本郷祭過去問解説会算数第 1 回入試
1⑴8 × (■− 9) ÷ (4 ÷ 7 − 1 ÷ 3) − 6 ÷ 5 = 2
(8 ×■− 72) ÷ (4
7−1
3) −6
5= 2
(8 ×■− 72) ÷ (12
21− 7
21) −6
5= 2
(8 ×■− 72) ×21
5 −6
5= 2
(8 ×■− 72) ×21
5 =16
5
8 ×■− 72 =16
21
8 ×■− 72 + 72 =16
21+ 72
8 ×■= 7216
21 ↙整数部分も分子も8の倍数の為、仮分数にせずに計算する。
■=9212または191
21
⑵(1.125 − 0.25) × 32 − 14 ÷ {2.8 ÷ (3.14 −507)} =■
=(118−14) × 32 − 14 ÷ {2.8 ÷ (314100−10014)}
=(98−28) × 32 − 14 ÷ (145 ÷300100)
=7
8× 32 − 14 ÷1415
=28 − 15
=13
2⑴毎時0.6㎞で流れている川があります。下流にA地点、上流にB地点があり、A 地点とB地点の間を静水での速さが一定の船で往復したところ、A地点からB地 点まで進むのに9時間、B地点からA地点まで進むのに6時間かかりました。
このとき、A地点とB地点の間は何㎞離れていますか。
≪解説≫
~流水算の基礎知識~
上りの速さは【静水時の船の速さ-水流の速さ】
下りの速さは【静水時の船の速さ+水流の速さ】
これを踏まえて問題を解いていきます。
図1は問題の条件を線分図に落とし込んだものです。上りにかかった時間が9時間、
下りにかかった時間が6時間です。そしてかかった時間の比は速さの比の逆比にな り、時間の比が上り:下り=③:②なので速さの比は上りの速さ:下りの速さ=②:③とな る。ここで上記の流水算の基礎知識を使います。静水時の速さを『静』、流水の速さを
『水』とすると、上りの速さは静-水=②、下りの速さは静+水=③となる。よって
①=水×2となります。水=毎時0.6㎞と問題にあるため、①=毎時1.2㎞となりま す。そして、下りの速さは③のため、1.2×3=毎時3.6㎞となります。
最後に、下りには6時間かかったので3.6×6=21.6 よってAB間は21.6㎞もしくは213
5㎞、もしくは108
5 ㎞
⑵濃度が4%の食塩水が250gあります。この食塩水に濃度が12%の食塩水を何gか混 ぜ合わせたところ、濃度が7%の食塩水になりました。このとき、濃度が12%の食塩 水を何g混ぜ合わせましたか。
≪解説≫
食塩水の問題はいろいろな解き方がありますが、今回は面積図を使って解いていきま す。
図2は問題をもとに面積図を描いたものです。この面積図を解き□の値を求めます。
(7-4):(12-7)=3:5よって、逆比をとって250:□=⑤:③ 50=①
□=150
よって加えた食塩水は150gです。
⑶下のようにある決まりにしたがって数字が並んでいます。
1、2、2、3、3、3、4、4、4、4、5、5、5、5、5、6、6…
この数の列の1番目から42番目までの積は、3で何回割れますか。
≪解説≫
42=1+2+3+4+5+6+7+8+6
よって3で割り切れる3、6、9はそれぞれ3回、6回、6回出てきます。
3と6は一回、9は二回3で割れるため3+6+6×2=21 答えは21回です。
⑷ある文房具屋では値段の異なる3種類のペンを売っています。値段はそれぞれ 100円、150円、200円です。どのペンも必ず1本は買って、代金の合計がちょうど 1600円になるようにペンを買うとき、3種類のペンの本数の組み合わせは全部で何通 りありますか。
≪解説≫
どのペンも必ず1本は買うので、1600-100-150-200=1150円の組み合わせを考え ます。200円のペンは一番値段が高いのでそれを何本買うかで場合分けします。
① 200円のペンを買わなかった場合(0本)
100と150で1150を作る組み合わせは(100×10+150)、(100×7+150×3)、
(100×4+150×5)、(100×1+150×7)の4通りとなります。
別解として1150の十の位が50というところに注目して、50を作れる組み合わせを考 えます。すると150を奇数個作ったときにそうなることがわかり、
1150÷150=7あまり100より1,3,5,7の4パターンが考えられるため、4通りと 求まります。
② 200円のペンを1本買った場合
