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論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

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氏 名 ( 本 籍 ) ハヤミズ タツヤ

速水 達也(大阪府)

学 位 の 種 類 博士(情報学)

学 位 記 番 号 情博甲第14号

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当者 学 位 授 与 の 年 月 日 平成25年9月18日

学 位 論 文 題 目 人間・エージェント間の協調的コミュニケーション制御に 関する研究

論 文 審 査 委 員 (主査)教 授 佐野 睦夫 教 授 小堀 研一

教 授 メディ ヌリ シラジ

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論 文 の 内 容 の 要 旨

近年,ロボティクスの分野では,人とのコミュニケーションや介護を目的としたコミュ ニケーションロボットや介護ロボットなどが開発され,ロボットが一般の人々にも身近な 存在となりつつある.コミュニケーションロボットや介護ロボットのように,ロボットが 人々の生活により密接にかかわる場合,人と持続的かつ自然にコミュニケーションをとる 必要がある.そのためには,人とロボットが協調的に対話するための対話の流れを解明し,

より自然でストレスの尐ない親和性のあるコミュニケーション制御が必要である.

本論文では,韻律的な大局的リズムの果たす役割(2章:論文(A)),グループコミュ ニケーションにおける身体的引き込み制御の果たす役割(3章:論文(B)),グループコ ミュニケーションにおける感情モデルの果たす役割(4章:論文(C))の3つの新しい観 点から,人間とエージェント間の協調的コミュニケーション制御について論じる.以下,

それぞれの概要を順に述べる.

2 章では,交替潜時と韻律情報に基づく非線形振動子による連続的な引き込み制御とイ ンタラクションルールによる離散的な引き込み制御により,人とエージェントが協調的に コミュニケーションを行うための会話制御方式を提案した.また,会話エージェントへ実 装し,会話同調制御の評価実験を行った.評価実験の結果からは,従来手法に較べて,エ ージェントがどの程度親しみやすいかの評価尺度である親身度に対して有意性を示すこと ができ,同時にエージェントの会話の自然さ(ストレスが尐ない)に対しても有意性が認 められた.これらの結果から,(1) 提案方式は,対話者のコミュニケーション状態量を模 倣する制御方式と較べて,より協調的でストレスのない引き込み制御ができる, (2) 会話 エージェントは,人のコミュニケーション状態量の変化に適応的に振る舞うことができる,

(3) 交替潜時だけでなく,韻律情報(ピッチ)は,協調的でストレスの尐ない会話の実 現に寄与し,韻律的なリズムの同調は会話全体の調整に大きな役割を果たしていることが 明らかとなり,これらを実現するシステム仕様について明確化した.また,実験を通して,

より親しみが持てストレスの尐ない会話のもとで持続的な情報収集が行える会話システム の実現可能性を示した.

3 章では,ロボットが複数の人間から構成されるグループとのコミュニケーションに着 目し,これまで十分に検討されていなかった初対面時や社会的スキルに違いに応じた協調 的コミュニケーション制御についての言及した.具体的には,人間が初対面仲介をする方 法をモデル化し,このモデルをエージェントへ実装して,その有効性を検証した.実験で は,このエージェントと2 人の初対面者がコミュニケーションをする実験と,エージェン トを用いず2 人の初対面者がコミュニケーションを行う2 種類の実験を行った.実験のア ンケート結果から,学生の実験参加者を用いた実験室での限定された実験結果ではあるが,

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提案モデルの有効性を検証することが出来た.また,社会的スキルの観点から実験を行っ た.実験では,実験参加者として高齢者を対象とし,社会的スキルの高低によりグループ を分けた.実験結果からは,社会的スキルの高い実験参加者に比べ社会的スキルの低い実 験参加者のほうがロボットの仲介行動が有効に働き,社会的スキルが低い人にとって,5 つ の仲介行動の身体的振る舞い(視線制御や頷き)が有効に働くことが明らかにした.

4章では,複数人の人間から構成されるグループの感情をモデル化し,グループの映像 からグループ感情を推定する手法について提案した.具体的には,個人の顔表情と韻律情 報から個人感情を推定し,個人感情と観測されたパラメータを基にベイジアンネットワー クにより統合し,グループの感情を推定する方式をとる.驚きと笑いが入り混じる自然な コミュニケーション環境のもとで,個人感情の認識率:約 70%,グループ感情の笑いの感

情の認識率約:70%,全体で約 60%の認識率を達成することができた.

最後に本研究に関する関連論文(査読付き)を以下に示す.

