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二 〇 一 五 年 度 大 学 入 試 セ ン タ ー 試 験 解 説 ︿ 古 典 ﹀

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(1)

︿

ひ路 物語

﹄は

鎌倉 時代

~室 町時 ︶ に成 立し た 古物 。 作者 は不 詳。 作品 冒頭

、吉 野に 住む 阿闍 梨︵ 高僧

︶の 夢に

、亡 き権 大納 言 の男 君︶ が現 れ、 三の 宮︵ 問題 文中 の御 子︶ に見 せて ほし いと 言っ て巻 物を 託す

。目 が覚 める と、 巻物 は現 実に そこ にあ り、 読む と、 権大 納言 御︵ 問題 文中 の女 君︶ の恋 の物 語が 書か れて いた

。作 品は

、阿 闍梨 が巻 物を 読み 進め るこ とで

、読 者も 一緒 に巻 物の 物語 を読 むこ とに なる とい う って いる

。巻 物に 書か れた 物語 は、 三の 宮出 生の 後、 権大 納言 が苦 悶の うち に病 死し

、女 御が 吉野 の聖 を導 師と して 出家 して 終わ って おり

、阿 闍 の宮 が成 長し た後 にこ の巻 物を 渡し て出 生の 秘密 を知 らせ る。 問題 の本 文は

、女 君が 女御 とな り、 三の 宮が 生ま れ、 男君

・女 君が 互い に恋 しく 思 悩し てい る場 面で ある

、セ ンタ ー試 験の 古文 の問 題は

、平 安時 代の 物語

・鎌 倉・ 室町 時代 の 古物 ・ 江戸 時代 の 名草 な ど 説類 から の出 題が 多く

、擬 古物 語の 出

〇一 三年

﹃松 陰中 納言 物語

﹄・ 二〇 一〇 年﹃ 恋路 ゆか しき 大将

﹄・ 二〇

〇九 年﹃ 一本 菊﹄

・二

〇〇 七年

﹃兵 部› 宮物 語﹄ など があ る。 女君

は︶ 互い に恋 しく 思い をお 寄せ にな るこ とが 様々 であ るけ れど

、︵ 男君 は︶ 夢以 外で は決 して

︵帝 の女 御と なっ た女 君の もと へ︶ 通っ て行 く きる 身で はな いの で、 現実 には

うこ との

︶期 待も 断た れて しま った つら さば かり を思 い続 けな さり

、大 空だ けを

︵む なし く︶ ぼん やり と眺 め なん とな く心 細く 思い 続け なさ って いた

。男 君の お気 持ち とし ては

、ま して 恨め しく

、︵ 女君 への

︶ど うに もな らな い︵ 恋の

︶苦 悩に 加え て、 御 子に つい ても たい そう 畏れ 多い こと だが

、鏡 に映 った

︵自 分自 身の

︶顔 も︵ 御子 の顔 に︶ そっ くり なの で、 ます ます

﹁︵ 御子 が我 が子 であ ると い

︶は っき りさ せた い﹂ と思 い続 けな さる けれ ど、

︵近 頃は

︶以 前の よう に︵ 女君 ばか りか

︶相 談相 手と なる 人﹇

=女 君の 侍女 の右 近﹈ まで も連 絡 げる こと がな いの で︵ 確か めよ うも なく

︶、

﹁︵ 皇子 が自 分の 子で ある こと を明 らか にす るこ とで

︶み っと もな く、 今さ ら関 わり あっ て、

︵女 君の

︶ 愚か な奴 だと 思わ れは しな いだ ろう か﹂ と自 然と 気が ねさ れて

、︵ ご自 分の 従者 であ る︶ 清さ だに さえ もお 心を 許し てお っし ゃり もせ ず、 ます ま

(2)

すひ どく 物思 いを なさ るの であ った

。 こち ら﹇

=女 君の ほう

﹈で もお 心で は絶 えず お嘆 きに なる けれ ど、 どう して

︵わ ずか でも その よう な︶ 気持 ちを お漏 らし にな るこ とが あろ うか

。帝 の寝 所に たび たび 召さ れ、 自然 と帝 のお 側に いる こと が多 くな って

、帝 のご 愛情 がこ の上 なく 深く なっ てい くの も、

︵女 君は

︶と ても つら く、 恐ろ しく

、人 知 れず 苦し くお 思い にな って

、︵ ある 時︶ 少し の間

︵ご 自分 の︶ お部 屋に お戻 りに なっ てい た。 人も 少な く、 もの 静か にぼ んや りと 物思 いに ふけ って いら っ しゃ った 夕暮 れに

、右 近が

、お 側に 参上 して

、︵ 女君 の︶ 御髪

︿お ぐし

﹀な どを とか し申 し上 げる 折に

、例 の︵ 男君 に関 する

︶事 をそ れと なく お話 し申 し 上げ る。

︵右 近が

︶﹁ 近ご ろ︵ 男君 を︶ 拝見 いた しま した とこ ろ、

︵男 君の

︶ご 両親 がご 心配 なさ るの もご もっ とも でご ざい ます

。本 当に げっ そり とお 痩せ にな り、 これ 以上 ない とい うほ どお 顔色 が真 っ青 だと 拝見 いた しま した

。清 さだ も、

︵男 君の もと へは

︶久 しく 無沙 汰を して おり まし たが

、︵ 男君 は︶ どの よう に

︵女 君と のこ とを

︶あ きら めな さっ たの だろ うか と、 何日 も気 がか りに 思い

、恐 ろし く思 われ まし たが

、や はり

︵男 君は

︶辛 抱し きれ なく てい らっ しゃ っ たの でし ょう か︵ 女君 への お手 紙を 清さ だに 託し なさ いま した

︶、

︵清 さだ が︶ 昨日 手紙 をよ こし た中 に、 この よう なこ とが 書か れて おり まし た。

﹃本 当に

︵男 君が

︶お 悩み にな り衰 弱な さる こと は、 日を 経て 言う 甲斐 もな いほ どひ どく

、拝 見す るの も気 の毒 で。 東宮

﹇= 皇太 子。 すで に亡 くな って いる 別の 女 御を 母と する 皇子

﹈が たい そう かわ いら しく まと わり つき なさ るの で、 気を 緩め て︵ 部屋 に︶ 籠も りな さる こと もな かっ たの です が、 この 頃は

