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福島大学地域創造

第30巻 第2号 77〜86ページ 2019年2月

Journal of Center for Regional Affairs, Fukushima University 30 (2):77-86, Feb 2019

調 査 報 告

1.は じ め に

 本報告は,2011年3月11日東北地方太平洋沖地震 に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故後の福島県 を中心とした学校教育等における,「原発事故からの 復興教育」の実践を調査したものや教員研修等の支援 に当たった実践記録をまとめたものである。

 震災後から学校現場では原発事故による放射性物質 の影響等を配慮して,屋外の授業の制限だけでなく,

窓の開閉や理科授業等の制限(植物栽培等)など,こ れまで経験したことのない不安の中で学校生活を送っ ていた。

 そうした状況下で当時は,「知識がないから過度に 不安がる」「正しい知識をもって正しく恐れよ」「放射 線は有効利用されている」などと,教員や児童・生徒,

さらには保護者の知識の不足が混乱を招いているとの 論調が放射線関連の研究者や科学教育関係者,さらに は各種メディア等で溢れ,教育現場でいかに現状を理 解し学校生活を取り戻し,未来に向かって行くかの議 論がなされていない点を筆者らは批判してきた。(岡 田,渡辺2012)

 その後,福島県教育委員会義務教育課が2011年度か ら『放射線等に関する指導資料』を小中学校向けに作

成し,その後5年間第5版まで版を重ね,学校現場で の「放射線教育」の実践を推進してきた。また福島県 内の市町村教育委員会等でも,地域の実情に沿った指 導事例集を作成し,研修会や研究公開授業を実施して きた。

 その後も,福島県内の小中学校では毎年,授業実践 が展開されてきたのだが,その内容は「放射線の性質 の理解」から「原発事故後の福島県内の現状や対策」

が含まれたもの,さらには「未来志向」のかけ声の下,

東日本大震災からの様々な視点での「復興教育」へと 変化がみられる。

 これらの展開や内容については,分析途中であるが,

こうした取り組みを調査し,表出しにくい学校現場,

とりわけ多くの教員の苦労についてひとまず知ること ができた。併せて,児童生徒向けの講演・出前授業や 教員向けの講演,学校・教員への支援などの筆者の関 わりも年々変化してきた。

 そこで本稿では,筆者が原発事故後から現在まで主 に福島県内の学校現場において取り組まれてきた「放 射線教育」「原発事故からの復興教育」に関わった事 例を紹介し,その内容の変遷や時期ごとの大まかな特 徴を述べることとする。

小学校,中学校,高等学校と大学等における 放射線教育の実践に関する調査について

共生システム理工学類     

兼総合教育研究センター教授  

岡 田   努 

Study on the practice of radiation education at elementary school, junior high school, high school and university

OKADA Tsutomu

(2)

2.調査事例の記載方法について

⑴ 放射線教育の調査の際の課題

 福島県内の放射線に関する授業の調査を実施する には多くの困難があった。それは,①原発事故で避 難を余儀なくされた児童生徒が在籍する学校でのア ンケート調査等が断られたこと。②市内の数校に避 難生徒が在籍しているため市内全校にアンケート協 力は実施できないこと。③授業等の視察は可能だが,

学校名の公表は控えて欲しい。また調査に関するこ とだけでなく,④原発事故による避難児童・生徒を 抱えた学校や家族が東京電力社員である児童・生徒 が在籍する学校では,「放射線の授業」の内容に苦 労していたこと,などである。

⑵ 学校名の記載について

 前節で述べた事情により,本報告では学校名は記 載せず,任意のアルファベットを割り当てて表記す る。また学校の所在地についても学校が特定される ことを防ぐため市町村立等も記載せず県庁の出先機 関である地方振興局が所在する7つの管内(県北・

県中・県南・会津・南会津・相双・いわき)を記す ことにする。

 また県外の視察先の学校2校についても,今回は

「近畿地方」の学校との記載とする。

(例)県北Q小学校 など

  (県北管内のQ小学校の意味。)

 また授業中の画像や成果報告等の画像データも今 回は掲載しない。

⑶ 放射線関連の授業等を支援した学校について  2012年度から2018年度まで,筆者が各種支援を 行った学校や教育委員会は下記の11校園と2教育委 員会である。また小中高校大学の関連を調査する上 で筆者の所属先での授業「復興教育学」における実 践内容も加えた。

