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スマートガスセンサ向けマイクロホットプレート

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Academic year: 2024

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国立大学法人豊橋技術科学大学

Press Release

平成29年3月3日

豊橋技術科学大学の岩田達哉助教らは高分子材料である SU-8 を用いてマイクロホット プレート(MHP)を作製しました。この MHP を用いることでスマートガスセンサのレイアウ ト設計やプロセス条件に対する技術要求を緩和することができます。彼らはその MHP が優 れた熱分離性能を有することをシミュレーションにより確かめ、また 550°C まで加熱が 可能であることと、少なくとも 100 分間の安定動作を実証しました。

<研究経緯・研究組織・研究内容・今後の展開>

ガスセンサはガス漏れ検知や空気質モニタリング等に用いられ、我々の生活に不可欠なも のです。一方、近年ユビキタス社会実現へ向け、センシングに加え、信号処理や情報通信の 機能を有する、いわゆるスマートガスセンサが注目を集め、盛んに開発が行われています。

さらに、これを IC チップ上に実現することで、スマートガスセンシングシステムの低コス ト化や小型化が可能となります。

現在最も普及している半導体ガスセンサは、その材料を数 100°C に加熱する必要があり ます。そのため、これを電子回路と集積化するには、回路との熱分離のため、微小電子機械 システム(MEMS)技術を用いたマイクロホットプレート(MHP)が必要となります。しかしなが ら、この MHP はその支持部が機械的に脆弱であり、強度を向上させると熱分離性能が低下し てしまうというトレードオフが存在します。

そこで、豊橋技術科学大学電気・電子情報工学系の研究チームは、機械的強度と熱分離性 能の両立をめざし、SU-8 を MHP 支持部の補強材料として用いることを提案しました。SU-8 は MEMS 構造体に広く用いられる高分子材料で、その特徴として、良好な機械的強度と低い 熱伝導率が挙げられます。研究チームは提案の MHP を作製しその加熱性能を評価しました。

筆頭著者の岩田助教は「厚い高分子膜を用いることで、高い機械的強度と熱分離性能を両 立できます。機械的強度に関しては今後評価する必要がありますが、これはスマートガスセ ンサに向けた有望なデバイスであると考えています。」と述べています。

「高い機械的強度を得ることは MHP 作製の上での大きな課題の一つです。(一般に熱に弱 い)高分子材料をこのような MHP に用いることは一見非常識な発想ですが、思いのほかうま くいきました。このデバイスによって、我々の目指すマルチモーダルセンサ(複数のセンサ を 1 チップ上に集積化した高機能センサ)の開発も大きく前進するはずです。」と澤田教授は 述べています。

作製された MHP は約 140 μm 四方の加熱領域を有し、支持部であるブリッジ上に膜厚 33 μm の SU-8 層が形成されています。シミュレーションにより、本構造は良好な熱分離性能 を有することが確認され(図 1)、駆動電圧 5 V において 550°C まで加熱可能であることが

スマートガスセンサ向けマイクロホットプレート

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実証されました。また、消費電力は 300°C 加熱時に約 13.9 mW と、これまでに報告されて いる MHP と同程度の低消費電力を達成し、少なくとも 100 分間の安定動作も示されました。

この MHP は、厚い SU-8 を形成しており、作製時に材料内部に発生する力(残留応力)の精 密な制御が不要となります。この特徴と良好な熱分離性能のおかげで、スマートガスセンサ はより柔軟なレイアウト設計が可能となり、その小型化につながります。研究者らはこのよ うなスマートガスセンサ実現に向け、引き続き研究を進めていきます。

本研究成果は平成 29 年 1 月 11 日付で、Journal of Micromechanics and Microengineering のオンライン版に掲載されました。

ファンディングエージェンシー:日本学術振興会 科研費 若手研究(B)、15K18049

論文情報:

T. Iwata, W. P. C. Soo, K. Matsuda, K. Takahashi, M. Ishida, and K. Sawada (2017), Design, fabrication, and characterization of bridge-type micro-hotplates with an SU-8 supporting layer for a smart gas sensing system, J. Micromechanics Microengineering, 27(2), 24003.

https://doi.org/10.1088/1361-6439/aa556b

本件に関する連絡先

担当:電気・電子情報工学系助教 岩田達哉 TEL:0532-44-6746 広報担当:総務課広報係 河合・高柳・梅藤 TEL:0532-44-6506

図1:提案されたマイクロホットプレートの温度分布シミュレーション結果

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