1991年に遺伝学的な解析によって,がく,花びら,おしべ,
めしべという4つの花器官は3つのクラスの遺伝子の組み合 わせ「ABCモデル」によってつくられることが報告された.
そ の 後 の 研 究 に よ り,こ れ ら の3つ のABC遺 伝 子 が ど の 組 み合わせではたらくのかを決める分子的なメカニズムが明ら かになっている.さらにABC遺伝子がはたらき始めるため の上流の仕組み,およびABC遺伝子が制御する多種多様な イ ベ ン ト と 複 雑 な 下 流 の ネ ッ ト ワ ー ク の 一 端 も わ か っ て き た.この解説では,近年の研究から見えてきたABC遺伝子 が花をつくるための仕組みと順序,およびそこから見えてき た今後の課題を述べる.
ABC遺伝子による花器官の性質決定
花器官の性質を決定するABCモデルは,アブラナ科 のシロイヌナズナ,およびオオバコ科のキンギョソウを 用いて突然変異体を単離するという遺伝学的なアプロー チから始まった.一見複雑に見える花を,それぞれ外側 から内側へ続く同心円状につくられる4種類の花器官,
がく,花びら,おしべ,めしべとして,単純化して捉え ることが遺伝学的なモデルをつくる第一段階であった.
ABCモデルは以下の2つの条件を満たすものとして提
唱された(1, 2)
.1) A遺伝子はがくを,AとB遺伝子は花
びらを,BとC遺伝子はおしべを,C遺伝子はめしべを つくるために必要である.2) A遺伝子とC遺伝子は互 いを抑えるようにはたらく(図
1
).これまでにシロイ
ヌナズナではこの定義を満たすと考えられる遺伝子が5 つ同定されている.Aクラス遺伝子には( )
,
( )が,Bクラス遺伝子には( )
,
( )が,Cクラ ス遺伝子には ( )が属する.1990年代 の後半までには,ABC遺伝子のはたらきを強めると,花器官の性質がほかの花器官のものに変わってしまうこ とが確認されている(3〜5)
.遺伝子のクローニングの結
果,5つとも遺伝子がはたらく場所や時期を決める転写 因子であることがわかった. , , , 遺伝子は MADSボックス転写因子のファミリーを, 遺伝子 はAP2型転写因子をコードしていた(6〜9).
2000年代の始めに,シロイヌナズナの全ゲノム配列 が明らかになり,ほとんどすべての遺伝子の突然変異体
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【解説】
Gene Regulatory Network for Reproductive Development Mediated by Floral Homeotic Genes
Yuka KADOYA, Nobutoshi YAMAGUCHI, Toshiro ITO, 奈良先 端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科
花の形づくりを決める遺伝子ネットワーク
シロイヌナズナ花研究のこれまでとこれから
角谷侑香,山口暢俊,伊藤寿朗
が利用可能になると,これまでの遺伝学的なアプローチ ではあつかうことが難しかった多重変異体を自在につく れるようになった(10, 11)
.このようなアプローチによるブ
レイクスルーと言えるのが,のちにEクラス遺伝子と呼 ばれるようになるMADSボックス転写因子をコードする 4つの ( )遺伝子の発見である(12, 13).
四重変異体では花器官が葉に変わってしまうだけで なく,ABC遺伝子と 遺伝子のはたらきを強めるこ とによって葉を花器官に変えることができた.この結果 からABCモデルは,AとE遺伝子はがくを,AとBとE 遺伝子は花びらを,BとCとE遺伝子はおしべを,Cと E遺伝子はめしべをつくるために必要であるという ABCEモデルへとリニューアルされた(図
2
).葉から
花をつくるための条件が明らかになったことから,花器 官の性質を与えるための主要な因子は出そろったと考えられた(14, 15)
.
このABCEモデルでは,A, B, C, E遺伝子がそれぞれ の決まった領域で発現する必要があるのだが,その仕組 みは説明されていない.そこで,以降の研究の対象は,
図1■シロイヌナズナの花の形づくり
野生型は,外側からがく,花びら,おしべ,めしべで構成されて いる. 変異体は,がくがめしべ,花びらがおしべに変わる.
変異体は,花びらががく,おしべがめしべに変わる. 変異体の 花は,おしべが花びら,めしべががく,花びら,花びらの繰り返 し構造をもつ.