【協力校・教育委員会等】

 中学校:4校

  県北A中学校・県北B中学校・県北C中学校   県外K中学校

 小学校:6校

県北P小学校・南会津Q小学校・県中R小学校・

県中S小学校・県中T小学校・県北U小学校  高等学校:1校

  県北 県立V高校

 幼稚園:県外M(講師は中学校教員)

 市町村教育委員会:2 X市教委・Y村教委  福島大学:復興教育学授業担当(1時間)

3.福島県内外における「放射線授業」等に  関する各種支援内容について

 2012年度からの7年間の間に筆者が支援してきた学 校等での「放射線教育」「復興教育」関連の実施内容 について概要と特徴について記載する。

 なお以下に示す実践例は,研究公開授業に向けて事 前に担当教員と複数回にわたって相談を受け指導した ケースがほとんどである。

 以下⑴2012年度から⑺2018年度までの実施内容を記 載する。

a 対象(学年 教員など)

b 支援内容

c 支援の方法と回数等 d 特徴

e その他(記載ない場合あり)

⑴ 2012年度

① 県北A中学校(3年)

a 中学3年生(4クラス)理科

b 理科の研究公開の授業担当者への指導助言な らびに情報提供,地域の教育資源(人的物的資 源)の提供。

c 6月の研究公開授業に向けて,5月から週に 2〜3回は打ち合わせ,指導助言を実施した。

研究公開に向けた10回の授業計画について事前 事後指導を実施した。

d 典型的な「簡易霧箱実験」と「放射線測定器 はかるくん」による実験・観察だけに留まらず,

e 校内の放射線量マップの作成は,原発事故被 災地だけに,おそらく全国でも初めての授業実 践になったと思われる。

 また福島県や地元スーパーでの福島県産農産 物の放射能モニタリング調査の紹介や,放射線 測定器の熱い鉛板が放射線のバックグラウンド の遮蔽に役立っていることなど,原発事故被災 地ならではの教材を紹介した。

 当授業は原発事故被災地での研究公開授業と いうことでこれまでにはない,視点や教材,地 域の教育資源の活用方法を全国でも初めて提示

(3)

することができた。

② 県北P小学校(4年)6時間

a 小学4年生 特別活動(学級活動)

b 市教育委員会の作成途中の指導事例集を活用 した研究公開授業に向けての教師の支援。

c 研究公開前の1時間と当日の授業2時間分の 授業の構成に関する相談と助言。ゲストティー チャーとして参加協力した。公開授業までに5

〜6回ほど打ち合わせ等を実施した。

d 原発事故後の空間線量や空間線量率の測定結 果が各種メディアに登場し,その数字の大小に より何を表しているのかなど不明な児童たち に,モニタリングポストや個人線量計の数値の 意味などを体験を通じて教えた。また外部被ば くだけでなく内部被ばくについても取りあげ,

その防止のため,県内産農産物の放射能モニタ リング測定結果が新聞や店頭でなされていると いう事実に気づかせる資料を提示した。

e 空間線量率の数値については小学校3年生の 算数でようやく小数点を学習したばかりである ことを配慮し,その復習をふまえて読み方や大 小を比較させた。また身近な店頭や新聞記事の 放射能モニタリングの測定結果を授業で扱うな ど,被災地ならではかつ全国でも初めての授業 を実施した。

⑵ 2013年度

① 県北B中学校(3年)2時間 a 中学3年生 理科

b 中学校区の研究公開授業にむけての授業者  支援。

c 研究公開授業までに授業者,研修主任,校長, 教頭らと打ち合わせ,授業者からの相談対応。

d 放射線の性質理解・簡易霧箱実験・放射線測 定器「はかるくん」を利用した,校内の線量マッ プ作成・身近な放射線(黒雲母の巨大結晶)全 国的にも典型的な授業実践。「簡易霧箱」では ドライアイスの調達が困難で,授業者が取引先 を開拓し自信を深めていた。A中学校で実践さ れた,校内線量マップの作成を参考にした。A 中学校が保有していた黒雲母の巨大結晶を借用 した。

 周辺の小学校の教員が視察,事後研究会では,

「自分は理科が専門ではないので,できない」「グ ループ間のやりとりを見て,あれが中学校の言

語活動なのか」という批判があった。(それは 小学校教員の中学校教員の業務や役割に関する 理解不足の側面が大きい。)

 事後研究会では,内容に関する議題よりも,

生徒の「思い」など,典型的な教育関係者の議 論が多かった。

② 県北P小学校(2年 3年)2時間 a 小学3年生 特別活動(学級活動)

