高校入試模擬テスト 第7回
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1
⑴ ア,ウ,エは脳で状況を判断してからの反応だが,イは無意識 に起こる行動である。脳で状況を判断してからの反応は,感覚器 官が受け取った刺激の信号が感覚神経→せきずい→脳の順に伝 わり,脳で出された命令の信号がせきずい→運動神経→筋肉の順 に伝わることで起こる。一方,無意識に起こる反応(反射)は,感 覚器官が受け取った刺激の信号が感覚神経→せきずい→運動神 経→筋肉の順に伝わることで反応が起こる(資料1)。⑵ 他の条件は変えずに,だ液を水に変えたものを用意すること により,だ液がある場合とない場合が比較でき,実験結果のち がいがだ液によるものであることを確認することができる。こ のような実験を対照実験という。葉にデンプンができる部分を 調べる実験や,葉の蒸散する部分を調べる実験でも対照実験を 行う。
⑶ だ液を入れた試験管は,ヨウ素液に対して反応しなくなり,
ベネジクト液に対して反応するようになった。したがって,だ 液のはたらきにより,デンプンは分子の小さい糖に変化したこ とがわかる。
⑷ 養分Oはタンパク質,物質Rはアミノ酸,養分Pは炭水化物,
物質Sはブドウ糖,養分Qは脂肪,物質T,Uは脂肪酸,モノ グリセリドである。アミノ酸とブドウ糖が入る管Xは毛細血管,
脂肪酸とモノグリセリドは再び脂肪にもどって入る管Yはリン パ管である。消化液(消化酵素)ははたらく養分が決まっている (資料2)。
2
⑴ 月も太陽と同様に,地球の自転によって東の地平線からのぼり,南の空を通って西の地平線にしずむので,オが正答となる。
⑵ 月は太陽の光を受けて光って見えるので,上弦の月(右側半分 が光って見える月)が見えるのはaのときである(資料3)。
⑶ 月が地平線から出てきているので,東の空である。月の出の とき,月は東の地平線から右上の方向へのぼっていくように見 える
超 ナ ビ
スーパー
※青色が脳で状況を判断してからの 反応経路
赤色が反射の反応経路
資料1
だ液 胃液 すい液 たん汁 小腸の
壁の 消化酵素 デン
プン ○ ○ ○ タン
パク質 ○ ○ ○
脂肪 ○ ○
資料2
a 脳
感覚神経
運動神経
満月 b
新月 c
h
太 陽 の 光 g 地球
上弦の月
三日月 ←
←
←←
←
←←
欠けている
部分 光 っ て い る 部分 下弦の月
d f
e
資料3
g h
下弦の月 満月
a b
新月 三日月 上弦の月 c d e f
高校入試模擬テスト 第7回
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⑷⑸ 月食のとき,太陽,地球,月の順に一直線に並ぶので,月 食が終わると満月が見られる。月食のときには,太陽からの 光は地球の大気で屈折し,赤い光が月面に当たるので,月の 表面が赤く見える(資料4)。満月が南中するのは0時ごろであ る。なお,太陽,月,地球の順に一直線に並び,太陽が月に よってかくされる現象を日食といい,新月のときに起こるこ とがある。ただし,月の公転軌道面と地球の公転軌道面は少 しずれているため,新月や満月のときにいつも日食や月食が 起こるわけではない。
3
⑴ こまごめピペットは,ゴム球の部分を押したり離したりするこ とで,管内の圧力を変え,液体を吸い上げたり押し出したりする 仕組みであり,ゴム球の部分に液体を入れるようにはできていな い。ゴム球は液体によっては劣化や破損する可能性があり,逆さ にしてゴム球に液体が流れ込むことは避けるようにする。⑵ 塩酸にマグネシウムを加えると水素が発生する。水素は水に 溶けにくく,空気中で酸素と結びついて(燃焼して)水になる。
主な気体の性質を覚えておこう(資料5)
⑶ 酸性の塩酸にアルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液を加えて いくと中和して中性になり,さらに水酸化ナトリウム水溶液を 加えるとアルカリ性になる。
⑷ 正しい化学反応式では,反応前と反応後で,原子の種類と数が等 しくなっている。マグネシウム+酸素→酸化マグネシウムなので,
正しい係数がわからないときは,それぞれの物質を化学式にして
Mg
+O
₂→MgO
