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Academic year: 2025

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卒業研究概要

提出年月日 2017 年 1 月 31 日 卒業研究課題

ロボットに適したフィラー行動の探索実験

学生番号 B13-082 氏名 古谷 雄也

概要(1000字程度) 指導教員 神田 智子 教授 印

ソフトバンクロボティクス社の Pepper や Vstone 社の Sota と言った対話ロボットが世の中に浸透しつつある.そこで人とロボ ットが人間同士のように自然な会話を進めるためには,人と同じようにロボットにも言いよどみが必要なのではないかと考える.

人間同士の会話においては発話中に沈黙が訪れた時に,言いよどみやそれに伴う身体動作を行い時間を稼ぐ事がある[1].その際に 表出されるよどみには,「えっと」「うーんと」といった音声による言いよどみの「音声フィラー」,手を口元に当てる等の動作に よるよどみの「動作フィラー」の二種類がある[2].人同士の対話において音声,動作フィラー両方ともに沈黙時の気まずさを軽 減させる効果が示されている[2].人とロボットが対話を行うという状況においても,音声認識がうまく機能しない時や,次の発話 内容を検索中であるなどの状況において,発話がすぐ起きずに気まずい沈黙が発生することが想定できる.現にロボットにフィラ ーを挿入することで気まずさの緩和,そして会話継続の誠意の表出効果もある事が示されている[3].しかし[3]において使用され ているフィラーは,音声フィラー1 種,動作フィラー1 種のみであった.この二種類のフィラー行動のみでは必ずしもロボットが表 出するのに適切なフィラーとしての妥当性があるとは言えないと考える.そこで本研究はロボットが表出するのに適したフィラー を探索的に検討する事を目的とする.

[2][3]の測定に使われた項目に従って本研究でも気まずさ,誠意の表出の 2 点に着目して印象評価を行う.また[2][3]において 第 3 者が動画を視聴するといった手法の評価方法を用いており,[3]によれば第 3 者視点の評価においても間主観性の観点から結 果に根拠がある事が示されているので,本研究でも第 3 者視点での評価を行うものとする.

本研究では[3]で用いられている「音声フィラー」「動作フィラー」に加え,人が表出出来ないロボットならではの行動として「発 光フィラー」を実装し,合計 21 パターンのフィラーを用意する.そしてこれらのフィラー行動を行うロボットと人が対話してい る動画を被験者に視聴してもらい,話者間の沈黙時に発生する気まずさの軽減効果やロボットからの会話の誠意表出の効果が見ら れるフィラーを探索的に検証する.

使用するロボットとして Vstone 社の Sota を用い,発話,動作,発光動作はプログラムソフト VstoneMagic を用いて作成,実装し た.実験は発話内容にフィラー行動を適度に挟む様に実装した Sota と人が 3 往復程度の日常会話を行うといった内容の動画を「音 声フィラー」11 種類,「動作フィラー」4 種類,「発光フィラー」6 種類の計 21 種類視聴してもらい,1 動画ごとに気まずさ,誠意 の表出効果を測る計 6 項目,フィラー効果でなくロボットの印象を測るダミー項目計 7 種類,合計 13 種類の印象評価アンケートを 記入してもらうというものである.実験参加者は大学生 26 名(男性 24 名,女性 2 名)で,1 動画あたりの時間は 40 秒程度である.

評価アンケートの結果から一要因分散分析を行い,各項目で有意に低い値をとった条件を適していないフィラー条件とした結 果,音声フィラー5 条件,動作フィラー2 条件,発光フィラー5 条件の計 12 種類が残った.これらを各項目ごとに一要因分散分析を行 った結果,二条件以上で有意に高い結果となったものが「音うーん」「動作顎」「動作斜め」「発光白点滅」「発光緑点滅」の 5 条件 となった.実験後アンケートにて音声フィラー条件のうちビープ音,電子音が不快だったという意見が寄せられた.不快かを測る 項目においても電子音,ビープ音は適しているフィラー行動群のいずれかと比較して有意に高い結果を見せた.人型の見た目に反 する音声は印象の低下につながるため,人のような音声フィラーが好まれたと考えられる. 動作フィラーにおいては首を動かすフ ィラーはわざとらしく感じたという意見が寄せられた.腕は動作フィラーに最も適した動作であると考えられる.発光フィラー条 件においては発光行動そのものが認識しづらいという意見が寄せられた.よって認識の容易な点滅条件が適していると考えられ る.しかし赤発光条件は点滅時も高評価を得られなかったので攻撃的な印象を思わせるような色は点滅であったとしてもフィラー に適さないと考えられる.