、続 けて 参 内な さる こと もお でき にな らず

、ひ たす ら深 くお 悩み にな り衰 弱な さっ てい る﹄ と書 いて ござ いま した

﹂ と言 って

、︵ 男君 の︶ お手 紙を 取り 出し たけ れど

、︵ 女君 は︶ かえ って つら く、 何と なく 恐ろ しい ので

﹁ど うし て、 この よう に言 うの だろ うか

﹂ とお 思い にな って

、泣 いて しま われ る。

︵右 近は

︶﹁

︵男 君の お手 紙も

︶今 回が

、最 後で ござ いま しょ う。 御覧 にな らな いよ うな こと は、 罪深 いこ とだ とお 思い にな るの がよ い﹂ と言 って

、泣 いて

﹁︵ お二 人が

︶以 前の まま の状 態で あっ たら

、︵ どう して

︶こ のよ うに 思い がけ ない こと とな り、 どこ に苦 しい お気 持ち が加 わる こと がご ざい まし たで しょ うか

﹂ と、 こっ そり 申し 上げ るの で、

︵女 君は

︶ま すま す恥 ずか しく

、本 当に 悲し くて

、︵ 男君 の手 紙を

︶捨 てき るこ とが でき ずに 御覧 にな る。

﹁さ りと もと

…= そう はい って も︵

え る機 会も ある だろ う︶ と期 待し てい たが

、そ の甲 斐も なく

︵私 は死 ぬの で︶

、私 が死 んだ 後に

、せ めて 並々 で ない 物思 いだ けで もし てく ださ い。

(

あ なた が入 内し て私 の︶ 手の 届か ない 宮中 にい るの を拝 見し

、︵ 帝と あな たの 前で 御

越し に︶ あの よう な笛 の音 を奏 でま した 夕方 から

、気 持ち も

(3)

乱れ

、苦 しく 思っ てお りま した が、

︵死 ぬ前 に︶ 間も なく 魂が この つら い身 を離 れて

、あ なた のも とに さま よい 出た なら

、お 引き 留め くだ さい よ。 惜し くも ない 命で すが

、ま だ死 に果 てて はい ませ んの で﹂ など と、 しみ じみ と、 いつ もよ りま すま す見 所が ある よう に︵ 男君 が︶ 思う まま に書 いて いら っし ゃる のを 御覧 にな ると

、︵ 女君 は︶ これ まで のこ とや 行 く末 のこ とに つい て何 もか も︵ 絶望 して

︶眼 の前 が真 っ暗 にな って

、︵ 涙で

︶お 袖を たい そう 濡ら しな さる

。︵ 女君 が︶ 伏せ って いら っし ゃる のを

、︵ 右近 は︶ 拝見 する のも 気の 毒で

、﹁

︵お 二人 は︶ どの よう なこ の世 での ご宿 縁で あっ たの だろ うか

﹂と

、思 い嘆 くよ うだ

﹁人 が来 ない うち に、 さあ

、御 返事 を﹂ と︵ 右近 が︶ 申し 上げ ると

、︵ 女君 は︶ お気 持ち もせ わし くて

﹁思 はず も…

=心 なら ずも 離れ ばな れに なっ てし まっ たこ とを 嘆い て、 あな たと 一緒 に︵ 私も この 世か ら︶ 消え 果て てし まい まし ょう

。 死に 遅れ るつ もり は︵ あり ませ ん︶

﹂ とだ け、 お書 きに なる が、

︵手 紙を

︶結 びな さる こと がお でき にな れな くて

、深 く思 い悩 んで ひた すら お泣 きに なる

。︵ 右近 は︶

﹁︵ 女君 の手 紙は

︶こ のよ う に言 葉少 なく

、︵ 二人 の関 係が 改善 する こと を示 すよ うな

︶格 別見 るべ き節 もな いと はい え、

︵男 君は

︶ま すま すし みじ みと 気の 毒に も御 覧に なる こと だろ う﹂ と、 お二 人︵ のお 気持 ち︶ を思 いや るに つけ ても

、悲 しく 見申 し上 げた

﹇解 説﹈

傍線 部の 解釈 の問

標準

基礎

基礎 傍線 部

の解 釈と して 最も 適当 なも のを

、そ れぞ れ選 べ。 重要 単語

・重 要文 法を 確認 し、 前書 きな どや 前後 の文 意も 踏ま えて 解答 した い。

﹁あ ぢき なき 嘆き

﹁あ ぢき なき

/嘆 き﹂ と単 語分 けさ れる

。﹁ あぢ きな ﹂ は、

﹁不 当だ

・甲 斐が ない

・無 益だ

・お もし ろく ない

・情 ない

﹂等 の意 の形 容詞

﹁あ ぢき な し﹂ の連 体形

。そ の点 で、

﹁1

頼り ない

﹂・

﹁2

限り ない

﹂・

﹁3

押さ えが たい

﹂は 正し くな い。 の4

﹁ど うに もな らな い﹂ は、

﹁悩 んだ とこ ろで ど うに もな らな い﹂

、つ まり

、﹁ 悩ん でも 甲斐 がな い﹂ の意 だと 考え れば 正し い。 の5

﹁ふ がい ない

﹂は 意味 が近 そう だが

、﹁ あぢ きな き﹂ が﹁ 嘆き

﹂に 係っ てい るの に対 して

、5

の﹁ ふが いな い﹂ は﹁ 嘆き

﹂に 相当 する

﹁い らだ ち﹂ にで はな く、

﹁自 分自 身﹂ に係 って いる ので ある から

、正 しく ない

(4)

