おもな観点 教科書の内容および特色 具体例
1 内 容
教科書としての 的確性と現代性
学習指導要領で求められている指導事項を確実に習得,
活用できる教科書として編集しています。
◆ 書写学習をとおして,学習指導要領で求められている「生きる力」を育成するために,生徒 が自ら学び自ら考え,学習意欲や興味・関心を高めながら,意欲的に学習活動に取り組み,
課題解決を図っていくことができるよう編集をしています。
選択教材─ 1 年:P.44,3 年:P.46 〜 49 中学生の日常に適した「書式教材」。
「書き込み欄」,「評価欄」などによる学習活動の主体化。
教育基本法および道徳教育との関連 ◆ 学習の教材の言葉や題材として,自他を尊重すること,人権を重視すること,自然を大切に すること,アジアの中の日本として国際貢献できる意味合いを含めた展開をし,伝統と文化 を尊重する役割と他国を尊重する態度を養うことにつながるよう工夫しました。
1 年:P.18 〜 19,20 〜 21,24,32 〜 33,46,53 〜 56,全般
2・3 年:口絵,16 〜 17,18 〜 19,22 〜 23,24 〜 25,40 〜 41,57 〜 60,61 〜 64,全般
教材の今日性と普遍性に配慮し,「今求められる書写学 習」のあり方を示しています。
◆ 豊かな国語力を養い,確かな人間性の育成に役立つ書写教科書として,日本語の美しさを身 につけることができるような,書きやすく魅力ある教材語句や文章を選定しています。
毛筆教材語句:『栄光』『平和』『広がる世界』『伝統文化』『公平無私』『豊かな心』『初志を貫 く』『約束』『美しい自然』『友好の精神』など。
2 組織・配列
内容の組織化と 系統性
楷書と行書の基礎・基本から応用学習までが,系統的・
段階的に習得できるよう配慮しています。 ◆ 書写能力の基礎・基本が確実に定着するために必要な教材を,系統的・段階的に配置しました。
楷書の復習から発展,行書の導入から発展へと効率よく学習できます。 1 年では楷書と平易な行書,2・3 年では省略を中心とした行書,行書と仮名の調和を取り上 げています。
確実な硬毛関連学習により,日常に生きてはたらく書写 力を育成します。
◆ 毛筆で得た書写技能を確実に硬筆に生かし,日常生活の書写場面に生かしていくことのでき る教材選択とページ構成になっています。
◆ 毛筆と同様の文字を硬筆で例示したり,他の文字へ発展をうながす課題提示をするなど,さ まざまな形での関連が図れるよう工夫されています。特に教材提示の仕方には配慮し,一見 開き完結型構成や,書き込み欄での定着を図っています。
1 年:口絵,P.40 〜 43,2 年:P.26 〜 33,3 年:p.42 〜 45 など。
1 年:P.8 〜 9,11,17,29,31,33,44,2 年:P.7,9,11,14 〜 15,3 年:P.37,39
3 程度・分量
硬筆・毛筆教材の 程度と分量
書写学習の基礎・基本を重視し,教材内容を充実させて います。
◆ 中学校での書写学習として必要な学習要素を分類・整理し,「文字を正しく整えて速く書ける」
ようになるために,文字の秩序性を理解し,習得できるよう教材内容を工夫しました。
1 年:「楷書に調和する仮名,楷書と仮名の調和,行書の基礎」の学習。
2・3 年:「行書,行書に調和する仮名,行書と仮名の調和」の学習。
教材の程度は,生徒の発達段階と言語環境に配慮してい ます。
◆ 硬筆・毛筆教材とも,生徒の発達段階や言語環境に照らして,親しみをもって学習できるよ う教材語句や書式教材を取り上げました。
書式教材:原稿用紙(1 年:P.22),郵便物(1 年:P.36 〜 39,2 年:P.28 〜 29,P.30,3 年:
P.42,48)罫紙(1 年:P.20 〜 21,23,47,2 年:P.20 〜 23,3 年:P.42,47),学校生活(1 年:P.40 〜 43,2 年:P.31 〜 33,3 年:P.46 〜 49)
教材の分量は,国語科書写の指導事項を過不足なく学習 できるようにしています。
◆ 1 年は年間 20 時間,2 年は年間 20 時間,3 年は年間 10 時間という限られた時間ではあっても,
書写学習の成果が得られるよう編集の工夫をしています。
毛筆教材数
硬筆・毛筆の書風は,穏健中正で,中学生にとって適切 なものとなっています。
◆ 教材の書風は,硬筆・毛筆ともに自然な筆使いで,中学生にとってふさわしく,学びやすい 書風です。硬毛関連学習にも十分配慮して,執筆しています。
