフーターズ はいつしか家族で行く店となった。店内でお絵かきしたり、絵本を読む 子供を見るのは何らおかしな光景ではなくなった。そして、ほかの店と 比較したとき、フーターズのコスチュームはずいぶんおとなしくみえる ようになった。昨年、売り上げは横ばいを示した。
フーターズのそういった状況は新規参入してくる会社にとっては朗報 であった。なかでもフーターズの後を追うTilted Kilt Pub & Eateryは 昨年1億9600万ドル売り上げた。Tilted Kiltは全米91か所に展開し ている。ウェイトレスは挑発的なケルト民族衣装に身を包む。
ツインピークスの一店舗平均売り上げは 360 万ドル。これはフーター ズよりも 100 万ドルも多い値である。デューイットは「要因はメニュ ーにある。メニューはほかに勝っている。フードは一から作り、ビール もキンキンに冷えたものを提供している」と述べた。アメリカの専門家 の見立てでは、ほかの会社よりもそのウェイトレスが要因だという。客 はほぼ男性なので彼らがビールを買うかどうかはウェイトレス次第だ と。
デューイットはダラスで育ちワシントンに移りそこでショッピングモ ールのテナントをアップルビーのようなチェーン店に貸す仕事をして いた。その後1993年にダラスへ戻ってからロックフィッシュグリルと 呼ばれるシーフードレストランを開業した。店はテキサスのルイスビル を除いては繁盛した。この地域では他の TGI Fridays といった飲食店
もうまくいっていなかった。例外はたったひとつ、フーターズだった。
2005 年、デューイットはそのうまくいっていなかったルイスビルの店 舗をフーターズを模した店へと生まれ変わらせた。より魅力的なメニュ ー、そしてよりトレンディでいなかっぽいテーマを掲げた。もしかする と最も重要なのはデューイット自身がツインピークスのウェイトレス はもっと肌をいたことかもしれない。
最初、ツインピークスは上々の滑り出しだったのでデューイットは他の 店舗も変更していった。2008 年、親会社であった Bennigan’s and
Steak and Aleが倒産したため、その空き店舗をできるだけ多く購入し、
ツインピークスに鞍替えを行った。2011 年、フーターズ前 CEO のコ ービーブルックス氏を迎え入れた。デューイットはアディソンのツイン ピークスがうまくいった方法をあてはめてさらに21店舗オープンさせ ようとした。彼らはツインピークスの代名詞であるチキンウィングやバ ーガー、ビールの温度にまで徹底的にこだわった。またもっとも重要な ウェイトレスにはジムやネイルサロンの割引を会社が行ったり、質向上 を図った。デューイットは社員のことを最大の武器だと言った。
ある客はこう言った。「いつも自分が思っていたよりもお金を使ってし まう。いつも彼女たちの術中にはまってしまう」と。ウェイトレスには 最低賃金しか払っていない。その分彼女たちはチップで一晩 500 ドル 手にすることもあると言う。
(Bloomberg Twin Peaks: 'Hooters Just Wasn't Racy Enough')
3つの比較やこの記事を読んで、一つの疑問が生じる。
何故フーターズのみが売り上げが下降しているのか?
それに対し、2つの仮説を立てて検証する。
Ⅲ 仮説
フーターズ衰退の裏側には何があるのだろうか。
二つに分けて検証する。
① ターゲットを絞れていないため
② ブレストラン増加によりニッチな存在ではなくなったため 検証に入る前に二つを詳しく見ていく。
① ターゲットを絞れていないため
男性客中心だったかつての現状を打破するため老若男女を取り込もうと 様々な施策を打つ。Ex.)サラダメニューやビールの種類の充実
しかし、フーターズの売りはやはりセクシーなコスチュームを身にまとっ たウェイトレスであり、それに喜ぶのは男性だけであり、女性は積極的に 来ない。あれもこれもやろうとしてしまうとどっちつかずの状態になった。
② ブレストラン増加によりニッチな存在ではなくなったため
30年前はブレストランがフーターズのみで、それだけで物珍しく客を集 めることができた。他のファミリーレストランでは味わえないものがそこ にはあった。
(現在の日本がそうである。そういった類のお店はフーターズのみ。地方
からの観光客も話のタネに、と上京した際に観光ルートの一つに組み込む 人は数多くいる。)
しかし、現在はTwinPeaksやTiltedkiltPubなど多くの競合他社が存在す る。ただ、ブレストランであるというのでは、客がこなくなってしまった。
以上二つの仮説を検証していく。
Ⅳ 検証と結果
① ターゲットが絞れていないため
上図に各アメリカの代表的なレストランをプロットした。フーターズは全ての 客層をカバーしようとして、どれともつかない状況になった。あまりに馬鹿げ た話のように思われるが、フーターズに限った話ではない。