1150-200=950円。上記の別解を使って解くと、950÷150=6あまり50 6の中に奇数は3個。よって3通りとなります。
③ 200円のペンを2本買った場合
1150-200×2=750円。上記の別解を使って解くと、750÷150=5あまり0 5の中に奇数は3個。よって3通りとなります。
④ 200円のペンを3本買った場合
1150-200×3=550円。上記の別解を使って解くと、550÷150=3あまり100 3の中に奇数は2個。よって2通りとなります。
⑤ 200円のペンを4本買った場合
1150-200×4=350円。上記の別解を使って解くと、350÷150=2あまり50 2の中に奇数は1個。よって1通りとなります。
⑥ 200円のペンを5本買った場合
1150-200×5=150。上記の別解を使って解くと、150÷150=1 1の中に奇数は1個。よって1通りとなります。
(200円のペンを6本買うと1150円をオーバーするためこれ以上は考えない。) 最後に①~⑥の場合を足し合わせると
4+3+3+2+1+1=14となり、3本買って1600円になる組み合わせは14通りです。
⑸たくさんのアメ玉のうち、全体の個数の4
13をA君が取り、A君が取った後の残りの
3
10をB君が取り、残り全部をC君が取りました。A君とB君が取ったアメ玉の個数の 差が26個になるとき、C君はアメ玉を何個取りましたか。
≪解説≫
図3は問題文を線分図に落とし込んだものです。こうすることで頭が整理されること もあります。そしてこの図からわかるのがB君は全体の9
13(1 −134)の3
10のアメをとって いたことがわかります。
よってB君は全体の9
13×103 =13027のアメをとっていました。ここで、一度通分をしま す。
するとA君は全体の40
130のアメを、B君は全体の27
130のアメをとっていたとわかります。
ここで問題にはA君とB君の取ったアメの個数の差は13個であると書かれているの で全体の13
130(13040 −13027)のアメは26個であるとわかります。
よって全体のアメの数は26 ÷13013 = 260個と求まります。
A君は260 ×13040 = 80個、B君は260 ×13027 = 54個アメをとっていたとわかり、
260-80-54=126 よってC君は126個アメをとっていました。
⑹下の図のような1辺が1㎝の正方形を組み合わせた図形を、直線ℓの周りに1回転 させてできる立体の体積は何㎤ですか。ただし円周率は3.14とします。
≪解説≫
図4は左の図を回転させたときにできる立体を側面から見た場合の図です。パットこ れを見ても体積を求めるのは非常に手間がかかります。ここで登場するのが立体の移 動です。この図形は正方形からできているので1ます単位でみれば高さは同じです。
よってℓからの距離(半径)が等しければ、その正方形が回転する範囲の立体の体積は 等しくなります。そして、立体を移動します。
立体を移動すると前ページの図5のようになります。このような立体なら円柱3つに 分割して体積が求められます。下から順に①、②、③とします。ここで①、②、③を 一つずつ足していっても答えは出ますが、少々手間がかかるので最後に3.14をまとめ てかける方法にします。
(5×5×2+4×4×1+1×1×1)×3.14=210.38 よって答えは210.38㎝3
3[図Ⅰ]のような直方体の水槽に初めの高さが10㎝、幅20㎝の長方形の仕切りを底 面に垂直に入れました。今、(ア)の部分の真上から一定の割合で水を入れ始めます。
初め仕切りの高さは変化しませんが、[図Ⅱ]のようにちょうど(ア)の部分の深さが10
㎝になった瞬間に仕切りの高さは一定の割合で高くなります。
[図Ⅲ]のグラフは水を入れ始めてか ら水槽がいっぱいになるまでの時間 と(ア)の部分の深さの関係を表した ものです。このとき、次の問いに答 えなさい。ただし、仕切りの厚さは 考えないものとします。
[図Ⅲ]
⑴ 水は毎分何㎝3の割合で注がれていますか。
≪解説≫
問題には仕切りの厚さは考えないとあるので[図Ⅲ]より水槽がいっぱいになるまでに 32分かかったことがわかります。水槽の体積は20×20×40=16000㎝3です。よっ て、16000÷32=500㎝3 答えは毎分500㎝3となります。
⑵ [図Ⅰ]のⅹはいくつですか。
≪解説≫
