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2012年 11月 7

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(1)

はじめに―北極海航路の可能性を背景に、にわかに注目される北極圏資源開発

2012年 11月 7

日、世界で初めて北極海を経て液化天然ガス(LNG)船「オビ河」が九州電 力へノルウェー産天然ガスを輸送したことは、氷海・厚氷状況が厳しくなる冬場において さえも輸送が可能であることを示しただけでなく(1)、世界でも最も過酷な環境にある北極海 においても資源が開発されつつあり、欧州だけでなくアジア太平洋市場を含めマネタイズ

(事業化)できる可能性を少なからず示した点でも特記すべきことだった。もちろんこの

1回

きりのLNG輸送に経済性があるのかどうかという問題はあるが、ロシアの国営ガス企業体 ガスプロム(Gazprom)によって「演出」されたこのイベントは、後述する北極海を舞台と する資源開発プロジェクトを活気づけ、関係国の関心を引くのに十分だった。

今年4月の安倍晋三総理のロシア訪問にあわせて、ロシア連邦北極圏に位置するヤマル半 島のガス田開発を進めるヤマルLNGプロジェクトのオペレータであるロシア民間企業ノバ テク(NOVATEK)が液化プラント建設に関する設計・調達・建設(EPC: Engineering, Procurement

and Construction)

契約をフランスのテクニップ(Technip)・日揮連合と締結し(2)、6月には同プ ロジェクトへ中国石油天然気集団(CNPC)が

20%参画するとともに、生産される LNG

を年 間300万トン以上購入することに合意(3)。7月には北極海の海氷が観測史上最小となる見込 みとの一報が流れ(4)、呼応するように

8

月、中国の海運大手が大連から北極海経由で欧州に 向かう「北東航路」の商業利用に乗り出すと発表し(5)、日本企業も旭化成ケミカルズおよび 三菱化学がナフサをノルウェーから調達(6)。さらに

9

月には、ロシアはソ連解体後閉鎖され ていた北極海ノボシビルスク諸島(新シベリア諸島)の基地を復活させ、増加する船舶への 対応と同海域におけるロシアの軍事的な存在感の確保に乗り出した(7)。さらに上述のヤマル

LNGプロジェクトへ日本企業連合

(三井物産および三菱商事)およびインド企業連合(国営

石油企業ONGC Videsh、インディアンオイル〔IOC〕、ペトロネット

LNG〔Petronet LNG〕

)が参加

(10%マイナス

1

株)を検討しているとの報も流れており(8)、年内には条件を含め合意に至る 可能性が高い。

本稿では北極海航路の開発とともに現在急速に注目され、未開発・未探鉱ながらポテン シャルは高いと言われている北極海資源に焦点を当て、最新の情勢を俯瞰しつつ、果たし てその開発にどのような問題・課題があるのか、現在先行する実際のプロジェクトについ て分析を試みたい。

(2)

1

北極圏の資源量

北極圏にいったい、どの程度の石油・天然ガスがあるのか。極地に位置し、上流開発の ハードルが世界で最も高い地域であり、探鉱が進んでおらず、地震探査データおよび掘削 による坑井データが少ないことから、その実際の量を知るには不確実性が伴う。そこで、

ここではまず未探鉱エリアについては確率論的手法によって導かれた未発見資源量評価を 紹介するとともに、既発見可採埋蔵量(陸上を中心に開発が行なわれているプロジェクトを積 み上げることで導かれる試算)を参照することで、その全体像を示してみよう。

前者は、米国地質調査所(USGS: United States Geological Survey)が

2008

年に行なった評価

(“Circum-Arctic Resource Appraisal”〔北極圏資源量評価、以下略称

CARA

を用いる〕)が有名である

が、北緯

66.56度以北の北極海を含む北極圏全体を対象とするもので経済性や海氷条件を考

慮せず、純粋に地質的にみた石油・天然ガスの賦存量を評価したという特徴をもつ(9)。後者 については、既存プロジェクトのデータを集計することによって得られるもので、2010年 時点について石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)にて試算したものを引用するこ ととする(10)

1) 米国地質調査所・

CARA

による未発見資源量評価

CARA

評価では北極圏において

3キロメートル以上の堆積物がある地域を選別し、33

地域 を抽出している。そのなかで石油ガス鉱床が成立する要素(根源岩・貯留岩の存在、炭化水素 の熟成と移動、トラップ〔石油・天然ガスの貯溜に適した、椀を伏せたような地質構造〕の形成

第 1 図 北極海内の各CARA評価地域と発見可能性(%)

 USGS-CARA評価に筆者加筆。

(出所)

 最も色の濃い地域は発見可能性が100%(確実)となっている。 

(注)

⑥ 東シベリア海

⑦ チュクチ海

⑧ ボーフォート海

⑨ バフィン海

⑩ グリーンランド海

④ カラ海

② 白海

① バレンツ海

③ ペチョラ海

⑤ ラプテフ海

100 50 〜 100 30 〜 50 10 〜 30

<10

Area of low petroleum potential 100

50 〜 100 30 〜 50 10 〜 30

<10

Area of low petroleum potential

米 国

カナダ ノルウェー

デンマーク(グリーンランド)