アメリカのアパレルメーカーのGAP(ギャップ)もかつて同様の状況に追い込 まれていた。それはAbercrombie&Fitch(アバクロ)との争いのうちに生じた。
ギャップはあらゆる年代の人に受け入れられるようと、内装もできるだけシン プルにして接客も明るく誰に対しても声をかけた。一方アバクロは30歳以上 の人が店に入ってくるとあからさまに冷たい態度を取った。大音量で音楽をか
セクシー 家族向け
けるのもこういった客がすぐ立ち去るようにとのことだった。しかし、アバク ロのこうした戦略は功を奏した。流行を追うことに取りつかれた若者はギャッ プのような大型小売店を離れ、高校生や大学生はアバクロ、Jクルー。20代 はH&M、アメリカン・アパレルへ行くようになった。いずれも、若者をター ゲットにすることでニッチ市場を切り開いたブランドだった。また、アメリカ のティーンエージャーは1992年から2010年まで増えると予想されてい た。しかも彼らの親世代は子供を甘やかせる傾向にあり、ティーンエージャー の浪費はすさまじい勢いで伸び続けるといわれていた。ギャップはそういった データを入念に調査し若者を呼び込むために新たな商品を出したが、結果は 散々だった。若者は見向きもせず、顧客の獲得に一貫した姿勢を貫くアバクロ を選んだ。またこのような戦略は今までギャップを頻繁に利用してきた35歳 以上の顧客の反感を買い、他の店に彼らを奪われた。来客数が順調に増えてき た経験しかないギャップの幹部はひどく困惑した。少し前までは見分けがつか ないほど皆がギャップを着ていた。その後突如としてギャップを着なくなった。
移り気な若者を呼び戻そうとした戦略はそれまで店に来ていた年配の顧客層を 遠ざけただけで、何も成果を生まなかった。それ気づいたギャップ幹部はそれ までギャップを好んで来てくれていた年配層を呼び戻すための広告を打った。
しかし店舗売り上げの下降は止まらなかった。小売業界のアナリストは「ギャ ップが誰をターゲットにしているのかわからない」と切り捨てた。みんなのた めのブランドは裏を返せば誰のためのブランドでもなかった。ギャップは広大 な真ん中の市場を捨てて、失いつつあった若者層の奪還に夢中になった。だが それが間違いだと気づいて再び真ん中に狙いを定めようとしたときにはもう、
真ん中は存在しなかった。
フーターズと全く同じ状況であった。フーターズも女性客を獲得しようとして 男性客は他のブレストランへ流れてしまった。
② ブレストラン増加によりニッチな存在ではなくなったため
昔は他のレストランやスポーツバーになかったいわばニッチなそのスタイル が顧客に受けいれられた。他に似たような店が出てきてしまった今、もはやニ ッチな業界ではなくなった。ニッチ戦略の弱点はその永続性にある。ドラッカ ーは「ニッチ戦略の弱点は永続性の欠如である」といった。ドラッカーは、専 門技術をもって小さな特別な市場を作り出すのが、競争を恐れずに済む方法だ と紹介している。TwinPeaksはまさしく小さな特別市場を作っているのではな いか。
ドラッカーがここでいいたいのは「ニッチ戦略をとったら、いつまでもニッチ が存在すると思うな。最初から出口戦略を考えておきなさい」ということだろ う。例えば技術上の変化や、専門市場の大衆化などによってニッチがニッチで なくなることが想定されるから、その時にどうするかを予め考えておけという ことではないだろうか。
万人向けにつくられた商品が売れなくなり、みんなに受け入れられようとして も誰にも受け入れられなくなってしまったとき。誰もが買うという真ん中の市 場(皆が購入する最大公約数のような市場、商品)は社会の変化に伴い何十年 も前から徐々に失われつつあったが、近年になってそのペースが急速に加速し、
現代の重大な問題となっている。真ん中の喪失は人々の生活に大きな影響を与 えている。物を買う時の考えから観るテレビ番組や愛読する新聞、政治家のメ ッセージの発信の仕方、パートナーの探し方にまで影響を及ぼしている。特別 な存在ではない誰もが他社とは違う存在になれる、(なりたがる)奇妙な世界と なった。
生物学の観点から「ニッチ」について考える。動物や人間といったさまざまな
個体群を追跡するためにはそれらのニッチ(生息する場所)を把握する必要が ある。消費者は一種の生態系と化した消費社会のなかに放り出された。人々の 消費はこれまで大企業という「怪物」の手で厳密に支配されていた。彼らは消 費者の生態を把握していた。そんな怪物も今では多種多様な種が共存する新し い環境の出現に戸惑っている。種によって違うものを欲しがるようになったの だ。ギャップもそれまでは専制君主のように衣料業界に君臨してきたが、2000 年前後になって、思わぬ裂け目に直面した。ギャップはこの新たに出現した生 態系のなかをやみくもにあれもこれもと手を伸ばしたがうまくいかなかった。