1 年:9 〜 13 教材,2 年:7 〜 13 教材,3 年:3 〜 9 教材 全教材
4 特色・工夫
内容の 創意・工夫と 学習の主体化
学習の内容や手順を明確にすることで,子どもが意欲的,
主体的に学習できるようにしました。
◆ 生徒が主体的に学習できるように,各冊の巻頭には「学習の進め方」を掲載し,生徒自らが 学習内容や手順を確認しながら主体的に学習することができます。
「学習の進め方」1 年:P.1,6 〜 7,10,16,18 〜 19,28,30,32,44,53 〜 56,全般 2・3 年:P.1,6,8,10,13,16 〜 17,18,36,38,57 〜 60,61 〜 64,全般
1,2・3 年では,「目標」「考えよう」「生かそう」「振り返ろう」のアイコンにより学習活動 をナビゲートし,生徒自らが,単元の学習手順がわかるように工夫しています。
書写学習を中心において,日常生活や他教科での学習に つなげていくことができる教材にも配慮しています。
◆ 書写学習の成果を,他教科や日常生活などの書写場面に生かしていくことができるよう,教 材を設けています。また,書写に対する興味・関心を深める教材も多く,書写から総合的な 学習への発展も可能な教材です。書写力を活用する場面が広がり,意欲を高めるとともに,
書写力の定着・応用を図ることができます。
1 年:口絵(国語,総合),P.2 〜 3(国語),P.14 〜 15(地理,総合),P.18 〜 19,20 〜 21,
22(国語),P.23,P.36 〜 37(総合),P.40 〜 43(国語,総合),裏表紙(国語)
2 年:口絵,P.15(歴史,総合),P.2 〜 3,P.16 〜 17,20 〜 23(国語),P.18 〜 19(国語,音楽),
P.24 〜 25(地理,総合),P.28 〜 33(国語,総合),3 年:P.40 〜 41(国語),P.42 〜 45(総合)
生徒を主体的な学習に導く編集上の工夫をしています。 ◆ 書き込み欄は,生徒自身が問題解決を図るように設定されているので,書写力の定着を図る ことができます。
◆ 配列教材に設けた毛筆原寸大教材と折り込みの書き初め教材は,生徒の意欲を高め,教材に 対する理解を深めます。
◆二色筆による筆使いの解説は,視覚的に理解しやすく毛筆学習に効果的です。
1 年:P.20,27,35,各毛筆教材見開き,2 年:P.5,12,22,3 年:各毛筆教材見開き 1 年:P.6 〜 7,53 〜 56 2 年:P.57 〜 60 3 年:P.61 〜 64
1 年:P.8 〜 9,11,17,25,26,29,31,33,44 2 年:P.7,9,11,14 3 年:P.37,39
「選択課題」教材や,「発展」コラムにより生徒の「個 に応じた」学習にも対応しています。
◆ 1,3 年では「選択課題」教材を設けています。生徒一人一人の習熟度,課題に合わせて教材 を選び,興味をもって主体的に取り組み,深めていくことができます。
◆ 生徒の興味・関心,習熟度に応じて発展的に学習できる「発展」コラムを掲載し,学びの意 欲に応えて,個に応じた学習ができます。
選択課題教材の例 1 年:P.44『広がる世界』『理想』 3 年:P.46 〜 49 A 卒業文集の題字 B 今日の言葉カレンダー C 感謝の手紙やはがき
補充教材集 1 年:P.46『出発』『名作』『前進』『伝統文化』
2・3 年:P.50 〜 51『実現』『古典に学ぶ』『約束』『銀河』『世界大会』『旅立ちの朝』
「発展」の例 1 年:裏表紙「行書と仮名の調和」 2 年:P.15「気持ちのつながりから文字 のつながりへ」 3 年:P.39「王羲之の書」
5 印刷・造本
印刷・造本への 配慮
書写の教科特性を考え,水や墨汚れにも強く,堅牢な造 本となっています。
◆ 毛筆・硬筆の書き文字や図,写真などの印刷は,鮮明で目にやさしいものとなっています。
◆ 表紙は,全学年にわたり撥水コーティング加工を施しているため,水や墨汚れに強い堅牢な 造本となっています。
◆ カラーユニバーサルデザインに配慮して,見やすいカラーデザインになっています。また,
環境にやさしい再生紙と大豆油インキを使用しています。
◆印刷にはバイオマスで発電されたグリーン電力を使用しています。
毛筆文字の墨色の鮮やかさや,鉛筆文字の特色がよく表れる印刷技術を使用しています。姿 勢図,用具の持ち方など,鮮明なカラー写真により楽しく親しみやすい教科書です。
表紙の表面加工は,氏名欄を型抜き加工を施してあるのでどんな筆記具でも書き込めます。
紙面の白色度を高くしています。
平成 24 教 内容解説資料