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PEEK クラウンに関する Q&A

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~PEEK クラウンに関する Q&A~

Q1 CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)(PEEK クラウン)の適用範囲は?

A1 大臼歯(第一大臼歯,第二大臼歯,第三大臼歯)にご使用いただけます.

CAD/CAM インレーにはご使用いただけません(5 ページ参照).

Q2 PEEK 素材の特徴は?

A2 PEEK は機械的強度,耐熱性,耐水性,耐薬性に優れた特性を有し,さまざまな分野で 金属代替材料として使用されています.また,PEEK は耐衝撃性に優れており,破折しにく いことから,クラウンの設計厚みを薄くすることができます.不透明な材質のため,エナメ ル質のような透明性は再現できません(6,11,17 ページ参照).

Q3 PEEK の生物学的安全性は?

A3 PEEK は人工関節など体内埋め込み医療機器にも用いられている実績があります.

「KZR-CAD ピークブロック」(近日発売)では,さまざまな生物学的安全性評価をおこな い,歯科修復用材料に必要な安全性を有していることを確認しています(7 ページ参照).

Q4 PEEK クラウン加工時のポイントは?

A4 刃先が鋭利(コーティング膜厚が薄い)な工具のほうが,良好な切削性を示すことを 確認しています(19 ページ参照).

Q5 PEEK クラウンに適した研磨方法は?

A5 ハイブリッドレジンの CAD/CAM 冠と同様の研磨仕上げが可能です.研磨手順はシリ コンポイントで全体を研磨した後,ロビンソンブラシや綿糸バフに研磨材を付着させ艶出 し研磨をおこないます(18 ページ参照).

※ 艶出し研磨は,ダイヤモンド研磨材だけではなく汎用のアルミナ研磨材でも十分な光沢が得られます.

※ 形態修正後,サンドブラスト処理をおこない,レジン用表面滑沢キャラクタライズ材「Nu:leコート」を用いて,

艶出し・キャラクタライズも可能です.

Q6 PEEK クラウンを口腔内にセットする際の接着はどうしたらよいか?

A6 クラウン内面には,金属などが付着していない非循環式のクリーンなアルミナ粒子を 用い,2~5 秒間のサンドブラスト(噴射距離約 10mm,圧力 0.2 MPa)をして,MMA 含 有の表面処理材を含む接着性レジンセメントシステムを用いて接着してください(4,14,15 ページ参照).

(4)

目次

1.はじめに ... 3

2.新機能区分「CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)」 ... 4

2.1. CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)の概要 ... 4

2.2. 大臼歯の適応材料および適応範囲 ... 5

3.PEEK の基礎知識 ... 6

3.1. PEEK とは ... 6

3.2. 生物学的安全性 ... 7

4.「KZR-CAD ピークブロック」について(近日発売予定) ... 11

4.1. 製品コンセプト ... 11

4.2. CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)の材料定義 ... 11

4.3. 高靱性 ... 12

4.4. 耐吸水性 ... 12

4.5. 衝撃吸収性 ... 13

4.6. 接着性レジンセメントとの引張接着強さ ... 14

5.「ピークブロック」の使用方法 ... 17

5.1. 支台歯形成と歯冠修復物の設計 ... 17

5.2. 歯冠修復物の製作手順 ... 17

5.3. 切削加工 ... 18

5.4. サンドブラスト処理について ... 20

5.5. 口腔内セットの手順 ... 21

6.臨床評価 ... 22

6.1. PEEK 材応用についての臨床研究 ... 22

6.2. 支台歯形成,印象および咬合採得 ... 22

6.3. 結果 ... 25

6.4. 大臼歯 PEEK クラウンの臨床研究の考察 ... 26

6.5. まとめ ... 27

7.PEEK を用いた歯科修復物の臨床研究に関する文献 ... 28

7.1. 連冠用フレームおよびブリッジ ... 28

7.2. インプラント上部構造用フレーム ... 28

8.おわりに ... 29

(5)

監修

ヤマキン博士会(50 音順)

安楽 照男 博士(工学) 糸魚川博之 博士(理学) 加藤 喬大 博士(工学)

坂本 猛 博士(薬学) 佐藤 雄司 博士(学術) 田中 秀和 博士(工学)

林 未季 博士(医学) 松浦理太郎 博士(農学) 水田 悠介 博士(工学)

溝渕 真吾 博士(工学) 山添 正稔 博士(歯学) 山本 裕久 博士(学術)

ヤマキン博士会 相談役 山田 文一郎 工学博士

ヤマキン博士会とは?

ヤマキンのさまざまな専門分野のエキスパート集団であり,おのおのの知識や経験,技術を 融合することで,イノベーションを継続的に発生させる原動力となっている.

(6)

3

2023 年 12 月特定保険医療材料一部改正

1.はじめに

2023 年 11 月 22 日,厚生労働省の協議会である中央社会保険医療協議会の総会(第 566 回)内で,12 月収載予定の医療機器の保険適用が発表された.このなかで,特定保険医療 材料である CAD/CAM 冠用材料に新しい機能区分「CAD/CAM 冠用材料(V)」が設けら れ,ポリエーテルエーテルケトン(以下,PEEK)製のブロックによる大臼歯の歯冠修復が 保険適応となることが明らかとなった.

大臼歯の歯冠修復に使用できる材料には CAD/CAM 冠用材料(Ⅲ)があるが,上下顎両 側の第二大臼歯が全て残存し,左右の咬合支持がある患者に対し,過度な咬合圧が加わらな い場合等において,第一大臼歯に使用できるとされている.一方,新たに保険導入された CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)はすべての大臼歯に使用できる.すべての部位で CAD/CAM 冠 用材料を用いた歯冠修復が保険適応となった.

しかし,CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)の構成成分の材質は PEEK であり,既存の機能区分 の材質(ハイブリッドレジン)とは異なるため,その性能や使用方法などは広く認知されて いないと考えられる.

そこで,一般財団法人ヤマキン学術文化振興財団では,歯科医療関係者のみなさまに情報 をいち早くお伝えするため,歯科用デジタルハンドブックの号外として発行することとし た.この「号外」が,みなさまが安心して CAD/CAM 冠治療を進めていただける一助とな れば幸いである.