ロシア

(3)

時期等)の有無を分析し、可採埋蔵量が石油相当で

5000

万バーレル(天然ガスでは

3000

万立 方フィート。一般に小規模油ガス田に分類される)以上の発見がひとつはある可能性が確率的 に10%以上あるものを評価している。

第 2 図 CARAの北極圏の未発見ガス資源量

>100 6 〜 100

<6

Area not quantitatively assessed Area of low petroleum potential

 USGS-CARA評価に筆者加筆。日本の消費量はBP統計2013年より。

(出所)

 最も色の濃い部分は未発見ガス資源量が100TCF以上見込まれている地域(参考:日本の年間消費量4.1TCF)。

(注)

>100 6 〜 100

<6

Area not quantitatively assessed Area of low petroleum potential

 USGS-CARA評価に筆者加筆。日本の消費量はBP統計2013年より。

(出所)

 最も色の濃い部分は未発見石油資源量が10億バーレル以上見込まれている地域(参考:日本の年間消 費量:17億バーレル)。

(注)

>10 1 〜 10

<1

Area not quantitatively assessed Area of low petroleum potential

>10 1 〜 10

<1

Area not quantitatively assessed Area of low petroleum potential

第 3 図 CARAの北極圏の未発見石油資源量

(4)

その結果、33地域のうち、25地域において発見可能性が

10%以上との結果となっており、

さらにロシアおよびノルウェーにまたがるバレンツ海、ロシア領のカラ海、ヤマル半島、

ラプテプ海、米国ではアラスカ州沖合、カナダでボーフォート海北東部からバフィン湾北 部において

50― 100%

の高い確率で石油ガスの胚胎が見込まれる結果となっている(第2図

および第

3図参照)

。通常の試掘成功率(試掘の総数に対し、石油またはガスの産出に成功した坑

井の比率)は世界では各地域で差はあるものの50%を超えることは非常に稀であることを考 えれば、CARAの評価結果は北極圏における資源のポテンシャルを積極的に見積もったもの であると言えるだろう。

さらにそれら25地域について確率論的手法を用いた資源量評価を行なった結果として、

①石油:90億バーレル

②天然ガス:1670兆立方フィート(TCF、石油換算2783億バーレル)

③コンデンセート(ガス田で採取される油の一種):440億バーレル

と評価している。これは

USGS

による全世界の未発見資源量のうち、石油については

13%、

天然ガスについては

30%

を占めるもので、北極圏では天然ガス資源量が石油資源量より大 きなポテンシャルを有し、そのほとんどが水深500メートルより浅いオフショアにあると評 価されている。また、北極海沿岸

5

ヵ国(ロシア、ノルウェー、デンマーク、米国およびカナ ダ)のなかでもロシアが、総面積、海氷条件(メキシコ湾流による海氷条件が良好なバレンツ 海の資源量を含むため)、資源ポテンシャルの点で最も恵まれているという結果となっている。

(2) 既発見可採埋蔵量

次に、すでに探鉱開発され埋蔵量が見積られている量(可採埋蔵量

2Pベース

(11))について みてみよう。これまで北極圏全域での油ガス田発見数は400超あり、その7割が陸上での発 見となっている(第

4

図参照)。これはCARAが示すオフショアのポテンシャルとは裏腹に陸 上開発が先んじて行なわれ、オフショア開発が遅れている北極海事業の環境の厳しさを反 映した結果とも言えるだろう。世界的な産業情報サービス会社のエネルギー部門であるIHS

Energy

のデータをまとめたJOGMEC試算により過去のデータを累計した結果によれば、北

極圏の可採埋蔵量は、

①石油:473億バーレル

②天然ガス:2542億石油換算バーレル(1525TCF)

③コンデンセート:102億バーレル

陸海域 6%

陸域 69%

海域 25%

第 4 図 北極圏の既発見油ガス田数

 IHS EnergyデータをJOGMECにて集計(注10の資料より)。

(出所)

総数:409 陸域:284 陸海域:24 海域:101

(5)

となり、8割超を天然ガスが占めていることがわかる(第5図参照)。また、その国別発見数 もロシアが

230と 2

位のカナダの

85

を大きく引き離しており、第

2

図および第

3

図に示され たCARAのポテンシャル評価を実績でも反映するような結果となっていることがわかる。

2

ポテンシャルの背後で

前節のとおり、北極圏の石油天然ガス資源をみると、天然ガスのポテンシャルが実績(既 発見)および未発見資源量でも高いことがわかるが、天然ガスの事業化には需要地への輸送 方法としてパイプラインおよびLNGタンカーによる

2

つの選択肢があるものの、ともに大 規模な投資と長期にわたる操業条件(コスト回収)が避けられない。さらに世界で最も過酷 な環境における資源開発はスタートラインからすでに高いハードル(気候、永久凍土での開 発に伴う重機制限および通年での開発が困難等)を抱えており、民間企業はもとより、資源ポ テンシャルの点で最も有望とみられているロシアでも近年、国営石油ガス会社主導で開発 を進めようという政策をとっているが、一朝一夕には進んでいないというのが実情だ。