よっ て、 正解 は4

。ま た、 少し 前に

﹁男 の御 心に は﹂ とあ るか ら、

﹁あ ぢき なき 嘆き

﹂は 男君 の嘆 きを 言っ てい るの であ るが

書き の﹁ その 子を 自 分の 子と 確信 する 男君 は人 知れ ず苦 悩﹂ や、 本文 冒頭 の一 ﹁ かた みに 恋し う思 し添 ふ﹂ によ れば

君が 嘆い てい るの は女 君と のこ もし くは

御子 のこ で ある から

、そ の点 から 見る と2

か4

が正 しい が、 傍線 部の 直後 に﹁ に添 へて

、御 子の 御気 配も

﹂と あり

、傍 線部 では 御子 に対 する 思い を言 って いな いこ とが わか るか ら、 この 点か ら見 ても 正解 は4

であ る。

﹁あ きら めて しが な﹂

﹁あ きら め/ てし がな

﹂と 単語 分け され る。

きら ﹂ は、

﹁明 らか にす る﹂ の意 の動 詞﹁ あき らむ

﹂の 連用 形で ある

。こ れが 正し いの は2

の﹁ 真 実を はっ きり させ

﹂だ けで ある

。よ って

2

であ る。 何を

﹁は っき りさ せた い﹂ のか につ いて は、 直前 に、

﹁鏡 の影 もを さを さ覚 ゆれ ば︵ 注

﹂と あり

、前 書き の、

﹁そ の子 を自 分の 子と 確信 する

﹂な どか ら、 御子 が自 分の 子な のか どう かに つい て、 とい うこ とが わか る。

﹁あ きら む﹂ を

﹁諦 める

﹂の 意だ と考 えて

、1

﹁辞 めて しま い﹂

・3

﹁思 いを 断ち 切り

﹂を 選ぶ のは 誤り

。な お、

しが ﹂ は、

﹁~ した い﹂ と訳 す、 自己 の願 望の 終助

、正 しい のは

・1

・2

。3

・4 5

の﹁

~し てほ しい

﹂は

、終 助詞

﹁な む﹂ の訳 し方 で、

﹁て しが な﹂ の訳 とし ては 正し くな い。

﹁御 ここ ろざ しの にな きさ まに なり まさ る﹂

﹁御 ここ ろざ し/ の/ にな き/ さま

/に

/な り/ まさ る﹂ と単 語分 けさ れる

ころ ざし

﹂は

、﹁ 心持 ち﹂ の意 だが

、﹁ 愛情

﹂の 意で 使わ れる こと が 多い

。そ の点 では

、1

﹁愛 情﹂

・2

﹁寵 愛﹂ がよ さそ うで ある が、

﹁3

気持 ち﹂

・4

﹁気 遣い

﹂の 可能 性も 残る

。﹁ にな ﹂ は、

﹁二 つと ない

・ま たと ない ほど だ・ この 上な い・ すば らし い﹂ の意 の形 容詞

﹁二 なし

﹂の 連体 形。

たな たぐ ひな よに なし

﹂等 と同 義の 語で ある

。こ れが 正し い のは

、1

の﹁ この 上な く﹂ だけ であ る。 よっ て、 が1

正解

。 正解

4

2

1

21

22

23

敬語

類と 敬意 の方 の問 標準 波線 部

の敬 語の 説明 の組 合せ とし て正 しい もの を選 べ。

(5)

