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PDF アカシオ沢と黒川のベントス群集構造の相異 - Kyoto U

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アカシオ沢と黒川のベントス群集構造の相異

理学部生物科学系3回生 宇野裕美

はじめに

陸水生態学実習では自由研究に先立って基本的な河川調査法についての実習があった。そ の中で黒川とアカシオ沢の瀬と淵のベントスについての調査を行った際に、サイトにより 体サイズや群集を構成する種が明確な傾向を持つことに興味をひかれたので、自由研究で さらに詳しく調べることにした。

調査地

調査地は全員で行ったのと同じように黒川とアカシオ沢で行った。アカシオ沢は黒川に注 ぎ込む上流的な環境を持つ支流であった。それぞれの川で調査サイトを2か所ずつ選ぶに 当たっては、それぞれの川に多くみられる環境二つを選ぶよう注意した。したがって、イ メージに合った淵や瀬を探すよりもその川に多くみられる環境を選んだため、黒川とアカ シオ沢の瀬、両者の淵と溜まりは必ずしも似た環境とはいえない。黒川では調査プロット のような瀬と淵が1:1、アカシオ沢では調査プロットのような瀬と溜まりが3:1程度 の割合でみられたことから、調査した川全体の環境を概観することが可能である。それぞ れの調査プロットにおける理化学環境は以下表1のとおりであった。

表1

方法

各プロットで25cm×25cmのコドラートを持つサーバーネットを用いてベントスの 採集を行った。小さなものに関しては実験室に持ち帰って1mm程度のものまで丁寧にソ ーティングをした。ホルマリン固定後、同定して表2のようにグループ分けした。摂食機 能群については文献を参考にした。さらに、各個体の体長を計測し文献より得た k 値と式 1により乾燥重量を求めた。

(2)

表2

式1 乾燥重量=k値×(体長)

結果 種組成

各サイトにおいてグラフ1のような種構成が見られた。

グラフ1

体サイズ

まず各サイトのベントスの体長を比べたところ、グラフ2,3のようになりサイトによる 違いが見られなかった。

0 50 100 150 200 250 300 350 400

アカシオ瀬 黒川瀬 アカシオ溜まり 黒川淵 黒川瀬日陰

各サイトの種構成(1m

あたり)

ヒラタカゲロウ マダラカゲロウ コカゲロウ モンカゲロウ ツツトビケラetc ナガレトビケラ ヒゲナガカワトビケラ シマトビケラ ミドリカワゲラ

(3)

グラフ2

グラフ3 (縦軸単位:mm)

次に乾燥重量に変換して各サイトを比較したところ、グラフ4のようにアカシオ沢よりも 黒川のほうが biomassが大きく、さらにそれぞれの川の中では瀬よりも溜まりや淵の方が

biomassが大きいという結果が得られた。黒川瀬日蔭ではbiomassは小さかった。

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800

1 10 100

密度(n/m2

体長(

mm

体長構成

アカシオ瀬 黒川瀬

アカシオ溜まり 黒川淵

黒川瀬日陰

0 1 2 3 4 5 6 7

ア カ シ オ 瀬

黒 川 瀬

ア カ シ オ 溜 ま り

黒 川 淵

黒 川 瀬 日 陰

平均体長

(4)

グラフ4(縦軸単位:mg)

考察

同定したグループを表2に従ってさらにグループ分けし、目、摂食機能群(ギルド)ごと に構成割合を調べると、それぞれグラフ5,6のようになった。

グラフ5

グラフ5からそれぞれのサイトを構成する群集の割合は目レベルでかなり異なることがわ かる。

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000

各サイトの biomass

0% 20% 40% 60% 80% 100%

アカシオ瀬 黒川瀬 アカシオ溜まり 黒川淵 黒川瀬日陰

目毎の個体数割合

カゲロウ目 トビケラ目 カワゲラ目 ヘビトンボ目 双翅目 トンボ目 扁形動物 環形動物

(5)

グラフ6

グラフ6から、環境により摂食機能群はかなり変化することがわかった。アカシオ沢で

shredder が多くみられたのは川の上を樹木が覆っており、落ち葉がたくさん供給されるた

め、それを餌とするベントスが多かったことによるものである。黒川でfilterfeederが多く みられたのは、上流域で分解されて細かくなったCPOMが黒川にはたくさん流下しており、

それを餌とする生物が多かったことを示す。Grazerはアカシオ沢よりも黒川で多くみられ た。これは黒川ではか河道が樹木でおおわれていないため、河床に光がよく届くため付着 藻類の生産性が高いため、それを餌とする生物が多数生息できたためと考えられる。

以上のように今回の調査から、河川連続体仮説のとおりの結果が得られた。

次にサイト毎にsimpsonの多様度指数を求めてα多様性を求めたものがグラフ7である。

淵よりも瀬において多様性が高いといいう結果が得られた。

グラフ7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

アカシオ瀬 黒川瀬 アカシオ溜まり 黒川淵 黒川瀬日陰

ギルド毎の個体数割合

grazer shredder collector filterfeeder predator

0.5 0.55 0.6 0.65 0.7 0.75 0.8 0.85 0.9

simpson 多様度指数

(6)

乾燥重量から求めた各サイトの biomassが異なった要因に関して、個体数と平均体重に分 けてどちらが biomassを決定しているか調べたものがグラフ8である。黒川瀬を除く4サ イトでは個体数はほぼ等しく、平均体重の違いがbiomassに影響していることがわかった。

一方で黒革瀬だけは異なり、平均体重は小さく個体数が多かった。

グラフ8

これらの原因を調べるため、各グループごとに各種(グループ)ごとにサイトによる体調 の違いを調べたところ、グラフ9のように特定の傾向は見られなかった。この原因をさら に追及するためには種レベルまできちんと同定して個体群ごとの考察を行なう必要がある と思われる。

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000

ア カ シ オ 瀬

黒 川 瀬

ア カ シ オ 溜 ま り

黒 川 淵

黒 川 瀬 日 陰

各サイトの biomass

生物体量 合計個体数 平均体重

(7)

グラフ9

0 1 2 3 4 5 6

ヒラタカゲロウ

0 1 2 3 4 5 6

マダラカゲロウ

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5

コカゲロウ

0 1 2 3 4 5 6 7 8

ツツトビケラetc

0 1 2 3 4 5 6

ミドリカワゲラ

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