[図Ⅲ]のグラフが折れ曲がるところはある変化が起きたところです。このグラフの一 個目の折れ曲がりは高さが変化する前の(ア)が仕切りまで水位が上がったというとこ ろになります。それまでに10分かかっているので、500×10÷(20×10)=25㎝ よ ってⅹは25です。
⑶ 仕切りが動いているとき、仕切りは毎分何㎝ずつ高くなりますか。
≪解説≫
まず、⑵同様に[図Ⅲ]の折れ曲がりに着眼点を置きます。[図Ⅲ]の二つ目の折れ曲がり は、(イ)の部分の水位が仕切りの高さまで来たということです。そして、水槽は
32-20=12分でいっぱいになります。よって20分の時点での水槽の上から仕切りま
での高さは12×500÷(20×40)=7.5㎝ よって仕切りの高さは20-7.5=12.5㎝とな ります。もともと仕切りは10㎝だったので、12.5㎝から差をとると2.5㎝仕切りが上 がったことになり、20-10=10分で上昇したため2.5÷10=0.25㎝。
よって仕切りは毎分0.25㎝(1
4㎝)で上昇する。
4H君とR君は本郷中学の生徒です。次の【問題】をふたりで協力して解こうとして います。
【問題】
[図Ⅰ]のように、正三角形ABCの中に円が接していて、その円の中に正三角形DEF
が接しています。さらにその正三角形の中に円が接しています。また、点Oは2つの 円の中心であり、点P、点Qは小さいほうの円の円周上の点です。三角形OPQが面 積5㎝2の正三角形であるとき、正三角形ABCの面積は何㎝2ですか。
以下は問題を解こうとしているふたりの会話です。
H君:こういう問題は考えやすいように一部の図を抜き出して考えるのが基本だよ ね。
R君:そうだね、抜き出してかいてみようか。
H君:うーん、さらにちょっと補助線をかき足して、正六角形を作ろう。
R君:なるほどね。[図Ⅱ]みたいになるんだね。
H君:さて、この正六角形の面積がⅹ㎝2ということはすぐ分かるけど…。
⑴ xの値を求めなさい。
≪解説≫
~補助線の引き方のポイント~
① 円の問題は必ず円の中心を点でうち、弧との接点を必ず結ぶ。
② 三角形の問題でわからない場合、底辺と平行な直線を引く。
③ 二等辺三角形は頂角から底辺に垂直二等分線を引く
④ 直角三角形は直角から斜辺に垂線を引く
これは私が実践して多くの問題を解いてきた手法です。参考になれば幸いです。
まず、正三角形OPQは補助線によって作られた六角形の1
6倍の面積になっています。
これから下の図で説明します。
上の図を見てください。これは[図Ⅱ]と同じ大きさの円に正三角形OPQと合同な図形 を6個詰めたときの図です。きれいに6個入っていますね。これをもとに計算する と、5×6=30㎝2 よってxの値は30となります。
R君:また別の図をかいてみようよ。H君:うーん、そうだな、こんなのをかいてみ るとどうだろう…
R君:[図Ⅲ]のこことここに垂直な直線を引くと、正三角形DEFの中で[図Ⅲ]の正六 角形の面積とそれ以外の部分の面積の関係が分かるよ!
H君:本当だぁ、正三角形DEFの面積はy㎝2だね!
⑵ yの値を求めなさい。
≪解説≫
この問題を解くカギは下の直角三角形です。これは正三角形を垂直に2等分した三角 形で、底辺と斜辺の長さの比が1:2になっています。これをもとに考えていきます。
まず、三角形OPFを見てみましょう。三角形OPQは正三角形なので、∠POQが
60°だとわかります。また、∠OPFが90°だということもわかっているので、自動的
に残りの一角は30°だとわかります。ここで登場するのが先ほど紹介した三角形で す。三つの角が等しいのでOP:OF=1:2であることが分かります。さらに、正三角形 OPQより、OP=OQ、OQ:OF=1:2です。
ここで、底辺比をもとに面積比をつかっていきます。OQ:QF=1:1で正三角形OPQ と三角形QPFの高さは等しいので面積比は1:1となります。正三角形OPQは5㎝2 なので三角形QPFも5㎝2、よって三角形OPFは10㎝2です。
そして、三角形OPFと合同な図形は正三角形DEFの中に6個入る(上図参照)ので、
正三角形DEFの面積すなわちy=10×6=60㎝2
H君:なるほど、じゃあ、ここまできたら[図Ⅳ]の正三角形ABCに正三角形DEFを 考えやすい向きにかき入れて、面積比を調べると…。
R君:おおっ、正三角形ABCと正三角形DEFの面積比も明らかになったね。
H君:あとは計算。
・・・
H君:やったー、求まったね。正三角形ABCの面積はz㎝2だ!