まず

語の 種類 を見 る。 侍り

﹂は

、本 動詞 とし て﹁ あり ます

りま ﹂ と訳 す場 合と

、補 助動 詞と して

です

ます

でご ざい ます

﹂と 訳す 場合 は、 丁寧 で あり

、本 動詞 とし て﹁

貴な 人や 場所 お仕 えす ﹂ と訳 す場 合は 謙譲 で ある

は形 容動 詞﹁ むべ なり

﹂の 連用 形に 付い てい て、

﹁む べに 侍 り﹂ で﹁ もっ とも でご ざい ます

・も っと もで す﹂ と訳 せる ので

、こ こで は、 丁寧 の補 助動 詞。 よっ て、 の 敬語 の種 類が 正し いの は、

・1

・2

で5

ある

。こ れが わか るだ けで も3

・4

は消 去で きる

﹂ であ る。

﹂ は、 四段 活用

は/ 給ひ

/給 ふ/ 給ふ

/給 へ/ 給へ

︶の 場合 は 敬語 で、 本動 詞と して

﹁下 さる

・お 与え にな る﹂

、補 助動 詞と して

﹁お

~に なる

・~ なさ る﹂ と訳 す。 また

二段 活用

へ/ 給へ

/○

/給 ふる

/給 ふれ

/○

︶の 場合 は 譲語 で、 補助 動詞 と して しか 用い られ ず、

﹁~ です

・~ ます

﹂と 丁寧 語の よう に訳 す。

﹂ の形 であ り、

﹁籠 らせ

﹂︵

﹁せ

﹂は 尊敬 の助 動詞

﹁す

﹂の 連用 形︶ に付 い てい るの で、 尊敬 の補 助動 詞。 よっ て、 の 敬語 の種 類は

、全 ての 選択 肢が 正し い。 給へ

﹂は

、連 用形 に接 続す る助 動詞

﹁き

﹂の 連体 形﹁ し﹂ が 接続 して おり

、﹁ 給へ

﹂で 連用 形で ある こと がわ かる から

、謙 譲の 補助 動詞

。よ って

の敬 語の 種類 が正 しい のは

、1

・3

・5

であ る。 以上 のよ うに

、敬 語の 種類 を見 るだ けで

、選 択肢 は1

と5

に絞 られ る。 次に

意の 方向 を見 る。

から

﹂に つい ては

の敬 語を 話し てい る人 から と考 える

話文 であ れば

会話 文を 話し てい る人 から

﹂、 地の 文で あれ

り手

﹂ と考 える ので ある

﹂ は、 会話 文中 にあ り、 その 会話 文は

、直 前に

﹁右 近、 御側 参り て~ 聞こ え奉 る﹂ とあ ると おり

近の 会話 で ある から

、﹁ 右近 から

﹂ の敬 意と いう こと にな る。 これ につ いて は、 全て の選 択肢 が正 しい

の﹁ 給は

﹂も

と同 じく 右近 の会 話文 にあ るが

はそ の会 話文 内の

﹄ の部 分に ある

。﹃

﹄の 前の

﹁清 さだ も~ 昨日 文お こせ し中 に、 かか るも のな む侍 りけ る﹂ が正 しく 読め れば

、﹃

﹄は 清さ だの 手紙 の引 用で ある とわ かる から

は﹁ 清さ だか ら﹂ の敬 意が ある こと にな る。 よっ て、 これ を﹁ 御方 々か ら﹂ とし てい る1

・2

・3

は誤 りで ある

。ま た、

﹂ は

の手 紙文 中に あり

、こ の手 紙は

の設 問文 で明 らか にさ れて いる とお り、 男君 の手 紙で ある から

、﹁ 男君 から

﹂の 敬意 であ るこ とに なる

。こ れ につ いて は、 全て の選 択肢 が正 しい

。よ って

、こ の段 階で

、敬 語の 種類 と、

﹁誰 から

﹂の 説明 が正 しい が5

正解 であ るこ とに なる

﹂ につ いて も見 てお こう

。﹁ 誰へ

﹂の 敬意 かは

、問 われ てい る敬 語の 種類 から 判断 し、 尊敬 語の 場合 動作 の主 体へ

﹂、 謙譲 語の 場合 作の 受け 手へ

﹂、 丁寧 語の 場合 話の 聞き 手へ

﹂と 考え る。

寧語 であ るか ら、 を 含む 右近 の会 話文 の聞 き手 であ る女 君へ の敬 意と いう こと にな る。 これ が正 しい のは

、1

・2

・5

であ る。

尊敬 で ある から

、﹁ 籠ら せ給 はぬ

﹂の 主体 であ る男 君へ の敬 意で ある

。こ れは 主体 を読 み取 るの がや や難 しい が、 選択 肢で これ が誤 って いる もの は

(6)

ない

は、 謙譲 で ある が、 謙譲 給ふ

訳と 敬意 の方 向は 丁寧 語同 然に 扱う ので

、﹁ 話の 聞き 手へ

﹂の 敬意 とい うこ とに なり

を含 む男 君 の手 紙文 の聞 き手

︵読 み手

︶で ある 女君 への 敬意 とい うこ とに なる

。謙 譲の

﹁給 ふ﹂ の敬 意の 方向 は丁 寧語 同然 に扱 うべ きだ とい うの は、 やや 難し い が、 これ が誤 って いる 選択 肢は ない

の 敬語 の種 類か ら1

と5

に絞 り、 が ある

﹄が 清さ だの 手紙 文で あっ て、 が 清さ だか らの 敬意 であ るこ とが わか れば

、正 解は 得ら れ る。 なお

、下 二段 活用 の謙 譲の

﹁給 ふ﹂ が、 セン ター 試験 で問 われ るの は珍 しい が、

奉る

など 二種 にま たが る敬 に 関す る学 習は 重要 であ るか ら、 しっ かり と確 認し てお きた い。 正解

5

24

傍線 部の 心情 説明 の問 標準 傍線 部

﹁い とど 恥づ かし う、 げに 悲し くて

﹂と ある が、 この とき の女 君の 心情 の説 明と して 最も 適当 なも のを 選べ

。 選択 肢は 全て

、女 君の 心情 を﹁ 恥ず かし くな り﹂

﹁悲 しく 感じ てい る﹂ と説 明し てお り、 違う のは

、女 君に 対す る右 近の 言葉 や態 度の 説明 であ る。 女君 の心 情説 明問 題の かた ちを とっ ては いる が、 実は

、こ れは

、﹁ 女君 を恥 ずか しく 悲し くさ せた 右近 の言 態度 で正 しい のは どれ ﹂ とい う問 題 なの であ る。 第二 段落 以降

、実 際に 登場 して いる のは 女君 と右 近だ けで あり

君の 動作 には 尊敬 語が 使わ 右近 の動 作に は尊 敬語 が使 われ てい ない から

、傍 線部

の 直前 にあ る右 近の 言葉

・態 度は

、傍 線部

直前 の、

﹁﹃ こた びは

ぢめ にも

~忍 びて も聞 こゆ れば

﹂の 部分 であ る。 ここ は、

﹁﹃

︵男 君の お 手紙 も︶ 今回 が、 最後 でご ざい まし ょう

。御 覧に なら ない よう なこ とは

、罪 深い こと だと お思 いに なる のが よい

﹄と 言っ て、 泣い て、

﹃︵ お二 人が

︶以 前の まま の状 態で あっ たら

、︵ どう して

︶こ のよ うに 思い がけ ない こと とな り、 どこ に苦 しい お気 持ち が加 わる こと がご ざい まし たで しょ うか

﹄と

、 こっ そり 申し 上げ ると

﹂と いう 意味 であ る。 よっ て、 これ を正 しく 踏ま えて 説明 して いる が3

正解 であ る。

1

は、

﹁男 君の 病状 が悪 くな った のは 自分 のせ いだ と責 めら れ﹂ たと いう 事実 が本 文に ない

。2

は、

﹁世 に秘 めた 二人 の仲 を詳 しく 知ら れて

﹂が

﹁世 に秘 めた

﹂﹁ 詳し く﹂ から して

、皇 子の 出生 の秘 密の こと を言 って いる と考 えら れる が、 右近 が皇 子の 出生 の秘 密を 知っ たと は本 文に 書か れて いな い。

﹁二 人の 仲が 公に でき ない と思 い知 らさ れて

﹂も

、判 断の 根拠 がな い。 は4

、男 君の 手紙 を﹁ 罪深 い﹂ とし てい るが

、こ れが 本文 にな い。 また

(7)

