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論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ

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Academic year: 2024

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氏 名 白石しらいしまなぶ 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 乙第 729号

学 位 授 与 年 月 日 平成 29年 2月 13日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第3項該当 学 位 論 文 名 心筋梗塞発症後の心臓修復メカニズムの解明 論 文 審 査 委 員 (委員長) 教授 髙 橋 将 文

(委 員) 教授 川 人 宏 次 准教授 金 田 るり 教授 竹 石 恭 知

論文内容の要旨

1 研究目的

様々な臓器において、障害を受けた組織の修復に M2型マクロファージが関与することが知ら れている。心筋梗塞発症後においてもマクロファージが組織修復に重要な役割を果たす可能性が あることが報告されているが、組織修復の詳細な分子メカニズムは、未だに解明されていない。

そこで今回の研究では、M2 型マクロファージによる組織修復過程の解明とその組織修復能を利 用した心筋梗塞治療の新規治療法の開発を目的とした。

2 研究方法

心筋梗塞の際にM2型マクロファージの集積が選択的に抑制される Trib1ノックアウトマウス を利用し、心筋梗塞の際の M2 型マクロファージの必要性について評価を行った。また、M2 型 マクロファージの分裂増殖を促すInterleukin-4投与により、心筋梗塞後の組織修復及び心機能に ついて評価を行った。さらに、in vitroの実験で組織修復に関わるM2マクロファージの分泌蛋白 の特定を行った。

3 研究成果

コントロール群と比較して Trib1ノックアウトマウス群では心筋梗塞領域における線維芽細胞 集積と活性化が著明に低下することに伴い膠原線維形成による組織修復が著明に減少し、高率に 心破裂を伴い生命予後及び心機能が低下した。逆にTrib1ノックアウトマウスにマクロファージ を移植することにより、障害された組織修復は改善した。さらに M2型マクロファージから分泌 されるInterleukin-1 alpha及びosteopontinが線維芽細胞を活性化することが推察された。また、

Interleukin-4投与がM2型マクロファージの分裂増殖を促し、線維芽細胞の活性化を介して心筋

梗塞領域の組織修復を増強させ、心筋梗塞後の予後を改善させることを確かめた。

4 考察

心筋梗塞後の M2型マクロファージを介した線維芽細胞活性化による組織修復過程の一端を 明らかにしたが、さらなる分子メカニズム解明が望まれる。Interleukin-4投与は新たな治療法開 発につながる可能性を秘めているが更なる前臨床研究が行われる必要がある。

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5 結論

M2 型マクロファージは心筋梗塞の際に線維芽細胞の活性化を制御することで、心筋梗塞領域 の組織修復に重要な役割を果たす。またInterleukin-4投与は心筋梗塞の新たな治療法開発につな がる可能性がある。

論文審査の結果の要旨

心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患は、食生活や生活スタイルの欧米化に伴って増加して きており、医学のみならず、社会的にも大きな問題となっている。本研究は、M2 型のマクロフ ァージが心筋梗塞後の組織修復や線維化に果たす役割を明らかにし、組織修復を利用した心筋梗 塞の新たな治療法を開発する目的で行われた。その結果、M2 マクロファージが選択的に抑制さ

れる Trib1欠損マウスでは心筋梗塞後の組織修復が阻害されること、このマウスに骨髄由来マク

ロファージを移植するとこの修復阻害が回復すること、M2 マクロファージ分化を促進する IL-4 の投与により組織修復が増強されること、さらにその分子機序として M2マクロファージから分

泌されるIL-1αとオステオポンチンが重要であることが示された。

本研究は、独自性・新規性ともに高く、その成果は今後の新たな治療法の開発にも繋がる重要 な知見と考えられる。なお、本研究は、すでにJournal of Clinical Investigation誌(126: 2151-2166, 2016)に報告されている。

以上より、審査員全員により、本論文は学位論文として相応しいと判断された。

試問の結果の要旨

申請者は、本研究の目的、研究方法、結果およびその解釈について要領よく説明した。審査員 からは、Trib1 欠損による M2 マクロファージ減少の機序、心臓マクロファージマーカー、心線 維化とリモデリングとの関係、IL-4カクテルの作用機序、今後の臨床応用などについて、数多く の質問がなされた。申請者の質問への理解は良好で、その態度も真摯であり、ほとんどの質問に おいて適切に回答することができた。また、指摘を受けた点について、論文も丁寧に改訂された。

申請者は、本研究を主体的に遂行してきたこと、本研究分野における十分な知識を有してい ることが示され、博士の学位を授与するに値すると審査員全員一致で認められた。

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