  小学2年生 特別活動(学級活動)

b 校内研究授業にむけての授業者への支援。

c 研究公開前の1時間と当日の授業2時間分の 授業の構成に関する相談と助言。ゲストティー チャーとして参加協力した。公開授業までに5

〜6回ほど打ち合わせ等を実施した。

d 4年生(昨年度と同様)2012年度②参照。

 2年生 原発事故により県内の広範囲に放射 性物質がまき散らされた。指導資料等では,帰 宅時のうがい手洗いの重要性を説いていたが,

イメージがしにくく,理解が深まらない。そこ で筆者が県内の他の地域での実践例を紹介し,

授業に取り入れた。具体的には,小麦粉を靴や 手につけて,黒い紙の上を歩き,自宅へあがろ うとするまでのようすについて,目には見えな いがホコリなどに放射線をだす粒が付着してい る(という表現で)ことを可視化させた。

e 気軽に相談し合える校内研修の時間を筆者も 含めて複数回実施した。前年度の授業者が利用 した掲示物などの資料も再利用した。

③ 南会津Q小学校(6年)

a 小学6年生 特別活動(学級活動)

b 研究公開授業に向けての授業者への支援。

c 研究授業当日まで直接あるいは電子メールや 電話で相談・支援を複数回実施した。

d 身の回りの食品に含まれる原発事故由来の放 射性物質をどのようにチェックしているのか,

給食の検査,地元の公民館等での放射能モニタ リング検査などについて学んだ。

e 比較的空間線量率が低く,原発事故の影響は 少ないと思われる地域における研究授業。県外 で,「福島出身者」として,風評被害を受けた とき,どのような対応ができるかという視点が 存在していた。

④ 県北X教育委員会教員研修 a 某市の小中学校教員 b 放射線教育研修会

(4)

c 担当指導主事と事前打ち合わせ。

d 単なる放射線の知識理解だけでなく,学校に おける授業を行うには,という視点で,小中学 校で学ぶ内容と放射線理解のための知識がいか に結びついているのか,イメージしやすいよう いくつかの事例を紹介した。

⑶ 2014年度

① P小学校(2年・4年)

a 2年生 特別活動(学級活動)

  4年生 特別活動(学級活動)

b 市内の放射線教育研究公開事業に向けての  支援。

 4年生では当日ゲストティーチャーとして支 援。

c 研究公開授業まで他の学級でも授業を実施,

その準備や事後指導に複数回協力した。

d 2年生 2013年度②と同じ

 4年生 内部被ばくについて,地元のリンゴ 農家の事例を紹介。ゲストティーチャーから原 発事故とその影響で県内産農産物の検査が実施 されていることを紹介し,どのような知識を 持って生活していくかを考えさせた。

② 県中R小学校(3年)

a 小学校3年生 特別活動(学級活動)

b 講師による授業提供 c 当日のみ

d 原発事故の概要とそれによる放射性物質の拡 散,県民の生活への影響などを画像で解説。実 際に線量計を用いて,放射性物質の距離による 数値の違いなどを体験させた。

e その後,通常の理科の授業にも協力した。

 (太陽の動きなど)さらにサイエンス教室な どでも同校児童向けの講座を開催した。

③ Y教育委員会教員研修 a 小中学校教員向け講座 b 講師

c 当日1回

d 簡易霧箱実験による放射線の飛跡確認や放射 線測定器「はかるくん」の利用というイメージ が強かった放射線教育において,小中学校で学 ぶ内容の中で放射線理解のための視点が存在す ることを指摘し,学校教育でいかに授業を行う かという視点を提示した。

④ T高校講演1年

a 高校1年 約200名 総合的な学習の時間

b 講師

c 講師との事前打ち合わせ

d 同校はユネスコの ESD教育指定校として教 育活動に取り組んでいた。そこで原発事故後の 放射線に関する学習や原発事故からの復興に向 けて学習を進める際の様々な視点について講義 した。

e その後,自然科学部の研究活動にも関わった。

⑷ 2015年度

① 県中S小学校(6年)

a 小学6年 特別活動(学級活動)

b 研究公開授業に向けての授業者支援。

c 4〜5回

d 小学校のまとめとして,これまで学んで来た 原発事故と放射線に関する成果から,今後,社 会で生きていくときに自分が大人になったとき にもまだ原発事故の不評被害の影響が残されて いるであろう福島県にどのように貢献したい か,キャリア教育の視点も取り入れて,児童に 考えさせ,発表させた。