図2■MADSボックス転写因子複合体のモデル
AP1, AP3, PI, AGはEクラスのSEPと複合体を形成する.がく複 合体はAP1, SEP, 花びら複合体はAP1, AP3, PI, SEP, おしべ複合 体はAP3, PI, AG, SEPめしべ複合体はAG, SEPが複合体を形成し て,花器官の性質を決定している.
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植物の幹細胞とメリステム
植物も動物と同じようにさまざまな種類の細胞か ら体ができており,生命活動を成し遂げています.
その多種多様な細胞のもととなるのが幹細胞で,分 裂して自分と同じ細胞をつくる能力と別の種類の細 胞に分化する能力をもっています.植物はメリステ ムと呼ばれる領域に幹細胞を維持しており,それらは 根の先端部,茎の先端部,そして若い花の中にもあり ます.植物の根,葉,花の形づくりは,幹細胞の増
殖と分化によってもたらされています.基本的に,
茎や根の先端部にある幹細胞は常に分裂して増殖し 続けます.一方,花幹細胞は花発生の途中で自ら増 殖をやめて,花として一生を終えることになります.
どうして花幹細胞は増殖を止めるのでしょうか? 花 幹細胞の増殖がとどまらない突然変異体は種がとれ なくなることがわかっています.花幹細胞が自ずか ら増殖をやめることは,次世代の種を残すことに専 念するためという植物の成長戦略であると考えられ ます.
コ ラ ム
モデルの定義であったAとC遺伝子が互いを抑えるよう にはたらくことと,ABC遺伝子がはたらく前にどのよ うな遺伝子がはたらくのかという上流の遺伝子ネット ワークの解明へと移行していく.また,もう一つのモデ ルの定義である組み合わせではたらく仕組みや,ABC 遺伝子がはたらくと動き出す下流のネットワークも大き な未解決の問題であった.この総説では最近の知見とそ こから見えてきた課題と疑問点を述べる.
A遺伝子の別の機能とC遺伝子との拮抗的な発現制御 Aクラスに分類される , 遺伝子は,がくと花 びらの性質決定を行うよりも早い時期から発現している ことがわかっている.ABCモデルで期待されるとおり,
突然変異体では,がくがめしべに変化する.一方,
突然変異体においてはがくが葉に変化しており,そ の内側に新たな花がつくられる.このことはAP1が花 メリステムの性質決定の機能ももつことを示す.このた め, がAクラス遺伝子として認識されたのは遺伝 子がクローニングされ,分子遺伝学的な解析が進んだ後 のことであった.
ABCモデルの定義である 遺伝子と 遺伝子は 互いを抑えるようにはたらくという分子メカニズムの一 部は解析されている.AP1とSEPはどちらも の2番 目のイントロンに結合する(16, 17)
.さらに転写を抑制す
る 共 役 因 子 で あ るLEUNIG(LEU) やSEUSS(SEU)も の2番目のイントロンに結合すること,および SEUを介してLEUとAP1, SEP3が大きな複合体を形成 することから,この複合体が 遺伝子の発現を直接抑 制していると考えられている(18〜21)
.AP1, SEPの複合体
の 構 成 因 子 で あ る ホ メ オ ド メ イ ン 転 写 因 子 で あ る BELLRINGER(BLR)もAGの発現を抑制するように はたらくことから,複数のDNA結合ドメインをもつ複 雑な転写を抑制する複合体をつくっていると予想される(18, 22)
.一方で,AGが
遺伝子の発現を抑える分子メカニズムははっきりしておらず, 変異体では 遺伝子が普段は発現しない場所で発現するという報告に とどまっている(23)
.