YAMAKIN 株式会社 開発部 有機材料開発課 プロジェクトリーダー 修士(工学) 岩本 孝樹 開発部 生体科学安全研究室 主任研究員 博士(医学) 林 未季 取締役 主席研究員 博士(工学) 加藤 喬大

(7)

4

2.新機能区分「CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ) 」

2.1. CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)の概要

表 2-1 に示すとおり,CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)は,材料定義として構成成分および物 理的性質が設けられており,材料点数は 615 点(6,150 円(税込み))である.準用技術料 はこれまでと同じ 1,200 点であり,CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)を大臼歯にした場合は,従 前の CAD/CAM 冠用材料(Ⅲ)および(Ⅳ)と同様に,製品に付属している使用した材料 の名称及びロット番号等を記載したトレーサビリティシール等で管理すること(診療録に 貼付する等)とされている.

また,実施上の留意事項として,「CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)を使用した CAD/CAM 冠 を装着する場合,歯質に対する接着力を向上させるためにサンドブラスト処理及びプライ マー処理をおこない接着性レジンセメントを用いて装着すること.」が追加され,装着方法 が明記されているため,上記の内面処理が必須である.

表 2-1 CAD/CAM 冠用材料一覧(2023 年 12 月時点)1)

機能区分名 CAD/CAM冠用材料

(Ⅰ) (Ⅱ) (Ⅲ) (Ⅳ) (Ⅴ)

適応範囲 小臼歯 小臼歯 大臼歯 前歯 大臼歯

材料点数 188 点 181 点 350 点 438 点 615 点

準用技術料 1,200 点 1,200 点 1,200 点 1,200 点 1,200 点

内面処理 45 点 45 点 45 点 45 点 45 点(必須)

ポリエーテル

エーテルケトン

無機質フィラー

(質量分率) 60 %以上 60 %以上 70 %以上 60 %以上 17~25 % ビッカース硬さ 55 HV0.2 以上 75 HV0.2 以上 55 HV0.2 以上 25 HV0.2 以上

3 点曲げ強さ 160 MPa 以上 240 MPa 以上 160 MPa 以上 180 MPa 以上

曲げ弾性率 5 GPa 以下

吸水量 32 µg/mm3以下 20 µg/mm3以下 32 µg/mm3以下 10 µg/mm3以下 無機質フィラーの

一次粒子径サイズ 最大径 5 µm 以下

積層構造

切縁部色と歯頚部色,

これらの移行色を含む 複数の色調の積層構造

トレーサビリティシール

保管・管理

※ YAMAKIN 株式会社の KZR-CAD HR ブロックシリーズには,機能区分に関わらず全ての製品にトレーサビリティシールを同梱しております.

CAD/CAM 冠用材料(Ⅰ)(Ⅱ)では,診療報酬算定に求められておりませんが,より安心・安全な歯科医療を提供するため,診療録への貼付など をお勧めします.

(8)

5 2.2. 大臼歯の適応材料および適応範囲

大臼歯に使用できる材料は CAD/CAM 冠用材料(Ⅲ)および(Ⅴ)であり,それぞれの 適応範囲について図 2-1 に詳細をまとめたので参考にしていただきたい.

CAD/CAM

冠用材料 適応範囲

(Ⅲ)

第一大臼歯

上下顎両側の第二大臼歯(左図〇)が全て 残存し,左右の咬合支持がある患者に対 し,過度な咬合圧が加わらない場合等

大臼歯

歯科用金属を原因とする金属アレルギー を有する患者において,医科の保険医療機 関又は医科歯科併設の医療機関の医師と の連携のうえで,診療情報提供(診療情報 提供料の様式に準じるもの)に基づく場合

(Ⅴ)

大臼歯(第一,第二,第三大臼歯)

※CAD/CAM インレーは保険適用外

図 2-1 CAD/CAM 冠用材料(Ⅲ)および(Ⅴ)の適応範囲

(9)

6

3.PEEK の基礎知識

3.1. PEEK とは

熱可塑性樹脂は,PMMA などの汎用プラスチックと,ポリカーボネートのように機械的 強度や耐熱性に優れたエンジニアリングプラスチック(以下,エンプラ)に分類される.エン プラの中でもさらに機械的強度や耐熱性に優れ,高付加価値のものをスーパーエンジニア リングプラスチック(以下,スーパーエンプラ)と呼ぶ.スーパーエンプラには PEEK や PEKK などの芳香族ポリエーテルケトン(PAEK)系材料があり,これらはエーテル基とケ トン基が同じ角度で折れ曲がった規則的なジグザグ構造をとる半結晶性ポリマーである.

図 3-1 に PEEK の構造式を示す.

図 3-1 Poly-Ether-Ether-Ketone(PEEK)の構造式

PEEK はベンゼン環,ケトン基(-CO-)およびエーテル基(-O-)が π 共役しているこ とで,エーテル基の分解が起こりにくいため,熱および化学的な安定性が優れている材料で ある.このエーテル基は,ベンゼン環のケトン基により電子が吸引されて活性化し,化学薬 品によりエーテル結合が開裂しやすくなる.このためエーテル結合 1 個当たりのケトン基 が多いほど化学的に不安定になり,逆にケトン基が少ない PEEK は,PAEK の中では最安 定な構造といえる2).ケトン基は,極性が強いため結晶化状態での分子間の相互作用が強く,

ケトン基とエーテル基の比率で結晶融点とガラス転移温度が変わる.つまり,ケトン基の数 が多いほど結晶融点とガラス転移温度は高くなり,たとえば分子構造の中にケトン基の数 の多い PEKK の融点は,最大で約 400 ℃にもなる2).また,表 3-1 に示すとおり,PEEK は 優れた性能を有することから,航空宇宙,医療機器,電子基板,自動車部品などの先端産業

(図 3-2)で金属の代替材料として幅広く使用されている.

