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人 体 熱 収 支 モ デ ル に よ る 熱 生 理 表 現 の 妥 当 性 の

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人 体 熱 収 支 モ デ ル に よ る 熱 生 理 表 現 の 妥 当 性 の 検 討

12T7-018 鹿島 歩 指導教員 亀卦川幸浩 1.はじめに

近年、ヒートアイランド現象により都市の中心部の気 温は郊外に比べて高くなっている。関東地方では記録的 な猛暑が続き、東京は2015年7月31日~8月7日まで 8日連続の猛暑日をはじめて記録した。暑熱ストレスに よる健康被害(熱中症など)の拡大が懸念されている。

上記の問題に対し、屋外・屋内の熱環境に対する人体の 熱生理応答を考慮し熱ストレスと温冷感を表現する温熱 指標を用い都市緑化等の熱環境改善策の研究が進められ ている。

2.先行研究

Reuben et al., 20151)では、2014年9月2日に東京 大学本郷キャンパス工学部14号館前広場(公園空間)、

9月4日に東京都千代田区神田地区(事務所街)、9月 16 日に東京都文京区西片 2 丁目の低層住宅街区で、

計 3 回の被験者実験が明星大学と共同で実施された。

上記の計3地区において気象・熱環境要素と被験者の 生理要素の測定データが得られた。気象・熱環境要素 の観測項目は各地区内での路上や公園内での気温・湿 度・風向・風速・グローブ温度であった。一方、各地 区内の建物屋上にて気温・湿度・風向・風速・赤外線・

日射量も測定された。各日の被験者実験では、屋内で の事前測定15分(以降A)、屋外での15分間の歩行移 動測定(以降B)、屋外での 15分間の静止時測定(以降

C)、屋内での事後測定(以降 D)が行われた。これらが

各日2回実施された。上記より、本郷の1回目の歩行 実験は[本郷1-B]と表し、本郷の 2 回目の歩行実験の 場合は[本郷 2-B]と表すことにする。被験者の生理要 素の観測項目は体表面温度・体深部温度・心拍数・活 動量・発汗量であった。

上記の測定データを解析することで、Reuben et al., 20151) では以下の結果が得られた。

観測結果1:日射量大(晴天時に被験者が日向を歩行)

の時、平均放射温度と皮膚温度の間に明確な正の相関 が認められた(日射の大小が皮膚温度を支配的に左右 していた)。この場合、被験者間での個人差はあまり 認められなかった。

観測結果 2:発汗量には個人差が認められた。具体的

には被験者のBMIと発汗量は正の相関を示した。

観測結果 3:曇天時、歩行実験では風速と皮膚温度の

間に負の相関が認められた。

3.本研究の目的

Reuben et al., 20151)で明らかとされた気象条件と

人体の熱生理応答の実測における関係性(上記の観測 結果1~3)は、Gagge et al, 19712)の2-node人体熱 収支モデル(以降、Gaggeモデル)で再現され得るか の検証を行う。温度や風速等が制御された室内実験で の検証例に比べ、気象条件が複雑に変化する都市空間 での観測にもとづくGaggeモデルの検証例は少ない。

この点で本研究は新規性を有する。再現されないとす れば、Gaggeモデルに基づくSET*等の温熱指標の妥 当性は疑わしくなる。別の熱収支モデルや温熱指標の 開発が必要である可能性もある。以上の点を明らかに する必要がある。

4..Gagge モデル2)

