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タンク強度とスロッシングの検討 E W

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Academic year: 2024

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総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成22年度)

テーマ2 小課題番号2.2-3

タンク強度とスロッシングの検討

小久保邦雄、小林光男**、一之瀬和夫**、後藤芳樹 減災工学,タンク,スロッシング,破壊強度, 構造設計

* :工学院大学工学部機械工学科教授授、**:工学院大学工学部機械システム工学科教 1. はじめに

日本では,大形の地震が頻繁に起きている。集合住宅では住 民に必須の水がタンクに蓄えられ、各家庭に供給される。この水 は生活ばかりでなく、災害時の初期消火や災害後の生活にも必 須であり、地震時のタンクの信頼性は重要な問題である。

阪神大震災では、タンク強度の不足から、多くのタンクが破壊し て緊急時の水が確保できなかった。その原因は貯水タンク内の水 が地震波に共振するスロッシングと呼ばれる大きい揺れが生じ、

そのときの挙動が十分に把握されていないために生じたものと思 われる。このため、二次災害での初期消火にも水不足が生じ、大 規模火災が発生した。

十勝沖地震では,出光興産北海道製油所の重油タンク 1基か ら出火し,同製油所の別のタンクにも引火し,44時間後にようやく 鎮火するという事故が起きた。この原因も石油タンク内の液体にス ロッシングが生じ,タンクの浮屋根が損傷を受けたためとされてい る。

このように,スロッシング現象によりさまざまな容器で事故が起き ている。前年度まではタンク内のスロッシングの挙動を減少させる ことについて研究を進めたが、本年度はタンクに生じる実働荷重 の実測とタンクの強度について検討をすすめる。容器内流体のス ロッシング現象の解析についても検討し、実験と併せてタンク強度 の信頼性向上を図るデータを得ることを目的とする。

2. 実験方法

この研究で用いた振動台は一次元振動台であり、全体の概

略図は図1に示すとおりである。これまでの実験では円筒タンクや

直方体のタンクを用いて容器内に隔壁などを設け、スロッシング水 位を減少させる実験を行ってきた。今年度の研究ではダンクに生 じる圧力とずみの測定を行う。使用した地震波は兵庫県南部沖地 震の東西波加速度 (図2)の10~17.5%を入力した。スロッシング 水位、タンク側面の壁のひずみ、圧力を測定する。

Fig.1 一次元振動台

使用した兵庫県南部沖地震の東西波の加速度とその加速度応 答スペクトルを図2と図3に示す。図3 から加速度応答が1.08Hz で低くなることを考え、実験では固有周期をこの値になるように時 間軸を設定して実験を行った。これまでは、図 4 に示す円筒と直 方体のタンクを用いてスロッシング水位と隔壁の関係を求めたが、

ここではタンク側面壁のひずみ、圧力を測定する。タンク側面は塩

ビの板厚0.7~ 5.0mmのひずみの生じやすい厚さとした。

ひずみゲージの測定はタンクの下部で水平方向とし、圧力はタ ンクの下部と天井板について行った。またスロッシング水位の測定 はこれまで通りレーザ変位計を用いて行った。

Fig.2 兵庫県南部沖地震波(EW波)

Fig.3 加速度応答スペクトル(EW波)

(a) 円筒タンク (b) 直方体タンク Fig.4 使用したタンク(円筒と直方体)

Fig.5 試験タンクと計測装置

Fig.6 隔壁による最大水位と減衰 加振終了時

-600 -400 -200 0 200 400 600

0 10 20 30 40

Time (s)

Acceleration (gal)

E

減衰率0.02

W

水位

天板

側壁

圧力センサ ひずみゲージ 加振方向

(2)

本実験で用いた直方体のタンクの側面の塩ビ板厚は変化でき るようにし、タンク壁面の変形とスロッシングの関係も検討した。タ ンク幅、水位、側面板厚を変え振動台により加振試験を行う。この ときスイープ試験により固有振動数を算出して図3に示す最小値

1.08Hzになるように時間軸の縮尺をきめ、加速度10%と17.5%

を入力し、スロッシング水位、ひずみ、圧力を測定した。

表1 直方体タンク寸法

項目 寸法

高さ[mm] 1000

奥行き[mm] 300

幅[mm] 400, 600, 800 側面板厚[mm] 塩ビ 0.7, 1.0, 5.0 天井板厚[mm] 塩ビ 5.0

3. 実験結果

ここで用いた幅400,600,800mmのタンクで水位400,600mm の場合に加振実験を行った結果を図7に示す。スロッシング水位 はほぼタンク幅に比例して増加していることがわかる。板厚により 水位も変化するが、これは側面板厚が小さい場合にはタンク壁面 の振動がスロッシング水位に影響を与え大きくなるためと考えられ る。

Fig.7 スロッシング水位測定( 加速度17.5%)

Fig.8 タンク側壁に発生する圧力の側定

(幅800mm 水位400mm 板厚1.0mm 加速度10%)

Fig.8にタンク側壁の底部に発生する圧力の側定結果を示す。液

面の水位の時刻歴応答に相似の波形が得られ一度生じたスロッ

シング水位は急に減衰しないため圧力は必ずしも加速度に比例 した波形になっていない。ここでの実測は加速度 10%の場合に 532Paである。

つぎに図 9に天井に水が衝突するときの圧力の測定結果を示 す。右上図はピーク値の拡大図形で、測定は精度良く行われたも のと考える。最大圧力が 1.989kPa になっていることがわかる。こ れは側壁の圧力測定と比較すると、同じ加速度に換算しても天井 に発生する圧力の方が高いことがわかる。スロッシング水位から天 井に衝突する水野部分の面積を求め、単位奥行きあたりの力に 換算すると、0.3798N/mm の力が生じていることになる。仮に奥 行きが1000mmのタンクで考えると、その力は379.8Nとなり、入 力した加速度が実際の加速度の 1/6 程度であることを考えると大 きな力が発生していることがわかり、天井の破損防止には適切な 補強材が必要であることがわかる。

(幅600mm 水位600mm 側面板厚1.0mm 加速度17.5%)

Fig.9 天井に発生する圧力

側面に発生するひずみよりタンク側面の強度データを得ること を試みたが、タンク内の水位の上昇に伴い薄い板厚の場合には 変形が大きくなり、非線形領域の変形が生じ、圧力に換算するの は困難が生じた。しかし、タンクの幅、タンク内の水位と応力の関 係を求めることができた。

タンクの幅、水位、スロッシング高さとタンク板厚の関係、生じる ひずみと圧力に関するパラメータサーベイを実験により行った。微 小振幅のスロッシングに関しては流体構造連成解析により、評価 できることがわかったが、ここで扱っているようなタンクの破壊につ ながる有限波高のスロッシング現象、また タンク内の隔壁がある 場合のスロッシングに関しては流れとタンクの大変形を考慮した解 析が必要である。

4 まとめ

直方体のタンクを用いて側壁に生じるひずみや圧力について 実測値を求めることができた。側壁に生じる圧力よりも天井に水が 衝突する時の圧力の方が大きくなった。この圧力に水が衝突した 面積をかけ、単位奥行きあたりの力に換算すると、かなりの力が発 生していることがわかる。天井の破損に有効な補強法の考案が重 要である。ここで扱っているようなタンクの破壊につながる有限波 高のスロッシング現象に関しては流れとタンクの大変形を考慮した 解析が必要である。

40

40

0

200 600

-200

00

-400 -600

0

10 20 30

400

時間(s) Pa

最大圧力

水位400mm 水位600mm

30 60 90 120

ス ロ シ ン グ 水 位

400 600

タンク幅

800

圧力

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