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集排水管近傍のpH低下メカニズムの検討

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Academic year: 2024

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集排水管近傍のpH低下メカニズムの検討

資源・廃棄物研究室 08T7-025 高根沢 雄希

1. 背景・目的

埋立地からの浸出水を排出するには、pH5.8~8.6という排水基準に合致しなければならない。pH基準 を満たさなければ、有害な物質が含まれていなくても排出することはできない。そのため、廃棄物の埋立 終了後も浸出水が基準値を満たさなければ、埋立地を廃止することができない。また、埋立地に多く搬入 される焼却灰には水酸化カルシウムが含まれており、浸出水pHが高くなる場合が生じている。そこで、

高pHの浸出水を埋立地の浸出水集排水管近傍で空気に接触させ、空気中の二酸化炭素を溶け込ませるこ とにより、中和反応を生じさせることに着目した。本研究では、埋立地においてpHの排水基準をクリア する条件を把握することを目的として、カラムに建設資材として利用されている砕石を充填し、高pHの 溶液を通過させることで浸出水集排水管近傍の中和模擬実験を行った。

炭酸による中和:Ca(OH)2+H2CO→2H2O+CaCO3

2. 実験方法

砕石を粒径9.5~16mmと16mm以上にふるい分けした。次に、直径9cm、

長さ50cmのカラムに粒径9.5~16mmの砕石を充填高さ20cm(4㎏)詰め、供給 液容器と採水容器に空気が入らないように工夫し、実験装置を作成した。(図.1)

この実験装置に、ポンプを用いて降雨量 50~800mm/日の範囲で段階的に、

供給液を上部より滴下し、下部で採水を行った。このときエアポンプを用いて 空気を供給し、二酸化炭素濃度を一定にした。

供給液として、水酸化カルシウムのみを溶解した溶液、NaClを添加した溶液 (Na:1000mg/L)、山間埋立地模擬排水(Na:1000mg/L 、Ca2:1000mg/L 、K

:500mg/L)、 海 面 埋 立 地 模 擬 排 水(Na:11000mg/L、Ca2:410mg/L、K

:400mg/L、Mg2:1300mg/L、Cl:19000mg/L、SO42:2700mg/L)の4つの溶 液を用い、それぞれ水酸化カルシウムで pH11 に調整した。調整後に、0.45 ㎛

メンブレンフィルターを用い、ろ過した。4 条件の供給液を使用し、実験を行った。各条件において流下 後、再度ろ過を行い、各溶液の電気伝導度(EC)やpH、Ca濃度、無機炭素(IC)等を測定した。また事前に、

NaClを添加した供給液を滴下(降雨量50mm/日)し、経時的に採水を行った。採水後 ECを測定し、カラ ム中の流下条件を検討した。

3. 結果

3.1 カラム中の流下条件の検討

図.2にNaClを添加した条件でのECの変化を示す。

経時的に変化は少なくなり、6~7 時間経過後、更に変 化は少なくなった。よって全ての条件で、降雨量50mm/

日で7時間滴下後、採水開始とした。

図.1 実験装置

図.2 電気伝導度(EC)

0 100 200 300 400 500

0 100 200 300 400 500

EC(mS/m)

時間(min)

(2)

3.2 pH

図.3に、各条件の降雨量と pHの関係を示す。降 雨量100mm/日までは、全条件で排水基準pH8.6を クリアした。降雨量200~400mm/日では、中和反応 は確認できたが、排水基準を上回った。降雨量 500

~800mm/日では、ほとんど中和反応はみられなかっ た。降雨量が少ないほど層内滞留時間は長いと考え られ、空気に接触する時間が長くなれば pH が低く なることがわかった。

3.3 IC

図.4に各条件の降雨量とICの関係を示す。海面埋 立地模擬排水以外の条件で、降雨量50~300mm/日は 減少傾向にあり、降雨量 300~800mm/日は変化しな かった。海面埋立地模擬排水は降雨量 100~200mm/

日の間で急激に低下し、降雨量 200~800mm/日は変 化しなかった。空気に接触する時間が長いほど、IC が高くなっており、二酸化炭素による中和を裏付ける 結果となった。

3.4 Ca濃度

図.5、図.6 に各条件の降雨量とCa濃度の関係を示す。水酸化カルシウムのみの溶液とNaClを添加し た溶液のCa濃度は、降雨量50~400mm/日は減少傾向にあり、降雨量400~800mm/日では、ほとんど変 化しなかった。山間埋立地模擬排水と海面埋立地模擬排水では、初期濃度が CaCl2由来で高いため、Ca 濃度はほぼ一定となった。

4. まとめ

pHは各条件で、降雨量が多くなるにつれ高くなる傾向がみられた。ICは各条件で、降雨量が多くなる につれ低くなる傾向がみられた。本実験での20cm厚砕石層で、降雨量100mm/日まで十分に中和された。

pHとICの結果より、どのような条件でも供給液が空気に接触する時間が長いほど二酸化炭素が溶け込み、

中和されることがわかった。この事から、高pHの問題が生じている埋立地において、今回の実験装置の ようなpH低下のための槽をもうける事で、問題が解決できるのではないかと考えられる。

図.3 降雨量とpH

図.5 降雨量とCa濃度

図.4 降雨量とIC

図.6 降雨量とCa濃度(模擬排水) 図.3 降雨量とpH

6 7 8 9 10 11 12

0 200 400 600 800 1000

pH

降雨量(mm/)

水酸化カルシウムのみ NaCl添加

山間埋立地模擬排水 海面埋立地模擬排水

0 20 40 60 80 100 120 140 160

0 200 400 600 800 1000

Ca(mg/L)

降雨量(mm/)

水酸化カルシウムのみ NaCl添加

0 500 1000 1500 2000 2500

0 200 400 600 800 1000

Ca(mg/L)

降雨量(mm/)

山間埋立地模擬排水 海面埋立地模擬排水 0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

0 200 400 600 800 1000

IC(mg/L)

降雨量(mm/)

水酸化カルシウムのみ NaCl添加

山間埋立地模擬排水 海面埋立地模擬排水

図.5 降雨量とCa濃度 図.6 降雨量とCa濃度(模擬排水) 図.3 降雨量とpH

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