人体の熱生理応答を表現する代表的数値モデルで ある。臓器を中心とする体深部(core)と皮膚で主構成 される表層部(shell)で体温が分けられることを利用し、

人体を2層モデルとして血流量や発汗などの温熱生理 調整過程を考慮した人体熱収支モデルである。

5.検証結果と考察 (1)観測結果1の検証

日射量大(晴天時に被験者が日向を歩行)の時、平 均放射温度と平均皮膚温度の間の正の相関は Gagge モデルで再現された(図1)。

図1.平均皮膚温度(℃)と平均放射温度(℃)の散布図

但し、Gagge モデルは平均皮膚温度を測定値と比べ 過大評価していた。この要因としては、着衣量に関連

するGagge モデルへの入力パラメータであるクロ値

が測定時の実態と異なっていた可能性等が推測され た。

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30 32 34 36 38 40 42

28 30 32 34 36 38 40

均皮膚温度(

本郷1-B(晴天時)

計算値 測定値

平均放射温度(℃)

(2)

(2)観測結果2の検証

観測と同様、Gagge モデルによる発汗量の計算値 にもBMIによる個人差(発汗量とBMI の正の相関関 係)が認められた。この傾向は曇天時(図2)、晴天時

(図3)の両条件下で定性的には再現されていた。但

し、Gagge モデルは実測と比べ発汗量を過大評価す る傾向があり、特に曇天時にはその傾向が顕著に認め られた。なお、測定時の発汗量は事前測定Aの体重か ら事後測定B の体重を差し引いたものである。一方、

Gaggeモデルによる発汗量の算出は次式に依った。

発汗量= (ersw + edif) / 0.68 ersw…損失潜熱 (W/m²)

edif …不感蒸泄量(W/m2

図.2 BMIと発汗量の相関図(曇天時)

図.3 BMIと発汗量の相関図(晴天時)

(3)観測結果3の検証

観測と同様、Gagge モデルは曇天の歩行実験時に 見られた風速と皮膚温度の間の負の相関関係を定性 的には再現していた(図 4)。一方、晴天時における風 速と皮膚温度の関係についても、Gagge モデルは実 測における傾向を概ね再現していた(図 5)。但し、

Gagge モデルによる皮膚温度そのものの定量的再現

性が不十分であった(過大評価した)点は、(1)で前 述した通りである。なお、曇天時における風速と皮膚 温度の負の相関は、風速の増加に伴い汗の蒸発が進み 皮膚温度が低下する事に依るもので、この生理過程を

Gagge モデルはある程度シミュレート出来ていた。

図4.平均皮膚温度(Tsk)と風速(Ⅴ)の相関図

図.5平均皮膚温度(Tsk)と風速(V)の相関図

6.まとめ

人体の熱生理応答の実測における関係性(上記の観

測結果 1~3)は、Gagge モデルで再現され得たが、

皮膚温度や発汗量に定量的再現性が不十分であった

(過大評価した)。

7.今後の課題

今後、多様な条件の被験者を対象とした実験を行う ことが望まれる。

参考文献

1)Reuben et al., 2015,The thermal physiology of Bpedestrians in urban areas: an outdoor traverse study in central Tokyo

2)園城千恵美、都市空間での微気象・人体熱生理の計 測実験、明星大学卒業論文2014

3) Gagge, A.P., J.A. Stolwijk and Y. Nishi (1971):

An effective temperature scale based on a simple model of human physiological regulatory response.

ASHRAE Trans., Vol.77, pp.247-262.

4) 大橋唯太,「温熱指標」,天気,Vol.57,No.1,pp.57-59,

2010 17.5

20 22.5 25 27.5

60 100 140 180 220 260

BMI

発汗量(g/m²/h)

西片1(晴天時

)

計算値 測定値

33 34 35 36 37 38 39 40

0 0.5 1 1.5 2 2.5

皮膚温度(℃)

風速(ms⁻¹)

本郷1-B(晴天時)

計算値 測定値 33.00

34.00 35.00 36.00 37.00

0 1 2 3 4

皮膚温度(℃)

風速(ms⁻¹)

神田2-B(曇天時)

計算値 測定値

17.5 20 22.5 25 27.5

60 80 100 120 140 160 180 200

BMI

発汗量(g/²/h)

神田2(曇天時)

計算値 測定値

(3)

Referensi

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