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気象学概説

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Academic year: 2024

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気象学概説

(2017 年度秋学期)

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目次

1 地球大気の概観 1

2 大気の熱力学 4

3 大気の安定度(1) 16

4 大気の安定度(2) 23

5 雲と降水 32

6 大気における放射 41

7 大気の力学(1) 48

8 大気の力学(2) 57

9 大気の大循環 63

10 温帯低気圧と傾圧不安定 69

11 熱帯低気圧と台風 80

12 気候の変動 87

補講1 運動量保存則 96

補講2 微分方程式の解法 100

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1

1 地球大気の概観

1.1 大気の組成

地球大気の組成は、水蒸気を除くと、地表付近から高度80 kmくらいまでは ほぼ一定である。体積比で示すと、窒素(nitrogen)(N2)が約 78%、酸素 (oxygen)(O2)が約21%、アルゴン(argon)(Ar)が約1%、二酸化炭素(carbon dioxide)(CO2)が約0.04%である。高度 80 kmより上層では重力による分離 が生じ、分子量の小さい気体分子や原子の割合が増えていく。

 中学校理科第1分野の化学的領域や高等学校の地学で、大気の組成を取り上 げる。

 大気の組成は体積比で表されることが多い。地球の大気のように理想気体

(後述)とみなせる気体においては、体積比は、物質量の比や分圧の比に等 しい。体積比ではなく質量比で示した場合には、組成の値が異なることに注 意が必要である。

他の地球型惑星(terrestrial planet)である金星や火星においては、大気の主 成分は二酸化炭素である。地球において、大気中の二酸化炭素が少ないのは、

おもに海洋によって吸収されたからである。一方、木星、土星、天王星、海王 星のような木星型惑星(Jovian planet)の大気は水素(H2)、ヘリウム(He)、 メタン(CH4)などからなる。

1.2 大気の鉛直構造

地球大気の鉛直構造をみると層構造をしていることがわかる。地上から約11 kmまでは対流圏(troposphere)と呼ばれる。雲の発生や降水など、通常よく知 られた気象現象が起こるのは対流圏である。対流圏では高度とともに気温は低 下する。その割合は、1 kmにつき約6.5℃である。なお、対流圏の厚さは緯度 によって異なり、赤道域では17 km程度に達するが、高緯度域では9 km程度で ある。

対流圏の上は成層圏(stratosphere)である。成層圏は、対流圏とは違って、

上にいくほど気温が高い。対流圏と成層圏の境目を圏界面(対流圏界面) (tropopause)という。成層圏で上に行くほど温度が上がるのは、オゾン(ozone)

(O3)が紫外線を吸収することによって、大気が加熱されているからである。

高度約50 kmで気温は極大になる。オゾンは下部成層圏の高度20~30 km付近

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を中心として多く存在している。この高度帯をオゾン層(ozone layer)とよんで いる。ただし、上空に行くほど大気自体が薄くなるので、オゾンによる温度上 昇は、より上層で顕著である。成層圏オゾンは地球上の生物にとって有害な紫 外線の多くを吸収している。しかし、オゾンそのものには毒性があるので、基 準を超える対流圏オゾンは有害である。近年では、フロン(chlorofluorocarbon;

CFC)(炭素、塩素、フッ素からなる有機化合物)によってオゾン層(成層圏オ ゾン)の破壊が生じている。

成層圏の上には中間圏(mesosphere)であり、再び高度とともに気温が低下す る。中間圏の上は熱圏(thermosphere)とよばれる。熱圏では、大気は非常に薄 く、高度とともに温度が高くなる。また、気体の原子、分子が、太陽からのX 線、紫外線や太陽風(solar wind)(太陽から流れてくる荷電粒子の流れ)に含 まれる電子によって電離し、イオンと電子に分かれている。このような層のこ とを特に電離層(ionosphere)という。電離層は電波を反射する性質がある。オ

ーロラ(aurora)は、高速の荷電粒子が酸素原子や窒素分子に衝突したときに発

光する現象であり、熱圏で生じている。

なお、固体地球の半径はおよそ6400 kmであり、地球の半径に比べて大気は 非常に薄いことがわかる。

図1-1: 地球大気の層構造

 高等学校の地学で、大気の厚さ、層構造を取り上げる。中学校の理科第2分 野においても、雲のできる高さという形で、対流圏の厚さに言及している。

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3

地球の半径と大気の厚さを対比して理解するとよい。

 高等学校の地学の天文学の分野で、太陽風やオーロラにふれる。

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