表 3-1 産業分野で用いられる樹脂材料の物性3-6)

材料

(カテゴリー)

PEEK

(スーパーエンプラ)

PC

(エンプラ)

PMMA

(汎用プラスチック)

曲げ強度(MPa) 170 85 100-125 引張強度(MPa) 100 56-66 65-80 耐熱温度(連続)(℃) 260 120-130 60-88

吸水率(%) 0.14 0.4 2.1

(10)

7

図 3-2 PEEK の使用が期待される産業分野の例

自動車での使用例として,図 3-3 のようなギアが 挙げられる.PEEK は自身が摩耗しにくく,相手へ の負荷も小さいため,PEEK 製ギアは動力伝達部品 として使いやすい.また,金属製ギアの 1/3 の体積 でも金属製ギアと同じ力を伝えることができること から,ギアを小型化することが可能となる7).また,

耐熱性に優れ,温度の影響を受けにくい材料である ため,エンジンなどの部品に使用することができ,

燃費の向上,ギア同士がかみ合った際のノイズや振動 を低減できることが知られている8)

歯科では審美的要求や金属アレルギー対応への要求が高まり,メタルフリーとなる金属 代替材料が望まれており,PEEK はすでに歯科修復物としてクラウンやインプラント上部構 造用フレームに使用され始めている9,10)

3.2. 生物学的安全性

歯科医療材料は,その成分が口腔内で溶出することによって,ヒトの安全性に影響を及ぼ しうる.PEEK はスーパーエンプラの中でも耐薬品性に優れ,特に高温下での耐酸・耐アル カリ性に非常に優れている11).この性質は,表 3-1 に記載の吸水率(0.14%)と併せて,口 腔内における材料成分の溶出低減につながるため,PEEK は歯科医療材料に適した素材と言 える.

一般論としての PEEK の安全性については上で述べたとおりだが,医療機器の安全性は 原則として,実際の最終製品に対して評価をおこなう必要がある.それは同じ PEEK とい う素材でもメーカーによって使用される原料,製造工程が異なり,それらの差分が安全性に 影響を及ぼす可能性があるためである.

医療機器は,その用途(接触するヒトの部位および接触期間)からリスクに基づいてクラ ス分類され,そのクラスに応じた生物学的安全性(ISO10993 準拠)の評価が求められる12-

14).医療機器の生物学的安全性の評価は,図 3-4 に示す体系的手引きに従って実施される

15).

図 3-3 自動車に使用される PEEK 製のギア

(写真提供:ポリプラ・エボニック株式会社)

(11)

8

図 3-4 医療機器の生物学的安全性評価における体系的手引き

初めに,医療機器の物理的・化学的情報として製品の組成,製造工程,形状および物理学 的性質,患者との接触などを収集する.これらの情報に基づいて,以降の各段階の評価を実 施する.

<第一段階:使用前例による評価>

原材料や製造方法,形状や物理学的特性,医療機器が患者と接触する部位および期間,原 材料を原因とする健康被害の有無,不具合報告がないことなど,既に実際の医療現場で使用 されている既存の医療機器との同等性が確認される.

<第二段階:情報による評価>

第一段階において既存の医療機器との同等性が確認できなかった場合,情報による評価 を実施する.

1)原材料の化学物質毒性データはあるか

2)そのデータは他の化学物質混合時にも適用可能なデータであるか

3)そのデータは医療機器の安全性の評価が可能な用量およびばく露を踏まえたデータ であるか

上記の 3 点を評価する事で,この医療機器を治療に用いて,安全性上の問題が無いか判 断する.

(12)

9

<第三段階:試験による評価>

第二段階において,医療機器の生物学的安全性を担保できない場合,医療機器の性質に応 じて要求される生物学的安全性の評価を実施する.

歯科切削加工用レジン材料に該当する医療機器は,患者との接触部位・期間は体内外連結,

30 日以上の長期接触であることから,表 3-2 に示す通り,細胞毒性から発がん性に至るま で,さまざまな生物学的安全性の評価が求められる.

本号外で紹介する「KZR-CAD ピークブロック」については,図 3-4 に示す体系的手 引きに従って生物学的安全性を評価し,その用途に必要な安全性を有することを確認して いる.

(13)

10

表 3-2 生物学的安全性の評価において考慮すべき評価項目13)

(14)

11

4. 「KZR-CAD ピークブロック」について(近日発売予定)

4.1. 製品コンセプト

YAMAKIN 株式会社(以下,ヤマキン)では「KZR-CAD ピークブロック」(以下,ピ ークブロック)を開発した(図 4-1).製品のコンセプトは,「高靱性」「耐吸水性」「衝撃吸 収性」である.

図 4-1 「KZR―CAD ピークブロック」製品写真

4.2. CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)の材料定義

表 4-1 に示すとおり,「ピークブロック」は CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)に求められる構成 成分および物理的性質を満たした製品である.

表 4-1 「ピークブロック」の構成成分および物理的性質(参考値)

CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)の材料定義1) 「ピークブロック」

無機質フィラー含有率※1 17~25% 20%

ビッカース硬さ※2 25 HV0.2 以上 26 HV0.2 曲げ強さ※2 37℃の水中に 7 日間浸漬後の

3 点曲げ強さ 180 MPa 以上 190 MPa 曲げ弾性率※3 5 GPa 以下 4.5 GPa

吸水量※2 10 µg/mm3以下 4 µg/mm3

溶解量※2 ― 0 µg/mm3

※1 JIS K 705216)を参考に焼成温度 600℃で焼成

※2 JDMAS 24517)準拠

※3 JDMAS 245 準拠の曲げ強さ試験後,JIS T 650118)を参考に曲げ弾性率を算出

(15)

12 4.3. 高靱性

「ピークブロック」と「KZR―CAD HR ブロック3 ガンマシータ」(ヤマキ ン,以下,ブロック 3)の 3 点曲げ試験17)における応力ひずみ曲線を図 4-2 に示す.「ピ ークブロック」はこの図のとおり,高靱性であることで応力が加わっても試験片が破断し ないことが確認されており,咬合力などによる応力が加わった際に破折しにくい材質と考 えられる.