例を挙げてみよう。最近ロシアに関する北極海開発についてのメディア露出は多いが、

その実際を読み解くと一筋縄ではいかない実情がみえてくる。例えば、国営石油会社ロス ネフチ(Rosneft)は2011年に入り急速にカラ海での外資メジャーとの協力事業を模索し始め、

2011

1

月には

BP

と(追って株主訴訟問題に至り破談)、同年

8

月にはエクソンモービル

(ExxonMobil)と、翌年

4月にはイタリア ENI

とバレンツ海および黒海探鉱で提携し、さらに

5月にはノルウェーのスタットオイル

(Statoil)とバレンツ海での共同事業に合意した(12)。プ

第 5 図 北極圏の既発見石油ガス可採埋蔵量

 IHS EnergyデータをJOGMECにて集計。

(出所)

 石油(MMbbl)、ガス(MMboe)、天然ガス液(MMbbl)で2Pの可採埋蔵量。

MM=100万、bbl=バーレル、boe=石油換算トン。

(注)

各国の割合 ロシア 88%

アメリカ 10%

カナダ 2%

ノルウェー 〜1%

(IHSデータより、MMboe比較)

Total=29,825 MMboe 天然ガス液 938

アメリカの北極圏の既発見可採埋蔵量 ロシアの北極圏の既発見可採埋蔵量

ガス 6,760 天然ガス液 9,017 石油 23,076

北極圏の既発見可採埋蔵量 北極圏の既発見可採埋蔵量 天然ガス液 10,202 石油 47,323

石油 22,128 ガス 240,900

天然ガス液 86

カナダの北極圏の既発見可採埋蔵量 ノルウェーの北極圏の既発見可採埋蔵量

(スバルバル諸島を含む)

カナダの北極圏の既発見可採埋蔵量 ノルウェーの北極圏の既発見可採埋蔵量

(スバルバル諸島を含む)

石油 1,811

天然ガス液 161 石油 308

ガス 4,461

ガス 2,049 ガス

254,170

Total=6,358 MMboe

Total=311,694 MMboe

Total=272,992 MMboe

Total=2,515 MMboe

(6)

ーチン大統領が今期就任する直前に矢継ぎ早にこれら欧米メジャー3社と北極海において共 同事業を進める協定に調印したことは、今も

Rosneftホームページにトップセールスとして

大々的に掲げられている(13)。また、今年

5

月には国際石油開発帝石株式会社(INPEX)とも オホーツク海マガダン鉱区における共同探鉱に合意したことは記憶に新しい(14)

なぜRosneftが意欲的に大陸棚開発へ乗り出したのか。その背景には、実はプーチン大統 領が前回の大統領時(第

2期: 2004

―08年)、最後に大統領として署名した地下資源法の改正

(「地下資源について/

No. 187-FZ」2008

年4月29日改正)が大きく影響していると考えられる。

2008

年は原油価格が上昇し、同年

7

月にはウエスト・テキサス・インターミディエイト

(WTI)原油先物価格が史上最高のバーレル当たり

147

ドルをつけていた。石油会社はポテン シャルのある鉱区の獲得に我先に乗り出し、最も有望と言われてきた大陸棚については、

ロビー活動をしていた

Rosneftおよびガスプロム

(Gazprom)と資源を囲い込むロシア政府の 思惑が一致し、同地下資源法改正にて事実上大陸棚開発を行なえる企業を両社に限定する ことに成功する(15)。しかし、同年

9月にリーマン・ショックが発生し、翌年 1

月には原油価 格は一時的ながら30ドル台前半まで急落してしまった結果、開発技術を有さない両社は北 極海大陸棚開発どころではなくなった。そして時は経ち、2012年

5月、プーチン首相が大統

領として復活する。Gazpromは同法改正前からシュトックマンガス田開発を進めており、ま がりなりにも大陸棚開発に取り掛かっていたが、Rosneftは法改正後の5年間、何もしてこな かったに等しい。せっかく両社に大陸棚開発を独占させたのにこの5年間何もしてこなかっ たRosneftに対してどのような「お仕置き」が下るのか、恐れた

Rosneft

幹部は

2012

5

月の プーチン大統領再就任に至る直前まで矢継ぎ早(拙速)に欧米メジャーとの開発に合意し、

かたちだけでも取り掛かっているという姿勢をみせた、と読むことができるだろう。

では、天然ガスプロジェクトを推進するGazpromの状況はどうか。北極圏という厳しい環 境下でのLNGプロジェクトとしてはバレンツ海にてノルウェー

Statoil

が進めるスノーヴィ ット(白雪姫)

LNG

プロジェクトという前例があるが、1984年に発見された同ガス田の開発 が始まったのが2001年、その後

2007

年に生産を開始するも、トラブルが続き現在も当初予 定されていた総容量の7割程度しか稼動しておらず、技術的な問題への対応を迫られている と言われている(16)。また、Gazpromが2008年から進めてきたシュトックマンガス田開発プロ ジェクトも、フランスのトタル(TOTAL)および