R君:そうだね!!
⑶ zの値を求めなさい。
≪解説≫
正三角形ABC内の正三角形DEFを大きいほうの円と正三角形ABCとの接点に合わせ ると、下の図のようになります。
正三角形DEFと合同な図形が4つABC内に入っているので、60×4=240 よってzの値は240となります。
5三角形PQRの面積を△PQRと表します。点P,Q,Rが一直線上にあるとき、
△PQRは0㎝2とします。いま、△ABCが1㎝2のとき、次の問いに答えなさい。
ただし、[図Ⅰ]、[図Ⅱ]において直線上の・と・の間の長さが辺AB、BC、CA と同じ部分にはそれぞれ□、||、×の記号がついています。
⑴ [図Ⅰ]について、△ABX+△BCX+△CAXは何㎝2ですか。
≪解説≫
上の図は四角形ABCXを図Ⅰから取り出したものです。そして四角形ABCXは二組の 対辺の長さが等しいという平行四辺形の条件を満たしているので、平行四辺形ABCX となります。ちなみに豆知識として、平行四辺形になる四角形の条件は
① 二組の対辺の長さが等しい
② 二組の対角の大きさが等しい
③ 二組の対辺が平行
④ 対角線が互いに他の対角線を2等分する
⑤ 一組の対辺が長さが等しいかつ、平行
以上のどれか一つでも満たしているとその四角形は平行四辺形になります。
では解説に戻ります。
△ACXの面積+△ABXの面積=平行四辺形ABXCの面積
△BCXの面積=平行四辺形ABXCの面積÷2の二つの関係が分かります。
よって三つの三角形の面積の合計は平行四辺形ABXCの1.5倍であることが分かりま す。△ABCは平行四辺形ABXCの半分の面積なので、平行四辺形ABXCの面積は 1×2=2㎝2 よって2×1.5=3㎝2 答えは3㎝2です。
⑵ △ABX+△BCX+△CAXが⑴と同じ値になるのは、点Xがどの位置にあるときです か。[図Ⅱ]のア~キのうちで、当てはまるものをすべて書きなさい。
≪解説≫
まず、点ア~キと点Xとの違いは辺AB、AC、BCの延長線上に前者の点はすべてあ るのに対し、点Xは延長線と延長線の間に点があるということです。ここからわかる ことは、少なくともア~キのどこに点Xを置いたとしても四角形ABCXは作れないと いうことです。(四角形を成す点のうち3個が同じ線上にあるため)
すると、自動的に三つ三角形はできません。よって大小2つの大きさの三角形の面積 の合計を出します。そう考えていくと、
このような図になれば全体の面積が3㎝2になります。
(△ABXは一直線上にあるため面積0㎝2。また△BCXはBA:BX=1:2より、△BCX の面積は△ABCの面積の2倍。)
上記をふまえ、三角形ABXの面積+三角形ACXの面積+三角形BCXの面積=3㎝2と なる、点Xは[図Ⅱ]よりア・イ・エ・カの四つなので、答えは
ア・イ・エ・カとなります。
⑶ △ABX+△BCX+△CAXが⑴と同じ値になるように点Xを動かすと、点Xが動い た後は多角形になります。この図形の面積は何㎝2ですか。
≪解説≫
まず、⑵もふくめて、△ABX+△ACX+△BCX=3となる点を各辺上に取り、その点を 結んだ図です。見ての通り六角形になります。
そしてこの六角形を[図Ⅲ]のように分割します。すると相似を使って分割後の三角形 の面積は1㎝2、台形の面積は3㎝2と分かります。
六角形内に三角形は4個、台形は3個あるので1×4+3×3=13 よって六角形の面積は13㎝2と分かります。