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Molecular Dynamics Simulation of Formation Process of Carbon Nanotubes

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Academic year: 2024

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炭素ナノチューブ生成過程の分子動力学シミュレーション 炭素ナノチューブ生成過程の分子動力学シミュレーション 炭素ナノチューブ生成過程の分子動力学シミュレーション 炭素ナノチューブ生成過程の分子動力学シミュレーション

Molecular Dynamics Simulation of Formation Process of Carbon Nanotubes

○正  丸山  茂夫  (東大工)        澁田  靖  (東大工院)

Shigeo MARUYAMA and Yasushi SHIBUTA

Dept. of Mech. Eng., The University of Tokyo, 7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8656 Key Words: Molecular Dynamics Method, Single Walled Carbon Nanotubes, Ni Atoms

1. はじめに

  単層炭素ナノチューブ(SWNT)は,その直径やらせんの巻き 方により金属や半導体になるという特異な性質をもつことな どから,現在注目を集めている素材の一つであり(1),工学的 応用に向けて生成過程の制御による構造の選択的生成が重要 課題である.アーク放電法やレーザーオーブン法により,鉄 やコバルト,ニッケル等の金属触媒を含有する炭素棒を蒸発 させることによりSWNTが作製されることが実験的には確認 されているが,その過程で触媒金属がどのように作用してい るかは現在も議論の対象である.本研究では孤立炭素状態か らスタートする分子動力学法(MD)によりクラスタリング過 程,その後の冷却過程をシミュレートすることによりSWNT 生成機構について検討した.

2. 計算方法

  炭素原子間相互作用に関してはBrenner(2)がダイヤモンド薄 膜の CVD シミュレーションに用いたポテンシャルを採用し た.これはTersoffの結合価の表記に基づくもので,小型の炭 化水素,グラファイト,ダイヤモンド構造など多彩な構造を 表現できるように改良されている.炭素―金属間ポテンシャ ルに関しては,Yamaguchi ら(3)が小型のクラスターMCn(M: La, Ni; n = 1 – 3) についての密度汎関数法(B3LYP)に基づき構築 したものを採用した.運動方程式の数値積分には改良 Verlet 法を用い,時間刻みは0.5 fs とした.温度制御に関しては,

擬似的に平衡状態を実現するため,並進,回転,振動に対し て0.1 ps 毎に制御温度Tcと各温度の差を60%に縮小するよう 独立に速度スケーリングを施した.

3. 分子動力学シミュレーション

  3.1 孤立炭素からのクラスタリング

  全方向に周期境界条件を施した一辺 585Å の立方体セルに 2500個の炭素原子と25個のNi原子をランダムに配置し,制

御温度TC = 3000Kで孤立炭素からのクラスタリング過程のシ

ミュレーションを行った.NiはSWNT生成に不可欠な金属触

媒の役割を果たすことが実験的に確認されている金属である.

Fig. 1は6 ns後に生成されたクラスターの様子である.数

個のNiを持つ炭素数100前後からなる3次元ランダムケージ 構造をもつクラスターが多く観察された.また Fig. 1 中の NiC60を取り出し,制御温度TC = 2500Kで長時間アニールし

た様子をFig. 2 に示す.Ni原子は約1-10ns の間隔でほぼ等

確率に炭素ケージの内側と外側を出入りし,その度にダング リングボンドを持つ炭素が生じる.このようなやや共有結合 的な性質を示す Ni 原子の存在はクラスターの安定化を妨げ るとともに反応性を維持する働きがあると考えられる.Fig. 1 で観察されるクラスター(前駆体クラスター)はNiの存在に より安定化が妨げられているので,これらの衝突によりチュ ーブのようなより大きなサイズに発展する確率が高くなると 予想できる.またSWNT生成過程を考察するためにはこれら のクラスター同士が温度,密度などの要因がクラスタリング にどのような影響を与えるか詳細に検討する必要がある.

  3.2 前駆体クラスター同士のクラスタリング

1. 0.2% / ps (max: 6x10-4 Å per time step, 120 m/s), 3000K 2. 0.2% / ps (max: 6x10-4 Å per time step, 120 m/s), 2000K 3. 0.02% / ps (max: 6x10-5 Å per time step, 12 m/s), 2000K 4. 0.002% / ps (max: 6x10-6 Å per time step, 1.2 m/s), 2000K

前項の結果を踏まえ,Fig. 1の状態 (6 ns) からさらにクラ スタリングを続けたいが,これ以降は衝突確率が急激に下が るので,時間圧縮のため上記の条件でセルサイズを縮小しな

150 200

1 2 3 4

Time (ns) Radius (Å) Positon of Ni

Radius of cluster

(1) (2) (3) (4)

150 200

1 2 3 4

Time (ns) Radius (Å) Positon of Ni

Radius of cluster

(1) (2) (3) (4)

Fig. 2 Annealing of NiC60

Ni2C241 NiC72

Ni4C129

NiC19

Ni2C61 NiC60 C138

Ni2C166

NiC52 Ni2C241

NiC72 Ni4C129

NiC19

Ni2C61 NiC60 C138

Ni2C166 NiC52

Fig.1 Snapshots of Clustering Cell at 6 ns

2500K

1500K

(a) (b)

Collision of Clusters

(c)

2500K

1500K

(a) (b)

Collision of Clusters

(c)

Fig. 3 the Bulge Structure with the Condition 1

(2)

がら前駆体クラスター同士のクラスタリングをシミュレート した.レーザーオーブン法 (4) による実験結果から考えられる 温度よりはやや高めであるが,これは限られた時間スケール 内でのアニール時間圧縮を意味し,並進,回転,振動温度を 独立に制御する速度スケーリングによって補償されている.

