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(SAEKI Osamu) - 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY)

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佐伯 修(SAEKI Osamu)

A.研究概要

私は主に位相幾何学について種々の観点から研究を行っているが,最近は以 下のテーマについて研究を行った.

1. 可微分写像の大域的特異点論.

可微分写像の特異点はこれまでにかなり研究されてきているが,ほとんどは 局所的振る舞いを調べるにとどまり,大域的性質の研究はあまりなかった.さ らに,このような特異点論の観点から可微分多様体の構造を研究することは,

意外なことに今までほとんどなされてこなかった.これまでの我々の研究に より,多様体間の写像の特異点が,多様体の構造の本質的な部分を担ってい ることが明らかにされており,こうした研究が位相幾何学において重要であ ることが認識されるようになってきている.最近は,こうした事柄を特異写 像の同境理論の観点から研究している.[B-3]においては,ジェネリックな写 像の特異ファイバーの分類空間を構成し,そのコホモロジー環を調べること により,特異ファイバーのThom多項式の存在定理を得た.さらにいくつか の特異ファイバーについて具体的にそのThom多項式を決定した.こうした Thom多項式は,特異写像の同境不変量を与える.[B-4]は,こうした最近 発展中の理論のサーベイである.また[B-8]においては,折り目写像が存在 するための障害類をPostnikov分解の観点から調べ,いくつかの次元対の場 合にそうして現れる障害類を完全に明らかにした.さらに[B-7]においては,

ジェネリックな写像に対する新しいオイラー標数公式を与え,その応用とし て4次元多様体上の安定写像の特異点の個数に関する公式を発見した.また いくつかの既存の公式に対する新しい証明も与えた.

2. 高次元結び目の研究.

一般次元の球面内の非球面的結び目の同境類について研究し,特に4次元の 場合に完全な結果を得た[B-1].また,高次元球面内のファイバー結び目の 同境類についても研究を行い,そのサーベイ論文[B-2]を書いた.

3. 曲面結び目の研究.

4次元ユークリッド空間に埋め込まれた閉曲面(の同位類)を曲面結び目と呼 ぶ.これまでは3次元ユークリッド空間への射影を通して,あるいは曲面が 向きづけ可能のときには2次元ブレイドを通して,研究されることが多かっ た.そこで我々は平面へのジェネリックな射影を通しての研究に取り組み,

[B-6]においてその基礎理論を構築した.具体的には,特異点理論を用いて,

折り目特異点集合の像に対して帯付きブレイドを対応させることで,平面上 のダイアグラムを構成し,それによってもとの曲面結び目が再構成されるこ とを示した.この手法は曲面が向きづけ不可能のときにも有効であり,実際

Whitney合同式の新しい証明を我々の立場から与えることにも成功した.さ

らにこうした平面への射影を使って定義されるtotal widthという不変量に

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ついて,それが8に等しい結び目を完全に特徴づけることに成功した[B-5].

B.研究業績

1. V. Blanlœil et O. Saeki, Concordance des nœuds de dimension 4, Cana- dian Mathematical Bulletin50(2007), 481–485.

2. V. Blanlœil and O. Saeki, Cobordism of fibered knots and related topics, in “Singularities in Geometry and Topology 2004”, Advanced Stud. in Pure Math.46(2007), 1–47.

3. O. Saeki and T. Yamamoto, Singular fibers and characteristic classes, Topology Appl.155(2007), 112–120.

4. 佐伯 修,可微分写像の特異ファイバーのトポロジー,数学 60 (2008), 46–67.

5. O. Saeki and Y. Takeda, On 2-knots with total width eight, to appear in Illinois J. Math.

6. O. Saeki and Y. Takeda, Surface links and their generic planar projec- tions, to appear in J. Knot Theory Ramifications.

7. J.T. Hiratuka and O. Saeki, Number of singularities of stable maps, to appear in Journal of Geometry.

8. R. Sadykov, O. Saeki and K. Sakuma, Obstructions to the existence of fold maps, preprint.

C. 講演

1. 特異点と特性類—具体例の果たす重要な役割,日本数学会2007年度秋季 総合分科会企画特別講演,東北大学,2007年9月21日.

2. Seeking for invariants of manifolds,大域的特異点論の問題—安藤良文先 生還暦記念研究集会—,近畿大学,2007年10月4日.

3. Elimination of definite fold,広島大学トポロジー・幾何セミナー,広島 大学,2007年10月16日.

4. Cobordism of Morse maps and its application to map germs, The second Japanese-Australian Workshop on Real and Complex Singularities, RIMS, Kyoto, November 28, 2007.

D.その他の研究活動 1. 研究集会の主催

(1) 大域的特異点論の問題—安藤良文先生還暦記念研究集会—,近畿大学,

2007年10月3日〜10月5日(共同主催者:佐久間一浩(近畿大))

(2)第117回日本数学会九州支部例会,宮崎大学,2007年10月13日(共同 主催者:伊喜哲一郎(宮崎大学),小高一則(琉球大学))

(3)第118回日本数学会九州支部例会,琉球大学,2008年2月2日(共同主 催者:伊喜哲一郎(宮崎大学),小高一則(琉球大学))

(4)第2回福岡・札幌 幾何学セミナー,九州大学,2008年2月19日〜2月

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21日(共同主催者:秋田利之(北大))

2. その他

(1)日本数学会九州支部連絡責任評議員.

(2)「数学通信」常任編集委員.

(3)トポロジー研究連絡会議構成員.

(4)科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(さきがけタイプ)「数 学と諸分野の協働によるブレークスルーの探索」外部評価者.

(5)京都大学数理解析研究所専門委員会委員.

(6)博士論文審査員(九州大学).

(7)「技術に生きる現代数学」(若山正人編,岩波書店,2008)において「DNA 結び目のメカニズム」を執筆.

(8)日本学術振興会外国人特別研究員(Rustam Rasikhovich Sadykov氏)受 け入れ研究者(2005年10月5日〜2007年9月30日).

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Referensi

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