﹁男 君の 姿が 元気 だっ た頃 とは 一変 した

﹂こ とは 清さ だの 手紙 によ って 知れ るが

、右 近が それ を﹁ 心苦 しい と嘆

﹂い てい ると は書 かれ てい ない

。5

は、

﹁子 ども の面 倒を 見な いの は﹂ も、

﹁子 ども さえ なけ れば 帝も 男君 もこ こま で苦 しま なか った だろ う﹂ も、 右近 は言 って いな い。 正解

3

25

内容 説明 の問 応用 本文 中の 手紙

︵ 男君 の手 紙︶

、手 紙

︵女 君の 手紙

︶の 内容 の説 明と して 最も 適当 なも のを 選べ

。 男君 の手 紙

にあ る和 歌は

、﹁ そう はい って も︵

え る機 会も ある だろ う︶ と期 待し てい たが

、そ の甲 斐も なく

︵私 は死 ぬの で︶

、私 が死 んだ 後に

、 せめ て並 々で ない 物思 いだ けで もし てお くれ

。﹂ とい う意 味で あり

、男 君は 続け て﹁

︵あ なた が入 内し て私 の︶ 手の 届か ない 宮中 にい るの を拝 見し

︵帝 とあ なた の前 で御

越 しに

︶あ のよ うな 笛の 音を 奏で まし た夕 方か ら、 気持 ちも 乱れ

、苦 しく 思っ てお りま した が、

︵死 ぬ前 に︶ 間も なく 魂が この つら い身 を離 れて

、あ なた のも とに さま よい 出た なら

、お 引き 留め くだ さい よ。 惜し くも ない 命で すが

、ま だ死 に果 てて はい ませ んの で﹂ と書 いて い る。 ポイ ント は、

は死 ぬだ ろう その 前に 魂が あな たの もと にさ まよ い出 たら

﹂と いう 点で ある

。こ れを 確認 でき れば

、﹁

︵魂 が︶ この 身を にと どま って 死に きれ ない

﹂と して いる

、1

魂で はな く﹁ 私を 受け 入れ ては くれ ない もの か﹂ とい って いる

、2

魂が さま よい 出る 時を

﹁死 ぬだ ろう が、 その とき には

﹂と して いる

、4

﹁死 んだ ら﹂ とし てい る5

は、 いず れも 誤り であ り、

﹁死 ぬだ ろう が、 それ まで に﹂ とし てい る3

で ある とわ か る。 は1

﹁生 きる 甲斐 もな く﹂

、2

は﹁ 死に きれ ない ので

﹂、

4

は﹁ 誰の せい でこ うな った のか 悩ん でほ しい

﹂、 は5

﹁空 を眺 めて ほし い﹂

﹁そ ばに 置い てほ しい

﹂の 部分 にも キズ があ る。 女君 の手 紙

にあ る和 歌は

、﹁ 心な らず も離 れば なれ にな って しま った こと を嘆 いて

、あ なた と一 緒に

︵私 もこ の世 から

︶消 え果 てて しま いま しょ う。

﹂と いう 意味 であ り、 書き 添え られ てい る﹁ 遅る べう は﹂ は﹁ 死に 遅れ るつ もり は︵ あり ませ ん︶

﹂の 意で ある

。和 歌に ある

﹁思 はず も﹂ は﹁ 思い がけ ずも

﹂の 意で あり

、﹁ もろ とも に﹂ は﹁ 一緒 に﹂ の意 であ るか ら、 これ らの 表現 が﹁ 心な らず も︵

︶3

・意 に反 して

︵4

︶﹂

、ま た﹁ 私も

︵3

︶4

﹂と

、正 しく 反映 され てい る3

・4

に選 択肢 は絞 られ るが

、4

に書 かれ てい る﹁ 待っ てい てほ しい

﹂に 相当 する 表現 は手 紙

には ない ので

、手 紙

につ いて 見て も、 正解 は3

であ るこ とに なる

。 は1

﹁離 れて しま った こと が苦 しく

﹂﹁ この 嘆き とと もに 消え てし まい たい

﹂、 は2

﹁も はや あな たを 愛す るこ とは でき ない が、 前世 から の因 縁と

(8)

