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論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ

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氏 名 今い まEA AE EA AE健二郎け ん じ ろ うE 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 甲第560号

学 位 授 与 年 月 日 平成31年3月20日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第2項該当

学 位 論 文 名 生活習慣病に対して内服加療中の患者の中で、治療目的の原疾患を とその使用薬への認識が欠如している患者の特徴の検討

論 文 審 査 委 員 (委員長) 教 授 石 橋 俊

(委 員) 教 授 小 谷 和 彦 教 授 小 池 創 一

論文内容の要旨

1 研究目的

心血管疾患の予防には、脂質異常症、高血圧、糖尿病等のリスク因子のコントロールが重要で ある。これらの治療は、食事療法や運動療法などの生活習慣の改善が前提であるが、その上で薬 物療法が有効であり、自身の生活習慣関連疾患リスクを認識させることは、治療戦略の重要な側 面である。実際の臨床現場では、内服治療を受けているにも関わらず自身の目的疾患や使用薬を 認識していない患者が一定数存在しているが、こうした認識の欠如した患者の詳細を明確に示し た報告は存在せず、認識が欠如していることが健康に悪影響を与えるか否かは不明である。

ここでは、米国国民健康・栄養調査(NHANES)のデータを詳細に解析した上で、国立国際医療 研究センター糖尿病内分泌代謝科の外来患者データと比較することで、これらの患者の実態と、

日米比較、その特徴について調査した。まず、検討①として、米国のNHANESデータを用いて、脂 質異常症として特にスタチン使用者における、自身の治療目的である高コレステロール血症また はスタチン処方についての認識状況を検討した。その上で降圧薬使用患者、経口血糖降下薬使用 患者において同様の調査を行った。次に検討②として、国立国際医療研究センター糖尿病内分泌 科の外来通院者を対象として調査し、検討①の結果に対しての日米比較を行った。

2 研究方法

検討① 「米国成人の生活習慣病内服加療中患者における、投薬治療対象の原疾患または使用 薬についての認識の欠如に関する研究」」

1999~2014 年の、米国疾病予防管理センターの機関である米国国立健康統計センターにおい て実施されているNHANESデータを使用して反復横断研究を実施した。対象は20歳以上の非妊 娠の成人とした。調査参加者の自宅にて面接者が薬剤容器を調べた上で内服薬を調査しており、

まずは脂質異常症患者への研究として、スタチン薬使用者を前提とした検討を行った。

面接者から参加者に順番に、医師または他の医療従事者に血中コレステロール値が高いと言わ れたことがあるか、医師または他の医療従事者にコレステロール値を下げるために処方薬を服用 するよう指示されたか、現在その処方薬服用しているか、という質問がなされ、「いいえ」または

「分からない」と回答した場合、患者自身の高コレステロール血症またはスタチン使用における

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目的疾患・使用薬剤の認識が欠如していると判断した。その様な患者を認識欠如群として、その 実態と特徴について評価した。また同様の解析を降圧薬使用者、経口血糖降下薬使用者にも行っ た。

検討②「日本の成人スタチン使用者における、自身の高コレステロール血症または使用薬につ いての認識の欠如に関する研究」

対象は2018年9月〜10月に国立国際医療研究センター糖尿病内分泌代謝科の外来でスタチン 使用中の日本人糖尿病患者であり、面接者により薬剤や疾患に対する実態調査のアンケートを行 った。電子カルテ上でスタチン処方が確認された者をスタチン使用者と定義した。

アンケートで、過去に医師に血中コレステロール値が高いと言われたことがあるか、現在コレス テロール値を下げる薬を飲んでいるかを順番に質問し、「いいえ」または「分からない」と回答し た場合、自身の高コレステロール血症またはスタチン使用の目的疾患・使用薬剤の認識が欠如し ていると判断した。その様な患者を認識欠如群として、その実態と特徴について評価した。

