目を守りましょう
10月10日は目の愛護デーでした。これは1947年に中央盲人福祉協会が制定したものです。ご存じのよ うに、目の愛護デーは目の健康を守ることを目的とした日です。しかし、目への負担は増す一方です。その影響 は子どもたちへも広がっています。今回は「『健やか』の心」に関する話題をお届けします。
現代は自分で目を守る時代
人類の目への負担は、集団生活の始まりとともに増え始めたそうで す。書籍の広がりも原因の一つです。日本では、昭和33年の皇太子 様御成婚放送時にテレビが家庭に普及しました。
それらと同時に目を守るための対策が取られてきました。小学生の ころの私は、「本は姿勢を正して、目から30㎝離して読むこと」
「テレビは2m以上離れて、部屋を明るくして1日2時間まで」など、学校の先生に指導されたものです。
昭和60年代以降はぱコンピューターゲーム、平成ではパソコンやスマートフォンやタブレットが浸透しました。
“近業”が増え 子どもたちの眼軸が延びて近視に
眼球の長さは角膜から網膜までの長さで決まり、それを眼軸というそうです。現代人は“近業”- 30㎝以内 の物を見る作業 – が増えており、近業の時間が長くなると眼軸が延びて眼球が横から見て楕円のようになり、
近視になりやすいそうです。NHKの報道によれば、スマホやタブレット、パソコンなどの使用により、眼軸が 伸びた子どもたちが増加しているそうです。このことは、コロナ休校明けの調査で明らかになっています。
学校だより「まごころ『芳野』」
令和 5年10月15日 第12号 文責 西釜【次 年度 の一 年生
】先 日、 就学 時健 診を 実施 しま した
。新 一年 生の 人数 は七 人で
、新 一・ 二年 生は 複式 学級 の可 能性 も出 てき まし た。 新一 年に 転入 して きて して ほし いで す。
【タブレットの活用の様子(本文の内容とは無関係です) 】
近視を防ぐ2つの対策
番組では、近視の予防策も紹介されていました。
それは①太陽光を浴びる②「3つの20」でした。
太陽光を浴びると、目の奥に物質ドーパミンが 生じ、眼軸ののびを抑制するそうです。屋外で1 日2時間が目安とのことでした。
次の「3つの 20」とは、米国眼科学会の推奨 です。「①20 分間継続して近くを見た後は、②
20フィート(約6m)以上離れたものを③20秒
間眺める」というルールです。
私が30年近く前に勤務した学校では、週に一 度、②に類似した取り組みを全校挙げて取り組ん でいました。確かに目が癒されていました。
スマホ老眼やスマホ急性内斜視にも注意
近年では、「スマホ近視」「スマホ老眼」も増え ているそうです。このうち、スマホ老眼は、スマ ホの画面を至近距離で見続けることで毛様体筋 が疲労してピント調整機能が正常に働かなくな った状態だそうです。さらには「スマホ内斜視」 といって、目が内側を見た状態から戻らなくなる 現象も広がりつつあるそうです。
いずれも①スマホは 30~40 ㎝離して見る② 使用中に遠くを見て目を休ませるなどが予防策と して紹介されています。スマホやタブレットだけ ではなく、テレビの視聴やパソコンの使用、読書 にも当てはまりますね。
目の愛護デーをきっかけとして、お子様の目を守るために、スマホなどの使用 ルールや予防策等をご家庭で話し合ってみられてはいかがでしょうか…。
【「 延び る」 と「 伸び る」
】「 眼 軸 がの びる
」で は「 延び る」
、「 目 の長 さが のび る」 では
「伸 びる
」と 表記 する そう です
。本 紙で は、 その 標記 に倣 っ て 漢字 を使 用し まし た。