思え ばつ らく

﹂、 は5

﹁今

え ない こと でさ えも もど かし く﹂

﹁魂 の訪 れな ど待 たず に﹂ にそ れぞ れキ ズが ある

。 手紙 文の 内容 を 現に 沿っ て読 、 そこ に書 かれ てい る 現が 正し く反 映さ れて いる 選択 に 絞る 一方

当す る表 現が ない 余計 な説 明を して いる 選択 肢を 排除 して いけ ば、 正解 にた どり 着く こと がで きる

。 正解

3

26

傍線 部の 心情 説明 の問 標準 傍線 部

﹁方

思ひ やる にも

、悲 しう 見奉 りぬ

﹂と ある が、 この とき の右 近の 心情 の説 明と して 最も 適当 なも のを 選べ

登場 人物 の心 情は

の人 物の 会話 部分 に表 れる こと が多 い。 ここ でも 右近 の心 情は

、直 前の 右近 の会 話文

、﹁ かや うに こと 少な 節な きも のか いと どあ はれ にも いと ほし うも 御覧 ぜむ

﹂に 表れ てい る。

﹁こ と少 なく

﹂は

﹁言 葉少 なく

﹂、

﹁い とど あは れに もい とほ しう も御 覧ぜ む﹂ は﹁

︵男 君 は︶ ます ます しみ じみ と気 の毒 にも 御覧 にな るだ ろう

﹂と いう 意味 であ るか ら、 これ を説 明し てい る4

で ある

。 は1

﹁立 場上

、簡 単な 手紙 しか 書け ない

﹂が 誤り

。右 近の 会話 文に その 意味 はな い。 ここ で女 君が 短く しか 手紙 が書 けな いの は、 苦悶 のた めで あ り、

﹁立 場上

﹂の こと では ない

。2

は、

﹁病 のせ いで 言葉 少な い男 君の 手紙

﹂が 誤り

。見 てわ かる とお り、 言葉 少な いの は男 君の 手紙 では なく

、女 君 の手 紙で ある

。よ って

、短 い手 紙を 見て

﹁気 の毒

﹂に 思う のは

﹁女 君﹂ では なく

、﹁ 男君

﹂で ある から

、こ れも 誤り であ る。

3

は﹁ いよ いよ 落胆 する だろ うと

、二 人の 別れ を予 感し て﹂ が誤 り。 右近 の会 話文 にあ る﹁ いと ほし う﹂ は﹁ 気の 毒だ

﹂の 意で

、﹁ 落胆 する

﹂の 意で はな い。

﹁二 人の 別れ を予 感し て﹂ もい ない

。5

は﹁ 控え めな 人柄 がう かが える

﹂と とれ る表 現が 本文 にな い。 女君 の手 紙は

﹁こ と少 なく

﹂で ある と書 かれ てい るだ けで ある

。 また

、確 かに 男君 と女 君の 関係 がこ の後 改善 しそ うな 様子 はな いが

、右 近が

﹁二 人の 将来 を危 ぶん で﹂ いる とま では 本文 に書 かれ てい ない

。 正解

4

27

内容 説明 の問 応用 この 文章 の内 容の 説明 とし て最 も適 当な もの を選 べ。

(9)

正解 とな る5

は、

ペー ジ

行目

、﹁ 御消 息取 う出 たれ なか なか 心憂 そら 恐ろ しき

かで

くは 言ふ にか あら とて

29 給ひ

︵= 右近 が男 君の 御手 紙を 取り 出し たけ れど

、︵ 女君 は︶ かえ って つら く、 何と なく 恐ろ しい ので

、﹃ どう して

、こ のよ うに 言う のだ ろう か﹄ とお 思い にな って

、泣 いて しま われ る。

︶﹂ と、 傍線 部

の直 後の

、﹁ 振り 捨て やら で御 覧ず

︵= 男君 の手 紙を 捨て きる こと がで きず に御 覧に なる

︶﹂

、 さら に、

の 手紙 文の 後の

、﹁ 書き すさ み給 ふを 御覧 ずる 来し 方行 く末 みな かき くれ 御袖 いた う濡 らし 給ふ

。︵

=男 君が 思う まま に手 紙を 書い てい らっ しゃ るの を御 覧に なる と、 女君 はこ れま での こと や行 く末 のこ とに つい て何 もか も眼 の前 が真 っ暗 にな って

、涙 でお 袖を たい そう 濡ら しな さ る。

︶﹂ に相 当し てい て誤 りが ない

。﹁ かき 暮る

﹂は

、﹁ 空が 暗く なる

﹂の 意を 表す 一方 で、

﹁眼 の前 が真 っ暗 にな って 悲し みに 暮れ る﹂ の意 を表 す語 で ある から

、選 択肢 にあ る﹁ 絶望 的な 気持 ちに なっ た﹂ は﹁ 来し 方行 く末 みな かき くれ て﹂ が表 して いる ので ある

。 は1

、﹁ 未練 がま しく 言い 寄っ ても 女君 が不 快に 思う ので はな いか と恐 れて

﹂が 誤り

。こ れは

、本 文

行目 の、

﹁﹃ 人わ ろく

、今 さら かか づら ひ、 を こな るも のに 思ひ まど はれ むか

﹄と 心置 かれ て﹂ に相 当し そう だが

、傍 線部

か ら続 いて いる こと を踏 まえ ると

、こ の箇 所は

﹁﹃

︵皇 子が 自分 の子 であ るこ とを 明ら かに する こと で︶ みっ とも なく

、今 さら 関わ りあ って

、︵ 女君 の︶ 心を 乱し 愚か な奴 だと 思わ れは しな いだ ろう か﹄ と自 然と 気が ねさ れ て﹂ とい う意 味で ある

。前 書き や、 本文 冒頭 の﹁ かた みに 恋し う思 し添 ふこ とさ まざ まな れど

﹂に よれ ば、 男君 と女 君は 両思 いな ので ある から

、男 君 が﹁ 女君 を恋 しく 思う 気持 ちを

、女 君が 不快 に感 じる だろ う﹂ と考 えそ うに はな い。 は2

、﹁ 男君 への 手紙 を右 近に 取り 次が せよ うと した

﹂が 誤り

な どで も見 たよ うに

、女 君は 右近 から 男君 の手 紙を 見せ られ ても

、つ らく 感じ

、 恐ろ しが って おり

、﹁ 人目 なき 程に

、あ はれ

、御 返し を︵

=人 が来 ない うち に、 さあ

、御 返事 を︶

﹂︵

ペー ジ 行目

︶と 右近 に促 され て、 短く

の 返 29 13 事を 書い たの であ り、 女君 の方 から すす んで

﹁手 紙を 右近 に取 り次 がせ よう

﹂と はし てい ない

。 は3

、ほ ぼ全 てが 本文 にな い。 清さ だの 手紙 は ペー ジ最 後の

﹄の 部分 であ るが

、こ こは

﹁本 当に

、︵ 男君 が︶ お悩 みに なり 衰弱 なさ るこ とは

、 28 日を 経て 言う 甲斐 もな いほ どひ どく

、拝 見す るの も気 の毒 で。 東宮 がた いそ うか わい らし くま とわ りつ きな さる ので

、気 を緩 めて

︵部 屋に

︶籠 もり な さる こと もな かっ たの です が、 この 頃は

、続 けて 参内 なさ るこ とも おで きに なら ず、 ひた すら 深く お悩 みに なり 衰弱 なさ って いる

﹂と いう 意味 であ る。

﹁右 近か ら手 紙が 来な いこ とを 不審 に思

﹂っ てい る様 子も

、﹁ 帝が 真相 に気 づい たの では ない かと 心配

﹂に して いる 様子 もな く、

﹁事 情を 知ら せる よう に﹂ と書 いて いる わけ でも ない

。 は4

、ま ず﹁ 東宮 のも とに 無理 に出 仕を した ため 病気 が重 くな り﹂ が誤 り。 の3

解説 で見 たよ うに 清さ だの 手紙 には

、﹁ 東宮 がた いそ うか わい らし くま とわ りつ きな さる ので

、気 を緩 めて

︵部 屋に

︶籠 もり なさ るこ とも なか った

﹂と はあ るが

、こ れが 原因 で病 気が 重く なっ たと は書 かれ てい ない

。 また

、清 さだ の手 紙か ら、 男君 が衰 弱し てい るこ とは 女君 に伝 わっ てい るに 違い ない が、

﹁男 は死 ぬに 違い ない

﹂と 女君 が思 った とは 本文 に書 かれ て いな いの で、 これ も正 しく ない

。 正解

5

28

(10)

