第5学年1組 国語科学習指導案
【書くこと×読むこと(説明文)の複合単元】
1 単元でつけたい力
・文章の内容を的確に押さえて要旨をとらえたり,複数の文章を比べて読んだりする。
・見出しや記事の表現の効果を確かめたり工夫したりして書く。
2 単元名 自分の思いが伝わる新聞を発行しよう 3 単元を貫く言語活動とその特徴
本単元を貫く言語活動として,新聞作りを位置づけた。新聞には,「事実」と,「新聞社の 見方や考え方」が書かれている。第三次で新聞を発行するときに,自分の思いを読み手に伝える ためには,どんな「見出し」や「記事」にしたらよいのかということを考えるために,第二次の
『言葉と事実』を読む。筆者が,取り上げた言語表現の事例とその影響,影響を与えた理由を押 さえて読み,自身の言語生活も振り返りながら,事実をとらえる際の言葉の働きについて考える。
また,新聞を持ち寄り,同じできごとを知らせた見出しなどを比べて読むことで,見出しや記 事の意図や効果について考えさせていく。受信する側の感想が変わったり,読み手にこう感じて ほしいという発信側の思いを持って事実を伝えたりするという,「事実」と「意見」の関係をと らえられるようにする。そして,第三次では,第二次で学んだことを生かしながら,自分の意見 や思いが表せるように,見出しや記事の表現の効果などについて確かめたり工夫したりしながら,
新聞記事を書いていく。
4 単元について
(1)児童について
4学年では,『じょうほうをもとめて読む』で,「読むこと」の指導事項である,「段落相互の 関係や事実と意見の関係を考え文章を読むこと。」について学習してきた。実態調査を見ると,
「序論,本論,結論」という段落相互の関係は,83%の児童がとらえることができていたが,
「文章の中から事実を読み取る問題」や「事実に対しての感想を読み取る問題」について,概ね 満足できる児童は,両方とも74%に過ぎなかった。また,「物の進化」について調べるために 本を選んで読むという活動もしてきているが,読むことによって何を得ようとするのか,またど のように活用しようとするのかなどについては,よく考えられているとは言えない。
「書くこと」については,1,2学年で,「文章を読み返す習慣をつけるとともに,間違いを直 す」という内容,3,4年生では,「文章の間違いを正したり,よりよい表現に書き直す」とい う内容について学習してきたが,主語と述語の関係,長音や拗音などの表記の仕方,敬体と常体 などの文末表現の使い方などが明確でない児童が多く,児童自身が間違いを正すことは,なかな かできていない。
そこで,本単元では,「事実」と,その記事を書いている新聞社の「意見」などを的確に押さ えたり,複数の新聞記事を比べて読み,その言語表現の効果について考えさせていきたい。そし て,第3次の「新聞作り」では,自分の考えを明確に表しているかということを確かめながら,
記事や見出しを書かせていきたい。
(2)単元構成及び教材について
【単元のめあて】
⑮
② ③ ④ ⑤ ⑩⑪⑫ ⑬⑭
取材
(何を誰にどんな方 法で)※情報を深める。並 行 読 書 (毎日,新聞を読む)
(3)指導について
本単元では,導入(第一次)で,「自分の思いが伝わる新聞を作ろう」という単元の見通しを 持たせ,「新聞を書くために読む」ということを意識させて学習を進めていきたい。
「では,『言葉と事実』を読むことが新聞作りの何につながるのか。」そう,子どもに問いか けたら,学習前に,繰り返し音読をしているので,「表現する人によって,同じ事実でも言葉は 変わる」ということが書かれていることから,新聞を書くときの「見出し」や「記事」の言葉 の選び方を学ぶために読むのだとわかると思う。
展開部(第二次)では,まず,第二教材の『新聞を作ろう』の学習を始め,「新聞の構成の仕 組み」や「新聞の作り方」を指導する。新聞に書く内容を決め,取材計画を立て,取材まで終わ ったところで,『言葉と事実』の読解に入る。子どもたちは,「事実は同じでも言葉が違うと,
