白井市教育センター室では平成7年から、白井市の児童生徒の実態を調査研究し、パンフレットにまとめてきました。今 回は、子どもの心と体の成長をメインテーマに取り上げ、市内在住のさくら教育研究所所長小澤美代子先生に協力して いただきました。
【 調 査 研 究 パ ン フ レ ッ ト 】No.15 2011 年 4 月
気 気
活 発 な 子 。 静 か な 子 。 成 長 の 早 い 子 。 ゆ っ く り な 子 。 み ん な 違 っ て 、 み ん な い い 。 一 人 ひ と り 個 性 は そ れ ぞ れ 。 関 心 も そ れ ぞ れ 。
心と体の健康づくり
大人の願い 心も体も健全に
・どの子もみんな自分が好き
・やがて社会の役にたつ大人
~ 白 井 の 子 ど も の 健 康 を 考 え る ~
白井市教育センター室
自己実現 愛にあふれる
子どもたち
元気モデル
(身体的健康)
なかよしモデル
(社会的健康)
やる気モデル
(精神的健康)
右図は教育センター室が作成した身体 的にも、精神的にも、社会的にも「健 康な子」をイメージしたモデルだよ!
健康とは、身体的(体)・精神的
(心)・社会的(人間関係)によい 状態のことです!
~WHO(世界保健機関)の定義~
めざそう!健康な白井っ子!
子どもの心と体の成長
元 気
運動が で き る 規 則 正 し
い 生 活
何でもよく 食 べ る
歯 が 丈 夫 体力が あ る
夢・希望
自 立 し て い る
感 動 できる
明るく楽し い 生 活
や る 気 が あ る
思 い や り が ある
信 頼
寛 容 さ が あ る
ルール を 守 る
仲間づくり が う ま い
忍耐力 が あ る
挨拶が で き る
体 を 動 か す( 運 動 す る) の が 好 き な 子 が 多 い
体 力 が あ り じょ う ぶ な 子 が 多 い
規 則 正 し く 生 活 し て い る 子 が 多 い
歯 の 丈 夫 な 子 が 多 い
何 で も よ く 食 べ る 子 が 多 い
自 分 の こ と は 自 分 で で き る 子 が 多 い
明 る く て 楽 し そ う な 子 が 多 い
や る 気 の あ る 子 が 多 い
人 に や さ し く 思 い や り の あ る 子 が 多 い
感 動 で き る す な お な 子 が 多 い
気 持 ち の よ い あ い さ つ が で き る 子 が 多 い
友 だ ち と う ま く つ き あ え る 子 が 多 い
自 分 の 気 持 ち を お さ え て、
が ま ん で き る 子 が 多 い
社 会 的 な ルー ル や 学 校 の き ま り を 守っ て い る 子 が 多 い
人 の よ さ を 認 め ら れ る 子 が 多 い
小学校
中学校
ここでは、親子・教師の三者ともが低い「自分の気持ちをおさえてがまんできる子」の項目に着目 してみました。
自分の気持ちを抑えて、我慢できるためには
①まず、自分の気持ちに気づくことが必要です。
「疲れたのかな」「悔しかったね」「やさしいね」など、日頃から親や教師がこどもの状態(気持ち)
に気づいて声をかけましょう。
②がまんできるためには、大人の声かけが有効です。
「ガマン、ガマン」「悔しいけど、がまんしよう」「よく我慢したね」など、共感し、できたら(かるく)ほめ てあげましょう。子どもはそれぞれに応えようとします。
白井の子どもたちは、小学生も中学生も
1 今、白井の子どもたちは!