結果として,ロボットであっても人型である限り人のようなフィラー条件を好み,発光は認識しやすい点滅条件が好まれる事が 明らかになった.今後の展望としては今回示されたフィラー条件を組み合わせる事による効果の検証などを考えていきたい.

[1]佐々木寛紀,武川直樹,寺井仁,木村敦(2010):対話における沈黙が発話交替に及ぼす影響ー沈黙時のフィラーが持つ役割とは?-,HCG シンポジウム 2010,HCG2010-A4-2,pp.69-74,2010

[2]佐々木寛紀,武川直樹,木村敦,徳永弘子:非円滑な発話交替時における沈黙の気まずさとフィラーの関係,信学技報,IEICE Technical Report HCS2011-13,

HIP2011-13(2011-05)

[3]大島直樹,君島啓太,大和淳司,武川直樹(2016):沈黙時におけるロボットのフィラー行動はコミュニケーションに寄与するか-能力の限定された会話ロボット行動デ ザインの為に,電子情報通信学会論文誌 A Vol.J99-A No.1 pp.2-13

(2)

2016 年度卒業研究成績評価票

学生番号 B13-082 氏名 古谷 雄也 総合評価 点

項目評価

学習・教育目標

(D2-3) デザイン能力

(1) 情報技術分野でテーマ、課題を設定し、目標、制約条件を整理す ることができる。

(2) 情報技術を駆使して、目標、制約条件を充足させる方法を提案、具 体化し、結果について評価、考察することができる。

学習・教育目標 (E)

課題に対する 理解と表現

(1) 課題の内容に対する背景を理解し、課題解決法の技術的内容およ び得られた結果を、具体的・論理的に述べることができる。

(2) 英語によって記述された技術的な内容を理解し、伝達できる。

文書作成の技法 目的と対象読者を認識して、論理的に主題を展開し、適切な図表を用 いて、わかりやすい技術文書を作成することができる。

プレゼンテーショ ンの技法

目的にそって、分かりやすい資料を作成し、プレゼンテーションをするこ とができる。

討論の技法 他者の発表を、その内容を理解しながら聞き、質問やコメントを行うこと ができる。

学習・教育目標 (F)

計 画 ・ 業 務 遂 行 能力

(1) 国内外の文献などを情報源とし、習得した知識・技術を用いて専門 分野での課題を解決するための計画を立案することができる。

(2) 計画に基づき、制約を考慮し、遂行上の問題、課題を自主的、継 続的に解決し、計画内容を達成することができる。

各項目の評価は、5:(特に優秀)、4:(優秀)、3:(標準的)、2:(少し劣る)、1:(まったくできていない)の5段階評価とする。 ただし、

課題に対する理解と表現およびプレゼンテーションの技法については、卒業研究発表会における他の教員の評価も考慮して行う。

総合評価は、上記の評価項目毎の成績を勘案して素点(100点満点)で評価を行う。

指 導 教 員 所見

卒業研究発表会における評価

評価実施日:

評価内容 指導教員 合同発表会教員

課題に対する 理解と表現

卒業研究の課題の内容に対する背景を理解 し、課題解決法の技術的内容および得られた 結果を、具体的・論理的に述べることができる。

プレゼンテーショ ンの技法

目的にそって、分かりやすい資料を作成し、

プレゼンテーションをすることができる。

指導教員 : 合同発表会教員:

Referensi

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