AP2型の転写因子をコードする 遺伝子について も,どのようにして 遺伝子と 遺伝子が互いを 抑えるようにはたらくのかという分子メカニズムが調べ られている.まずクリアしなければならなかったのは発 現部位の問題であった.ほかのABC遺伝子は花器官の 性質を与える場所だけで発現しているのに対して,
遺伝子はどの花器官でも発現すると報告されていた.近
年になって, の転写産物を分解するmiR172がめし べで強く,おしべで弱く発現し,花器官ごとに の 転写産物の蓄積量の濃度勾配をつくっていることがわ
かった(24〜26)(図
3
).一方で,AGだけのはたらきでは
遺伝子の発現を抑制するには不十分であることが わかってきている(26)
.AP2による
遺伝子の発現の 抑制については,AP1と同じように直接の作用である こ と が わ か っ て い る.AP2は,TOPLESS(TPL)と HISTONE DEACETYLASE 19(HDA19)と物理的に 相互作用して複合体を形成し, の2番目のイントロ ンに結合して,転写を抑制する(27, 28)(図3).AP1の複
合体の構成因子であったLEUやSEUもAP2と物理的に 相互作用して, の転写を抑制する可能性がある(29).
以上のように,まず,Aクラス遺伝子は花全体で発現し て,花メリステムの性質を決定する.その後,Cクラス 遺伝子と拮抗的に作用することでA遺伝子とC遺伝子の 境界をつくり,花器官の性質決定を行う.次に,ABC 遺伝子に共通した上流遺伝子について概説する.ABC遺伝子の転写を制御する上流遺伝子の役割 ABC遺伝子の発現量を調節する遺伝子は数多く報告 されているが(30, 31)
,それらの突然変異体の中で花器官
の性質が大きく変わるものはほとんどない.これまでに 報告されている変異体の中で最も欠損が大きいものが,( )変異体である. 変異体ではABC遺伝子が すべてはたらかない変異と同様に器官が葉に変わってし まう(32)(図
4
).
遺伝子はヘリックスターンヘリッ クスに似たDNA結合配列をもつ転写因子をコードし,日長,温度,植物ホルモンにより,はたらく時期や場所 が指定される(33〜35)
.LFYタンパク質は,ABC遺伝子に
図3■AP2転写因子複合体のモデルとその複合体による 遺 伝子の制御遺伝子はどの花器官にも発現しているが,めしべで強く,お しべで弱く発現しているmiR172によって転写産物が分解される.
よって,めしべとおしべで の転写産物の蓄積量の濃度勾配が つくられる.AP2は,TPL, HDA19と物理的に相互作用して複合 体を形成する.この複合体が , に結合して,転写を抑制し ている.
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直接的に結合して活性化することが報告されている.以 下にLFYが複数の遺伝子カスケードや共役因子,クロ マチン因子のはたらきによって,ABC遺伝子の転写を 活性化する仕組みの詳細を述べる(図
4
).
LFYタンパク質は単量体,あるいは二量体として,
プロモーター上の3つのLFY結合配列(CCANTG)
に直接結合する(36〜43)
.さらにLFYは
遺伝子の転 写を,複数のフィードフォワードループによって間接的 に促進している. ( ),
( )
, ,
はLFYの 直 接の標的であり,転写因子として 遺伝子を活性化 することができる(44〜46).また,
( )というLFYの標的は,ジベレリンの濃度調節 を介して, 遺伝子の量を増やす(47)
.一方,LFYが
遺伝子を転写することを示すような知見は得られていない(40, 41)
.
クロマチンリモデリング因子であるSPLAYED(SYD)
は,LFYが や 遺伝子の転写を開始するための共 役因子としてはたらく(48, 49)
.
や のような花器官 の性質を与える遺伝子のクロマチン領域は,コンパクト に折り畳まれ,転写されにくい状態に維持されていると考えられている(50, 51)
.LFYとSEP3はSYDと物理的に
相互作用して,クロマチンを開いた状態に構造を変化さ せて転写可能な状態にしているのであろう(52).Fボック
ス タ ン パ ク 質 で あ るUNUSUAL FLORAL ORGANS(UFO)もLFYを介して のプロモーターに結合して はたらく転写共役因子である(40, 41, 53)
.UFOを含むSCF
ユビキチンリガーゼ複合体はLFYタンパク質をユビキ チン化して分解するようにはたらく(53, 54).この結果は
一見矛盾しているように見えるが,Irishらは古いLFY タンパク質を新しいものへと入れ換えていくことが転写 活性を維持するために必要であると主張している(53).
UFOの分子的なはたらき方から,こちらの経路は転写 の開始というよりは転写レベルの維持においてより重要 であるように思われる.LFYは と幹細胞の決定因子であるホメオドメイ ンタンパク質をコードする ( )遺伝子 とを誘導する(36, 55)
.LFYとWUSは互いに独立に
の 2番目のイントロンに結合して,転写を促すと考えられている(40, 41, 56, 57)
.