Statoilをパートナーに迎えるも、米国シェ

ールガス革命の余波と欧州需要の減少、技術的課題からほぼ無期延期という状況に追い込 まれている(Gazpromは

2019年以降にガス田開発を開始すると発表

(17))状況にある。

Gazpromがシュトックマンガス田開発で TOTAL

および

Statoil

を誘致し(ただし、2012年

6

月に

Statoilは撤退

(18))、Rosneftが欧米メジャーと共同探鉱に合意したとおり、ロシアではソ連 時代から陸上開発は行なわれてきたものの、オフショア開発についてはその経験がある欧 米メジャーの技術力に頼らざるをえないというのが現状だ(ロシアの石油会社ではオフショア 開発は業界第2位のルクオイル〔LUKOIL〕が北カスピ海ロシア領海でロシア企業単独としては初 めて開発に乗り出しているのみ(19))。また、上述のスノーヴィット

LNG

プロジェクトが示すと おり、世界で最も過酷な開発条件を抱える北極圏において資源開発を行なうことは、原油
(7)

と異なりメジャーでもすぐマネタイズができない(LNGプラント建設など大規模な投資および 長期にわたる建設期間が必要)という天然ガスの特性も相まって、相対的に他の上流開発地 域に比べて魅力に劣るというのが実情だろう。

そのような状況にあって、ロシア第2位の天然ガス生産会社であるNOVATEKが進めるヤ マルLNGプロジェクトが事業化に向けて活発な動きをみせている。冒頭のとおり、今年

4

月には

Technip・日揮連合が EPC

契約(年産

1650

万トン〔550万トン×3系列〕の

LNGプラント

に係る有償見積り、詳細設計および一部長納期機器等の調達役務・ランプサム〔固定金額〕契約

〔ただし、将来の全体契約の契約形態は別途調整〕)をJSCヤマル

LNG

社から受注し(20)、現在ロ シアにおいて構想されている

LNG

プロジェクトのなかでフロントランナーに躍り出ている。

そこで、同プロジェクトの実際を分析しながら、北極海資源開発が抱える課題について考 えてみよう。

3

北極海の資源開発における課題―ヤマルLNGプロジェクトを例に

(1) ヤマル

LNGプロジェクト概況

ヤマル半島北東岸に位置する南タンベイガス田(1974年発見、確認埋蔵量:天然ガス

24.6

TCF、コンデンセート 1.2

億バーレル)を主ソースとするもので、サベッタ港に

LNG

プラント

を建設し、2016年11月の生産開始を目指す(第

6

図参照)。LNGプラントは各系列550万トン を2016年、2017年、2018年に稼動し、合計容量は

1650万トンとなる見込み。2011

年にフラ ンスTOTALが、2013年には中国CNPCがそれぞれ

20%

ずつ権益を獲得し、ユーラシア大陸

P PROBABILITY

(percent)

100 50 〜 100 30 〜 50 10 〜 30

<10

Area of low petroleum potential PROBABILITY

(percent)

100 50 〜 100 30 〜 50 10 〜 30

<10

Area of low petroleum potential

第 6 図 NOVATEKヤマルLNGプロジェクト位置図

 USGSおよびJOGMECマップに筆者加筆。

(出所)

バレンツ海 カラ海

諸島

(8)

の中央という地理的特徴を活かし、通年は欧州向け、夏季は北極海航路を利用してアジア 太平洋市場へ

LNGを輸出する計画である。ロシア政府も 2010

年にプーチン首相(当時)が

「ヤマル半島におけるLNG事業開発総合計画」に署名し、優遇税制の適用やサベッタ港の建 設等全面的に支援している(21)

2) 直面する課題

①海氷・極寒気候への対応

オフショアであれば流氷、氷山、流動してくる叢氷そうひょうが衝突しても問題がない構造物が求 められるとともに、浅海域では氷山が海底を引っ掻くことから生産パイプラインやコンプ レッサー等の海底構造物を埋設する措置が必要となる。また、掘削リグ(海上に設置される 掘削装置およびプラットホーム)や海上生産施設への資材や物資補給のためのヘリコプター およびサプライボートの運行制限も想定する必要がある(ヤマル

LNG

は陸上ガス田から天然 ガスを供給)。

また、1年のうち

8

ヵ月を冬季が占めるなか、最低気温はマイナス60℃に迫り、陸上では 短いながら夏季には温度は

30℃まで上昇するため、永久凍土を溶かして泥沢地に変えてし

まうことから、大量に発生する蚊や虻への対策、地盤未整備地域への重機の持ち込みに制 限がかかる結果、通年での作業が困難であり、探鉱および開発に要する期間が長期にわた るというリスクがある。

②事業費の増加

ヤマル

LNG

プロジェクトの総事業費についての公開資料は限られているが、2012年時点 では

8582

億ロシアルーブル(RUB、約

268

億米ドル〔USD〕)との試算がなされている(22)