Fig. 1 に見られる前駆体クラスターは完全にケージを閉じ ていないので,いずれの条件でも比較的高温のため容易に結 合する.条件1では約6.9 ns でほとんどすべての分子が結合 した微粒子が得られ,2500K でアニールすることによりクラ スターが衝突してできた部分が隆起状態(バルジ)となって 出現した (Fig.3 (a), Fig. 4). さらにこれを2500Kでアニール することにより円錐形に変化するが (b) ,1500Kでアニール するとバルジ構造を維持したままである (c). ただこのバル ジ構造をさらに10 ns ほどアニールしても構造を変化させる ことはなく,これを核としてチューブが伸びていくとはこの 結果からは考えにくい.

条件2から得られた微粒子には条件1のバルジ構造に比べ て長いチューブ様構造が出現した (Fig. 4).またこれを約30ns アニールする事により炭素間結合を組み替えながらチューブ 構造に発展した (Fig. 5).条件2では,条件1と同じ速度でセ ル体積が縮小していることから,微粒子の構造は前駆体クラ スター同士が衝突する際の温度に強く依存することが理解で きる.

条件3でセルの縮小速度を1/10にすると,前駆体クラスタ ー同士がさらに緩やかに衝突を繰り返しながら成長する.代 表的なクラスターの成長過程をFig. 6に示す.前駆体クラス ター同士が衝突を繰り返しながら成長する点ではすべての条 件で同じであるが,条件1,2から得られる微粒子が3次元ラ ンダム構造からからバルジが飛び出している構造をとるのに 対し,条件3のように緩やかに衝突することにより得られる 微粒子が円筒のようにある1次元方向に成長する傾向がある ことは注目に値する.

さらに条件4でさらにセルの縮小速度を1/10にしたが,得 られる微粒子は条件3とほとんど同傾向であり,またそこに 計算時間が1オーダーほど長くかかる.よって本研究のよう なクラスター成長過程を検討する計算では,体積一定系での 計算結果を,条件3程度圧縮しても定性的に同様の傾向を得 ることができる.

これらの計算ではクラスター衝突の促進に比べ衝突後の炭 素の結合組み替えや Ni 原子の移動などは比較的緩やかであ るが,Fig. 5 にみられる長時間のアニールによる結合組み替 えや,少しづつであるがNi原子どうしが集まりクラスターを 形成し,微粒子内部よりもバルジのキャップ部分に移動しつ つある.炭素のみからなるチューブ様部分にはNiがあまり存 在しないことから,さらなるアニールによりSWNT構造の両 端付近にNiが多数存在し,この部分の反応性が高くさらにチ ューブを伸ばすような反応がおこることが予想される.

4. まとめ

  孤立炭素からのクラスタリングによりSWNTの生成過程に 関して分子動力学シミュレーションを行った.孤立炭素が前 駆体クラスターに成長し,クラスター同士の衝突により微粒 子に進化した.その際Niが存在することでクラスターの構造 安定化を妨げる働きがあり反応が促進されるが,この際の衝 突間隔,温度によって微粒子の形が左右される.衝突間隔が 短いと微粒子が3次元的ランダム構造を核とし表面にバルジ もち,その際の温度が低いほどバルジが長くチューブに近い 形になるが,一度これらが形成された後,バルジを核として チューブが伸びる傾向はみられなかった.また衝突間隔が比 較的長いと1次元的な円筒形に成長する.これらより前駆体 クラスター同士の衝突時の温度,密度がSWNT生成に強く影 響することが予想され,この段階付近のさらなる詳細な検討 と実験的手法との対応が今後の課題として挙げられる.

  参考文献

(1) M. S. Dresselhaus et al., Science of Fullerenes and Carbon Nanotubes, (1996), Academic Press, 144.

(2) D. W. Brenner, Phys. Rev. B, 42-15 (1990), 9458.

(3) Y. Yamaguchi & S. Maruyama, Eur. Phys. J. D, 9 (1999), 385.

(4) A. Thess et al, Science, 273 (1996), 483.

1) 3000K 2) 2000K

Fig. 3 (a)

1) 3000K 2) 2000K 1) 3000K 2) 2000K

Fig. 3 (a)

Fig. 4 Structures of the Particles with the Condition 1 & 2

Annealing at 2000K about 30 ns Annealing at 2000K

about 30 ns

Fig. 5 Annealing of Imperfect Tube with the Condition 2 (All carbon atoms with three-coordination are not shown.)

6000ps

7000ps

7560ps

8000ps

8800ps 6000ps

7000ps

7560ps

8000ps

8800ps 6000ps

7000ps

7560ps

8000ps

8800ps

Fig. 6 Growth Process of Tube-Like Cluster with the Condition 3 (All carbon atoms with three-coordination are not shown for clarity.)

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