﹇書 き下 し文

に一

を 蓄 ふ。 将

に子 を誕 まん とす

。一

りて 之

に触 れ、 而

して 堕

す。 日

たり

。 会

を餽

る者

り。 其 の始 め、 蓋

し漠

とし て相 ひ能 くせ ざる なり

。老

なる 者

、 従 ひて 之

を撫 し、 徬

たり

、躑

たり

。臥

すれ ば則

ち之

を擁

し、 行 けば 則 ち之

を翊

く。 其 の 氄 を 舐 めて 之

に 食 を譲

る。 両

なる 者

も、 亦 た久

しく して 相 ひ忘

るる なり

。 稍 く之

に即 き、 遂

に其 の乳

を承 く。 是 れよ り欣

とし て以

て 良 に 己 の母

なり と為 す。 老

なる 者

も、 亦 た居

とし て以

て良 に 己 が出 だす と為 す。 吁

、亦 た異 なる かな

。 昔

、漢 の明

に子 し。 顕

の人

を取 り、 命

じて 之

を養

はし めて 曰 はく

、﹁ 人

ぞ必

ずし も親

ら生 まん

︵や

︶。 但 だ愛

の至

らざ るを 恨

むの み﹂ と。 后

に心

を尽 くし て撫

し、 而

して 章

も亦 た恩

たり

。母 の慈

、始

の間

し。 貍 の事

、適

に契

ふ有 り。 然

らば 則 ち世 の人

と子 と為 りて

、不

なる 者

るは

、豈 に独

り古

に愧 づる のみ なら んや

。亦 た此 の異

に愧 づる のみ

﹇通 釈﹈ 家に 一匹 の年 老い た猫 を飼 って いた

。︵ その 猫が

︶子 を生 みそ うに なっ た。

︵と ころ がそ の時

︶一 人の 女の 子が 誤っ て子 猫に さわ って 落と して

︵死 なせ て︶ しま った

。︵ 親猫 は︶ 一日 中嘆 き悲 しん で鳴 いて いた

。︵ その 時︶ たま たま 二匹 の子 猫を 贈っ てく れた 人が いた

。︵ 子猫 たち は︶ はじ めの うち は無 関心 な様 子で

︵老 猫に

︶な つか なか った

。老 猫の ほう は、

︵子 猫た ちの

︶そ ばに 寄っ て行 って なで さす り、

︵ま わり を︶ うろ うろ した り足 踏み した りし て、 落ち 着か ない 様子 であ った

。︵ 老猫 は、 子猫 たち が︶ 寝る と抱 きか かえ

、は なれ ると つい て行 って 守っ たり した

。子 猫た ちの うぶ 毛を なめ

、食 べも のを 譲っ て 与え た。 二匹 の子 猫の ほう もし ばら くそ うし てい るう ちに へだ てが なく なっ てき た。 だん だん 老猫 にな つく よう にな り、 とう とう 乳を 受け 入れ

︵て 飲む よ うに なっ

︶た

。そ れか らは 大喜 びで

︵老 猫に まと わり つい て︶ 実の 母親 のよ うに 思っ

︵て いる よう だっ

︶た

。老 猫の ほう もま たや すら かな 様子 で、

︵そ の 二匹 の子 猫を

︶自 分が 生ん だ子 のよ うに 思っ

︵て いる よう だっ

︶た

。あ あ、 なん とす ばら しい こと であ るよ

。 昔、 漢の 明徳 馬后 には 子供 がな かっ た。

︵そ こで

︶顕 宗は 他の 妃 の子 を引 き取 り、 后に 命じ てそ の子 の養 育を 託し て言 った

、﹁ 子と いう もの は、 自分 で 産ん だか どう かが 大事 なの では ない

。︵ 育て るに あた って は︶ ただ ただ 愛情 をか けて やる こと が大 事な のだ

﹂と

。后 はこ うし て心 を尽 くし て︵ その 子を

︶ 慈し んで 育て

、︵ 育て られ た︶ 章帝 もま た親 に対 する 愛情 が自 ずと そな わっ てい

︵る 子供 とし て成 長し

︶た

。母

︵の 后︶ と子

︵の 章帝

︶の 慈し みと 孝心 は、 終始 わず かな 隔り さえ もな かっ た。 あの 猫の こと は、 ちょ うど この こと にあ ては まる

。そ うで ある なら ば、 世に 親と 子と して 生ま れな がら

、︵ 親と して

︶ 慈し みが なか った り、

︵子 とし て︶ 不孝 であ った り︵ する よう に、 互い に愛 情を 抱き 合え なか った り︶ する 者が いる のは

、ど うし てた だ古 人に 恥じ るだ け

(11)