2010年当初では 180

億―200億

USD

であり、事業の規模および具体化が進むなか、今後

EPC

契約の内容が明らかになれば、さらにコストが増加する可能性が高い。また、ヤマル半島 に建設される港湾施設についてはロシア政府の負担によって建設がすでに進められている のに加え、ヤマル半島開発については上流税制で複数の優遇制度をロシア政府が設けてお り(第

1

表参照)、裏を返せばそのような優遇税制がなければ民間事業体が参画するには経済

第 1 表 ロシアの上流開発税制とヤマル半島への優遇状況

資源抽出税 輸出税 法人税

(注) 原油生産に伴う随伴ガスについて資源抽出税は免税。

黒海、オホーツク海の鉱床およびヤマロネネツ自治管区北部の鉱床(ヤマル半島の油田は別規定)について免税(2011年 7月21日付政令)。2012年1月1日より適用。累計生産量が黒海2000万トン、オホーツク海3000万トン、ヤマロネネツ自 治管区2500万トンに達するか、生産ライセンス付与から10年・探鉱生産ライセンス付与から15年まで。ヤマル半島につ いては累計生産量が1500万トンに達するか、生産ライセンス付与から7年(探鉱ライセンスを含め12年)が免税となる。

「ヤマル半島におけるLNG事業総合計画」による優遇措置(2010年10月18日、プーチン首相〔当時〕署名)。LNG生産用 の天然ガス(生産開始から12年間、または累計量が2500億立法メートルに達するまで)および付随して生産されるコン デンセート(生産開始から12年間、または累計生産量が2000万トンに達するまで)について抽出税を免税。また、2011 年6月には増進回収(EOR)用に圧入される天然ガスについては抽出税を免税。

LNGについて輸出税は免税(23)。ヤマル半島についてはコンデンセートも輸出税は免税。

(出所) 筆者とりまとめ。

通常

課税

A

課税 ヤマロネネツ自治管区

原油

通常

課税

B C 課税 ヤマロネネツ自治管区 コンデンセート

通常

課税 B

C 課税

ヤマロネネツ自治管区 天然ガス

A:

B:

C:

(9)

性リスクが高いことを示している。

③需要地までの輸送手段(LNG)

北極海航路は温暖化によって氷が張る領海域が縮小する傾向にあるとはいえ、冬季は依 然アイスクラス(耐氷船)でも運行は難しいため、NOVATEKはヤマル半島からアイスクラ スのLNG船(積載容量17万立法メートル)にて輸送することと併せて、スエズ運河経由を含 む通年ルートと夏季北極海航路活用ルートを検討している。

〈通年〉西方向けはムールマンスクにて通常のLNG船に積み替えを検討。

・案1:

LNG

船26.5万立法メートルクラスは南米(ブラジル、アルゼンチン)およびスエ ズ運河経由でアジア(インド、日本、中国、韓国、台湾)へ。

・案

2: LNG船 14.5万立法メートルクラスは欧州市場へ。

〈夏季〉アイスクラスLNG船で北極海航路にて東方へ。アジア市場向け。

これらの輸送において、問題となるのは次の点である。

(a)パイプライン市場が成熟した欧州市場でのガス販売価格競争。

(b)アイスクラスLNG船の傭船および建造費用に伴うコスト増加。

(c)北極海の通過に必要となる原子力砕氷船のエスコートに伴うコスト。

(a)について、米国のシェールガス革命の余波によって欧州市場でのロシア産ガスが厳し い競争にさらされ、シュトックマン

LNGも塩漬けになりつつあるなかで、果たして欧州市

場にNOVATEKが入り込む余地があるのかどうか。そして、パイプライン輸送による天然ガ スとLNG輸送による天然ガスを比較した場合、同条件では付加価値が高い後者のコストが 高くなることが一般的であり、欧州市場で相対的に安価なロシアおよび北海からのパイプ ラインガスとの競争にさらされるリスクがある。(b)については北極海仕様(砕氷機能)を もつアイスクラスのLNG船を新造する必要があり、そのコストがさらに天然ガス価格を押 し上げ、収支を圧迫するリスクがある。さらに(c)原子力砕氷船のエスコートも必要である が、その点についてはロシア政府が北極海航路の開拓・運用拡大を目的に国を挙げて取り 組む姿勢を打ち出しつつあり、次項で資源開発における北極海航路をめぐる問題点とリス クをまとめる。

第 7 図 北極海の氷の状況― 冬季(左図:10―6月)および夏季(右図:7―9月)の比較

 黄色で囲われた海域はディーゼル砕氷船の稼働可能領海。赤で囲われた海域は原子力砕氷船の稼 働可能領海。白い部分は結氷域。

(注)

 Rosatomflot(24).