は花メリステムの中心部で発現しており, はメリステム全体で発現する(58, 59)
.この
空間的なずれに対する説明はこれまでになされていな い.WUSもLFYも細胞間を移動できるようなタンパク 質であり,このようなタンパク質は濃度に依存してはた らくという報告例がある(60, 61).タンパク質の濃度の違
いとその組み合わせを見ることで,はたらきの違いを説 明できるのかもしれない.またWUSはPERIANTHIA を介して を転写するようなフィードフォワードルー プも報告されており,ほかの経路の重要性もうかがえ る(62).また上記で説明したSYDはLFYと複合体を形成
し て, の 転 写 を 活 性 化 す る.そ の た め,LFYと SYDによるAGのクロマチンの構造変化は,ここでも転 写を開始するために必要なのだろう.以上のように,ABC遺伝子の活性化にはたらく主要因子が同定されて きた.また,Bクラス遺伝子のAP3とPIはヘテロ二量体 を形成し,それぞれ自らの発現維持に機能している.
種々の転写活性化/抑制化因子の相互作用,クロマチン の制御,フィードバック制御によりABC遺伝子の発現パ ターンが形成されていることが予想される.次に,ABC タンパク質がどのように作用しているかを紹介する.
ABCタンパク質の複合体形成能
動物のMADSボックス転写因子であるMYOCYTE ENHANCER FACTOR2はヘテロ二量体やホモ二量体 としてはたらくという報告例から,シロイヌナズナの
図4■ABC遺伝子の転写を制御する の役割
(A) 変異体はがく,花びら,おしべ,めしべの4つの花器官が 葉のような器官に変わる.(B)LFYタンパク質はさまざまな経路 を介してABC遺伝子の転写を活性化させる.
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MADSボックス転写因子もヘテロ多量体としてはたら く た め に そ の 組 み 合 わ せ が 重 要 に な る の で は な い か? と予想された(63, 64)
.MADSボックス転写因子は,
N末側にDNAの結合能をもつMADSドメイン,そのほ かにIドメイン,Kドメイン,Cドメインの4つのドメ インをもっている.タンパク質の結晶構造解析によっ て,Kドメインは2つの両親媒性の
α
ヘリックスを形成 していることがわかった(65).MADSボックス転写因子
はこのKドメイン間の相互作用によって多様な複合体 を形成する.生化学的な解析によって, でヘテ ロ四量体としてはたらくことが明らかにされ,のちにでもその結論が支持されている(66〜69)
.異なる4つ
の花器官に異なるヘテロ四量体が存在して,花器官の性 質を与えると推測されるが,どのようなヘテロ四量体が 形成されるのか? は単量体の濃度に依存する(18).さ
らにヘテロ四量体のはたらき方でユニークであったの は,ヘテロ四量体が近傍に存在する2つのMADSボッ クス転写因子結合配列(CArGボックス)の両方に接す るようにDNAがループを作っていることである.さら に の実験で新しく見えてきたのは,MADSボッ クス転写因子が生体内ではヘテロ四量体(約120 kD)よりもはるかに大きな分子量(約500〜700 kD)で存在 することである.その理由の一つは,転写因子より比較 的分子量が大きいクロマチン因子と相互作用して,より 大きな複合体を形成しているためであることがわかっ た(18)
.