3 研究成果

検討① 「米国成人の生活習慣病内服加療中患者における、投薬治療対象の原疾患または使用 薬についての認識の欠如に関する研究」

1999~2014 年の NHANES研究対象集団における本研究のスタチン使用者の割合は 13.8%で

あった。スタチン使用者のうち17%は、自身の高コレステロール血症またはスタチン使用の目的 疾患・使用薬剤の認識が欠如していた。認識欠如群は、高齢者と糖尿病・冠動脈疾患・脳卒中の 既往者の割合が高かった。総コレステロール値(T-Chol)、LDLコレステロール値(LDL-C) (88.8 vs. 102.3mg/dl:P<0.001)、およびカロリー摂取量も有意に低かった。また両群の民族、学歴、

多剤服用に有意差が認められた。一方で、1 回答世帯当たりの人数、健康保険の有無、受診医療 機関の種類、経済状態、脂肪摂取、および喫煙状態に有意差は認められなかった。スタチン使用 の内、糖尿病・冠動脈疾患・脳卒中の未診断者は35.2%おり、更にその内で24.7%が75歳超で あった。

経口血糖降下薬使用患者、降圧薬使用患者においても認識欠如群は10%程度存在していた。降 圧薬使用患者で認識欠如群の特徴として、男性、メキシカンアメリカンで多く、収縮期血圧が有 意に低かった(133.3 vs. 127.3 mmHg : P<0.001)また、経口血糖降下薬使用患者で認識欠如群 の特徴として、男性、メキシカンアメリカンで多く、HbA1c は有意に低かった(7.1 vs. 6.4%:

P<0.001) 。

検討②「日本の成人スタチン使用者における、自身の高コレステロール血症または使用薬につ いての認識の欠如に関する研究」

112例にアンケートを行い106例より回答(回収率94.6%)を得て、検査値等が揃っている103 例を解析対象とし、認識欠如群は34例であった。認識欠如群の特徴としては、男性と残薬がある 症例が有意に多く、LDL-CとT-Cholは有意に低値であった。一方で、BMI、使用薬剤数、冠動 脈疾患や脳卒中の既往、内服薬の飲み忘れにおいては2群間で明らかな違いは認めなかった。年 齢については2群間で違いは見られなかったが、認識欠如群において75歳以上が32%存在して いた。

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4 考察

本研究では生活習慣病患者が内服薬を処方されながらも自身の原疾患または処方薬について認 識が欠如している実態を調査した。本研究により、スタチン使用者において、米国では 6 人に 1 人、日本の国立国際医療研究センターでは3人に1人で、自身の高コレステロール血症またはス タチン使用の目的疾患・使用薬剤の認識が欠如していることが示唆された。米国の検討では、降 圧薬使用患者、経口血糖降下薬使用患者においても、認識が欠如している患者が10%程度は存在 しており、生活習慣病患者において一定の割合で認識が欠如していることが示唆された。また、

検討①②をあわせ、スタチン使用患者、経口血糖降下薬使用患者、降圧薬使用患者すべてに共通 する特徴は男性であること、治療の主な指標である数値が良好(LDL-C、HbA1c、収縮期血圧)で あることが挙げられた。このことから治療の主な指標が良好であることが、認識欠如しているこ とに影響している可能性も示唆された。また高齢者が多く存在していることも共通しており、内 服治療が必要かどうか判断するには、副作用、医療経済、および倫理問題について考慮する必要 がある。

5 結論

本研究により生活習慣病患者において、自身の治療目的の原疾患とその使用薬について、一定 の割合で認識が欠如している患者が存在していることが示された。その認識が欠如している患者 の特徴として、男性であること、目的とする原疾患の管理が良好であることが共通しているとい う関連性が認められ、その認識の欠如とコレステロール管理不良との間に関連性は認められなか った。特に高齢者に対しては、利益、副作用、医療経済、および倫理的問題について医療従事者 と患者で意思決定過程を共有し、将来ガイドラインを改正する際は、基礎疾患の認識を優先すべ きか、それとも認識向上を伴わない薬剤提供を優先すべきか、議論が必要である。