(出所)

(10)

④資源開発における北極海航路の問題点とリスク

NOVATEKが夏季に輸出ルートとして検討しているのは北極海航路

(ロシア語ではСеверн- ый Морской Путь〔北方航路〕と呼ばれ、略記のСМП/SMPが公式に用いられている)はカラ 海を経てベーリング海峡に至るもので北東航路とも呼ばれる(第8図の赤い線を参照)。また、

北極点を挟んでカナダからアラスカを経てベーリング海峡へ至るものは北西航路と呼ばれ ている(25)

北極海航路は

2009年より温暖化による海氷条件の改善に伴い、活用が急速に増加してい

る一方、複数の課題も抱えており、主に次の3つの点に集約されるだろう。

A:通年運航は困難

温暖化により氷の面積が縮小する傾向にある結果、夏季の輸送可能期間が長くなりつつ あり、原子力砕氷船およびディーゼル砕氷船の稼働領域も増加している(第

7図)

。しかし関 係者によれば冬季の厚氷は依然変わらず、安全面の問題から通年運航は難しい状況にある。

また、水深によって喫水の制限が生じることにも留意が必要で、喫水が11メートルを超え る深い場合にはさらに北極寄りのルートをとる必要があることから、航行可能期間がさら に制限される。

B:限られた原子力砕氷船によるボトルネック

原子力砕氷船の数は限られており(ロシア国営原子力船運営会社ロスアトムフロート

〔Rosatomflot〕保有は

10

隻、うち

6

隻が稼働している)、ディーゼル砕氷船はあるものの馬力の 問題から稼働領海が限られており、貨物量の増加により輸送も増えれば自然にボトルネッ クが生じてしまう。

ただし、常に貨物船一隻に対して

1― 2

隻の原子力砕氷船の随行が義務というわけではな く、一度砕氷されたルートはその後も一定期間使用できること、また、近傍に砕氷船がい れば非常時に対応も可能との情報もある。

C:原子力砕氷船の運航コスト

輸送日数および距離はスエズ運河経由と比較して相対的に短縮できたとしても原子力砕 氷船のリース費用を上乗せした輸送費全体のコストとの比較において、競争力をもつこと ができるのかどうか。この点について非常に興味深い試算結果を

Rosatomflot

が提供してい る。2012年

11

月にノルウェーから日本へLNGを運搬した際のアイスクラスの

LNG

船「オビ 河」について、原子力砕氷船の使用料金(タリフ)を含め計算・比較した場合、

・スエズ運河経由では総額41万

2453USD

(LNG 1トン当たり6.22USD×

6

万6310トン)

・今回の北極海航路経由では総額

33万1712USD

(LNG 1トン当たり5USD×同上)

となる。また、これは北極海航路に適用されている「セット価格」のようなものであり、

通常1隻の原子力砕氷船をチャーターすると

380

万RUB/日が必要となる(26)。現在、北極海航 路では日本まで18日程度かかることから、もしチャーターすれば6840万RUB(約

2

億円)か かるという計算になるが、実際にはその

6分の 1

程度で運行されているということになる。

また、現地での聴取からは本タリフについてはさらに優遇する案も今後政府内で検討され る見込みとの情報もあった。この背景に、スエズ運河航路に対抗するロシアの政策を垣間

(11)

見ることができるだろう。2009年の最初の外国商船の北極海航路利用に始まり、急速に貨 物量が増加している背景には、

(a)温暖化を背景とした自国領海活用領域の拡大

(b)ソ連時代からの先駆的技術を有する原子力砕氷船技術の有効活用

(c)ヤマル半島に代表される北極圏資源の開発のさらなる促進

という目的があり、実際のコストを無視してでも公共事業的に、言うなればパイプライン 同様に海洋インフラ整備を進め(軍事的要衝を固めるという意味も包含)、市場を獲得してい く、というロシア政府の姿勢を見出すことができる。

ロシアは身を切るかたちで原子力砕氷船傭船料を下げることで安価な価格リストを提示 し、スエズ運河経由の物流へ挑もうとしているが、実際の船舶物流は複数の需要地を往来 することが一般的であり、この点も北極海航路にとっては経済性に影響を与える要因であ ることにも留意する必要がある。北極圏には市場がない一方で、スエズ運河経由で欧州ま で物資を輸送する場合には、香港、上海、シンガポール、ボンベイ、ドバイと各需要地で 物資を中継・積み出すことが可能であるため、さらにビジネスの選択肢が広がるが、北極 圏ではそのような需要地・人口集中地(北極海沿岸で最大の都市はロシア連邦アルハンゲリス ク〔人口約35万人〕で、次いで不凍港のムールマンスク〔約

31万人〕

、この2都市以外に人口10万 人を超える都市はないと言われている)はなく、資源の積み出しのみである。また、カーゴ単 位でさまざまなものを輸送できる物資と異なり、基本的に専用タンカーを使用しなければ ならない。したがって、一方通行にならざるをえず、他物資を搬送できるスエズ運河経由

北極海航路 輸送日数:18日超 輸送費用:33万USD   (通常214万USD)

スエズ運河経由 輸送日数:37日超 輸送費用:41万USD

第 8 図 北極海航路とスエズ運河経由の日数および輸送の比較

(ノルウェーから日本へ輸送されたLNG船「オビ河」を例に)

 Rosatomflotの資料から作成(地図はWikipediaパブリックドメイン(27)から引用)。

(出所)