② Y教育委員教員研修

a 小中学校教員向け研修講座 b 講座の講師

c 事前打ち合わせあり

d 参加者をグループに分けて,各自,学校での 取り組みと課題を発表し,共通する課題を抽出 させた。その後,講師による講演を実施。放射 線について小中学校の学習とのつながりの重要 性について提言した。

e 地元の科学館職員も参加した。

③ 県中T小学校

a 小学校6年 校内研究授業 特別活動 b 授業者への指導助言 ゲストティーチャー c 事前相談含め2回

d 原発事故とその後の影響について,前年度ま での他の小学校の事例を参考に,映像で紹介し た。講師が放射線測定器の使い方を教えて,距 離と遮蔽による数値の変化など教室全体を使っ て体験活動を実施した。

e 当日の授業にあわせて全校児童向けに3回の 科学教室も開催した。

④ 県北V高校講演1年

 毎年恒例の1年生向けの講演。ESD教育に取り 組む同校の恒例の学習会。

 2014年度④参照

(5)

⑤ 福島大学復興教育学(1/2年次向け)

a 大学1,2年生向けの授業の1コマ b 講師

c 1回

d 福島県内の学校教育における,放射線教育の 現状と課題について,上述の取り組みから明ら かとなった事例を紹介した。

 また教員免許取得希望者が多いことから,

「知ったつもり」になっている用語や概念につ いて,ゲーム形式や体験活動を通じて学ぶこと ができる,という事例を紹介した。

⑥ 県外K中学校2年

a 中学2年生 「サイエンス」同校独自の授業 b 講師

c 3クラス各2回

d 放射線教育の実践校である同校で,原発事故 後の福島の現状や課題について学びたいとの依 頼で福島の現状についての授業を実施。2時間 目は前の授業内容から近隣の原子力発電所再稼 働についてどう考えるか,グループ討議,全体 発表などを実施した。

⑸ 2016年度

① 県北C中学校

a 中学1年・2年・3年 特別活動(学級活動)

b 市の研究公開授業の授業者3人への支援。

c 準備段階から前時の授業,当日までの準備も 含めて各学年10回ほど。

d 1年 なぜ原発事故や放射線について学ぶの か。地元のリンゴ農家の苦悩から学ぶ。

 2年 外部被ばくと内部被ばくについて,そ のしくみについて学びその他県の対策,民間企 業などの対策について具体的に学んだ。英語の 教員が理科の内容に触れたのが物議を醸した。

 3年 国語の教員が担当。原発事故による身 の回りの生活への影響について「形のみえるも の」「形のみえないもの」という分類で,生徒 に考えさせた。その過程で,普段何気なく目に していたモニタリングポスト,農産物のモニタ リング検査,店頭や新聞と腕の放射能モニタリ ングの結果,空間線量率のデータなどをあらた めて見直すことができた。これから自身が福島 県でどのように生活していくか考えさせた。

e 中学校では理科に放射線の性質にふれる内容 があるため,放射線に関する授業は理科の教員 に一任しているケースが少なくなかった。しか

し筆者は学級担任に授業を担当させたいと要望 し,各担任教員がそれにこたえる形で実施し た。理科にふれる内容について,視察した教員 からは,「それは理科の内容だ」「自分たちは理 科の専門家ではないからできない」という感想 があったが,筆者はそれらの批判に対し,「先 生方は小中学校で学んだ内容であって,それを 否定することは,自身の教師としての業務を批 判することになり(義務教育で学んだ内容は教 職に就いた先生方でも身につかない無駄なこと か),矛盾しているのではないか」「義務教育段 階で学んだ知識をつなげて考えることが必要で はないか」と提言した。

 当該校の取り組みを,フォトブックとして画 像として残すことを提案し,全教員に配布し た。授業者からは自身の労苦の軌跡を形にして もらったということで次回も実施しやすいとの 評価を得た。

② 県北C中学校

a 中学3年生3クラス 特別活動(学級活動)

b 講師 c 1回

d 研究公開の授業後に,3年生全員が筆者の講 義を受けた。1,2年生の授業で実施したよう な,原発事故の概要から,放射性物質の影響,

福島県の被災状況,放射線の性質,復興に向け てなど,まとめといえるような講和を実施した。

e C中学校では,研究公開の後,放射線教育 ウィークを設定して,学級担任全員が担当学級 で放射線に関する授業を実施した。その後にま とめとして本授業を行った。教頭および研修主 任との密接な連携により,また全教職員との信 頼関係が構築できた成果と言える。