みんなに認知されてはいるが、愛されてはいない。怪物も環境に適応しようと 様々な施策をうっている。自らを危険なまでに薄く引き伸ばしてでも万人向け の商品をつくる企業もあれば、(フーターズはこれにあてはまる)すぐれた武器 屋や罠を使ってターゲット顧客を選定する専門家を雇った企業もある。一時代 を築いた大企業がアナリストの意見を仰ぐというのは意味深いものがある。彼 らはもう、自分たちの顧客がだれなのか分からなくなっていた。だから、自然 学者のごとく顧客を顕微鏡にセットして、かつてないほど特徴の把握に尽力し、
彼らの種や亜種を特定し、それぞれが次にどんな行動をとるか予測しようとし た。それ以上の良作がないなか、収入、年齢、学歴、性別、人種で消費者を分 類し、それぞれの特徴を見出した。
それから企業に雇われた世論調 査員や市場調査員が小規模のサ ンプル調査を行って人々の心を 動かすものを見つけようとした。
しかし、そういった調査は狙いの 定め方を間違っていたのだろう。
当時はオンラインコミュニケー ションが大企業の脅威となると は誰も思っていなかった。インタ
ーネットの登場により人々は自分のほしいものを自ら手にできるようになった。
人々を取り巻く環境が変われば、人々が欲しがるものも多様になる。
大胆な企業になると、アンダーグラウンドに目を向けて本来は主流文化に対抗 するはずのサブカルチャーの力を借りようとした。ツインピークスは山小屋風
というコンセプトを突き詰め、一階二階吹き抜けの店内にウォールクライミン グを設置するという独自路線で集客に成功している。「キャラが立つ」とよく言 われるが、まさにそうした例だと思う。逆にフーターズに欠如しているのはこ ういった突飛な部分だが、かつてニッチであったフーターズも会社が大きく成 長してから簡単にそういったことができなくなってしまった。結果は様々だが、
明らかなのは顧客複数のグループに分割し、それぞれのグループに応じた対処 をとるという方法は成功の方程式ではないということだ。
Ⅵ 最後に
2つの仮説をもとにフーターズが衰退した要因を模索してみたが、結果として とてもありきたりなものになってしまったことは否定できない。英語の文献は 数多く目を通した(つもりだ)が、数字にまでなかなか行き着けなかった。
もっと探るべき観点はいくつもあった。「ブレストランは何故南部に多いのか」
「マッチョイズムとの関連」「ブレストランに行くことはやらしいことか」など など突き詰めればいくらでも切り口のあるテーマであったと思う。(そのテーマ 決めも先生の助け舟にそのまま乗っかったものであったが)
当初は最後くらいバチッと内容のあるものをDropBoxにアップしてそれを見た 後輩たちに「ボビーさんなかなかやるやん」と言わしめる青写真を描いていた。
しかし結果は来年卒論に苦しむであろう後輩に勇気を与える内容になってしま った。(かく言う自分も多くの先輩が勇気を与えてくださった)「ボビーさんあ んなもんだったし、、、」と卒論のハードルを大幅にさげてしまった。
改めて読み返しても論理の飛躍、甘さばかりが目につく。自分の準備不足で仮 説を吟味することができず、資料を集めることも自分が期待している結果ばか りを追い求めていた。これは大いに反省すべき点である。
これで網倉ゼミとしての活動が終わろうとしています。自分はゼミ長という立 場でしたが、朝陽さんのようなきめの細やかさはなく、好き勝手楽しませても らったな、と思います。選考方法変えたのですか?との和田先生の一言や辻さ んを甘やかしてはいけないとお叱りを受けたこと、などなどずっと忘れること はないと思います。後輩たちの良い見本にはなれませんでしたが、良かれ悪か れ大きな爪痕を残してしまったと自覚しています。
こうしてこられたのも先生のお蔭です。本当にありがとうございました。いつ
か網倉先生、岡藤社長、福井で対談できるくらいこれから頑張ります。
最後に。網倉ゼミは間違いなく、自分にとってゲマインシャフトです。遠くに 行ってしまう辻さんの分まで稲草園に顔出します。ありがとうございました。
参考文献、URL
ニッチ 新しい市場の生態系にどう適応するか ジェームズ パーキン著 花塚 恵 訳
Nation's Restaurant News http://nrn.com/
Businessweek http://www.businessweek.com/
Studymode http://www.studymode.com/
The Gazette http://gazette.com/
CNBC
http://www.cnbc.com/id/100746255?region=world