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立体配座と反応性・選択性の関係

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Academic year: 2024

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(1)

医薬品製造化学特論:授業の予定

担当:吉村文彦(医薬品製造化学)全7回 連絡先:[email protected]

054-264-5740

第1回 1章 p1‒23:逆合成解析と合成等価体

第2回 2章 p25‒42:配座解析 (環状化合物と鎖状化合物) 第3回 2章 p42‒51:立体配座と反応性

第4回 3章 p53‒67:アミンとアルコールの保護基 第5回 3章 p67‒82:カルボニル基の保護基

4章 p83‒89:アルコールの酸化

第6回 4章 p89‒109:官能基選択的酸化、アリル位の酸化 第7回 4章 p109‒131:選択的な還元 還元全般

今回の要点

立体配座と反応性・選択性の関係

(1) Curtin‒Hammett 原理 (原形比と生成比が異) (2) 選択性に関する用語

① 官能基選択性 ② 立体選択性

③ 位置選択性 ④ ジアステレオ選択性 (3) 立体配座と反応性の関係

エステル化、けん化

置換反応、付加反応、アルコールの酸化 (4) 立体配座と選択性の関係

「アリル1,3-ひずみ」による制御

(2)

N Me

A

N Me

40 : 1

B

*CH3–I *CH3–I

N H3C* Me

PA

N H3C* Me

PB

1 : 3.6

立体配座によって決まる反応性と生成物 p42

1) 平衡状態にある異性体から異なる生成物が得られる(原料比と生成物比が異なる) 立体配座が反応性に及ぼす影響:反応機構との関係(以下2つは注意)

Curtin‒Hammett 原理:

出発物質に2つの異性体があり、それらが速い平衡にある場合、

生成物の比は2つの遷移状態のエネルギー差(

DG

TS)によってのみ決まる

PA

A B

PB TSB

TSA

ΔGTS

反応座標

ポテンシャルエネルギー

Curtin‒Hammett 系の例:不斉アルキル化

A B P

B

P

A

高反応性

Seeman, J. I. et al. J. Am. Chem. Soc. 1980, 102, 7741.

Curtin‒Hammett 系

N Me

A

N Me

40 : 1

B

*CH3–I *CH3–I

N H3C* Me

PA

N H3C* Me

PB

1 : 3.6

立体配座によって決まる反応性と生成物 p42

1) 平衡状態にある異性体から異なる生成物が得られる(原料比と生成物比が異なる) 立体配座が反応性に及ぼす影響:反応機構の詳細と関係する(以下2つは注意)

Curtin‒Hammett 原理:

出発物質に2つの異性体があり、それらが速い平衡にある場合、

生成物の比は2つの遷移状態のエネルギー差(

D G

TS)によってのみ決まる

高反応性

Seeman, J. I. et al. J. Am. Chem. Soc. 1980, 102, 7741.

微量しか存在しない化学種でも 極めて反応性に富む場合は、

反応の行方を左右する

Curtin‒Hammett 系の例:不斉アルキル化

(3)

立体配座によって決まる反応性と生成物 p42

1) 平衡状態にある異性体から異なる生成物が得られる(原料比と生成物比が異なる) 立体配座が反応性に及ぼす影響:反応機構の詳細と関係する(以下2つは注意)

Curtin‒Hammett 原理:

出発物質に2つの異性体があり、それらが速い平衡にある場合、

生成物の比は2つの遷移状態のエネルギー差(

DG

TS)によってのみ決まる

2) 原料の配座異性体比と生成物比が同じ

A B P

B

P

A

配座平衡制御:

配座異性体間(A⇄B)のエネルギー障壁が 反応障壁TSAおよびTSBより十分大きい場合、

生成物の比は原料の配座異性体比に等しい

PA

A B

PB TSB

TSA

ΔGTS

反応座標

ポテンシャルエネルギー

立体配座によって決まる反応性と生成物 p42

Hammond の仮説:

遷移状態(TS)の構造は、最も近くにある安定な化学種の構造に似る 言い換えると、

発熱反応のTSは出発物に類似、吸熱反応のTSは生成物に類似

・中間体の安定性は反応が進行するかどうかに関連

・遷移状態は反応の速さに関連

中間体と遷移状態は直接関係がない・・・はず??