図 4-2 応力―ひずみ曲線(応力から曲げ強さに換算)

4.4. 耐吸水性

表 4-1 に示すとおり,「ピークブロック」の吸水量は 4 µg/mm3であり,CAD/CAM 冠 用材料(Ⅴ)に求められる吸水量(10 µg/mm3以下)1)を満たしている.また,

CAD/CAM 冠用材料(Ⅲ)の「ブロック 3」の吸水量(17 µg/mm3)と比べても約 1/4 で あり,湿潤環境化である口腔内での劣化が少ないことが期待される.

(16)

13 4.5. 衝撃吸収性

衝撃吸収性は JIS K 7111-119)を参考にし,ノッチ付きの試験片にハンマーを振り下ろして 衝撃を与える試験(ノッチ付きシャルピー衝撃強さ)により衝撃吸収性を評価した.試験片 は,販売実績のある「KZR―CAD ピーク」(ディスク形状 以下,ピーク)から切削 加工で作製した.

衝撃吸収エネルギーは,図 4-3 に示すとおり,試験片破壊前後のハンマーの位置(エネルギ ーの差)から算出した(n=6).図 4-4 に各材料の衝撃吸収エネルギー(PMMA に対する相 対値)を示す.「ピーク」は PMMA やハイブリッドレジン「KZR―CAD ハイブリッ ドレジンディスク」(ヤマキン)と比べて衝撃吸収エネルギーが高いことから,支台にかか る咬合圧などの負荷軽減が期待できる.

図 4-3 衝撃吸収試験の模式図と衝撃吸収エネルギーの算出式

図 4-4 衝撃吸収性

※ PMMA の衝撃吸収エネルギーを 100 とした割合で記載

(試験方法:独自試験)

(17)

14 4.6. 接着性レジンセメントとの引張接着強さ

クラウンと支台の接着が不十分な場合,脱離や破損の原因となるため,接着が成否のカギ となるが,PEEK は,耐薬品性に優れ,化学的に安定な材質であることから,溶媒などで表 面を粗造化できないため,接着には適切な表面処理が必要とされている20).そこで,「ピー ク」に対する接着性レジンセメントおよび表面処理材について引張接着強さを測定した.一 辺が 12.0~14.0 mm,厚さ 2.0 mm の平板状に切断し,表面を耐水研磨紙で調整後,被着面 を粒径約 50 µm のアルミナ粒子でサンドブラスト処理(噴射距離約 10 mm,圧力 0.2 MPa,

約 2 秒)をおこない,エタノール中で超音波洗浄・乾燥した.乾燥後,表 4-2 に示す各表面 処理材を塗布し,マスキングテープ(直径 3 mm)で接着面積を規定した部分に各接着性レ ジンセメントを塗布した.その後,固定用レジンセメントを用いてステンレス棒(直径 5 mm)を被着面に対して垂直に接着し,37℃の乾燥機内で,約 1kg で加圧しながら 10 分静 置した.静置後,37℃の蒸留水中で 24 時間保管し,試験片とした(図 4-5).引張接着試験 には小型卓上試験機「EZ-Graph」(島津製作所)を用い,クロスヘッドスピード 0.5 mm/min で測定した(n=5).なお,固定用レジンセメントとステンレス棒の間で破断は発生しない 条件で試験を実施した.

図 4-5 引張接着強さの試料調整

図 4-6 に示すとおり,「ピーク」に対する引張接着強さは「スーパーボンド」(サンメディ カル)および「レジセム EX」(松風)を使用した場合,臨床的に目安とされる 10 MPa 以上

20)であった.表 4-2 に示すとおり,「スーパーボンド」および「レジセム EX」の表面処理材 である「PZ プライマー」(サンメディカル),「CAD/CAM レジン用アドヒーシブ」(松風)

および「ブロック HC セム HC プライマー」(松風)には,メタクリル酸メチル(MMA)

が含まれており,その他のレジンセメントに用いる表面処理材には,MMA は含まれていな い.「スーパーボンド」のような MMA を含有した接着性レジンセメントは PEEK に対して 高い接着強さが得られることが報告されており20,22,23),本試験においても表面処理材に含ま れる MMA により「ピーク」とのなじみが向上したことで接着強さが向上したと考えられ る.そのため,「ピーク」に用いる接着性レジンセメントシステムは「スーパーボンド(PZ

(18)

15

プライマー)」,「レジセム EX(CAD/CAM レジン用アドヒーシブあるいはブロック HC セ ム HC プライマー)」もしくは,MMA 含有の表面処理材に対応している接着性レジンセメ ントシステムを推奨する.なお,PEEK は光透過しない材質であるため,デュアルキュア型 あるいは化学重合型の接着性レジンセメントを使用して口腔内にセットする必要がある.

表 4-2 各接着性レジンセメントシステム

メーカー名 接着性レジンセメント 表面処理材および

MMA の有無

A サンメディカル スーパーボンド PZ プライマー

B 松風 レジセム EX CAD/CAM レジン用

アドヒーシブ

C 松風 レジセム EX ブロック HC セム

HC プライマー

D トクヤマデンタル エステセムⅡ ボンドマー

ライトレスⅡ

E クラレノリタケ

デンタル SA ルーティング Multi セラミックプライマー

プラス

F スリーエム

ジャパン

リライエックスユニバーサル レジンセメント

スコッチボンド

プラス

G ジーシー ジーセム ONE neo G-マルチ

プライマー

※ 各材料の電子添文を参考に記載

図 4-6 「ピーク」に対する接着性レジンセメントシステムごとの引張接着強さ

また,MMA による表面処理の効果を検証する実験として,接着性レジンセメントシス テムである F において,MMA を含有する「Nu:leコート リキッド」(ヤマキン)で 表面処理した場合の引張接着強さについて測定した.なお,「Nu:leコート リキッ

推 奨 す る 接 着 性 レ ジ ン セ メ ン ト シ ス テ ム

(試験方法:独自試験)

推奨する MMA 含有の 接着性レジンセメントシステム

(19)

16

ド」は接着性レジンセメントの前処理材として使用できない材料であるため,MMA によ る効果の検証として使用した.

図 4-7 に示すとおり,MMA を含有しない表面処理材(スコッチボンドプラス)から,

MMA を含有する「Nu:leコート リキッド」に変えることで大幅に向上し,10 MPa 以上の引張接着強さが得られた.そのため,「ピーク」に対しては表面処理材に MMA を 含有する接着性レジンセメントシステムが有効であることが示唆された.