③ X教育委員会教員研修 a 小中学校教員向け b 教員向け講演 c 1回

d 上記②の3人の教員の授業の概要と特徴につ いて,義務教育で学んだ知識で理解できること が数多くあることを指摘した。また講演途中で 睡魔に襲われた聴衆に対し,さいころを使った

「半減期」をイメージさせるゲームを体験させ,

放射線の性質理解に努めた。

e 教科書の図などの利用について,教科書著作 権協会の存在や,一般公開やウェブ上に掲載す

(6)

る際の注意事項も紹介した。

④ 県北V高校講演1年

a 高校1年 約200名 総合的な学習の時間 b 講師

c 講師との事前打ち合わせ

d 同校はユネスコの ESD教育指定校として教 育活動に取り組んでいた。そこで原発事故後の 放射線に関する学習や原発事故からの復興に向 けて学習を進める際の様々な視点について講義 した。

e その後,自然科学部の研究活動にも関わった。

⑤ 県北V高校科学部サイエンスアゴラ出展 a 高校1年自然科学部生徒4人

b 事前指導,掲示物の提案。発表内容の指導。

c 4,5回

d 国内最大級の科学イベントサイエンスアゴラ 2016に筆者のグループが出展。(spff ふくしま サイエンスぷらっとフォーム)「震災5年目:

若者が描く復興後の福島の未来と科学・技術」

というタイトルでブース出展し,東日本大震災 後の福島の復興について関心ある高校生や大学 生,大学院生さらには福島県内の研究機関の復 興事業や科学館などの社会教育施設がそれぞれ の取り組みを発表し,来場者との対話の場とし た。

e 本イベントへの参加内容だけでなく日ごろか らの取り組みが評価され,JST賞を受賞した。

⑥ 福島大学復興教育学(1/2年次向け)

a 大学1,2年生向けのオムニバス形式の授業 の1コマ

b 講師 c 1回

d 福島県内の学校教育における,放射線教育の 現状と課題について,上述の取り組みから明ら かとなった事例を紹介した。

 また教員免許取得希望者が多いことから,

「知ったつもり」になっている用語や概念につ いて,ゲーム形式や体験活動を通じて学ぶこと ができる,という事例を紹介した。

⑦ 県外K中学校1年

a 中学1年生 「サイエンス」同校独自の授業 b 講師

c 3クラス各2回

d 放射線教育の実践校である同校で,原発事故 後の福島の現状や課題について学びたいとの依

頼で福島の現状についての授業を実施。1時間 目は原発事故概要とその影響について福島の被 害状況や放射性物質の拡散による被災状況につ いて解説した。2時間目は放射線の基本的な性 質に加え,学校で学習し,習得した知識を使っ て放射線の性質や測定方法の理解を進める方法 について解説した。

⑹ 2017年度

① 県北地区C中学校(2年生向け授業)

a 中学2年生全員 特別活動(学級活動)

b 講師 c 1回

d 2年生全員が筆者の講義を受けた。2016年度 の研究公開以降,「放射線教育」が何らかの形 で毎年実施されている。講演では原発事故の概 要から,放射性物質の影響,福島県の被災状況,

放射線の性質,復興に向けてなどの基本的な話 を,内部被ばくの理解のための小中学校の理科 で学習した内容を用いた解説や,放射線の基礎 的な知識の理解が実は放射性物質のスクリーニ ング検査やホールボディカウンター検査などに 結びついて理解できていないことなどを指摘 し,習得した知識をつなげていくことの重要性 を指摘した。

② 県北V高校 2年生向け選択授業 a 高校2年生 8名

b 講師 c 当日のみ

d 原発事故からの復興について,どのような観 点で学習や研究を進めていくのか,小中学校で 学習した知識を総動員して,考えることの重要 性,教科横断的総合的なものの見方考え方を持 つことを指導した。特に放射性物質の拡散によ る福島の農産物の課題にふれ,その対策につい て一人一人の考えを発表させた。

② 県北V高校 1年生向け講演

a 高校1年 約200名 総合的な学習の時間 b 講師

c 担当教員との事前打ち合わせ

d 同校はユネスコの ESD教育指定校として教 育活動に取り組んでいた。そこで原発事故後の 放射線に関する学習や原発事故からの復興に向 けて学習を進める際の様々な視点について講義 した。

e その後,自然科学部の研究活動にも関わった。

(7)