反応中間体の構造を考えるコンセプト

早期遷移状態 (発熱) 後期遷移状態 (吸熱)

TS

反応座標

ポテンシャルエネルギー

CH4 + F

CH3 + HF C

H H

H H F

TS

反応座標

ポテンシャルエネルギー

CH4 + I

CH3 + HI C

H H

H H I

メタンのラジカルハロゲン化

(4)

選択性に関する用語 p43, 98-99

官能基選択的 (chemoselective)

位置選択的 (regioselective)

H

O O H

OH O

or

H OH O

BH3; H2O2, OH

OH or

OH

エナンチオ選択的 (enantioselective)

H2, chiral-cat.

or

ジアステレオ選択的 (diastereoselective)

H

O OH OH

or

regioisomers

enantiomers

diastereomers

復習しておくこと

立体配座と反応性 p43-44

(1) エステル化(アシル化)

エカトリアルアルコールの方がアキシアルよりも反応性が高い

OH OH

t-Bu t-Bu

H H

Ac2O pyridine

O N 活性種

O

t-Bu H

H H

H

1,3-ジアキシアル相互作用 O

N OAc

t-Bu 律速

OH

t-Bu t-Bu

OH H

Ac2O

pyridine H

t-Bu O

H H

H OAc

t-Bu 律速

ΔG > 0.9 kcal/mol ΔG° = 0.9 kcal/mol

H

N O

(5)

立体配座と反応性 p43-44

(1) エステル化(アシル化)

エカトリアルアルコールの方がアキシアルよりも反応性が高い

ポリオールの位置選択的アシル化も可能

CO2Et

OH

1,3-ジアキシアル相互作用 HO

Ar HO

SePh CO2Et

HOAr

SePh

Me HO

OH

・2 -アルコール

・エカトリアル

安定配座 アキシアル

Cl3C Cl O

pyridine THF, 0 °C

CO2Et

O HO

Ar HO

SePh

O Cl3C

OH Ar

HOHO SePh

Me EtO2C

立体配座と反応性 p43-44

(2) けん化

エカトリアルエステルの方がアキシアルよりも反応性が高い

アルコールのシリル化、シリルエーテルの脱シリル化も同様に エカトリアル位の方がアキシアル位よりも反応性が高い

CO

2

Et

CO

2

Et

t-Bu t-Bu

H

H

C

t-Bu

H

H

H

H

1,3-ジアキシアル相互作用

OEt CO

2

H

t-Bu 律速

OH

CO

2

Et

H

t-Bu t-Bu

CO

2

Et

H

H

t-Bu

H H

H CO

2

H

t-Bu 律速

OH

ΔG

> 1.2 kcal/mol

ΔG°

= 1.2 kcal/mol

O

OH

OEt

OH

O

C

(6)

立体配座と反応性 p45

(3) S

N

2反応

脱離基はアキシアルの方がエカトリアルよりも反応性が高い

S

N

2反応:求核剤は脱離基の背面から攻撃

Br

t-Bu

Br

t-Bu H

SPh

t-Bu PhSNa

H

H Br

t-Bu SPh

H H

δ δ

Br 立体障害

t-Bu

H

t-Bu Br

SPh

t-Bu PhSNa

H

H SPh

t-Bu Br

H H

δ δ

不安定化

60倍反応速い

立体配座と反応性 p45

(4) 有機銅試薬のS

N

2ʼアリル置換反応

有機銅試薬のS

N

2ʼアリル置換反応は一般にアンチで進行する

鎖状基質でも高立体選択的に進行(アリル1,3-ひずみ)

1,3-不斉転写

1,3-不斉転写

CO2Et MOMO

Ms = -SO2Me O

O OMs

R CO2Et

H MsO CuCN H

Li ZnBr2, LiBr

β面から接近 anti-SN2’

THF, –78 °C CO2Et

MOMO

O O Me

OAc

Me2(CN)CuLi

anti-SN2’

脱離基の反対側から求核剤が接近 Me

H

H H

H OAc

H H

Me

Me

Me

(7)

立体配座と反応性 p46

(5) エノンへのMichael付加反応

求核剤はγ位擬アキシアル置換基と逆平行(antiparallel)方向から接近

O

立体障害 Me2CuLi

Me

H Me

H H

H H

Me

O Me

O

Me

γ

Me H

Me

H

O

H Me

H H

Me

H H

H H O

H2O NH4Cl

立体配座と反応性 p46-47

(6) E2反応

・HとXは逆平行(antiperiplanar)