図 4-7 「ピーク」に対するリライエックスユニバーサルレジンセメントを用いた 表面処理材(MMA の有無)ごとの引張接着強さ

また,PEEK に対する接着強さを高める方法として,紫外線(UV 光)光重合開始剤を含 む MMA を接着表面に塗布し,UV 光を照射することで,PEEK 基材と MMA がグラフト 重合し,強固な接着強さが得られたという報告がある24).さらに,CAD/CAM 冠用材料

(Ⅴ)に定義される PEEK には無機質フィラーである酸化チタンが約 20%含まれているた め,シランカップリング材による接着の効果が期待される25)

(試験方法:独自試験)

(20)

17

5. 「ピークブロック」の使用方法

「ピークブロック」を,歯科用 CAD/CAM システムを用いて切削加工し,大臼歯のクラ ウン修復に使用する際の手順や注意点について紹介する.

5.1. 支台歯形成と歯冠修復物の設計

PEEK は破折しにくいという特徴を有することから,CAD/CAM 冠用材料(Ⅲ)の設計 厚み26)と比べ,CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)は設計厚みを薄くすることができるとされてい る9).図 5-1 に「ピークブロック」についても同様であり,クラウンの設計値および注意点 を示す.支台歯は図 5-1 のクラウンが設計できるように形成する.支台歯形成の際,咬合面 の削除量が多くなり,支台歯が短くなりすぎると接着面積が少なくなり,脱離に繋がる恐れ があるため,咬合面の削除量は必要以上に多くなり過ぎないように注意が必要である.

図 5-1 CAD/CAM 冠用材料(Ⅲ)および(Ⅴ)の設計値および注意点

5.2. 歯冠修復物の製作手順

図 5-2 に「ピークブロック」を用いたクラウンの製作手順を示す.製作の流れは既存の CAD/CAM 冠用レジンブロックと同様であるが,PEEK という異なる材質であるため,

切削加工やサンドブラスト処理の際に注意いただきたい点がある.切削加工時の注意点 は 5.3.,サンドブラスト処理の注意点は 5.4.に記載したためご確認いただきたい.また,

形態修正・研磨については,CAD/CAM 冠用材料(Ⅲ)である「ブロック 3」と同様の方 法でおこなうことができる.

(21)

18

図 5-2 「ピークブロック」を用いたクラウンの製作手順

5.3. 切削加工

「ピークブロック」の切削加工に適したミリングバーのコーティングを評価するため,切 削性を評価した.切削加工機は「DWX-52D」(DGSHAPE),CAM ソフトは「WORKNC DENTAL」(Hexagon Manufacturing Intelligence)を使用した.なお,評価には「ピーク」

を使用した.

粗削りと外周部仕上げ時に用いたミリングバーを表 5-1 に示す,オーエスジー株式会社 製のミリングバーを使用してコーピングブリッジを切削加工し,各ミリングバーでの切削 性を評価した.加工条件は表 5-2 に示す 2 条件とした.

表 5-1 使用したミリングバー

品名 サイズ

(mm) 膜種 コーティング

膜厚 (㎛) 用途 DG-LN-EBD

(以下,DG コート) R1×16 ダイヤモンド

(DG コート) 13 ハイブリッドレジン,

半焼結ジルコニア WXL-LN-EBD

(以下,WXL コート) R1×16 クロム系

(WXL コート) 1

汎用

クロム・コバルト合金 チタン合金

DLC-LN-EBD

(以下,DLC コート) R1×16

ダイヤモンド・ラ イク・カーボン

(DLC コート)

0.2 汎用 PMMA 半焼結ジルコニア

(22)

19

表 5-2 加工条件

※削り残し部の仕上げには,直径の小さい DLC コートのミリングバー(R0.8×12)を使用

図 5-3,図 5-4 に DG コートと DLC コートのミリングバーの先端拡大写真を示す.DG コートに比べて DLC コートはコーティング膜厚が薄いため,先端が鋭利であることが確認 できる.

図 5-3 ミリングバーの先端拡大写真:DG コート

図 5-4 ミリングバーの先端拡大写真:DLC コート

評価結果を表 5-3 に示す.拡大写真に示すとおり,食い込み・ムシレ・ヒゲバリは全ての 条件で認められるが,DG コート>WXL コート>DLC コートの順でその程度が小さくなっ ていることが分かった.また,加工条件①と②では,切削後の表面状態に差が認められなか った.以上より,「ピークブロック」の切削加工には,刃先の鋭利さ(コーティング膜厚が 薄いこと)が重要と考えられる.しかし,加工機ごとの加工パスなどの詳細な情報について は,使用する加工機メーカーにお問い合わせいただきたい.

回転数 送り Z ピッチ 径方向ピッチ

加工条件① S=20000 F1200 0.15 0.07 加工条件② S=20000 F1200 0.07 0.05

(23)

20

表 5-3 評価結果

加工条件① 加工条件② 結果

DG コート

R1 のミリングバ ーが逃げていて咬 合面部に食い込み が発生している.

材料が分断できて おらず,ムシレ・ヒ ゲバリ(〇の部分)

が発生している.

WXL コート

DG コート同様,

咬合面部に食い込 みが確認できる.

ムシレ・ヒゲバリ

(〇の部分)は抑 制されているが,

十分ではない.

DLC コート

咬合面部に食い込 みが目立たないよ うになっている.

ムシレ・ヒゲバリ

(〇の部分)が最 も少ない.

これらの加工検証は,オーエスジー株式会社 久保田 祐介 氏にご協力いただき,評価結 果および写真のご提供をいただいた.