であ ろう か︵ いや

、そ れだ けで はな い︶

。︵ それ は︶ また この

︵猫 のよ うな

︶動 物に も︵ 及ば ない ほど の︶ 恥ず べき 者︵ とい うべ き︶ であ る。

﹇解 説﹈

語の 意味 の問

基礎

標準 傍線 部

﹁承

﹂・

﹁ 適﹂ の意 味と して 最も 適当 なも のを

、そ れぞ れ選 べ。

は、 二〇 一四 年度 に続 いて

、﹁ 語の 意味 の問 ﹂ であ った が、

﹁語

﹂と は言 って も、 昨年 度の

﹁習

﹂﹁ 尚﹂ と同 じく

字一 字の 意味 の問 で あっ た。

﹂ は、 二匹 の子 猫が

﹁ 稍 く之

に即 き︵

=だ んだ んと 老猫 にな つい てき て︶

、遂

に其 の乳

を~

﹂と いう 文脈 にあ る。

﹁承

﹂の 動詞 とし ての 訓み とし ては

、﹁ うク

﹂﹁ つグ

﹂﹁ うけ たま はル

﹂な どが ある

。主 語が 子猫 であ るか ら、 乳を

﹁1

授け た﹂

、4

﹁差 し出 した

﹂で は立 場が 逆に なり

、﹁ 承認

・ 承知

﹂な どの 熟語 を思 いう かべ ると

、2

﹁認 識し た﹂

、3

﹁納 得し た﹂ を並 べて ある のも わか るが

、2

・3

では どう 考え ても

﹁其 の乳 を﹂ に続 かな いで あろ う。 正解 5

﹁受 け入 れた

﹂で ある

﹂ は、

﹁貍 の事

、~ 契

ふ有 り﹂ とい う文 の中 にあ る。

﹁契

﹂を

﹁か なフ

﹂と 読ん でい るが

、こ れは ふつ うに

﹁か なフ

﹂と 訓よ みす る字 では な く、 字義

︵約 束す る。 刻む

︶を 考え ても 意味 をあ ては めに くい ので

、な かな か難 しい

。た だ、

﹁か なう

﹂は

、﹁ ちょ うど よく 合う

。あ ては まる

。思 うよ うに なる

。匹 敵す る﹂ とい うこ とで ある から

、あ の老 猫と 実子 でな い子 猫の こと は、 明徳 馬后 と実 子で ない 章帝 のこ とと

﹁ま った く同 じよ うで

、あ て はま る﹂

、と いう 意味 にな るも のと 考え られ る。 とす ると

、﹁ 適﹂ は、

3

の﹁ ちょ うど

﹂が 最も 適当 であ ろう

﹂は

、﹁ ゆク

︵= な ど︶

﹂か

、﹁ たま たま

︵= な ど︶

﹂と 読む 場合 に質 問さ れや すい が、

さニ

︵= など

︶﹂ と読 んで

、﹁ まさ しく

。ち ょう ど﹂ とか

、﹁ たっ た今

﹂の 意で 用い るこ とが あり

、こ の知 識が あれ ば一 発で 答が 出た こと にな るが

、﹁ まさ ニ﹂ の 知識 は、 やや 厳し いレ ベル であ ろう

。 正解

5

3

29

30

(12)

漢字 の読 み方

じ読 み方 の字 を選 の問

基礎

基礎 二重 傍線 部

﹁将

﹂・

﹁ 自﹂ と同 じ読 み方 をす るも のを

、そ れぞ れ選 べ。

字の 読み 方の 問題

﹂は

、二

〇〇 四年 度か ら二

〇〇 八年 度ま で五 年間 続け て出 題さ れた が、 同じ 読み 方を する 字を 選択 肢か ら選 と いう 形は 初め てで ある

。形 とし ては 新傾 向で ある が、

﹁ 将﹂

﹁自

﹂い ずれ も簡 単な レベ ルで ある

﹂ は、

﹁︵ 老貍 奴︶ 将に 子を 誕 まん とす

﹂で

、も ちろ ん、 再読 文字

さニ

…ン トす

﹂で ある

。 選択 肢も すべ て再 読文 字で

、1

﹂は

﹁ま さニ

…べ シ﹂

、2

﹂は

﹁な んゾ

…ざ ル﹂

、3

﹂は

﹁ま さニ

…べ シ﹂

、4

﹂が

﹁将

﹂と 同じ で、

﹁ま さニ

…ン トす

﹂、

﹁5

﹂ は﹁ すべ かラ ク… べシ

﹂で ある

解は

。4

﹂ は﹁ 是 れよ り﹂ の﹁ より

﹂。 同じ 読み 方を する のは

﹁4

﹂ であ る。

﹁1

﹂ は返 読す る場 合は

﹁ご とシ

﹂、 その ほか

、﹁ もシ

。ゆ ク﹂

。2

﹂は 返読 して

﹁… ヲも ツテ

﹂。

﹁3

﹂ は﹁ つね ニ﹂

、返 読す ると きは

﹁~ ごと ニ﹂

。5

﹂は 返読 して

﹁~ トい へど モ﹂ であ る。 正解

4

4

31

32

語の 用法

み方 と意 の説 明問 基礎 波線 部

﹁矣

﹂・

﹁ 也﹂

﹁耳

﹂・

﹁ 焉﹂

﹁已

﹂の 説明 の組 合せ とし て最 も適 当な もの を選 べ。 文末 の助 字﹁ ﹂ の用 法を 問う とい う、 今ま でに ない 形の 新傾 向の 問題 であ るが

、要 は字 の読 み方

︵あ るい は読 まな いこ と︶ と意 味︵ 用い られ 方︶ を問 うて いる ので ある から

、知 識力 の問 題で

か ら

ま でこ のよ うな 知識 を問 うタ イプ の問 題が 出題 され たこ とは 珍し いこ と であ る。

﹂ は、 冒頭 の﹁ 将に 子を 誕ま んと す﹂ の後 にあ るが

、こ れは

まな い置 き字 であ る。

・1 2

のよ うに

、詠 嘆の

な ど︶

﹂と 読む こと もあ るが

、こ の位 置で は﹁ かな

﹂で はな い。

・1

は2

×で ある

﹂ は、

1

にあ るよ うに

、文 末で 断定 なり

﹂と 読む こと が多 いが

、3

のよ うに

﹁伝 聞﹂ の﹁ なり

﹂に はな らな い。 ただ

、こ の位 置で は、

﹁老 貍奴 なる 者も

、亦 た居

とし て以 て 良 に 己 が出 だす と為 す﹂ の後 に﹁ 也﹂ があ るの であ るが

、直 前の 対句

、﹁ 欣

とし て以 て 良 に 己 の母 と為

Referensi

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