読み手に与える印象が違う。」ということを理解し,自分が作る新聞について,「自分の思いを 伝えるためには,どんな見出しにしたらよいか。」「本文の表現は適切だろうか。」ということを 考えながら読み進めさせたい。
そして,発展部(第三次)では,いよいよ取材したこと記事にしていく。『言葉と事実』で学 んだことを生かし,自分の思いが伝わるような表現で記事や見出しを書くようにさせたい。見出 しについては,「こんな思いを伝えたいのだけれど,こんな見出しはどうか。」「どんな見出しが よいか。」ということを,同じ新聞社の友達と話し合わせ,よりよい言葉を吟味できるようにさ せたい。
また,同じ学習を5年2組でも行うことで,5の1(白組)の立場の新聞と,5の2(赤組)
新聞の仕組みを調べよう
新 聞 の 作 り 方 を 調 べ よ う
テーマを決めよう 編集会議をしよう 記事を書こう 記事にあた見出しをつけよ
う話し合い できた新聞を発行し新聞コンテストをしよう
新聞の作り方を
知
ろう。 言葉 と事実
☆同じ事実でも,表 現する人によっ て,言葉がちがっ てくる。
新聞を作ろう。
自分 の思 いが伝
わ る新聞
を
発行
し
よう 。
の立場の新聞を比べることもできると考える。新聞ができあがったときに,新聞を交換し合い,
同じ内容の記事の見出しなどを比較し,「立場が違うと言葉が違う」ということを再確認させた いと思う。
なお,単元に入ったときから,新聞を読み,その要点をまとめて感想を書く活動をしていくこ とで,日頃読むことの少ないであろう「新聞」に親しめるようにさせるとともに,要点やまとめ る力もつけていきたい。斎藤孝さん考案の,「三色ボールペン読書法」を取り入れて指導してい く。
青色…(客観重要)誰から見てもある程度大事であろうというところに,気楽な気持ちで引く。
赤色…(客観最重要)誰から見てもここが最重要であろうというところ,その赤線部だけを見 せれば文章の主旨が伝わると言うところに,絞り込んで引く。キーワードだと思う言 葉はグルグル囲む。
鉛筆…(主観大切)自分が勝手に「おもしろい」と感じたところに引く。要約とは全く無関係 で構わない。
ワークシートには,「大見出し」「中見出し」を書き抜き,その下に「要点」「感想」を書く。
それを10分間で行うようにさせたい。
毎日1つの共通の記事を読み,それ以外にも自主学習でどんどん読めるように指導していきた いと思う。
仮説1
文章の姿をとらえ,課題を持つ力をつけることができれば,子どもたちは主体的に取 り組み,読む力がつくであろう。
<文章の姿> ※これを縦書きにする。
①課題文を見つける,どれが説明文を貫く課題文であるのかを考えさせる。その答えはど こか。そのための例は何か。と考えていき,それを短冊に表し,(教科書のコピーを切 り)自由に動かしながら文章構成図を作れるようにする。
仮説2
単元を貫く言語活動を考え,読んだことを再構築させれば,深まりのある読みができ るであろう。
①2つの事例で筆者の考えを読み取った後に,それと同じことを,日常生活の中から探 し,自分の言葉で説明する。
②第三次の新聞作りで,自分の思いが伝わるような「見出し」や「記事」にするために どうしたらよいのかを,第二次の『言葉と事実』を読み取って学ぶ。自分がつけた見
(一)①② イソップ童話の「うそつき少年」の話
↓
(二) ③ 言葉は,事実と結びついていれば,どんな言葉を使っても 同じように受け取られるでしょうか。
↓ そうではない。
(三)④⑤⑥⑦⑧ リレーの対抗戦の例 (四)⑨⑩⑪ 数十年前のアメリカのあるデパートのこと
(五) ⑫ 2つの例についてのまとめ
↓
(六) ⑬ 説明文のまとめ
出しや記事が,効果的な表現かどうかを交流活動で話し合って手直しをする。