5.4. サンドブラスト処理について

「ピーク」に対し,粒径約 50 µm のアルミナ粒子でサンドブラストをおこなうと,処理 した表面が黒く変色することが確認されている.図 5-5 に示すとおり,循環式のアルミナ 粒子を用いたサンドブラスト(噴射距離約 10 mm,圧力 0.2 MPa)の場合,噴射時間 2 秒 から「ピーク」表面の黒変が観察されたのに対し,非循環式のアルミナ粒子を用いたサン ドブラストの場合,噴射時間 2~5 秒では黒変は観察されなかった.これは,循環式で使 用しているアルミナ粒子にはそれまでにサンドブラストした際に混入した金属成分が影響

(24)

21

したと考えられる.一方,非循環式の場合は,噴射時間 2~5 秒では黒変が観察されなか ったものの,噴射時間 10 秒ではわずかに黒変が観察された.これは,サンドブラストに よって「ピーク」表面にアルミナが衝突し,瞬間的に非常に高いエネルギー状態となるこ とで,「ピーク」に無機質フィラーとして含有されている酸化チタンが部分的に還元(酸 素欠損)され,金属のチタニウム(灰色)に近い状態となっている可能性があると考えら れる.

図 5-5 サンドブラスト噴射後の「ピーク」(噴射距離約 10 mm,圧力 0.2 MPa)

※各試験片(4.0×14 mm)の右側半分はサンドブラスト未噴射

歯科では,アルミナ粒子以外にガラス粒子を用いたサンドブラスト処理がある.ガラス 粒子を用いると「ピーク」表面の黒変は起こらないが,硬度が十分でないことから表面が 粗くならないため適していない.

そのため,ヤマキンでは,非循環式のアルミナ粒子を用い,2~5 秒間のサンドブラスト

(噴射距離約 10 mm,圧力 0.2 MPa)を推奨する.

5.5. 口腔内セットの手順

図 5-6 に口腔内セットの手順を示す.以下は「ピークブロック」を用いた下顎右側第二大 臼歯クラウンをセットする工程の一部であり,実際の使用方法または操作方法については 電子添文をご確認いただきたい.

図 5-6 口腔内セットの手順

(25)

22

6.臨床評価

PEEK を用いた歯冠修復の臨床評価について,広島大学病院 口腔維持修復歯科 咬合・義 歯診療科 診療准教授 安部倉 仁氏にご紹介いただいた.

大臼歯部全部被覆冠への PEEK 材の応用

広島大学病院 口腔維持修復歯科 咬合・義歯診療科 診療准教授 安部倉 仁氏

6.1. PEEK 材応用についての臨床研究

PEEK の材料学的研究は多くおこなわれているが口腔内に装着して長期的な観察,評価し た臨床研究が少ないことが指摘されている25).筆者らは,対象者 20 名を対照として大臼歯 部 PEEK クラウンを装着 6 ヶ月間の経過観察と機能評価をおこなったので,本稿では大臼 歯部 PEEK クラウンを応用した臨床研究について解説する.

(1)臨床研究課題名:大臼歯 PEEK クラウンの臨床評価

(2)目的

新規歯冠修復材料として有望であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を大臼歯クラ ウンの材料として応用し,経過観察をおこなうことにより,大臼歯 PEEK クラウンの臨床 的妥当性を探索的に評価する.

6.2. 支台歯形成,印象および咬合採得

① 研究対象者

本研究は,広島大学臨床研究倫理審査委員会(大臼歯 PEEK クラウンの臨床評価:

jRCTs062180040)の承認を受け,2018 年 3 月 29 日から 2020 年 10 月にかけて広島大学 病院で実施された 6 カ月間追跡の前向きコホートの探索的研究である.大臼歯部に単冠で の補綴治療を要した患者を対象とした.

② 臨床研究のタイムスケジュール

研究対象者に術前診査をおこない,必要に応じて支台築造をおこなった後に,通法に従い,

支台歯形成,印象採得,PEEK クラウン製作,口腔内試適・調整,合着をおこなう.その後,

6 ヵ月間の経過観察と評価をおこなった.

③ 支台歯形成,印象および咬合採取

基本的な支台歯の形状は,PEEK の材質が破折しにくいため,クリアランスは CAD/CAM ハイブリッドクラウンより小さい設定としており,図 6-1 に示す通りフルキャストクラウ

(26)

23

ンと同様とした.製作法は CAD/CAM 応用であるため,軸面と咬合面の移行部の角は丸く,

フィニッシュラインは滑らかとし,辺縁形態はシャンファーとした.歯頸側の相対する軸面 テーパーは 20 度以内(片側 10 度以内)とした.支台歯形成はダイヤモンドバー付きター ビンヘッドを用いておこない,印象は個人トレーとシリコン印象材を用いて採取した.対合 歯列はアルジネート印象材で印象し,シリコンバイトを用いて顎間位置関係を記録した.

図 6-1 支台歯の形成要件

④ PEEK クラウンの製作

支台歯模型と作業歯列模型をスキャンし 3D データに変換した.その後,コンピュータ支 援設計/コンピュータ支援製造(CAD/CAM)システムを使用し,PEEK クラウンを製作(図 6-2),作業模型上で調整,研磨をおこない完成させた.

本研究で使用した PEEK 材料は,「Vesta keep DC4450 PEEK」(歯冠色/ポリエーテルエ ーテルケトン,20 wt%酸化チタン顔料含有)(ポリプラ・エボニック)である.

図 6-2 PEEK ブロックとミリング後の PEEK クラウン

(27)

24

⑤ 口腔内試適と装着

口腔内でクラウンを試適後,隣接面および咬合面の調整をおこなった.その後,PEEK ク ラウンの粗研磨は「カーボランダムポイントファイン」(松風),中研磨は「ビッグシリコン ポイント」「シリコンポイント M2」(松風),最終研磨は「タイガーポリ」(美須化学研究 所)あるいは「マルチブルー」(大榮歯科産業)でバフを用いておこなった.PEEK クラウ ン内面にアルミナ粒子を噴霧距離 10 mm,空気圧 0.1 MPa,噴霧時間 10 秒でサンドブラス トした後,「visio.link」(bredent)を塗布し,空気乾燥後,90 秒間光照射した.合着は MMA 系「スーパーボンド C&B」(サンメディカル)とコンポジット系「リライエックス TM ア ルティメット レジンセメント」(スリーエム ジャパン イノベーション)の 2 種類の接 着性レジンセメントを使用した.