③ 県外K中学校1年生 授業

a 中学1年生 「サイエンス」同校独自の授業 b 講師

c 3クラス各1回

d 放射線教育の実践校である同校で,原発事故 後の福島の現状や課題について学びたいとの依 頼で福島の現状についての授業を実施。原発事 故概要とその影響について福島の被害状況や放 射性物質の拡散による被災状況について解説し た。また放射線の基本的な性質に加え,学校で 学習し,習得した知識を使って放射線の性質や 測定方法の理解を進める方法について解説し た。

④ 近畿地区の某理科部研修会 a 中学校高校教員

b 講演講師 c 1回

d 東日本大震災後の福島県の現状と課題につい て解説すると共に,従来の放射線教育では取り 扱わなかった様々な事象や復興に向けての課題 について講演を行った。その後,福島県内の新 聞や広告などを使って実際に授業で行われてい る教材や取り組みを体験頂いた。

⑤ 県北V高校 県外K中学校2年   サイエンスアゴラ出展

a 中学2年(4名) 高校2年(4名)

b 事前指導,掲示物の提案。発表内容の指導。

c 4,5回

d 国内最大級の科学イベントサイエンスアゴラ 2017に筆者のグループが出展。(spff ふくしま サイエンスぷらっとフォーム)今回のテーマ

「越境する」にちなんで「復興期における被災 地の課題と科学コミュニケーション」というタ イトルでブース出展し,「県内×県外」原発事 故後の復興について学ぶ若者,昨年から放射線 や復興などについて学び始めた福島県内の高校 生と,学校のプログラムで放射線や科学リテラ シーを学んでいる県外の中学生が,「福島の今」

をめぐって議論した。それをもとに ,立場の違 いや今後の目指すべき方向性について来場者を 巻き込んで立場を超えて対話を行った。

e 「県内×県外」「研究者×地域住民」の「越境」

について,来場者との対話そのものをプレゼン テーションしたことが高く評価され,サイエン スアゴラ賞を受賞した。(同省が2011年に制定

されてから2年連続3回目)

⑥ 福島大学復興教育学(1/2年次向け)

a 大学1,2年生向けのオムニバス形式の授業 の1コマ

b 講師 c 1回

d 福島県内の学校教育における,放射線教育の 現状と課題について,上述の取り組みから明ら かとなった事例を紹介した。

 また教員免許取得希望者が多いことから,

「知ったつもり」になっている用語や概念につ いて,ゲーム形式や体験活動を通じて学ぶこと ができる,という事例を紹介した。

⑺ 2018

① 県北U小学校(5・6年)

a 小学5年生 6年生

b 授業者6名への研究公開に向けた指導助言   5,6年生向けの事前の出前授業

c 7回

d 5年生 原発事故後の福島の農産物への影 響,風評被害に対する県内の対策。児童らが風 評被害払拭のためのパンフレット作成。

 6年生 原発事故からの復興教育の一環とし て,原発の廃炉と発電方法をめぐる調査研究。

特に発電利用に関する再生可能エネルギーの学 習とそれらの発電方法を踏まえた,「ベストミッ クス」について,多様な発電方法について学び,

現地の視察調査,ヒヤリングを通じ理解を深め た。授業では児童個人の考えによるベストミッ クスについて発表を行い,質疑応答を経て再度,

発電方法の特徴を吟味しながら,現状でのベス トミックスを提案し,パンフレットを作成した。

e 6年生のパンフレットは印刷(紙媒体)また は他の媒体により広く周知することも検討中。

② 県外M幼稚園(講師は附属中学校教員)

a 中学校教員による附属幼稚園児と保護者向け の放射線に関する演示実験と講義

b 学会発表時の指導助言,講座にいたるまでの 電話・メールによる助言等

c 5〜6回

d 附属幼稚園において園児とその保護者向け に,放射線測定器の操作体験,簡易霧箱実験の 体験と講義を実施した。

e 福島県の原発事故に関心をもつ保護者は少な くなかった。原発事故と講座内容の関連性に課

(8)

題あり。

③ 県外K中学校2年(出前授業予定)

a 中学1年生 「サイエンス」同校独自の授業 b 講師

c 3クラス各1回

d 放射線教育の実践校である同校で,原発事故 後の福島の現状や課題について学びたいとの依 頼で福島の現状についての授業を実施。原発事 故概要とその影響について福島の被害状況や放 射性物質の拡散による被災状況について解説し た。また放射線の基本的な性質に加え,学校で 学習し,習得した知識を使って放射線の性質や 測定方法の理解を進める方法について解説し た。