仮説3
単元と関連させた読書活動を取り入れていけば,読書の幅が広がり,進んで本を読ん だり,活用したりする力がつくであろう
①毎日,子ども新聞の記事を読み,感想を話し合ったり,見出しについて考えたりする 活動をする。
②同じニュースの記事の「見出し」の言葉を比べ,書き手が事実に対して「どのような 見方」をし,「どのような目的」で,「何を伝えようとしているか」を考え,受ける印 象がどう違うかを話し合う。
5 単元の指導目標
○意欲的に取材をし,見出しや記事の表現の効果などについて友だちと一緒に考えながら 新聞記 事を読んだり書いたりしようとすることができる。(関心・意欲・態度)
○表現の効果などについて確かめたり工夫したりしながら,見出しや記事を書くことができる。(書くこと オ)
○「言葉と事実」を読んで,表現の仕方によって同じ事実がさまざまな印象を与えることを知ると ともに,見出しや記事の表現の仕方に注意して新聞を読むことができる。(読むこと ウ カ)
○語感,言葉の使い方に対する感覚などについて関心をもつことができる。
(伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 イ(カ))
6 単元の評価規準
関心・意欲・態度 書く能力 読む能力 言語についての知識・
理解・技能
・言葉と事実の関係につ ・記事の内容と見出しの適 ・筆者の挙げている事例 ・新聞記事との関わりが いて関心を持ち,文章 切さ,効果などについて について的確にとらえ わかる見出しをつけて を読んだり新聞記事を 考えて紙面作りをしてい ている。 いる。
書こうとしている。 る。 ・新聞の見出しの記事の
意図や効果について比 べながら読んでいる。
7 単元の指導計画 (15時間)
過程 育てたい力 学習活動(
○
方○
基 評価方法,評価基準) 形態< 学習のゴール>
自分の思いが伝わる○○新聞を発行し,『新聞コンテスト』を開こう。
見 ・単元の見通しを持つことができ
出 る。 いろいろな新聞を読んでみよう。
す ・いろいろな新聞を知り,読むこ
(1) とができる。 ○単元の見通しを持つ。(仮説1) 一斉
○いろいろな新聞を知り,読む。 一斉
○
方○
基いろいろな新聞を進んで読むことができたか。・新聞のテーマを考えることがで
きる。 新聞のテーマを決めよう。
○みんなで話し合い,共通のテーマを決める。 個→
○
方○
基 自分が書きたい記事について,発表するこ 一斉考 とができたか。新聞の作り方をノートに順序よ
え くまとめることができたか。
る
(11)・新聞の仕組みについてとらえる 新聞の仕組みを調べよう。
ことができる。
○新聞の仕組みを調べる。 一斉
○
方○
基 新聞の仕組みを知り,実際の新聞でそのこ とを確かめることができたか。(題号など,そ れぞれを囲む)・新聞の作り方を知ることができ
る。 新聞の作り方を調べよう。
○教科書を使って,新聞の作り方を調べる。 一斉
○
方○
基 新聞の作り方をノートに順序よくまとめる ことができたか。・取材や資料作成の計画を立てる
ことができる。 編集会議をしよう。
○班ごとに,新聞の紙面内容,取材内容,取材方 班 法を決める。
○
方○
基 話し合いで意見を述べることができたか。・計画をもとに,協力して取材を
する。(休み時間など) 計画書をもとに,取材をしよう。
○取材をする。 個
○
方○
基 自分の分担の取材を意欲的にしているか。・文章の姿をとらえることができ
る。 言葉と事実の文章の姿をとらえ,読みの課題
・説明文を貫く課題文をとらえる をつかもう。
ことができる。
○文章の構成について図にまとめる。(仮説1) 個
○
方○
基 課題文,接続詞に目をつけて,文章構成図<読みの課題> にまとめることができたか。