⑥ 臨床評価

PEEK クラウンは装着時と 6 ヵ月後に評価した.評価項目は以下の通りである.装着時:

支台歯形態,支台歯高さ,装着前の対合歯咬合面とのクリアランス,セメント試適時の口腔 内における PEEK クラウンの状態,咬合接触,マージン形態,隣接面接触状態,咬合接触状 態,6 ヵ月後の口腔内における PEEK クラウンの状態:クラック,破折,脱離,咬合接触,

疼痛,二次う蝕,咬合面状態,表面テクスチャー,変色・着色,プラーク付着,辺縁歯肉,

摩耗や咬耗による咬合面状態の変化,対合歯咬合面状態,クラウン再治療の必要性,隣接面 接触状態,患者満足度とした.

⑦ 口腔機能の評価

装着後(1 ヶ月または 3 ヶ月後)に咬合力および咀嚼能力検査により口腔機能を定量化し た.咬合力検査は,咬合力測定用フィルム「デンタルプレスケール II」(ジーシー)と咬合 力解析ソフト「Bite Force Analyzer」(ジーシー)を用いて咬合圧と咬合力を測定した26). 咀嚼能力を調べるために,グミゼリーを咀嚼してもらい,グルコセンサーを使用して溶出し たグルーコースを測定した27).測定は右側咀嚼,左側咀嚼,自由咀嚼の 3 回おこなった.

⑧ 統計分析

Mann-Whitney U 検定(有意水準 5%)を用いて,研究対象者 20 名の PEEK クラウン装 着側と非装着側における咀嚼能力,咬合圧および咬合力を比較した.セメントの種類による 咀嚼能力,咬合圧,咬合力の差を評価するために Kruskal-Wallis 検定をおこなった.

(28)

25 6.3. 結果

研究対象者 20 名(23 個)の PEEK クラウンを装着した.「スーパーボンド C&B」を使用 した 10 名(11 個)の平均年齢は 60.5 歳,「リライエックス TM アルティメット レジン セメント」を使用した 10 名(12 個)の平均年齢は 59.1 歳であった.このうち,1 名(1 個)

は 6 ヵ月時点では追跡不能となったため,最終的に 19 名(22 個)となった.

① 臨床例

歯内療法終了後に上顎右側 6 番の大臼歯 PEEK クラウンを適用した症例である(図 6-3).

約 2 年後において摩耗が進行しているが咬合接触は維持されていた.

図 6-3 口腔内に装着した PEEK クラウンの経過

② 臨床評価

19 名(22 個)は装着 6 ヵ月後,脱離に破折や亀裂は認められず,再治療が必要な症例は なかった.軽度の咬耗が 2 例,わずかな表面荒れが 6 例,わずかな着色が 7 例,軽度の歯 肉炎が 5 例に認められた.満足度アンケートの結果,チューインガムの付着については 4 件 の訴えがあったが,主訴の回復,咀嚼,審美性については満足度が高かった.

③ 口腔機能評価

グミゼリーを用いた咀嚼能力試験 20 名の平均値は,自由咀嚼で 245.2 mg/dL,PEEK ク ラウン側咀嚼で 254.2 mg/dL,非装着側咀嚼で 236.1 mg/dL であった.PEEK クラウン側 咀嚼と非装着側咀嚼では,咀嚼能力試験に統計学的有意差は認められなかった(p=0.6164). 咬合力測定の結果,咬合圧および咬合力は,PEEK クラウン装着側と非装着側で統計学的に 有意な差は認められなかった(p=0.4734,p=0.2733).

(29)

26 6.4. 大臼歯 PEEK クラウンの臨床研究の考察

接着強度を増加させるため,PEEK クラウン内面の前処理としてサンドブラストとプライ マー塗布をおこない,接着性レジンセメントは,臨床で主に使用されている代表的な MMA セメントとコンポジットレジンセメントの 2 種類を使用した.いずれにおいても,6 ヵ月間 で PEEK クラウンの脱離は 1 例も認められなかった.

PEEK クラウンを装着した側と装着していない側とでは,咬合圧および咬合力に有意な差 は認められず,同様に咀嚼能力に有意な差がなかった.したがって,PEEK クラウンは咀嚼 機能を回復し,研究対象者の咬合力は正常範囲内で PEEK クラウンは咬合力に耐えること ができると推察できる.

類似の臨床研究に関しては CAD/CAM レジンコンポジットクラウンのレトロスペクティ ブコホート研究がある28).臨床的合併症は,362 本の大臼歯 CAD/CAM レジンクラウン中 29.3%に発生し,そのうち 74.5%が脱離,4.7%が破折であった.コンポジットレジン冠の最 も一般的な合併症は,クラウンの破折および保持力の低下であった.PEEK クラウンは 6 ヶ 月時点ではあるが,これらの研究結果より劣っていなかったため,PEEK クラウンが継続的 な装着に適していることを示唆している.

PEEK クラウンの表面には,わずかな摩耗,着色,ざらつきが観察された症例もあり,摩 耗と咬耗が生じた可能性を示唆している.装着後 6 ヶ月で摩耗が進行した症例がみられた が,咬合接触を失うことはなく,左右の咀嚼能力,咬合力が客観的に低下していなかったた め,口腔機能を維持するだけの十分な耐摩耗性を有していると考えられた.表面粗さの変化,

着色が観察されたという結果は,PEEK クラウンの研磨方法が不良であったことにもよると 考えられた.平坦面はバフ研磨により容易に光沢を得ることができるが,咬合調整後の研磨 は,隆線喪失のリスクを避けるために不十分な場合があった.

審美性の評価項目について,色調は乳白色であり,審美性はメタルクラウンより優れてい た.満足度アンケート結果によると,透明感がなく天然歯の色調とは異なっており,人工物 であると認識される可能性が高かった.PEEK 本来の色調は灰色であり酸化チタンの含有に より色調を改善させているが,透明性を付与することは不可能で審美性獲得には限界があ る.

チューインガムは付着するため,患者にチューインガムを使用する習慣があるかどうか を尋ね,ある場合にはこの方法を避けるべきである.

