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路上空間における歩行者人口について

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Academic year: 2024

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総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成22年度)

テーマ5 小課題番号5.1

路上空間における歩行者人口について

震災時における医療施設の機能維持

キーワード 長澤 泰―1 山下哲郎―2**

首都直下型地震,非定住被災者,受療行動予測,最前線救急医療拠点 筧 淳夫―3*** 佐藤 豪―4****

1.はじめに 1.1 研究の背景

我国は地震災害が多く、こ れまでも多くの被害を 受けてきた。現在最も警戒されている地震の 1 つに 首都直下型地震がある。この首都直下地震は今後 30 年 以 内 に 発 生 す る 確 率 が 70% 程 度 と 高 い 数 値 で 予 想されている1 )ため、内 閣 府中央防災会議で「南関 東地域直下の地震対策に関 する大綱」 を策定し、防 災体制が構成されてきている。

一方、都心部には多くの人 がさまざまな目的で集 まり、観光客や買い物客、 飲食店利用者、あるいは 営業などの訪問者等といった、非定住者2 )が多く存 在している。震災時におい て は非定住者に対する防 災計画や受療計画が難しく 、混乱状態に陥りやすい ことは容易に想像できる。 このため震災時における 非定住者への対策を検討す ること が必要であるが、

手つかずの状態であり、防 災計画の立案において大 きな課題となっている。

すなわち、非定住者が多く 滞在して おり、震災時 にこれらの非定住被災者が 、情報や治療、帰宅のた めに駅と病院等に押し寄せ 、情報不足などから正し い判断ができず、震災時は 非定住者を中心に 混乱が 生じると予想されるからである。

1.2 研究の目的

本研究は防災計画の課題 である 、これら非定住者 に着目し、これまでの定住 者 中心の受療予測とは異 なる、災害時救急医療体制の在り方を検討する。

震災が発生した場合、救護 所や避難所の受け入れ ができるまでの時間におい て救急の治療が必要な人、

足の負傷等により自力で避 難所にた どり着けない人、

避難所や医療施設の場所を 知らないため治療が受け られない人等を治療するた めの最前線救急医療拠点 が必要と考えるが、本研究 の仮説は、 公共空間や 施設・オフィスビルのホー ル等を利用し、最前線救 急医療拠点を設け、行政(区・都・消防・自衛隊等) や DMAT 等によって、被災患者に救急医療提供の可能 性を検討するものである。

1.3 研究の方法

新宿駅周辺の被害想定や 、医療施設の位置関係、

救護所や避難所の位置関係 、被災者の人口分布、非 定住者の受療行動から震災 被害状況を予想する。そ れらのデータを基に、最前 線救急医療拠点の配置方 法や拠点数、拠点規模等を計画していく。

尚、本報ではまず屋外人口を把握している。

1.4 新宿区の現状と非定住者

新宿区は、東京都庁や繁 華街である歌舞伎町、有 数の乗降客数を誇る新宿駅を有し、日本経済や政治、

業務、国際などの中枢となっている。昼間人口は 77 万人程度で、夜間人口の 2.5 倍に当たり、通勤や観 光などのために地域外から 多くの人たちが訪れ、震 災時には買い物客等の非定 住被災者が最も多く発生 し、帰宅困難者も 35 万人にのぼると推定されている。

夜間人口 昼間人口 買い物等 帰宅困難者

新宿区 305,716 770,094 79,127 350,295 千代田区 41,778 853,382 44,669 603,930

港区 185,861 908,940 47,717 450,111

渋谷区 203,334 542,803 46,913 223,600

中野区 310,627 285,636 15,073 37,703

豊島区 250,585 378,475 47,345 157,116 文京区 189,632 336,229 24,202 113,229 7区合計 1,487,533 4,075,559 305,046 1,935,984 東京都 12,576,601 14,977,580 837,649 3,714,134 表 1. 新 宿 区と 隣 接区 の 人 口デ ー タ3)

図 1. 新 宿 駅周 辺 広域 地 図

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総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成22年度)

テーマ5 小課題番号5.1 2.新宿駅周辺の人口分布

2.1 調査の概要

被災者がどこに多く存在 するのかを明らかにする ために、新宿駅周辺の人口 分布を交通量調査によっ て明らかにした。交通量調 査は地上と地下道に分け て行い、平日 /休日4 )、晴れ/雤5 )、朝(8:00)/昼(13:

00)/夜(19:00)の計 24 回の調査を実施した。

2.2 地上交通量調査の方法

地上交通量調査は 新宿駅西 口周辺6 )、新 宿駅東口 周辺7 )で行い、デジタルカ メラの録画機能を使用し、

自転車で 1 回の調査当たり 7 人、各 1 時間程度の調 査範囲を回った。あらかじ め道順を示した地図を用 意しておき、各調査員に担 当地域を振り分け、十分 に下調べしてもらった後に 、 調査実施日時に一斉に 調査をした。