言葉は,事実と結びついていれば,どんな言葉を使っても同じように受け取ら れるでしょうか。(→そうではなさそうである。伝える人によって,使う言葉がちがってくることがあるから)
(一~三段落)
・「言葉」「表現する人の立場や感 「リレーの対抗戦を伝える見出し」の例 じ方」を読み取り,表にまとめ を通して,筆者は,「言葉」と「事実」
て説明することができる。 の関係について,何を伝えたいのだろうか。
・生活の中で同じような事例を探
し,説明することができる。 ○3人の「言葉」「表現する人の立場や感じ方」 個→一
とらえさせたいこと を読み取り,表にまとめる。 斉
○表を使って,「受け取る側の印象」も加えて説 一斉 事実は同じでも,表現する人の 明する。
立場や感じ方によって,言葉が ○この例のようなことを日常生活から探し,筆者 個→一 ちがっている。 の考えを自分の言葉で説明する。(仮説2) 斉
言葉がちがうと,受け取る側
○
方○
基 3人の「立場や感じ方」「言葉」をワーク の印象もちがう。事実と言葉が, シートに抜き出したり,左記のような内容を説 結びついていても,人がちがえ 明をしたりすることができたか。ばことなった言葉で表され,こ となった印象をあたえることが ある。
(四~五段落)
本時 ・「事実」「言葉」「結果」「印象」 「アメリカのデパート」の例を通して,筆者 8 を読み取り,表にまとめること は,「言葉」と「事実」の関係について何を
/ ができる。 伝えたいのだろうか。
15 ・生活の中で同じような事例を探
し,説明することができる。 ○「事実」「言葉」「結果」「印象」を読み取り, 個→一
とらえさせたいこと 表にまとめる。 斉
○「言葉」と「事実」のどのような関係を表して 個→一
「受け取る側にこんな印象をあた いるかについて,筆者の考えを説明する。 斉 えよう」と考えて,言葉が用い ○自分自身の言語生活を振り返る。(仮説2) 個→一 られることもある。
○
方○
基 左記の内容を抜き出すことができたか。 斉(六段落)
○『言葉と事実』における筆者 筆者の意見を,実際の新聞で調べよう。
の主張について,実際の新聞記
事で調べて自分の意見を持つこ ○見出しを比べ受ける印象から,書き手の見方や目
とができる。 的,伝えたいことを考えて話し合う。(仮説3) 個→班
○⑬段落で筆者の考えをまとめ,「言葉」「事実」
について自分が考えたことを200字程度に書 個 き,それに見出しをつける。
○
方○
基 筆者の考えをとらえ,自分の意見を持てた か。(見出しの内容で評価する。)・「リード文」の役割について理
解し,3行にまとめて書くこと 取材したことをもとに,記事を書こう。
ができる。
・本文を段落を意識しながら,詳 ○「リード文」→ 「本文」を書く。 個 しく書くことができる。 ○図や写真を組み込み,読み手の興味を引く紙面 個
・図や写真を効果的に組み込み, を作る。
自分の考えを入れることができ
○
方○
基 「リード文」の役割について理解し,3行 る。(3時間) にまとめることができたか。「本文」を詳しく書くことができたか。
○記事についての自分の考えを書く。(社説) 個
○
方○
基 自分の考えを書くことができたか。○読み手に伝えたいことが伝わる
見出しや記事かを考え,意見を 伝えたいことが伝わる見出しや記事にしよ 深 言うことができる(2時間)。 う。
め
る ○持ち寄った記事について話し合って直したり, 班
(2) 割り付けを決めたりする。(仮説2)
本時 ○伝えたいことが伝わる見出しを話し合い,書く。(仮 班
② 説2)
( 1 4
○
方○
基 伝えたいことが伝わる見出しを考え,意見/15 を述べることができたか。
ま ○他の新聞社と自分の新聞社の紙
と 面を比べ,気づいたことを話し 他の新聞社と記事の内容を比べ,感じたこ
め 合う。 とを話し合おう。
あ
げ ○自分たちの新聞と,他の新聞社の新聞を比べ, 班
る 「自分たちの新聞のよさ」と「他の新聞社のよ