*「明るくて楽しそうで、体を動かす(運動する)のが好き」です*
児童生徒も保護者・教師も皆が高い見方をしています。
Q:下のグラフは、生き生きモデルの項目に沿って作成したアンケート(平成22年10月実施)の集計結果です。
調査対象(市内各小・中学校1学級ずつ、小学校5年生と中学校2年生の児童生徒・保護者・全教職員)
20%
40%
60%
80%
100%
児童・生徒 教師 保護者
20%
40%
60%
80%
100%
児童・生徒 教師 保護者
この調査を続けてきて、白井の子どもは元気で明るいことはずっと変わりません。さらに、毎年全体 に少しずつ「元気で明るい」子どもが増えてきていることは、喜ばしいことです。より白井の子どもた ちが心豊かに育つように、子どもの成長を改めて確認してみましょう。
2「わが家の子育て」確認 ~よく見る、よく聞く、よく話す~
子どもは大体同じような育ち方をします。見直してみましょう。
時期 特徴 ポイント
① 乳児期
(0歳から1・2歳)
しっかりと守られる生活の中 で「基本的信頼感=安心・安 全」の感覚を身につけます。
しっかり抱きしめたり手をつ ないだりしましたか。
② 幼児期前期
(1・2歳ころから3・4歳)
トイレットトレーニングなど を通して「自律性=がまんす る・がんばる」力を培います。
少しがまんする、少しがんばる などをさせて、ほめたり叱った りしましたか。
③ 幼児期後期
(3・4歳から5・6歳)
遊びを通して自発性(興味関 心を持ち自分で動く)を身に つけます。
思い切り体全体を使って遊ば せましたか。
④ 児童期
(小学校入学から10歳頃)
勉学や作業の中で成就感・達 成 感 を 通し て勤 勉 性( 努力 して成し遂げる)を身につけ ます。
成功した経験をたくさんさせ ていますか。少しの失敗も必要 です。
⑤ 思春期
(10歳頃から18歳頃)
いろいろな面で急激な変化が 現れ、本人も戸惑いを覚えた りする時期です。反抗と甘え、
自立心と依存心が入り混じっ た態度が見られますが、そう やって大人として自立する力 を身につけます。
関心を持ち続け、認めたり励ま したりする言葉かけをしてい ますか。手を出しすぎず、自分 で考えたり行動したりするこ とをそばで見守りましょう。
3 学校生活で大切なこと
学校は勉強をするところですが、そのためには居心地のいい学級といい友だち関係が必要です。
友だちといい関係を作る素
・気持ちのよいあいさつができる
・人のよさを認められる
・人にやさしく思いやりをもてる
・自分の気持ちをおさえて、がまんできる
・社会的なルールや学校のきまりを守れる
子どもたちが友だちといい関係が作れるようにするには、家庭でも、学校でもまず大人 がよいモデルになりましょう。
本市教育委員会や学校の教職員は、本市で育つ子どもが、将来、社会の中で自立し、たくましく生きぬいていくこ とを願っています。そのため、私たちは、子どもが毎日希望を持って登校できるよう学級経営の工夫や改善を行って いますが、さらに学級の現状を客観的に分析し対策を講じていく必要があると考え、白井市では2004年より数校で行 っていたQ-U(QUESTIONNAIRE-UTILITIES)を、今年度、小中学校全校で実施しました。
この結果、学級に満足している子が多くの学級で増加しました。また、平成17年度より市独自で行っている学校満 足度調査では、学校生活に満足している児童生徒が88.8%となりました。この学校満足度調査から、満足度と授業へ の関心・意欲に相関関係が見られました。児童生徒にとって楽しくわかる授業を展開することで豊かな学校生活が送 れると考えられます。また、安心した学校生活を送ることで授業に集中できるとも考えられます。市では、来年度もこの QUを実施し、一人ひとりの子どもが充実した毎日を送れるよう支援していきます。
(平成22年度実施)
毎年、各学校児童生徒を対象に新体力テストを実施しています。ここでは小学校5年生と中学校2年生の 結果を紹介します。(他の学年については、教育センター室のホームページに公表
してあります。)全国的に子ども達の運動能力は向上の兆しを見せています。本市 の子ども達も体力づくりの取り組みが学校を中心に広がっており、全体的に向上し ています。課題としては、立ち幅跳び、ソフトボール・ハンドボール投げがあげら れます。さらに、学校と家庭や地域がつながり、子どもが運動しやすい環境を作っ ていくことが大切です。
子どもたちが充実した学校生活を送るために
-「QU」を聞いたことがありますか?-
早稲田大学 河村茂雄教授 が開発したQUは、学級の 現状を客観的に分析すると ともに、学校不適応・不登 校・いじめの被害の高い児 童生徒を早期に発見できる アンケート手法のテストで ある。このテストの実施計 画を立てる。
Plan
QUを年度内に2回実施す る。
QUの分析結果をもとに、
より良い学級経営のために 教職員の研修会を開く。
子どもたち一人一人が充実 した学校生活を送れるよう に、学級経営を改善する。
Do Check Action
小学5年
市平均男子 県平均男子 市平均女子 県平均女子
中学2年
市平均男子 県平均男子 市平均女子 県平均女子