と置いてみる。ここで反応の前後を比較すると,反応前では酸素原子が2個,反応後では酸素原子が1個なので,
Mg+O₂→2MgO
と酸素原子の数をそろえる(このとき,MgO₂の ように化学式自体を変えてはいけない)。すると今度はマグネシウ ム原子が反応前では1個,反応後では2個になるので,マグネシウ ム原子の数をそろえるために,2Mg+O₂→2MgO とすると,反 応前と反応後ですべての原子の種類と数がそろう。このように,正 しい化学反応式がわからないときは,反応の前後で原子の種類と数 が等しくなるようにすれば式をつくることができる(資料6)。⑸ 表より,マグネシウムと結びつく酸素の質量比は
マグネシウム:酸素=0.6:(1-0.6)=3:2だとわかる。この 比になるように値をとってグラフをかけばよい。
水溶液
の性質 におい 水への 溶け方 重さ 水素 なし 溶け
にくい 軽い 二酸化
炭素 酸性 なし 少し 溶ける 重い アンモ
ニア アルカリ
性 刺激臭 溶け やすい 軽い 酸素 なし 溶け
にくい 重い
資料5
赤い光 太陽
資料4
赤い光
大気 地球 月
2Mg+O₂→2MgO M g
マグネシウム
+O₂
酸 素
→M g O
酸化マグネシウム
Mg+O₂→2MgO
左辺の酸素原子が2個,
右辺の酸素原子が1個だから,
右辺の酸素原子の数を2個に しよう。
化学式と「+」と「→」を使って 式をつくってみよう。
左辺のマグネシウム原子が1 個,右辺のマグネシウム原子 が2個になったから,左辺の マグネシウム原子の数を2個 にしよう。
完成!
資料6
超 ナ ビ
スーパー
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5N
1N
5N動滑車 100g
物体C
9N
⑹ 反応したマグネシウムの質量を求め,全体のマグネシウムの 質量(1.5g)から引けばよい。1.5gのマグネシウムの粉末を加 熱すると 2.1gになったので,結びついた酸素は 2.1-1.5=
0.6(g)である。0.6gの酸素と反応したマグネシウムは 0.6×3 2
=0.9(g)なので,1.5-0.9=0.6(g)のマグネシウムが残って いる。
4
⑴ 〔仕事(J)=加える力(N)×力の向きに動いた距離(m)〕で求 める。500g〔重力は500100=5(N)〕の物体Bが 50 ㎝(=0.5m) 上にあがるので,物体Bがされた仕事の大きさは5×0.5=2.5(J)となる(資料7)。
⑵①
xの角度を小さくしていくと,台車Aがひもを引く力(ひも
が物体Bを引く力)がだんだん大きくなっていく。物体Bが持 ち上がるのは,ひもが物体Bを引く力の大きさが,物体Bに はたらく重力と同じかそれよりも大きいときで,小さいとき には持ち上がらない。なお,実験2で,xの角度が 60°になっ たときに物体Bが持ち上がり始めたので,このとき台車Aが ひもを引く力は,物体Bにはたらく重力と同じ5Nだとわか る。② 位置エネルギーは物体の高さと質量に比例するので,物体 の位置が高くなるほど位置エネルギーは大きくなる。なお,
運動エネルギーは物体の速さの2乗と質量に比例する。
⑶ 動滑車ではひもを引く長さは動滑車が動く距離の2倍になる ので,図2で動滑車が動く距離はひもを引く長さの1
2倍である。
したがって,台車が斜面上を1m動くと,物体Cは床から 1×1
2=0.5(m)持ち上がる。
⑷
xの角度が 60°だから,実験2より台車Aがひもを引く力は5
Nとわかり,動滑車と物体Cが2本のひもを引く力は5×2=10(N)となる。したがって,物体Cにはたらく重力は,
10-1=9(N)だから,物体Cの質量は 900gである(資料8)。
日常でよく使う「仕事」という言 葉にはさまざまな意味がある。荷物 を持ったり,運転をしたり,料理を したり…。ところが理科の仕事で は,意味を限定し,物体に力を加え,
その力の向きに物体が動いたとき だけ,仕事をしたことにしている。
だから,重い物を持って 10 ㎞歩い ても,150 ㎞/hの剛速球を受け止 めても理科の仕事は0Jになる。実 際に,このことを理解しているかを 問うために,答えが0Jになる問題 が入試で出題されたこともある。問 題で設定されている状況をしっか り理解することが大切だ。
超 ナ ビ
スーパー
資料8
資料7 理科の「仕事」とは?