(12)

の物流ルートに比べ、限定的となる。

4

まとめ

北極海における資源開発について、そのポテンシャル評価から最近の動向、さらに現在 先行するロシアのプロジェクトをケーススタディとして、抱える課題についてみてきた。

そこからみえてくるのは、北極海にはポテンシャルがあることは確かであること。しかし、

過酷な環境条件とそれに伴う技術開発の必要性に迫られる結果、コスト増加のリスクを抱 え、さらに天然ガスリッチであることから、マネタイズのための輸送ルートの確保、LNG プロジェクト成立のために大規模な投資が必要となることである。

上述のNOVATEKによるヤマル

LNG

プロジェクトはある意味、果敢にプロジェクトの実 現に邁進しており、2013年内の最終投資決定(FID)を目指しているわけだが(28)、そのプロ ジェクトにはロシア政府による強力なバックアップ(優遇税制および北極海航路の開拓支援)

があることを考えれば、その底上げ部分を除いたプロジェクト単体では世界の他地域のポ テンシャルエリアでのプロジェクトに比べ劣後してしまう可能性をはらんでいる。

北極海の探鉱・開発の現況を主要なプロジェクトごと・国ごとにみれば、第2表のとおり となる。2013年に入ってロシアでは複数の北極海鉱区のライセンス付与がGazpromおよび

Rosneft

に対してなされており(29)、今後探鉱活動が始まる見込みだが、現在動いているプロ ジェクトを並べれば、メジャーが近年参画した

Rosneftの探鉱プロジェクトを含めても両手

で余る程度であり、外資にとって他地域に比べて相対的にインセンティヴが下がってしま

第 2 表 北極海における主要な上流開発プロジェクト

ロシア

1988年発見 1989年発見 シュトックマンガス田

プリラズロムノエ油田 ルサノフガス田 レニングラードガス田 東プリノボゼメルキー(1―3)

フェディンスキー 中央バレンツ ペルセエフキー

スノーヴィットガス田 バーガーガス田 ノルウェー

米 国

バレンツ海 ペチョラ海

開発延期中

1984年発見

1990年発見 生産中

探鉱中 Statoil

バレンツ海

Shell

2011年

ExxonMobilと合意 2012年

ENlと合意 2012年 Statoilと合意 探鉱中

探鉱中

探鉱中

2013年

ExxonMobilと合意 探鉱中

探鉱中 開発中

Gazprom

Rosneft カラ海

バレンツ海

チュコト海 カラ海

ラプテフ海 採鉱中

チュクチ海〜

ボーフォート海

国 名 油ガス田/鉱区名 位置 企業 現状 備考

(出所) 筆者とりまとめ。

北カルスキー

ウラゲレフスキー(1―2)鉱区 南チュコツキー鉱区 ウスト・オレネクスキー鉱区 ウスト・レンスキー鉱区・

アニスィンスコ・ノボシビルスキー鉱区

(13)

う地域である傾向を示していると言えるだろう。また、Rosneftの北極海大陸棚開発提案へ のメジャーの参画は、大陸棚開発に対する税制優遇(30)が受けられる利点と高油価という背 景もある。言い換えれば油価が下落した場合や結果として税制優遇が見直された場合には プロジェクトが凍結されるリスクを抱えるものだ。このほか、アイスランドおよびグリー ンランド(グリーンランド海、バフィン湾)でも鉱区公開はなされているが、いずれにしても 現在探査・探鉱段階にあり、その結果は5年以上の中長期的なスパンでみえてくるものとな るだろう。

資源開発は当然ながら商業プロジェクトであり、資源開発企業は限られた資金のなかで 地域および各プロジェクトに優先順位を付けて投資決定を行なうが、以上述べてきたとお り、北極海における資源開発は技術開発から始まる前人未到のフロンティアであり、足元 での経済性には不確実な要素が多い。しかし、それは見方を変えれば、他地域に比較して 参入余地がまだ残されていることも示している。また、フロンティア資源開発による大規 模な投資はその地域に法制(ルール)をつくり、インフラを建設し、雇用を生み出すととも に国際的な市場との関係、地域における秩序をもたらすものである。

北極海航路がにわかに注目される今、同地域の資源開発がどのように沿岸諸国および関 係企業によって進められていくのか。また、その巨大なポテンシャルに対して安定した市 場をもつ日本も含め、沿岸国はどのようにかかわっていくのか。今、考える時期を迎えつ つある。

1)「九電、北極海経由でLNG調達 輸送距離を短縮」『日本経済新聞』2012年12月6日(http://www.

nikkei.com/article/DGXNZO49215740V01C12A2LX0000/)

2Technip社HP(http://www.technip.com/en/press/technip-consortium-jgc-awarded-yamal-lng-project-russia) 日揮株式会社HP(http://www.jgc.co.jp/jp/01newsinfo/2013/release/20130403.html)