(1) さ」について話し合う。
◆自分たちの新聞のよさを紹介すると共に,他の 新聞のよさを見つけることができたか。
8 本時の指導(8/15)
(1)目標
○示されたお題に,印象がよくなる「言葉」をつけようとしている。 (関心・意欲・態度)
○デパートの事例が,「人は,言葉だけを信用し,事実に目を向けずに行動してしまうことがある」
という筆者の考えを伝えていることを読み取ることができる。 (読むこと ウ)
○同じ商品のハンカチにつけた札の異なった表現(言葉)ついて,その感じ方に関心を持つこと ができる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 イ(カ))
(2)展開
時配 学習活動 教師のかかわり((
○
指支援,指導/○
評評価/○
方○
基評価方法,評価基準) 資料 1 1 前時の振り返りをする。 ・「リレーの対抗戦」では,筆者は,「事実 ・掲示物と言葉が結びついていても,人(立場)が ちがえばことなった言葉で表され,異なっ た印象をあたえる」と言うことを伝えてい たことを確認する。
1 2 本時のめあてをつかむ。
「アメリカのデパート」の例を通して,筆者は,「言葉」と「事実」
の関係について何を伝えたいのだろうか。
3 3 4段落の音読をする。 ・この例は,どんなことに注意を向けた例か,
前時とは違うことをふまえて考えながら読 この例は,どんなことに ませる。
注意を向けた例ですか。
・言葉のあたえる印象のちがい ・「事実」「言葉」「売れ行きのちがい」につ いて確認する。
19 4 アメリカのデパートの例を通 プリント
して,筆者が伝えていることを <伝統>
読み取り,説明する。
○
指挿絵と札を使って自分の言葉で説明さ せる。印象にどんなちがいがあるので
○
評同じ商品のハンカチにつけた札の異な しょう。プリントにまとめまし った 表現(言葉)について,その感ょう。 じ方に関心を持つことができているか。
○
方○
基プリントに要点をまとめることがで・①は,よいハンカチを特に安く きているか。
売ると感じる。
○
指「どうしてこんなことが起きたのでし・②は,人目を引かない言葉 ょうか。」という課題文を見つけさせ その答えを探させる。
◎筆者がこの例を通して,伝 えていることは何でしょう挿
絵を使って説明をしましょ <読むこと>
う。
○
指サイドラインを引かせる。○
評「人は,言葉だけを信用し,事実に目・人は,言葉だけを信用し,事 を向けずに行動してしまうことがある。」
実に目を向けずに行動してしま という筆者の考えを伝えていることを読 うことがある。 み取ることができているか。
・①は,買いたくなる言葉だけど,
○
方○
基サイドラインが引けているかを確認す②は,よいハンカチでないよう る。
に感じ,興味がわかない。この
○
指アメリカのデパートの例の終わりを確 ように,同じものなのに,言葉 認し,まとめは,最後に書かれている だけを信用し,事実に目を向け ことを確認する。ずに行動してしまうことがあ る。
20 6 提示された題材にキャッチコ <関心・意欲・態度>
ピーをつけ,話し合う。(仮説2)
○
指印象がよくなる言葉を1文で表すよう に指導する。次の物の印象がよくなるよう
○
評示されたお題に,印象がよくなる「言 な言葉をつけてください。 葉」をつけようとしているか。班で話し合いましょう。
○
方○
基積極的にワークシートに書いたり,話し合いに参加しているか。
・ステーキ
○
指例を示す。やわらかくてすぐに切れる,口 の中でとろけるステーキ
1 7 次時の予告をする。 ・実際の新聞記事の見出しを比べ,筆者の意 見を確かめることを予告する。
(3)板書計画&ワークシート
・ ・
印象のちがい
9 単元で並行読書した本
言葉と事実
福島 周亮
