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東北大学

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Academic year: 2024

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日本化学会研究会「低次元系光機能材料研究会」ニュースレター LPM Lett. 2016, 13.

─ 1 ─

東北大学 多元物質科学研究所

工学研究科応用化学専攻

ハイブリッド材料創製研究分野

東北大学多元物質科学研究所 芥川智行

京都大学の斉藤軍治先生の指導のもと学位を取得し、北海道大 学・電子科学研究所で中村貴義先生と導電性や磁性機能を持つ有機結 晶・有機超薄膜に関する研究を行ってきました。2010年4月1日より、

東北大学多元物質科学研究所の教授として仙台の片平地区に研究室 を持つ事になりました。2011年3月11日に思いも寄らない大震災に襲 われ、研究室も少なからず被害を受け、一時的に研究活動を中断せざ る得ない状況となりましたが、今日では、助教3名、博士課程3名、修 士課程7名と学部4年生2名が在籍する総勢20名の研究室となり、日々 の研究活動を行っています。写真は、東北地区の季節行事である芋煮 会をキリンビール仙台工場の見学会をかねて行った時のものです。研 究室は仙台駅から徒歩15分程度の片平キャンパスにあり、旧反応化学 研究棟2号館の3階にあります。3階のフロアーをほぼ使用する事がで

き、ゆったりとしたスペースで研究活動が可能であり、仙台市中心部に近いことから、食事や買い物にも困らない立地条件 です。お昼は、秘書さんや学生と近くの美味しいレストランを巡り、たわいもない日常の出来事から研究まで、いろいろな 話題で盛り上がっています。

研究スタッフは、錯体化学を専門とする星野哲久助教、有機合成を専門とする武田貴志助教と測定装置を担当している菊 地助教が在籍し、新規分子の合成から物性測定までを幅広くカバーできる研究体制になっています。多くの測定装置が自動 化される今日では、機能性開拓を指向した新規分子の合成が研究の要になると考えています。研究室では、集光ミラーを装 着した高輝度温度可変単結晶X線回折装置、ナノスケールの電気伝導性が評価可能な点接触原子間力顕微鏡、自作の温度可 変誘電率測定装置などがあり、これらは、日々の研究に欠かせない代表的な測定装置です。また、多元物質科学研究所内の 大型機器を使用することが可能な恵まれた研究環境です。多元研は、外部の研究者との共同研究を積極的に推進するため、

物質・デバイス共同研究拠点(北大電子研、東北大多元研、東工大化生研、阪大産研、九大先導研)によるサポート体制も 整えています(http://five-star.tagen.tohoku.ac.jp/)。例年、12月に共同研究の公募があり、現在、芥川研では、千歳科学技術 大学・東京農工大・東京理科大学・山口大学・広島大学・山口大学・徳島大学・熊本大学などとの共同研究を実施していま す。

左:高輝度の温度可変単結晶X線回折装置、中:点接触原子間力顕微鏡、右:温度可変誘電率測定装置

■研究室紹介■

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日本化学会研究会「低次元系光機能材料研究会」ニュースレター LPM Lett. 2016, 13.

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2014年より新学術領域研究「π造形科学: 電子と構造のダイナミズム制御による新機能創出」の総括班事務局としての活動

を開始しています(http://pi-figuration.jp/)。本領域では、若手メンバーを中心に(領域申請時の計画班の平均年齢44歳)、

福島孝典領域代表(東工大)のもと総勢42名のメンバーで、Intrinsic-π、Dynamic-πおよびElastic-πをキーワードとした新 たな学理の創成を目的として研究活動を行っています。芥川研では、本新学術領域では、「強誘電性・強弾性機能の発現を 目指したソフトπ造形システム」を研究題目として、新たなIntrinsic-π/ Dynamic-πおよびIntrinsic-π/ Elastic-π複合システ ムを、多重機能性有機材料の開発の観点から取り組んでいます。これらの研究の元になるのは、日本国内で伝統のある、分 子性導体や分子磁性体に関する研究です。私自身も分子性導体にプロトン移動やイオン輸送を付随させた新規物質の開発に 従事してきました。分子性導体における物性研究(Intrinsic-π)は、π-電子化合物の合成に始まり、X線による精密な分子 配列の決定、バンド構造の計算、伝導度などの電子物性の評価を、単結晶試料を用いて行うのがオーソドックスなスタイル です。精密な構造評価と物性測定から、低次元電子系の固体物性科学が発展し、日本国内から数多くの優れた研究成果が発 表されています。一方、分子集合体の多様性の観点から分子配列の秩序を考えると、単結晶以外にも柔粘性結晶や液晶など の興味深い分子集合体が存在します(下図)。大学院生の頃、松永義夫先生のもとで液晶性化合物を研究していた経緯もあ り、液晶や柔粘性結晶などの柔らかい分子集合体に興味があります。柔粘性結晶や液晶状態における分子回転や分子拡散