ク ロ マ チ ン リ モ デ リ ン グ 因 子 で あ るSYDや PICKLE,ヒストン脱メチル化酵素であるRELATIVE OF EARLY FLOWERING6(70〜73)などが複合体の構成因 子であったことから,MADSボックス転写因子が花器 官の性質を与えるためにはクロマチンの構造やヒストン 修飾のパターンを変化させていると予想された.AP3とPIの複合体形成は遺伝学的にも,生化学的に も支持されている.ゲノム上での結合部位の網羅的同定 によって,両者は共通の部位に結合することがわかっ た.また,CArGボックスだけでなく,塩基性ロイシン ジッパーモチーフ(bZIP)や塩基性ヘリックスループ ヘリックス(bHLH)が認識するGボックスにも結合す ることが示唆された.bZIPもbHLHも二量体の塩基性 領域がDNAを認識することが知られており,AP3とPI の複合体はほかの転写因子の二量体を含む高次な複合体 を形成しているのだろう.いまだに解決できていないの はAP2がどのようにして,AP3やPIと組み合わせに よってはたらくのか? という点である.現在までに AP2とAP3がタンパク質間で相互作用することを報告 した例はなく,AP2が のプロモーターに直接的に
結合することのみがわかっている.しかし,多くの場合 においてAP2は転写抑制因子としてはたらき,むしろ をはたらかないようにしているように見える(27)
(図3)
.今後は,花びらの性質を実際に決めている細胞
群のみを用いて,組織特異性を高めた生化学実験や遺伝 子発現解析を行い,AP2の機能を理解していく必要が ある.興 味 深 い こ と に,AP1の 複 合 体 の 構 成 因 子 に は,
MADSボックス転写因子とは異なるファミリーに属す るホメオドメイン転写因子であるBLR, BEL1-LIKE HO- MEODOMAIN1, KNOTTED-LIKE3,オーキシン応答 性 転 写 因 子 で あ るAUXIN RESPONSE FACTOR2, SQUAMOSA PROMOTER BINDING PROTEIN- LIKE8などが含まれていた.今後はこれらの多様な複 合体がいつ,どこで,どのようにはたらくのかという詳 細な解析が待たれる.
オミックス解析から見えてきた花器官の性質決定の 複雑さ
2000年代始め頃から,薬剤による転写因子の機能誘 導系とマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析に よって,転写因子の機能獲得後すぐに発現が誘導される 新 規 の 下 流 遺 伝 子 を 多 数 単 離 す る 試 み が 開 始 さ れ
た(74〜78)
.2013年までには,次世代シーケンサー技術の
向上とバイオインフォマティクスの発展により6つの転 写因子の結合部位の網羅的な同定が完了し,花器官の性 質を与えるという生命現象を包括的に捉えることが可能 になっている(16, 17, 40, 41, 79, 80)
.AP1, AP2, AGタンパク質
は約2,000遺伝子,AP3とPIタンパク質は約1,500, SEP3 タンパク質は約4,000遺伝子と直接的に結合する.その うち遺伝子の発現量が突然変異体や誘導系で変化するよ うなものは数百個に限定される.どのタンパク質も CArGボックスと結合して,遺伝子の発現を促進と抑制 のどちらも行うことができ,細胞の発生,分化の制御,新たな遺伝子カスケードの制御,ホルモンの調節,
フィードバック制御を行っている(図
5
).以下にABC
遺伝子の下流の遺伝子ネットワーク解析から見えてきた 知見を概説する.AP1の結合部位を網羅的に同定し,SEP3の結合部位 とよく一致することが確認されたため,AP1とSEP3が 複合体としてはたらくというモデルが支持された.さら にAP1は茎のメリステムの性質決定にかかわる
( )遺伝子の発現を抑制す る.AP1は, 遺伝子の転写終止点から下流に約 1 kbpほど離れた領域に結合して,クロマチンの構造に
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影響を及ぼすことで転写調節をしている(17, 81)
.AP1は
ホルモンのバランスを変える役割も担っている.たとえ ば,AP1はジベレリンの活性化酵素をコードするや,不活性化酵素をコードする や
遺伝子の転写を直接的に促進して,ジベレリンの量を調
節する(17, 82)
.
それらの下流遺伝子がいつ,どこで,どのような役割を担っているのかは,今後明らかにすべき課題で あろう.また,AP1は と
遺伝子の直接の転写を介してサイトカイニン の量を減らして,新たな器官をつくらないようにす る(83)
.
AP2の結合部位の網羅的同定とAGの結合部位の比較 から,その重なりはほとんどないことがわかった(84)
.