「アメリカのデパート」の例を通して,筆者は,「言葉」と「事実」の関係について何を伝えたいのだろうか。
①織り
の やわら
か い,
交 じ り け のない
ア イル ラ
ンドあさのハンカチーフ
特価三枚五十セント 言葉 事実同じ商品のハンカチ
② 手 ふ き
三枚二十
五セ ント
言葉
よいハンカチを特
に安 く
売ると感じられる。
人目を引かない。
☆ステ
ー キ
☆ う さ ぎ
・やわらかくて,すぐに切れる。口の中でとろけるステーキ
・ふわ
ふ わ の 毛にクリクリ
の目。
ぬ いぐ るみのよ
うな
うさ ぎ
○朝日小学生新聞(毎日トップ記事を読み,要点をまとめた。)
○読売こども新聞 (自由に読めるように置いておいた。)
10 単元の指導計画について
○第一次,第二次,第三次の流れは,計画通りでよい。
指導案の流れであれば,子どもたちは,「思いが伝わる新聞を作る」という目的のために,
必要なときに必要な学習をすることができると感じた。ただ記事を書く時間は3時間と計画し たが,清書をする前に同じ新聞社の人と下書きを見せ合い,添削し合ったりすると足りないし,
個人差も大きい。清書完成日を設定し,家庭学習でも進めさせるようにした。
11 単元終了時の成果と課題
手立て 成果○ と 課題△
・前から後ろまで,平面的に読むだけでは, ○とてもわかりやすかったようである。
仮 文章構成をとらえられない子どもたちが多 ①課題文を3つとらえ,どれが説明文を貫く くいるので,教材文を切って,構成を話し 課題文であるかということを話し合いでは 説 合いながら立体的に並べた。 っきりさせることから始めた。
②次に,その答え(筆者の考え)の文となる
1 が,この説明文はすぐに書いてある。そこ
で,その考えを説得させるための例2つを とらえて貼る。
③後は簡単。課題文の前に書いてあるのは,
説明文のきっかけとなる部分ということで 貼り,例の後に書いてあるものは,結論と,
最後に要旨。
読解の時も,こうして作ったシートを使った。
下位の子どもたちも,今日はどこの部分を読む のかがわかりやすかった。
<単元の姿> <文章の姿>
手立て 成果○ と 課題△
・「(新聞を)書く」ために「(説明文を)読 ○説明文を読む必要感を感じながら学習ができ む」という目的意識を持たせるために,教 たと考える。自分で新聞を作るときにも,説 科書の教材の配列を入れ替えた。 明文で学んだことを考えながら,見出しの言
葉を選んぶことができていた。
仮 ・教科書の例から読み取ったことを,自分の ○教科書に書いてある説明文をそのまま読むだ 言葉で説明をさせる。 けではなく,自分で考えた例や気持ちを付け 第一次の最初に,「この単元は,新聞を作
る 学 習 を し ま す 。 で は, な ぜ,『 言 葉 と 事 実』の説明文の学習をするのでしょう」と,
問いかけた。学習前から繰り返し音読を しているので,「言葉」の受け取る印象 や与える印象について学ぶということは 理解されていた。
上記の表に記したような順に 話し合いながら,どんどん切っ て作っていった。1時間ででき た。次時からは,これを教科書 として使って読解を進めた。
説 加えて説明することにより,理解が深まった。
・教科書の例を理解した後に,生活の中から ○自分の言葉で,のびのびと説明することがで 2 同じような例を考え,キャッチフレーズを きた。
考えさせた。 △適した例題を考えるのが難しい。
・説明文の学習後,取材したことをもとに記 ○「自分の思いを伝える」ということは「思い 事を書き,「どんな思いを伝えたいか」と を持たなくてはならない」ことであり,主体 いうことを同じ新聞社の人に伝えながら, 的な記事作りになった。
見出しの言葉について話し合わせた。 ○ここまで読んできた新聞や広告の言葉の使い 方を参考にしながら,よく話し合っていた。
△記事を書き上げるペースに差があったが,記 事はできていなくても,見出しの言葉につい ての話し合いをいうことで,授業では活動し た。