4 考   察

⑴ 原発事故後の放射線教育の変遷と特徴

 前章では7年間の福島県の学校教育での「放射線 教育」への筆者の支援活動について記載した。

 7年間でその内容も支援方法についても変化が見 て取れる。以下,大まかに特徴を述べて考察とした い。

① 原発事故直後の「放射線の性質の理解」教育  原発事故直後は,「放射線理解」が主であった。

即ち放射線を視覚的にとらえ興味関心を高める

「簡易霧箱実験」と,空間線量率の測定体験であ る放射線測定器「はかるくん」の利用である。こ れは原発事故前に,原子力産業や放射線を利用し た事業者と関連する研究者などで構成される団体 の放射線に関する教育の必要性を国に働きかけて きた内容の影響を受けたものであろう。そこで は「エネルギー・環境教育」と関わった「放射線 に関する教育の必要性」を要望してきたのだが,

「中学の理科以外の科目で原爆や原子力発電所の 事故による放射線の影響の恐怖や放射性廃棄物の 危険性が強調される反面,理科で放射線・放射能 の正しい知識を与えることをしていない」こと への, 反論でもあった。

 しかし原発事故で故郷を後にして避難を余儀な くされた住民の存在,福島県内での多くの県民が 放射性物質の汚染等で不安な日々を送っている状 況下では,「放射線の利用・効用」は,学校教育 でも一般市民にもすんなりとは受け入れられな かった。

② 原発事故の概要理解と放射性物質の影響  2012年頃からは福島原発事故の概要が年々詳細 に記載されるようになってくる。おそらく2011年 に福島県教育委員会義務教育課編の『放射線等に 関する指導資料』(福島県教育委員会2011)の第 1版に原発事故の記載が無かったこととも関係し ているのであろう。

 ここで「なぜ放射線について学ばなくてはなら ないのか」について事故の影響を授業で明確にふ れるケースが増えて来た。それまでは中学校の理 科の授業でも事故の詳細にふれることはタブー視 されていた

③ 事故により巻き散らされた放射性物質に対する 自治体や民間企業等の対策など現状と課題の理解  例えば筆者は2012年から,放射性物質による外 部被ばくや内部被ばくの理解を,小中学校の理科 の学習内容で理解できることは理解していくべき との提言を行っていた。また平行して,特に県内 の農産物等の放射能モニタリングの取り組みにつ いても,科学的な知識や風評被害払拭といった観 点からも授業に導入すべきと,公開授業の授業者 に授業に導入することを提案してきた。当時は普 及しなかったが,近年徐々に同様の内容が増加し てきている。

④ 放射線教育から原発事故からの復興教育へ  震災から5,6年が経過した頃に叫ばれたのは,

時間の経過に伴う「震災の記憶の風化」であった。

そもそも原発事故を覚えていない児童の登場,中 学生でさえも当時の記憶が曖昧などと,授業実施 の難しさを指摘する声が学校現場から多く聞かれ るようになった。

 他方,過去の事故や避難状況の大変さなどを取 り上げるだけでなく,これからの福島の復興にむ けた,いわゆる「未来志向」の授業の提案が近年 は増加傾向にあるというのも特徴のひとつであろ う。

⑤ 放射線教育指導助言者の変化

 事故直後は,学校や地域での放射線教育関連の 講演や授業では物理学者や医学者などが招聘され ることが多かったように記憶している。関連する 研究者も自ら地域貢献事業やアウトリーチ活動と して,ボランティアで関わったケースも多かった。

しかしここ数年は筆者のような,科学教育・教育 学など先端科学・技術分野の研究者ではない者が 講師や指導助言者として招聘される機会が増えて

(9)

きた。それは高度で難解な専門的知識の提供だけ では,学校の教員が授業をできないことへの不安 があったためと推測している。実際に筆者が指導 助言者として招かれた場合は,教員が授業を行う という形がほとんどであった。

5.おわりに 今後の課題等について

 以上30数件におよぶ,学校現場での放射線に関連す る授業の支援内容を見てきた。原発事故以前には想定 していなかった放射線に対する不安や知識の不足への 対策(放射線の性質理解)などから,その内容に年々 変化が見られるようになった。