(Dynamic-πやIntrinsic-π)に着目し、様々な分子集合状態や多重機能性を示す材料を開発する事で、新規な物性研究の領 域を開拓するのが研究課題です。また、当新学術領域研究では、他大学から大学院生を受け入れる協働研究を金銭的にサポ ートする制度を整えていますので、是非ご利用頂ければと思います(http://pi-figuration.jp/school/index.php)。

分子集合体の秩序と研究対象とするソフトな内部構造を有する分子集合体と「π 造形科学」。

最近の研究成果としては、協奏的固体分子ローターの開発(J. Am. Chem. Soc. 2015, 137, 13155)、発光性有機強誘電体(J.

Phys. Chem. Lett. 2015, 6, 1813 ACS LiveSlide)、発光性多重イオンセンサー(J. Phys. Chem. A. 2015, 119, 6223)、液晶性有機 半導体(J. Mater. Chem. C. 2015, 3, 3016 表紙に採用)、イオン伝導性液晶(J. Phys. Chem. B. 2015, 119, 1768)、ゲートガス 吸着能を示す一次元銅錯体(Inorg. Chem., 2015, 54, 9423)、単結晶プロトン伝導体(J. Phys. Chem. C. 2015, 119, 20845)、励 起状態プロトン移動を利用した多色発光材料(J. Mater. Chem. C. 2016, 4, 2011)、熱運動性結晶(Chem. Eur. J. 2016, 22, 7763 表紙に採択)、液晶性分子ローター(Cryst. Grow. Des. 2015, 15, 5705)、分子回転型反強誘電体(J. Phys. Chem. B 2016, 120, 6761)などが挙げられます。液晶、ゲル、柔粘性結晶、薄膜、単結晶など様々な分子集合体に着目し、水素結合・電荷移動・

疎水性相互作用などを有機化学的に設計・合成することで、多重機能性の出現を目指した研究を展開しています。

研究室では、花見、楽天戦の応援、夏のビアガーデン、駅伝大会、研究室で最も活躍した人物に贈られる芥川賞の授与(副 賞有)、北海道スキーなどのさまざまな行事を行っています。研究室創設時から、個性あるとんでもないことをやらかす優 秀な学生達に囲まれ、「片平の動物園」と呼ばれてきました。学生が飲み会で大暴れしたために、未だに出禁の研究会など もあります。最近は、優秀でおとなしい学生が増えつつありますが、学生達の持つ潜在能力を最大限に引き出し、結果、日 本の基礎科学および材料科学を将来的に支える人材を輩出できれば、大学人として幸せな事だと思っています。当研究室に つ い て も っ と 知 り た い 方 は 、 著 者 ま で ご 連 絡 頂 く か ホ ー ム ペ ー ジ

(http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/akutagawa/Homepage2010/index-j.html)をご覧になって下さいい。最後になりましたが、

芥川研スタッフ、学生および卒業生の皆さんに、今日まで楽しく自由に研究活動が行えていることに、心より感謝申し上げ ます。

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光化学 Vol. 40, No. 1, 2009

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2015~2016年度の代表的な研究成果と研究室メンバーの日常。

著者紹介

芥川智行(あくたがわ ともゆき)

東北大学・教授

略歴:1990年 北海道大学大学院理学研究科化学第二専攻終了、1994年 京都大学大学院理学 研究科化学専攻単位取得退学、1996年 博士(理学、京都大学)。1994年 北海道大学電子科 学研究所助手、同准教授、2003年、1998年~2001年 さきがけ研究21、2010年より現職 現在の研究分野/テーマ:分子集合体の物性化学

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