手立て 成果○ と 課題△
・「自分で新聞を作る」という目的があるの ○「新聞の作り方」や「見出し比べ」などでは,
仮 で,教材文だけでなく,それを確かめるた より理解が深まっただろうし,新聞作りの時 めにも,実際の新聞や広告を活用しながら にも,「紙面割り付け」や「見出しの文字の 説 授業を進めた。 大きさ」などで,参考になったと考える。
・第一次で,「新聞を作って発行する」とい ○日常,新聞を読むことは少ないので,興味深 3 う単元の見通しを持ったら,「こども新聞」 く取り組んでいた。要点のまとめ方も改めて を読む活動を始める。置いておくだけでな 指導した。子どもたちは,単元が終わっても く,印刷して毎日1枚ずつ読ませ,要点を この活動は終了せず,学年末まで,興味深い まとめさせて記録させ,それを個々に綴ら 記事を中心に読ませ,綴らせていきたいと思 教科書の例題について,自分の言葉で説明している。
(左)富士山山開きの見出し(右)アメリカのデパートの札
アメリカのデパートの札
の説明
●児童A
①は,文章が長く,良さが 伝わって,見た人が欲し くなります。長いほどい いことが書いてありま す。
②は,あっそうという感じ です。
つまり,言葉によって受 け取り方が違います。
●児童B
①は,「ハンカチーフ」と いうぱっとする言葉で,
おしゃれでに感じます。
②は,「手ふき」というぱ っとしない言葉で,どこ にでもありそうな安物感 があります。
値段は①の方が高いけど 気にしないくらいよい印 象を与えています。
●児童C
①は,「織りのやわらかい」
の言葉だけで,よいハン カチに見えるし,¥「交 じりけのない」という言 葉で,人が釘付けになり ます。
②は,ふつうです。
だから,事実は同じでも手 受け取り方が違うと言うこ とが言えます。
「休み時間,教室で,大声で話したり,わらったりしている5年1組」
このことについて,よい印象をあたえる言葉とよくない印象を あたえる言葉を考え,話し合い,班ごとに発表した。
各々がノートに下書きした 記事を,同じ新聞社の中で 読み合い,誤字脱字だけで なく,「思いを伝える」と いう観点で推敲し合った。
記者は,「こんな思いを伝えたい」
と新聞社の仲間に伝え,それならば こんなのはどうかと,話し合って決 めていった。これで完成。
写真も入れ,
記 事 も 清 書 し , い よ い よ「見出し」。
せていった。 う。
12 自分のふり返り
学習のゴールを最初に示し,そのためにどんな学習をしなけ ればならないのかということを,子ども自身が見通すことで,
主体的な読みができると言うことを実感した。そして,それが 子どもたちにとって魅力的なものに映らなければ意味がない。
また,言語活動ありきにならないように,その言語活動をすれば,自然にこの単元で育てたい力が つくというような言語活動を計画しなければならない。当然,指導も,評価も,育てたい力を頭に入 れて行う。当たり前のようだが,いい加減になりがちである。
そして,個人差に対応した指導をしていかなければならない。この子どもには,この部分だけをや らせる,この子どもには,ヒントカードを与えるなどの工夫が必要であるが,今回,不十分であった と反省する。
同じニュース記事の見出しの 言葉を比べ,「書き手の見方 や目的」,受け取る側の印象 を話し合った。
新聞社(班)ごとに,違うニ ュース記事を与え,話し合っ た結果を発表した。
アメリカのデパートの例のあと,
広告チラシを見て,商品のキャ ッチフレーズで,受ける印象に
新聞記事を印刷して配り,その要点を10分間でまとめた書い た。記事に対する自分の気持ちを付け加えさせた。1日1枚を 目標に,画用紙に貼っていった。(要点のまとめ方を指導)
5年生終了まで,時々行っていく予定である。
子どもたちの眼に触れるよう,