一方でAGとAP2は,それぞれの標的の発現に対して拮 抗的にはたらいている例も報告されている.AP2は( )遺伝子を介 して花メリステムの増殖を維持する.AGはARF3を活 性化することでその増殖の抑制にはたらく(85)
.また,
AGは花メリステムの増殖活性を決める の転写を 直接的に結合して抑制するが,AP2は の発現を間 接的に促進しうる(86)
.以上のように,AP2はAGの標的
の発現を拮抗的に制御することで,AGを抑えるはたら きをより強固なものにしている可能性がある.そのた め,お互いが直接的に拮抗する相互作用点になるのでは なく,それらの下流遺伝子の制御などさまざまな情報が 統合された結果として逆の相互抑制的な機能を示すのか もしれない.AP3とPIが花びらとおしべをつくるのに必要な遺伝 子を理解するための,下流の標的の機能解析がなされて いる.AP3とPIは,クロロフィルの合成にかかわる GAT A型転写因子をコードする
, やbHLH型の転写因子をコードする
( )
,
, などの転写を制御する ことがわかっている(77, 78).また
など,細胞壁のリモデ リングにかかわるような遺伝子の発現も制御することか ら,花びらやおしべの性質の付与とともに,色も機能も 全く異なる性質の細胞をつくるための細胞の分化を積極 的に促すようである(77)
.
AGの結合部位の網羅的同定や誘導系を用いた解析か ら,AGがさまざまなイベントを制御することがわかっ ている.AGはEARモチーフをもつ転写因子をコード
する / ( / )遺伝
子を転写して,花粉をつくる(75)
.
/ 遺伝子は,AGのはたらきに依存せずに花粉の形成を促すことがで きる花粉形成誘導のマスター制御遺伝子である.しかし ながら,AGが / の発現を即座に誘導しないこ と,およびAGを異所的に発現しても / は花び らの一部でしかはたらかないなど,その発現制御機構に はいくつかの疑問が残されている.また,AGはDE- FECTIVE IN ANTHER DEHISCENCE1というジャス モン酸の合成酵素の発現も調節して,おしべの発達の制 御をしている(76)
.そのほかにも,YABBY型転写因子で
あ るCRABS CLAWを 介 し た め し べ の 形 づ く り(87),
MYB様転写因子であるGLABRA1を介したトライコー ムの形成抑制なども制御している(84).
AGの下流の遺伝子のネットワークでは,花幹細胞の 増殖抑制機構が最もよく研究されており,遺伝子がい つ,どこではたらくのか? というメカニズムの詳細が 明らかになっている.花幹細胞はおしべ,めしべをつ くった後に,細胞の増殖を積極的に停止する.AGは以 下 に 示 す 直 接 お よ び 間 接 的 な2つ の 経 路 を 介 し て,
遺伝子の発現を抑制して,花メリステムにおいて 幹細胞の増殖を抑制する.AGタンパク質は プロ モーター領域に直接結合して,遺伝子の発現を抑えるは たらきがあるポリコームタンパク質依存的に転写を抑制 す る.さ ら にAGは, の 抑 制 因 子 で あ る
( )の発現時期を制御して,花幹細胞の増 殖を抑制する(88)
.その時間的制御には,細胞分裂の進
行にともなって起きるヒストン修飾が機能している.プロモーター上には,抑制的ヒストン修飾の導入,
図5■ABC遺伝子の下流遺伝子のネットワーク
ゲノムワイドな結合解析と誘導系を用いた遺伝子発現解析によっ て,ABC遺伝子の下流遺伝子が多数単離された.それらの遺伝子 は,細胞の発生,分化,新たな遺伝子カスケード,ホルモンを制 御することが明らかになっている.
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維持にかかわるポリコームタンパク質が結合しており,
遺伝子の発現を抑えている(89)
.AGの発現が誘導
されると, プロモーター上のポリコーム応答配列 に競合的に結合し,ポリコームタンパク質を追放する.その後,数回の細胞分裂をへることで,抑制的なヒスト ン修飾はじょじょに希釈されて細胞周期による時間のず れを伴い の発現は誘導される(89)
.さらにAGの下
流では細胞周期の制御因子が複数同定されており,細胞 周期を介した遺伝子が発現する時間を決める制御機構 は,幹細胞の役割である自己増殖と分化の両方をバラン ス良く制御するために機能していることが予想される.このようにAGは極めて複雑な形態および機能をもつお しべ,めしべを誘導するために,それぞれの下流の遺伝 子をいつ,どこではたらくのかというタイミングを厳密 に決めるために多くの機能をもっているのであろう.
