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花粉症とまちの構造との関係性について

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Academic year: 2025

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2017年度卒業研究概要

花粉症とまちの構造との関係性について

史 中超 研究室 1461048 櫻井 敏貴 1461087 松友 文志

1.研究背景・目的

花粉症患者は全国で確認されており、全国的に 増加傾向にある。図1は平成6年全国県別花粉 症発症率の分布を示しており、東京や名古屋、大 阪など都市部に多くの花粉症患者がいることが 分かる。一方、北海道や東北、九州などの地方で は、花粉症患者が少ない。人口密度の高い都市部 と人口の少ない過疎地における花粉症発症率に 差があることは明らかである。

図1 県別花粉症発症率の分布[1]

本研究では、地域によってばらつきがあるこ とに注目し、花粉飛散のメカニズムを実証実験 により検証し、花粉症を減らすための対策を提 案する。

2. 地域の選定および特徴の比較

花粉症の原因である杉は宮崎県に多く、東京23 区に少ない。逆に、花粉症発症率は東京 23 区に 多く、宮崎県に少ない[2]。原因としてはまちの構 造や特性の違いと考えられる。本章では、原因を 究明するために、緑被率と舗装道路率、人口と流 動性、公共機関の違いについて比較・検証する。

表1に示すように、東京23区の特徴は舗装道

路率が高く、人口密度も高い。また、人が密集・

流動し、しかも主に鉄道が利用されている。一方、

宮崎県の特徴は緑被率が高く、自動車の利用率が 高い。つまり多くの植物に囲まれている。

表1 東京23区と宮崎県の違い[3]

東京23区 宮崎県 緑被率(%) 20 85 舗装道路率(%) 64.1 22.8 人口密度(人/k㎡) 14,844 162 流入超過人口(人) 2,326,349 15,826 鉄道利用率(%) 75~85 0~5 バス利用率(%) 0~5 30~40 自動車利用率(%) 10~20 50~60 3.花粉飛散についての検証

本章では、東京 23 区と宮崎県の特徴ごとに花 粉飛散のメカニズムを実証実験により検証する。

① 植物と舗装道路

舗装道路と植物に花粉が付着した場合の比較・

検証をする。

まず、植物に付着した花粉については雨で地面 に流されることが多く、図2に示すように、風に 飛ばされにくく、2 次・3 次被害が少ないことが わかった。

図2 植物における花粉飛散の様子

(2)

次に、舗装道路に落下した花粉については雨で 排水溝に流されるが、溝や道路に残ってしまうこ とが多い。また、図3に示すように、歩行者や自 動車等の通過風や自然風などより繰り返し飛ばさ れており、2次・3次被害が広がることが検証に よりわかった。

図3 舗装道路における花粉飛散の様子

② 人口と流動性

衣類等に付着した花粉は図4に示すように、移 動時に徐々に落下し、被害を拡大させている。自 然風以外に、人が密集・流動することより、2次・

3次被害の拡大の原因ともなっている。

図4 八王子駅(左)から渋谷駅(中)、東京都市大 学(右)までの花粉付着の様子

さらに、衣類等につく原因は自然風によりつく ことが多いが、主に自動車や電車の通過風である と考えられる。自動車と電車の通過風の違いによ り衣類に付着する花粉量については図5に示すよ うに、電車の影響が圧倒的に多い。駅ホームで多 くの花粉が付着することがわかった。

図5 自動車(左)と電車(右)の通過風による 花粉飛散の比較

4.提案

検証の結果から以下の花粉症対策を提案する。

① 都市緑被率の増加

都市の緑化(屋上緑化や壁面緑化を含む)を増 やすことで、花粉の飛散を抑制することで2次・

3次被害を減らすことができる。

② 電車の通過風対策

一般的には街中に移動している人々の衣類等付 着している花粉の取り除きは難しい。電車が通過 する際に強い通過風が発生するため、花粉の2,3 次災害が発生してしまう。ここで、電車とホーム を完全に遮断するホームドアを設置することによ り、2次・3次被害の拡大を防ぐことを提案する。

③ 無花粉杉への転換

花粉症の原因とされる杉やヒノキの遺伝子組換 え技術がすでに実用化段階にきている[4]。莫大な 予算が必要だが、花粉症がもたらす経済へのマイ ナス効果と比べると、杉やヒノキなどの遺伝子組 み換えによって、発症しない社会への転換に十分 な価値があると思われる。

4.まとめ

花粉症は多くの人々を苦しむことだけでなく、

直接経済的な損失も年間2300億円程度があると 言われており、今後の増え続くとされている。

本研究では、花粉症とまちの構造との関係性を 明らかにしたうえで、花粉症対策を提案した。花 粉症をなくすには、抜本的な対策が求められてお り、都市緑化の増加や生活スタイルの改善のほか、

遺伝子組み換え技術の活用が必要不可欠だろう。

5. 参考文献

[1] 東京都福祉保健局

http://www.tokyo-eiken.go.jp/kj_kankyo/kafun/

[2] NPO花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会 http://hanamizu.jp/489

[3] 平成22年国勢調査

http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/

[4] 遺伝子組換え技術によるスギの無花粉化 https://www.ffpri.affrc.go.jp/ftbc/business/issue/docu ments/13-1.pdf

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