・シクロヘキサン上ではHとXはトランスジアキシアル

X C H base

C C H

X H C C X

base

base

C C

X H base

X H H

H H

H H

H

base

X

H H

H H

X H

H H

H

環反転

(8)

立体配座と反応性 p46-47

(6) E2反応

・シクロヘキサン上ではHとXはトランスジアキシアル

Me

Cl H

Me

H H

塩化ネオメンチル

EtONa EtOH

Me

25%

安定配座 H H

Cl

OEt

+

Me

75%

反応速い200倍

Me H H

Cl H Me

Cl H

Me

HCl H

環反転

塩化メンチル

H EtONa

EtOH

OEt Me

安定配座 100%

立体配座と反応性 p47-48

(7) 二重結合への付加反応

立体電子効果のためトランスジアキシアル付加

H

H

H t-Bu

t-Bu Br H Br2

Br

H

H t-Bu

Br H

Br 逆平行開環

H

H t-Bu

Br H

Br vs

立体障害で不利

H

Br Br t-Bu

t-Bu

Br Br t-Bu基の反対面で反応

H

(9)

立体配座と反応性 p47-48

(7) 二重結合への付加反応

立体電子効果のためトランスジアキシアル付加

H Me

H

mCPBA Me

H

H H

[O]

Me基の反対面で反応

Me

H H O 3 H

NaOMe C4位開環

Me

H OMe

H OH 4

NaOMe C3位開環 Me

H H

H

O OMe

高ひずみ不安定中間体

H2O

H Me

OH H

OMe H 生成しない

立体配座と反応性 p49-50

(8) アルコールの酸化

R OH H R’

[O]

R O H R’

X

– HX R O

一般式 R’

クロム酸酸化は位置選択的酸化が可能

CrO3 酸化クロム(VI)

Cr O O

O H2O

Cr

O O

OH HO VI

クロム酸(VI)

反応機構

R OH H R’

+

Cr O O

OH HO

– H2O R O H R’

Cr OH O

O

H+ R

O H R’

Cr OH O

O H

R O

R’

+

Cr O OH

OH

VI IV

E2様反応 E2様反応

(10)

立体配座と反応性 p49-50

(8) アルコールの酸化

シクロヘキサノールのクロム酸酸化はアキシアルの方がエカトリアルより高反応性 理由1:ひずみ解消

理由2:引き抜かれる水素がエカトリアル 位なので塩基が接近しやすい

C H O H

H

sp3 1,3-ジアキシアル相互作用

エカトリアルよりひずみ大 Cr

O OH

O C

H H

sp2 O

2 -アキシアルアルコールの 位置選択的酸化が可能 O

OH MeO

Br OH

(Py-H+)2Cr2O72–

(PDC)

MeO

O HO

OH Br

優勢配座

O O MeO

Br OH

(NH4)6Mo7O24/H2O2系(Trost酸化)も同様

Trost, B. M.; Masuyama, Y. Tetrahedron Lett. 1984, 25, 173.

Review: Arterburn, J. B. Tetrahedron2001, 57, 9765.

アリルひずみによる立体選択的合成 p48-49

Hoffmann, R. W. Chem. Rev. 1989, 89, 1841; Hoveyda, A. H.; Evans, D. A.; Fu, G. C.Chem. Rev. 1993, 93, 1307.

鎖状基質でも制御可能!

H Me OBn Me

O H Me

OBn Me

O BH3·THF

H2B

H H2O2 NaOH

H Me OBn Me

O

OHH

8 : 1

同一平面

最安定配座

C=N 二重結合も

N H

Me mCPBA N

H Me

O

87: 13

同一平面

最安定配座 H

H

Me Me

O

重なり形 H BH2 H

BH2

BnOH2C

(11)

まとめ

(1) Curtin‒Hammett 原理 (原形比と生成比が異) (2) 選択性に関する用語

① 官能基選択性 ② 立体選択性

③ 位置選択性 ④ ジアステレオ選択性 (3) 立体配座と反応性の関係

エステル化、けん化

置換反応、付加反応、アルコールの酸化 (4) 立体配座と選択性の関係

「アリル1,3-ひずみ」による立体選択制の制御

Referensi

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