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GCMR の広報活動について

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林 将大 GCMR の広報活動について

─ 84 ─  本機関は,2016 年 4 月に岐阜大学研究推進・社会 連携機構微生物遺伝資源保存センター(GCMR)とし て岐阜大学医学部棟内に設置され,全国の学術・研究 機関の研究者,行政機関および企業に対し,ヒトに病 原性を有する細菌の提供を行っている.本機関の前身 施設である「岐阜大学医学系研究科病原微生物遺伝資 源保存センター」は,岐阜大学医学部微生物学講座と して 1951 年より半世紀以上にわたり収集した菌株コ レクションを維持・管理し,分譲してきた.当機関で はこれらの業務を引き継ぎ,コレクションの維持・管 理体制を再整備するとともに利用者のさらなる拡大を 目指し,遺伝資源としての病原細菌コレクションの整 備を進めている.

 本機関は,ヒトに対する病原性細菌を中心として,

現在約 17,000 株のコレクションを有している.内訳概 要は,バイオセーフティーレベル 3(BSL 3)の細菌 15 種約 900 株,BSL 2 およびレベル 1(BSL 1)の細 菌が約 16,000 株である.ヒトに対して病原性を有する 細菌種を主に保有しており,現在,感染症の予防及び 感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)

で定められている特定病原体の細菌種,病原性細菌の 基準株・リファレンス株の保有に関しては国内最大で あることを自負している.また,2018 年度からは全国 サーベイランスで収集された尿路感染症原因菌および 臨床分離淋菌株について,将来的な有効遺伝資源とし ての活用も視野に入れて順次コレクションに導入し,

これらの菌株の保全にも取り組んでいる.

 当機関は設立以降,特別な広報活動を実施してこな かった.年度によって多少の変動はあったものの,機

関で設置した目標数を下回ることはまれであり,これ までの利用者,あるいは細菌学分野の研究者から人づ てに分与の依頼を受けてきたため,一定の提供数を維 持しており,広報活動を意識することなくリソースと して運営することができていた.

 広報活動を見直すきっかけは,2016 年度以降に分 与件数が急激に減少したことに起因する.2015 年度 末に前任教授の定年退職後,提供件数はこれまでの半 数以下まで減少した.特に大学をはじめとする教育機 関での利用件数は 25 件(2015 年度)から 6 件(2016 年度)と著しい減少が認められた.これまでの活動を 検討した結果,提供数減少の要因として,病原細菌リ ソースの知名度の低さ,前任教授の退職に伴う新体制 での分譲業務が引き継がれていることが周知されてい ない,一度購入すると当面その株を利用し続けるため 再購入までに時間を要するなどが考えられた.

 2016 年度以降,分譲件数の回復を目標に積極的な広 報活動を開始した.まず,当施設のホームページ

(https://www1.gifu-u.ac.jp/~g_cmr/index.html)を開 設し,分譲および寄託に関する周知を実施した.さら に,大学ホームページからも当施設へ簡便にアクセス が可能になるようにホームページの改善を依頼した.

また,2018 年度からは利用者コミュニティが参加し ている学術集会に積極的に参加し,利用者促進のため の展示を実施している.2018 年度は日本臨床微生物 学会,日本細菌学会,日本感染症学会および日本食品 微生物学会において展示を実施した.会場では利用者 の認知度およびニーズを探るべく,毎回アンケート調 査を実施し利用者のニーズに合った菌種セットを提案 することで利用の促進に努めている.結果,2017 年度 以降は提供件数も回復傾向を示しており,2019 年度 7 Microb. Resour. Syst. 35(2):84─85, 2019

GCMR の広報活動について

林 将大

岐阜大学研究推進・社会連携機構微生物遺伝資源保存センター(GCMR)

〒501-1194 岐阜県岐阜市柳戸 1-1

Public relations activities of GCMR

Masahiro Hayashi

Center for Conservation of Microbial Genetic Resource, Organization for Research and Community Development, Gifu University, 1-1, Yanagido, Gifu 501-1194, Japan

E-mail: [email protected]

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─ 85 ─

Microb. Resour. Syst. Dec. 2019 Vol. 35, No. 2

月現在では年度目標の 50%をすでに達成している.

 一方,広報活動を実施するうえで懸念しなければな らないことも存在している.特にわれわれのリソース は取り扱っている生物種がヒトの病原細菌という性質 上,誰でも簡単に閲覧できる環境であることは望まし くない.ある程度限定されたコミュニティに対しての み広報活動を行うため,現在汎用されている SNS の ようなツールを利用した発信活動を実施することは困

難である.

 広報活動は即効性がある場合だけでなく,継続的な 活動による遅効性の両面があると考えている.した がって,広報活動の効果を短期間で判断するのは困難 であり,われわれのようなリソースの場合,特に広報 活動の手段に注意しつつ中長期的に判断をしていく必 要があると考えている.

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