重要事項であるクラック,破折,脱離,痛み,う蝕,プラーク,対合歯の咬合面,咬合接 触あるいは再治療に関する問題は認められなかった.しかしながら,研究にはいくつかの限 界があった.PEEK クラウンを既存のジルコニアクラウンやメタルクラウンと比較していな いため,PEEK クラウンが既存のクラウンより優れているかどうかは不明である.また,

PEEK クラウンの臨床応用にはチェアサイドでの研磨法の確立が不可欠であり改善すべき 課題である.咀嚼能力,咬合圧および咬合力は口腔機能の評価に有効な指標であるが,PEEK クラウンを装着した特定の部位については検証できなかった.また,PEEK クラウン装着時

(30)

27

と非装着時の咀嚼能力,咬合圧および咬合力の差は,サンプル数の関係で検証できなかった.

したがって,今後,サンプル数の多い長期的な研究が必要である.

6.5. まとめ

PEEK クラウンは,その生物学的安全性と物理的特性から,金属クラウンの代替物として 有望であることから,PEEK クラウンを CAD/CAM システムを用いて製作し,接着性セメ ントを用いて装着し 6 ヶ月間の臨床研究をおこなった.装着後 6 ヵ月経過しても脱落,破 折あるいは咀嚼能力の低下は認められず,PEEK クラウンは金属クラウンの代替として有望 であることが示された 9).さらにサンプル数の多い長期的な研究が必要である.

(31)

28

7.PEEK を用いた歯科修復物の臨床研究に関する文献

PEEK はブリッジおよびインプラント上部構造用フレーム等で臨床実績がある.これまで に論文報告されている臨床研究の一部を抜粋してまとめた.

7.1. 連冠用フレームおよびブリッジ

Arun らは,20 症例の臼歯 3 本ブリッジにおいて,装着 1 年後で 95%(19 症例)の修復 物が維持しており,5%(1 症例)がセメント部分で脱離していたと述べている.ただし,

10 %(2 症例)において,治療前よりわずかに暗く変色しており,セラミック材料と比較す ると色調安定性が劣ると報告されている 31)

7.2. インプラント上部構造用フレーム

Jing らは,インプラント上部構造用フレーム(ボーンアンカードブリッジ)を PEEK と チタンで作製し,5 年後の生存率に有意差がない(PEEK:93.1%,チタン:93.5%)と報告 している10)

Miguel らは,PEEK でインプラント上部構造用フレームを 37 症例のオールオン 4(上顎 12 名,下顎 13 名,上下顎 12 名)において,装着 3 年後の残存率が 98%であったと報告し ている32).Jing らは,慢性歯周炎の患者に対し,欧州歯周病学会臨床診療ガイドライン 33) を参考に歯周治療をした後に,PEEK をフレームとしたオールオン 6 のボーンアンカード ブリッジを作製し,装着 6 年後に歯周炎などの再発はなく満足が得られていたと報告して いる34).また,Lee らは,PEEK でクラウンとフレームを作製し,PEEK フレームにはレジ ン材料を築盛し,装着 1 年後で支台歯に特異的な動揺はなく,歯科修復物は正常に機能し ていたことを報告している35)

以上より,PEEK は金属やジルコニアと比べて弾性率が低く,小さな荷重で変形しやす い材料である 36,37)が,上記の臨床研究のように適切な厚みや形状の設計で使用すれば,従来 の歯科医療材料と同等の臨床成績が得られると考えられることが示唆された.

(32)

29

8.おわりに

近年,患者の審美性への要求が高まっていることや,金属アレルギー患者への治療などか ら金属代替材料が望まれている.このようななか,金属代替材料の一つとして注目されてい た PEEK が「CAD/CAM 冠用材料(V)」として保険収載され,CAD/CAM 冠用材料を用 いた歯冠修復がすべての部位で保険適用となった.しかし,PEEK は既存の CAD/CAM 冠 用レジンブロックとは材質が異なり臨床使用の際は注意すべき点がある.この「号外」が,

みなさまが安心して CAD/CAM 冠治療を進めていただける一助となれば幸いである.

CAD/CAM 冠は,全国 8 割の歯科診療所で対応可能な医療技術に一般化されているが,

さらにデジタル技術の利用が促進されると予想される.ヤマキン学術文化振興財団では,引 き続き歯科医療におけるデジタル化を推進するため,さまざまな情報提供を続けていく所 存である.

謝辞

本号外の作成にあたり,PEEK の加工検証のご協力をいただきましたオーエスジー株式会 社 久保田 祐介 氏ならびに,原材料メーカーとして PEEK の基本情報や写真提供などさま ざまなかたちでご協力いただきましたポリプラ・エボニック株式会社 スペシャリティ製品 営業部,大臼歯 PEEK クラウンの臨床研究をご紹介いただきました広島大学病院 口腔維持 修復歯科 咬合・義歯診療科 診療准教授 安部倉 仁 氏,医療法人山北歯科診療所 岡本 康 太 氏に感謝申し上げます.

(33)

30 文献

1) 厚生労働省:「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」等の一部改正について.保医発

1130 第1号,令和5年 11 月 30 日.

2) 府川伊三郎ほか:ARC リポート(RS-1001)先端用途で成長するスーパーエンプラ・PEEK(上).株式会社旭リ

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37) Canan A. et al. PEEK in dentistry, properties and application areas. International Dental Research. Volume 10, Number 2, 2020.

(35)

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(36)

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・発行日:2023 年 2 月

・160P

・価格:本体 1,000 円+税

・発行:一般財団法人ヤマキン 学術文化振興財団

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表 2-1  CAD/CAM 冠用材料一覧(2023 年 12 月時点) 1)
表 2-1 に示すとおり,CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)は,材料定義として構成成分および物 理的性質が設けられており,材料点数は 615 点(6,150 円(税込み) )である.準用技術料 はこれまでと同じ 1,200 点であり,CAD/CAM 冠用材料(Ⅴ)を大臼歯にした場合は,従 前の CAD/CAM 冠用材料(Ⅲ)および(Ⅳ)と同様に,製品に付属している使用した材料 の名称及びロット番号等を記載したトレーサビリティシール等で管理すること(診療録に 貼付する等)とされている.
図 2-1  CAD/CAM 冠用材料(Ⅲ)および(Ⅴ)の適応範囲
図 3-1  Poly-Ether-Ether-Ketone(PEEK)の構造式
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