3 NOVATEK社HP(http://www.novatek.ru/en/press/releases/index.php?id_4=756)

4)「北極の海氷最小に」『日本経済新聞』2013年7月24日。

5)「中国、北極海を商業利用」『日本経済新聞』2013年8月13日、「中国、欧州へ北極海航路」『毎日 新聞』2013年8月14日、「中国商船 北極航路へ」『東京新聞』2013年8月14日。

6)「北極海航路 資源に『近道』『日本経済新聞』2013年8月16日。

7)「露『大動脈』目指す」『産経新聞』2013年8月29日、「北極海の露軍基地復活へ」『産経新聞』

2013年9月13日。

8)「露ノバテク、LNGプロジェクトの少数権益売却先を近く決定へ」『ロイター通信』2013年9月 26日(http://jp.reuters.com/article/companyNews/idJPL4N0HM1CS20130926)

9 USGS, Circum-Arctic Resource Appraisal; Estimates of Undiscovered Oil and Gas North of the Arctic Circle, 2008(http://pubs.usgs.gov/fs/2008/3049/).

(10) 佐藤大地「北極圏の石油ガス探鉱開発状況」『JOGMEC石油天然ガスレビュー』Vol. 44(2010年 3月)(http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/3/3527/201003_017a.pdf)

(11) 確認埋蔵量(Proven)と推定埋蔵量(Probable)を合計した数量。

(12) 本村真澄「ロシア:RosneftによるTNK-BP買収とBP/Rosneftの新戦略―ついに石油産業から退 場するオルガルヒー」『JOGMEC資源情報』2012年12月28日(http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/

4810/1212_out_j_Rosneft_TNKBP.pdf)

(13) Rosneft社HP(http://www.rosneft.com/)

(14)

(14) INPEX社HP(http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2013/20130529.pdf)

(15) 改正されたロシア地下資源法第9条では、大陸棚における「連邦的意義を有する地下資源鉱区」

の利用者は、ロシア連邦大陸棚の地下資源鉱区の開発経験を5年以上有し、ロシア連邦が定款資本

50%以上を保有し、議決権のある株式の票総数の50%以上を直接ないし間接的に掌握する権限

をもつ法人と定められており、実質国営企業であるRosneftおよびGazpromに限定されている(可 能性としてGazpromの子会社であるGazpromneftのほか、Zarubezhneft〔海外での上流開発専門〕の 参画も考えられる)

(16)『ロイター通信』2013年4月25日(http://uk.reuters.com/article/2013/04/25/statoil-lng-idUKL5N0D810G 20130425)

(17) Штокмануходитвседальше Газпром отложилпроектминимумна2019год (「シュト ックマンはさらに遠のく―ガスプロムは少なくとも2019年までプロジェクトを棚上げへ」『コメ ルサント』紙2013年2月11日)(http://www.kommersant.ru/doc/2124691)

(18) Statoil社HP(http://www.statoil.com/en/NewsAndMedia/News/Pages/8Aug2012Shtokman.aspx)

(19) LUKOIL社HP(http://www.lukoil.com/materials/doc/pk3.pdf)

(20) 注2参照。

(21) 原田大輔「本格化するヤマルLNGプロジェクト:最新の状況とプロジェクト成立に向けた要因 分析」『JOGMEC石油天然ガスレビュー』Vol. 47(2010年7月)(http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/

4929/201307_051a.pdf)

(22) ロシア経済紙『ベドモスチ(Vedomosti』によると、LNG液化プラント(4242億RUB)、LNG船 用港湾施設(2640億RUB)、ユジノタンベイスコイェ開発費等(139.9億RUB)、パイプライン敷設 費用等(286億RUB)、地質探査(16RUB)など。

(23) 2013年6月13日付インタファクス(Interfax)は、今後LNGに対して輸出税が課されることを示 唆するドヴォルコヴィッチ副首相の発言を紹介し、ロシア政府が新規プロジェクトに対してLNG 輸出税免税を検討していないことを紹介。ただし、ノヴァク = エネルギー相は省内で新規LNGプ ロジェクトに対する輸出税優遇を検討していることにも言及。

(24) http://www.rosatomflot.ru/index.php?menuid=20&lang=en

(25) 海事問題調査委員会(海洋政策研究財団海技研究グループ長:加藤隆一著)「北極海および北極 航路を取り巻く状況」『海事問題調査委員会報告』、2013年3月。

(26) 注24および現地での聴取結果から。

(27) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Sevmorput%27.jpg

(28)『ブルームバーグニュース』2013年8月13日(http://www.bloomberg.com/news/2013-08-13/novatek-in- advanced-talks-to-sell-additional-yamal-lng-stake.html)

(29) 本村真澄「ロシア:大陸棚での石油ガス開発鉱区付与の現状」『JOGMEC資源情報』2013年8月 19日(http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=1308_out_j_Russian_shelf%2epdf&id=4969)

(30) 2012年4月12日付ロシア連邦政令第443-r号:ロシア大陸棚開発プロジェクトにおいて海域ごと に優遇税制を設けるもの(輸出税は全海域免税)。2014年から適用予定。

はらだ・だいすけ 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)

調査部計画課兼エネルギー資源調査課課長代理 http://www.jogmec.go.jp [email protected]

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