図 2. 地 上 調査 地 図 図 3. 地 上 調査 の 様子

2.3 地上の人口分布

図 4-1~3 は、平日・晴・朝 /昼/夜における人口分 布(人/m)で、図中の円は 新宿駅から 直線距離 250、

500、1000mのラインを示したものである。これらか ら人の行動範囲が駅から 500m 圏内が多いというこ とが分かる。

新宿駅を西口と東口に分け ると、西口 は朝/昼/夜 における人の行動範囲に多 少の差はあるが、人口に 大きな変化が見られなかっ た。西口は オフィス街と 商店街地域の特徴を持ち、 朝は通勤通学、昼は昼食 と買い物客等、夜は帰宅と いった理由で常に人が訪 れ、時間帯による人口の差 は小さい 。一方、東口で は昼から人口が増加し、夜 でも人が多く滞在してい る。これは東口周辺が昼時 から買い物客が訪れ、夜 になると仕事や学校帰りに 食事 や娯楽等の目的で訪 れるといった、繁華街や商 店街地域の特徴 によると 推測される。調査前は歌舞伎町が 1 番混むと予想さ れたが、マルイや伊勢丹がある新宿 3 丁目側が、歌 舞伎町よりも人が多く滞在しているのが分かった。

図 4-1. 地 上新 宿 駅周 辺 の 人口 分 布 図 (平 日 ・晴 ・ 朝 )

図 4-2. 地上 新 宿 駅周 辺 の人口 分 布 図 (平 日 ・晴 ・ 昼 )

図 4-3. 地上 新 宿 駅周 辺 の人口 分 布 図 (平 日 ・晴 ・ 夜 )

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総合研究所・都市減災研究センター(UDM)研究報告書(平成22年度)

テーマ5 小課題番号5.1

2.4 地下交通量調査の方法

地下交通量調査は 5 分間の交通量をタップ式カウ ンターによって測定した。 あらかじめ用意しておい た地図のポイントに各調査 員を振り分け、 1 人当た り 7 から 8 ヶ所回り、1 回の総調査時間約 1 時間、7 人で計 54 ヶ所の調査を実施した。地下調査も十分に 下調べした後に、調査実施 日時に調査員が一斉に地 下交通量調査を行った。

図 5. 地 下 調査 地 図 図 6. 地 下 調査 の 様子

2.5 地下の人口分布

地 下 調 査 も 地 上 調 査 と 同 様 に 人 口 分 布 (人 /m )を 図 7-1~3 に示した。昼時の交通量は朝夜に比べ低く、

地下の交通は通勤通学のた めの利用が大きな割合を 占め、オフィス街のような 特徴が新宿の地下街には あると思われる。また朝は 地上の新宿駅西口と同じ よ う に 、 人 の 行 動 範 囲 が 広 範 囲 に 拡 が っ て お り (図 7-1)、また地下の東口方面 は夜も人が多い(図 7-3) ので、地下部分は地上部分 の影響を受ける ことが分 かる。

2.6 小結

新宿駅周辺の地上及び地 下の人口分布は 、基本的 に 500m 圏内に収まっていることが、今回の交通量調 査から分かった。

地上の新宿駅周辺はオフィ ス街の西口と、繁華街 の東口に明確に分かれてい て、そのことから時刻に よる人口変化の違いに大き な特徴が見られた。新宿 駅周辺の地下街では、地下 道が大きなオフィスに直 結していることが多いため に、地下道は通勤利用の 割合が大きく、オフィス街 の 特徴を持っているのが、

新宿の地下街の特徴である。

また今回の調査結果は、 日によって人口分布、人 口に差が生じるものである 。特に繁華街地域におい てはイベント等が行われて いる日も存在したため、

日によっては人口分布、人 口の変化が大きいものも あると思われる。

図 7-1. 地 下新 宿 駅周 辺 の 人口 分 布 図 (平 日 ・晴 ・ 朝 )

図 7-2. 地 下新 宿 駅周 辺 の 人口 分 布 図 (平 日 ・晴 ・ 昼 )

図 7-3. 地 下新 宿 駅周 辺 の 人口 分 布 図 (平 日 ・晴 ・ 夜 )

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テーマ5 小課題番号5.1 4.おわりに

今回の調査により、新宿 駅周辺の地上・地下の路 上空間における人口を知ることができた。図 8 から 西口は休日に比べ平日の方 が 人口は多く、東口では 昼から人口が増加し、夜間 まで高い人口が続くこと が分かった。今回の報告書 では平日・晴れ・朝/昼/

夜の人口分布図を考察したが、同様に休日や雤の朝 / 昼/夜等も比較していく必要がある。

0 20

10

25

15

5

( 千人)

0 20

10

25

15

5

( 千人)

西口周辺地域地上人口 東口周辺地域地上人口

地上 地下 地上

地下

図 8. 新 宿 駅周 辺 地域 地 上 人口 グ ラ フ8 )