 50年以上も前の1961年には原子力委員会の長期計画 に,一般市民や中高生向けの教材として原子力が取り 入れられ「原子力知識の正しい普及」を目指す旨が初 めて記載され,ていたように1950年代から70年代に は「原子力教育」であった分野の内容が,近年では一 般には「放射線教育」へと変化してきた。「放射線教 育とはなにか」,それが単に原子力産業や放射線従事 者と関連する研究者らによる,「放射線の有効利用」

のための普及活動であるのだろうか。あるいは本稿で 取り上げた学校教育での実践例は「原発事故からの復 興教育」となるのだろうか。当時「原子力」は発電の イメージ,「核」は兵器のイメージが強いことなども あって,その呼び名も原子力教育・普及活動であった のだが,それがなぜ「放射線教育」に置き換えられて きたのか。単に用語の問題だけでなく,その背景には 原子力政策との関連も垣間見える。その文脈でいえば,

本稿で紹介した学校現場で実践例は「放射線教育」で はなく,「原発事故からの復興教育」と行った方が適 しているのかもしれない。上述の問題提起については 歴史的なアプローチと併せて現在調査中であるが,そ の一部を記載して今後の課題としたい。

[謝   辞]

 本調査研究は,JSPS科研費24220013および JSPS科 研費JP16K01005444の助成を受けた。

[参 考 文 献]

岡田努,渡辺博志(2012):東日本大震災後の福島県 の科学教育の現状と課題⑴ 福島大学総合教育研 究センター紀要 第13号 2012年7月 pp.1‑8。

福島県教育委員会編(2011):放射線等に関する指導

資料第1版2011年,第2版2012年,第3版2013年,

第4版2014年,第5版2015年.

岡田努(2013):福島県内の小学校の放射線教育プロ グラムの多様性について,総合教育研究センター 紀要,17,59‑66.

岡田努,野ヶ山康弘(2016):放射線教育における地 域格差と学校教育の課題,日本科学教育学会年会 論文集,40,251‑252.

岡田努(2016a):被災地の放射線教育と地域教育資 源活用システムの構築に関する基礎的研究,科学 研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報 告書,福島大学

岡田努(2016b):理科以外の教員が行う放射線教育 の現状と課題,科教研報,31,3,45‑48.

岡田努(2017):小中高校大学をつなぐ放射線教育⑵:

放射線に関する県内外の生徒の認識の違いと 学校現場の課題を中心に,科教研報,32,3,

65‑68.

福島県教育委員会編(2017):ふくしま放射線教育・

防災教育指導資料,福島県教育委員会.

岡田努,野ヶ山康弘(2017):小中高校大学をつなぐ 放射線教育⑴原発事故と放射線についての

「正確な知識」をめぐって,日本科学教育学 会年会論文集,41,383‑384.

岡田努(2018):生徒研究発表に見る「総合的な学習 の時間」と「特別活動」の関連について:某市中 学校教育研究会特別活動部会の事例を中心に,福 島大学総合教育研究センター紀要,24,47‑56.

岡田努,野ヶ山康弘(2018):福島県内外の若者の放 射線に関する意識調査について,福島大学地域創 造,29,2,83−89.

NPO法人放射線教育フォーラム「義務教育課程にお いて学ばせたい「放射線教育」の内容についての 提案」(要望書「エネルギー・環境教育の充実の ための学習指導要領の改善について」(平成17年 8月15日提出)に関する補足資料)2006年10月6 日 https://ref.or.jp/old/youboushotuika.html

[脚   注]

1 例えば産經新聞ホームページ(2011年7月18日) 

http://sankei.jp.msn.com/news/110718/   edc1107180360001‑n1.htm)産經新聞ホームペー ジ(2011年7月18日)http://sankei.jp.msn.com/

news/110718/  edc1107180360001‑n1.htm)など。

2 NPO法人放射線教育フォーラム「義務教育課程

(10)

において学ばせたい「放射線教育」の内容について の提案」(要望書「エネルギー・環境教育の充実の ための学習指導要領の改善について」(平成17年8 月15日提出)に関する補足資料)2006年10月6日。

https://ref.or.jp/old/youboushotuika.html 3 同上書。

4 例えば2012年の①の中学校の研究授業において は,授業を見学したある教育関係者から「学習指導 要領には事故については『ふれる程度』との記載が ある」ことを理由に,事故の概要を説明することに 批判的であったケースもあった。

5 原子力委員会(1961)『原子力の研究,開発及び 利用に関する長期計画』第2回。

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