高校入試模擬テスト 第5回 1 / 2
超
ナ ビ
スー パ ー
一⑵
「熱
」「無」などの部首
( れっか
/れんが
) と
同じ。
⑶伝染病のため家族から隔離されている光 みつ國 くに
を、兄は「ほぼ毎日」見舞い、「家の様子を事
細かに教え」た。それは、A
の直後
の段
落にあるように、「兄は病気に倒れた者の孤独
をよく知っている」からだ。兄も光國と同じ
病気で闘病した経験があるので、闘病中のひ
とりぼっちで寂しい気持ちがよく分かる。そ
の孤独感から弟を救うため、毎日顔を見に行
っていたのだ。
⑷
「ひ
どく申し訳なかった~ごめんなさい」と
いう言葉を、兄がくれた「犬人形」には言え
るのだが、兄に対しては直接言えなかった。
つまり、兄の前では直接口にできないが、「犬
人形」になら自分の気持ちを素直に伝えられ
たということ。本文2行目の「これまでにな
く素直に感心した」より抜き出す。
⑸⑶の解説を参照。そんな兄に感謝すると同
時に、「ひどく申し訳なかった~ごめんなさい」
と思っている。これらの
感謝や (
謝罪の
) 気持
ちを兄に伝えたいが、
直接口にできないので、「代わり
に」――
線部のように言ったとい
うこと。
⑹光國は、兄に強い対抗心を抱いていたこと、
兄に素直に謝れないことなどから、「負けず嫌
いで幼さが残る人物」だと言える。兄は、弟
の孤独を救おうと見舞いを続け、弟から「稽
古をしようよ」と言われると「にこりと笑っ」
て応じた。かつて、対抗心むき出しだった光
國に二度と稽古はしないと言ったものの、弟
の気持ちが変わったことを察し、それを理解
して受け入れた。最後の場面にも「優しく微
笑みながらうなずいて」という様子が描かれ
ている。これらから、兄は「温和で人間とし
ての器が大きい人物」だと言える。 二⑴
「 『 守
』 は
決 ま っ た 作 法 や 型 を 守 る 段 階
」 で
、
「決められていることを生真面目 きまじめに守るこの
段階」でもある。また、Aのある文の前
文に、「一般的には、すべての学習は真似から
始まります」とある。
⑵
「自
分の土台をつくる」ために「素直に手本
を真似る
「 ( =
初 期 の 段 階 で 我 慢 し て 手 本 の 真 似 を 徹 底 的 に 繰 り
返している」
と ) 」
、
「 そ の う ち に 手 本 と 同 じ よ う に や る こと の意義や手
本
から外れたときに生じるデメリットが理解で
きるようになります」と、傍線部①の次の文
の後半部に述べられている。
⑶
「
この状態
( =手本を
守る意味を理解し、自
分の 意思 で 手 本 を 守る 状態 ) で満足してしま
う人
」に
つ い て
、 「 そ れ 以 上 の 進 歩 は あ り ま せ
ん」とあり、「もったいないこと」と述べられ
ている。これと対照的に「作法や型を手に入
れて、そこからさらに出ようと意識して行動
した人だけが進歩を続けられる」とある。つ
まり、「作法や型を破る『破』の段階」に達す
ることができるということ。 本文をよく読んで、二人の人物像が読み取れ
る部分に線を引くとよい。会話文の中にも地の
文の中にも見つけられるだろう。小説を読むと
きは、登場人物の言動から、それぞれの人物の
人物像を読み取りながら、物語を読み進めてい
くことを習慣にしたい。 記述問題の満点解答ポイント
高校入試模擬テスト 第5回 2 / 2
超
ナ ビ
スー パ ー
⑷
「
創意工夫」とは、考えをめぐらせて、新し
い方法や手段を考え出すこと。また、その方
法や手段。
⑸
このような試行錯誤」は、第7~9段落に 「
述べられている「作法や型を破る『破』の段
階」の試行錯誤である。第7段落に書かれて
いる試みと、第8・9段落に書かれている試
みの二つに大きく分けることができる。解答
欄の前の「従来の作法や型から出ようと意識
してもっと効率的で合理的な方法を自分で探
す試み」は、「基本的には、作法や型を手に入
れて、そこからさらに出ようと意識して行動
した人だけが進歩を続けられる」「決められた
道から外れても~このときの行動はより効率
的で合理的な方法の創出につながる可能性も
大」などと一致しており、第7段落の試みを
まとめたもの。解答欄には二つ目の試みを答
えるので、第9段落の「時代の変化とともに、
周囲の条件の変化も必ず起こっている~こう
した場合は従来の作法や型をそのまま使うこ
とに無理が生じるわけですから、それに合わ
せて作法や型を変えていくのはむしろ当然」
を中心にまとめればよい。
⑹
イの
「初心に戻ってホテル経営を基礎から学
び直す」、ウの「板前の修業を中断し、アジア
やヨーロッパを放浪」、エの「伝統の味にこだ
わり続ける」は、「理解と経験に基づいてこれ
までとはまったく別のもの
を自分の力で」生み出し、
「優れた創造力の持ち主」と
される「離」に到達した人
とまではいえない。
⑺第7段落の5行目にある「あてずっぽう」
という言葉が、1行前の「しっかりとした 経験と根拠に基づく」と対照して用いられて
いること、初心者がやりがちな行動であるこ
となどを文脈から読み取っていれば、おおよ
その意味を推測できる。
⑻第1段落で「守・破・離」という教えがあ
ることを述べ、それぞれの段階で簡単に説明
している。その後、第2~5段落で「守
」 、 第
6~9段落で「破
」 、 第
10段落で「離
」に
つ い
て、内容を一つずつ詳しく説明している。
『光 みつ圀 くに伝 でん』は、冲 うぶ方 かた丁 とうの時代小説です。一般
に時代劇「水戸黄門」として知られる水戸藩二
代藩主徳川光國の生涯を描いたものです。
皆さんは、時代劇「水戸黄門」を見たことが
ありますか。元になった講談
( 寄席
・演芸の一つ
)
「水戸黄門漫遊記」は、徳川光國が隠居して日
本各地を巡って行った世直しを描いた創作の物
語です。実際の光國は、領内を巡検している程
度で、日本各地を巡ったという記録は確認され
ていません。
光國は、伝記史料において名君と賞されてお
り、庶民の間でも知名度が高く、亡くなった時
には 江戸 の 町 に「天 が 下 二つ
の宝つきはてぬ
佐渡の金山
水戸の
黄門」という狂歌が広まった
そうです。
また、史実の光國は、家臣で儒学者の佐々 さっさ十 じっ
竹 ちく(佐々宗淳)らを、「大日本史」編纂のために、
各地へ派遣しており、佐々と安 あ積 さか澹 たん泊 ぱく(安積覚
兵衛)の二人が、助さん・格さんのモデルと見
られています。
ト リ ビ ア
コ ラ ム
『光圀伝』に限らず、ドラマや
映画の原作を読むと、
楽しさが増すと思います。
先に原作を読む派と、
先にドラマや映画を見る派に
好みが分かれるところですね。