ABCE遺伝子の下流の遺伝子の探索と機能解析から,
これらのマスター遺伝子は花器官形成のネットワークの 中心に位置する ハブ遺伝子 となり,次のイベントを 起こすように促すことがわかった.これまでの下流の遺 伝子の解析はすべて組織をすりつぶしても遺伝子の発現 に大きな変化があったものに限定されている.今後は,
花発生の同調系や特定のマーカー遺伝子によって細胞タ イプ特異的なサンプル調製を行う手法を活用することに より,細胞,組織や器官レベルでの詳細な振る舞いを調 べていく必要がある.またタンパク質が結合していた が,発現が変化しなかったものは生物学的に重要ではな いと結論するのは短絡的ではないかと思う.異なる研究 室で得られた下流の遺伝子に対するタンパク質の結合部 位は一部異なっており,生育条件が結果に大きく影響す るのではないかと予想される.実際に野外の動的に変化 する環境下では,遺伝子の発現をいつでも変えられるよ うに準備しているのではないだろうか? ABC遺伝子 の突然変異体でも温度などの環境を変化させると,表現 型が変化するものもある.今後は環境変化に応答した結 合部位と遺伝子発現の動的な変化も捉えてく必要がある だろう.
今後の展望
この25年間,シロイヌナズナの花の形づくりの研究 は,植物の分子遺伝学研究の進め方のお手本の役割を果 たしてきた.順遺伝学は,遺伝子がはたらかなくなると 花の形が変わるという明確な因果関係とともに,花の形 づくりという生命現象の骨格を明らかにした.さらに順 遺伝学の短所である冗長性や致死性の問題を解決するた
めに,ゲノミクス,トランスクリプトーム,プロテオミ クスと逆遺伝学を組み合わせた遺伝子の同定も積極的に 行われた.オミックス解析は花の形づくりの下流の遺伝 子のネットワークの包括的な理解を可能としたが,い つ,どこで,どの遺伝子が働くことが大事なのか? と いう疑問に答えている報告例は極めて少ない.今後は単 一細胞を用いた絶対量の定量が可能なオミックス解析,
エピジェネティクス解析,精緻なイメージングと数理解 析によって,下流の遺伝子の重要性さえも網羅的に評価 可能であるというお手本を示してくれることを期待して いる.一方,上流の遺伝子を網羅的に同定するという技 術は確立しておらず,変異体の表現型の類似点から上流 因子を推測して,個々に検証している状況にある.その ような技術ができれば,上流遺伝子のネットワークの包 括的理解も飛躍的に進み,花の形づくりという生命現象 の全体像を初めて見ることができるだろう.
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プロフィール
角谷 侑香(Yuka KADOYA)
<略歴>2015年大阪工業大学工学部生命 工学科卒業/同年奈良先端科学技術大学院 大学バイオサイエンス研究科博士前期課程 入学,現在に至る<研究テーマと抱負>シ ロイヌナズナの光環境応答における成長制 御の解析<趣味>スポーツ観戦
山口 暢俊(Nobutoshi YAMAGUCHI)
<略歴>2009年東京大学大学院理学系研 究科博士課程修了/同年ペンシルバニア大 学生物学部博士研究員/2014年同日本学 術振興会海外特別研究員/2015年奈良先 端科学技術大学院大学バイオサイエンス研 究科助教/同年さきがけ兼任研究員,現在 に至る<研究テーマと抱負>花をつくるた めにはたらく遺伝子のはたらきを詳しく知 りたい<趣味>シュナウザーと出かける旅 行
伊藤 寿朗(Toshiro ITO)
<略歴>1997年京都大学大学院理学研究 科博士課程修了/同年カルフォルニア工科 大学,日本学術振興会海外特別研究員/
2003年同大学シニアリサーチファカル テ ィ ー ポ ス ド ク 研 究 員/2005年 シ ン ガ ポール テマセックライフサイエンス研究 所Principal Investigator/2011年 同 大 学 Senior Principal Investigator/2015年奈良 先端科学技術大学院大学バイオサイエンス 研究科教授,現在に至る<研究テーマ>花 幹細胞の増殖/分化制御とエピジェネ ティック制御による環境応答機構<抱負>
Things do always work out.<研究室ホー ムページ>http://bsw3.naist.jp/ito/
Copyright © 2017 公益社団法人日本農芸化学会 DOI: 10.1271/kagakutoseibutsu.55.602
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