論文審査の結果の要旨

生活習慣病の薬物療法の服薬遵守には課題が多い。内服治療を受けているにも関わらず自身の 目的疾患や使用薬を認識していない患者が一定数存在すると推察される。しかし、どのような患 者でこうした認識の欠如が生じるかや、認識の欠如が及ぼす健康への悪影響については不明な点 が多い。そこで申請者は、一般公開されている米国国民健康・栄養調査(NHANES)のデータベー スと国立国際医療研究センター糖尿病内分泌代謝科の外来通院患者のアンケート調査結果を利用 して、脂質異常症を中心に病識と服薬目的の認識状況を検討した。

1999~2014年のNHANES対象集団の13.8%を占めるスタチン使用者のうち17%は、高コレステ ロール血症またはスタチン使用の目的疾患・使用薬剤の認識が欠如していた。認識欠如群では、

高齢者と糖尿病・冠動脈疾患・脳卒中の既往者の割合が高かった。降圧薬使用患者や経口血糖降 下薬使用患者の10%程度は同様の認識欠如していた。降圧薬使用患者で認識欠如群の特徴として、

男性、メキシカンアメリカンで多く、収縮期血圧が有意に低かった。また、経口血糖降下薬使用 患者で認識欠如群の特徴として、男性、メキシカンアメリカンで多く、HbA1cは有意に低かった。

自験例103例のうち、認識欠如群は 34例であった。認識欠如群の特徴としては、男性と残薬 がある症例が有意に多く、LDL-CとT-Cholは有意に低値であった。

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以上のように、スタチン使用患者、経口血糖降下薬使用患者、降圧薬使用患者すべてに共通す る認識欠如群の特徴は男性、治療指標良好、高齢者などが抽出された。

公共に公開されたアメリカのデータベース解析から出発した研究であり、独自の問題意識から出 発し、自らデータベース構築して解析するという本来の研究スタイルとは倒置したスタイルとい う印象を受けた審査委員もいたが、自施設のアンケート調査結果を追加し、博士論文として一定 水準に達したと審査委員会は全員一致で判定した。

最終試験の結果の要旨

日本と米国の生活習慣病薬使用者の中には、処方薬の対象疾患と処方目的に関する認識が欠如 している患者が一定数存在し、男性・目的疾患の管理良好などがこうした患者に共通した特徴と して抽出された。この様な知見を生かして、生活習慣病指導を行うべきことが解明された。

疾患治療における病識や服薬指導の重要性は夙に知られた事実であるが、日米比較という視点 から処方内容への理解度という切り口で実施された本研究は価値がある。

以下の問題点が審査員から指摘された。1、日米の医療制度の違いを背景として、今後どのよう にスタチンを処方するのが良いかを追記。2、日本の専門医療機関よりも米国全体の方が認識状 況が良かったということより、米国の家庭医の方が処方薬の説明などに時間を割いているのでは ないかという視点を追記。3、摂取カロリーの検討をしているので、生活習慣という視点で、運 動習慣についても解析追加、もしくはその視点を追記。4、「認識欠如」という用語が多数登場 していて非常に分かりにくいので、表現方法を再考。5、Fire & Forget アプローチの説明を追 記。6、残薬やアドヒアランスの視点も考察。7、医療側の要因(医師が説明していないことが 要因の一つ)の可能性について強調。8、誤字脱字を修正。これらに対して適切な対応がなされ た。

以上から、博士論文として水準に達する研究であると審査委員会は全員一致で判定した。

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下の血液疾患患者 21 例の年齢中央値は 5828~64歳、経験的治療として 23.8%、可能性例 33.3%、 臨床診断例/確定例 42.9%に L-AMB を投与、投与期間は中央値 345~85日、投与量は中央値 2.51.25~5.0mg/Kg/ 日であった。高齢者群と同様 L-AMB 投与時、他の抗真菌剤との併用 71.4%、