(A)速水達也,佐野睦夫,向井謙太郎,神田智子,宮脇健三郎,笹間亮平,山口智治,

山田敬嗣,“交替潜時と韻律情報に基づく会話同調制御方式と情報収集を目的とした会

話エージェントへの実装”,情報処理学会論文誌,Vol.54,No.8, pp.2109-2118 (2013)

(B)Tatsuya Hayamizu, Mutsuo Sano, Kenzaburo Miyawaki, Kentarou Mukai

“An Interactive Agent Supporting First Meetings Based on Adaptive Entrainment Control”, The Six International Conference on Advances in Computer Human Interactions(ACHI2013), pp.178-183 (2013)

(C)Tatsuya Hayamizu, Hiroaki Mori, Mutsuo Sano, Satoshi Nishiguchi, Nobuyuki Yamashita, “ Group Emotion Estimation using Baysian Network based on Face Expression and Prosodic Information ” ,2012 IEEE International Conference on Control System, Computing and Engineering, pp.181-186(2012)

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論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

本研究の目的は,人とロボットが協調的に対話するための対話の流れを解明し,より自

然でストレスの尐ない親和性のあるコミュニケーション制御を実現することである.

会話全体をより自然で親しみやすくするためには,会話全体の「間」のゆらぎを反映 した時間的リズムに加え,会話全体の「トーン」のゆらぎを反映した韻律的なリズムを同 時に制御する必要があるが,このような会話全体のゆらぎに着目し引き込み制御を行い,

会話システムをデザインしている研究例はなく斬新的である.会話の「間」の変動と韻律 の変動を対話の流れにおける「ゆらぎ」と捉えモデル化を行い,ゆらぎのリズムが共振し たときに同調現象に着目し,具体的に非線形振動子に基づき引き込み制御モデルの問題と して帰着させた点が評価できる.そして,会話全体のゆらぎに基づいた引き込み制御モデ ルを特徴とする会話エージェントを提案し,「ストレスが尐なく自然」で,より「協調的で ある」情報収集会話エージェントを実現し,遠隔問診への応用を目指している点は,高齢 化社会を迎えている今,非常に実用的である.実験結果としては,対話者の直前のコミュ ニケーション状態量を模倣する方式(非同調方式)と較べて,提案の同調方式の方が,親 身度を向上させ,ストレスを軽減させる効果があることが確認された.提案の同調方式は,

対話者のコミュニケーション状態量を模倣するのではなく,会話全体のコミュニケーショ ンのゆらぎに着目し,そのゆらぎの中で引き込みを起こし同調現象を発現させることによ り,より協調的で自然でストレスのない会話を実現できている.

また,1対1だけでなく,高齢者のコミュニティにおけるコミュニケーション支援に着 目し,高齢者をコミュニティに参加させるためには,最初の段階として,初対面期の情報 交換を促進しお互いの情報量を増やすことが必要としており,仲介エージェントを介した 方法論を提案していることは新規性がある.具体的には,初対面者の仲介モデルと仲介者 の振る舞いを分析し,その結果から,5つの身体的な仲介行動(発話誘導,視線誘導,視 線配分,聞き手同調,話し手同調)を抽出している.さらに,仲介者のコミュニケーショ ン場の遷移モデルも明らかにし,エージェントに実装し評価している点も評価できる.高 齢者の社会スキルの違いに着目し,社会スキルの低い人は,エージェントを頼りにすると いう結果を高齢者コミュニケーション実験で検証している.具体的には,社会的スキルが 低い人は,社会的スキルが高い人よりも,話すタイミングを逃すことが多く,社会的スキ ルが高い人が一方的に話してしまうことがあり,そのような状況を打開するために, 5 つ の仲介行動の身体的振る舞いが,部社会的スキルの低い人にとって有効なコミュニケーシ ョン手段になっていると言及しており,新しい知見である.

さらに,人間との円滑なコミュニケーションを実現する上では,感情のやり取りが大き な影響を与えることに着目し,従来の個々の人間の感情推定ではなく,集団的な感情を推

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定することにチャレンジしている点は評価できる.具体的には,複数人の人間から構成さ れるグループの感情をモデル化し,個人の顔表情と韻律情報から個人感情を推定し,個人 感情と観測されたパラメータを基にベイジアンネットワークにより統合し,グループの感 情を推定する方式である.感情のやり取りが頻繁に行われる実際のグループコミュニケー ション場における実験の結果,個人感情については認識率が約70%と良好な値を得ており,

グループ感情についても,笑いの感情については認識率約70%,全体でも約60%とグルー

プ感情のおおよその傾向を知ることができ,一定の成果が得ることができた.

以上,まとめると,本論文は,人間とエージェント間の協調的コミュニケーション制御 の問題を,大局的リズムの生成と制御,グループコミュニケーションにおける身体的引き 込みの生成と制御,グループ感情推定という新しい切り口で取り組んだものであり,新規

性があり,学術上および実用上,貢献するところが大きいと判断する.

本論文は,査読付きジャーナル論文1件および査読付き国際会議2件から構成されてお り,質的にも申し分ない.また,公聴会での応答も適切であり,口頭試問も含めて,大学

院博士課程修了者と同等以上の学力を有することを確認した.

よって本論文は,博士(情報学)の学位を授与するにふさわしいと認める.

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