ここで災害時の医療拠点と なる総合病院と人口分 布の関係を見てみると(図 5)、人が多く滞在する地 域には大病院がないことが 分か る。特に休日・晴・

昼の人口分布図を見ると、 人が多く訪れている地域 は、総合病院から 1000m に位置する。この地域に訪 れている人のほとんどが非 定住 者だと思われるが、

病院までの距離や滞在者の 土地勘の無さから、震災 時に被災者が自力で総合病 院に行くことは 存外少な いのではないかと予想される。

図 9. 休 日 ・晴 ・ 昼の 人 口 分布 と 病 院 の位 置

今後はアンケート調査によ り、震災時における非 定住者の行動を明らかにし 、震災時を想定した非定 住者の受療行動を予想する ことで、さらに詳細な最 前線医療拠点の配置や拠点 数等の検討をしていく必 要がある。

本研究は新宿駅西口周辺 の調査を、H.22-26 年度 私立大学戦略的研究基盤形 成支援自堂「建築・都立 の減災と震災時機能継続に 関する研究拠点の形成」

(研究代表者:久田嘉章)に よる研究費で、また東口 を H.22-23 年度科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究)

「震災時における都心部非 定住者の受療行動予測・

対応策に関する研究」(研 究代表者:山下哲郎 )によ る研究費により実施した。

1) 内 閣 府 、 首 都 直 下 地 震 対 策 に つ い て 、 P.3 の デ ー タ を 利 用 し た 。

2) 非 定 住 者 と は 、 観 光 客 や 買 い 物 客 、 飲 食 店 利 用 者 、 営 業 や 出 張 によ る 訪問 者 のこ とを 指 す 。

3)平 成 17 年 国 勢 調査 、帰 宅困 難 者 対 策報 告 書 、P.2 に よ る デ ー タ を利 用 した 。

4) 平 日 は 月 曜 か ら 木 曜 日 ま で と し 、 金 曜 日 は 平 日 か ら 除 外 し て 調 査を 行 った 。

表 2. 調 査 実施 日 一 覧表 ※ は 雨 の 降 っ て い な い 時 間 帯 を 示 す 。

5)今 回 の調 査 で は、調 査の 都 合上 1 日 3 回 の 調 査 の う ち、

1 回 で も 雤 が降 っ て いた 場 合を雤 調 査 と して い る。

6)新 宿 駅西 口 周辺 地 域:JR 線路 、十 二社 通 り、青 梅 街道 、 甲 州 街 道 で囲 ま れた 地 域で 、西 新 宿 1 丁 目全 域 、西 新 宿 2 丁 目 全 域 、西 新 宿 3 丁目 一部 、西 新 宿 6 丁 目 一部 。 7) 新 宿 駅 東 口 周 辺 地 域 : 明 治 通 り 、 JR 線 路 、 甲 州 街 道 、 職 安 通 り で囲 ま れた 地 域で 、 新 宿 3 丁 目 全 域、 新 宿 5 丁 目 一 部 、歌舞 伎 町 1 丁 目全 域、歌 舞 伎 町 2 丁 目 全域 。 8)地 下 東 口 改 札 前 で 一 部 調 査 ミ ス が あ り 、 一 部 デ ー タ が

抜 け て い る た め 、 実 際 の 人 数 よ り 少 な い デ ー タ に な っ て い る 。 今 後 一 部 の 調 査 を や り 直 し 、 デ ー タ の 改 善 を し て い く 。

参 考 文 献

1) 岡 田 義光 、 最新 日 本 の地 震地 図 、 東 京書 籍 、2006 2) 勝 俣 護、 地 震を 知 る 辞典 、東 京 堂 出 版、 1995 3)目 黒 公 郎 、東京 直 下 大地 震 生 き 残 り 地図 ― あな た は震

度 6 強 を 生 き 抜 くこ と がで きる か ?!、 旬報 社 、2005 4) 新 宿 区 帰 宅 困 難 者 対 策 促 進 協 議 会 、 帰 宅 困 難 者 対 策 報

告 書 、 2004

5) 工 学 院大 学 BCP 事 務局 、 新都 心 の 地 域防 災 セミ ナ ー、

2009

1* : 工 学院 大 学 大学 院工 学 研 究 科 教 授・ 博 士( 工学 ) 2* * : 工 学院 大 学 大学 院工 学 研 究 科 教 授・ 博 士( 工学 ) 3* * * : 国 立保 健 医 療科 学院 施 設 科学 部 部 長 ・博 士( 工 学 )

4* * * *: 工 学院 大 学 大学 院工 学 研 究 科 建 築学 専 攻( 所属 : 山 下 てつ ろ う研 究 室)

晴 11/11 朝 昼 夜 晴 11/4 朝 昼 夜 雨 10/20 朝 昼 夜 雨 11/1 朝 昼 晴 11/7 朝 昼 夜 晴 11/14 朝 昼 夜 雨 10/24 朝 雨 10/31 朝 昼 地上

休日 平日

休日

平日 地下

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