伊藤元重『ビジネス・エコノミクス 第 2 版』
日本経済新聞社
序章 ビジネス・エコノミクスへの招待 ビジネス・エコノミクスとは/なぜ経済学？
価格理論(2,3,4)
ゲーム理論(5)情報経済学(6)行動経済学(7) 経営戦略論(8)/イノベーション(9)
PartⅠ マーケットを知る
第 1 章 価格に始まり、価格に終わる 補足：金野、佐藤、渋井、林
１デフレ下の価格改定
Q.価格引き上げはなぜ困難？
２価格引き下げで企業を変えた吉野家 業務改革(店舗/物流) 費用関数 ３安売りは得なのか
薄利多売 or 高マージン 独占価格 Q.事例
Q.高マージン化戦略
４差別化と価格の弾力性を使った戦略 差別化：Brand/Segmentation 価格差別：第 1 種/第 2 種/第 3 種 コスト割れ価格：略奪価格/目玉商品/
Forward Pricing/囲い込み ５巧妙な価格戦略の裏を探る
時間差価格差別/製品多様化価格差別 二部料金制(プリンタ/コストコ)
情報化と非線形価格(スマホ料金/百貨店 カード)
第 2 章 流通からビジネスを考える 担当：積田、岩本、竹田
補足：中村、小山
１なぜユニクロとニトリは流行るのか (1)SPA：利点と欠点
2 重 margin と垂直統合
小売価格=製造原価+製造/流通 margin 百貨店(多段階流通/多様性)⇔SPA ２価格破壊─流通からの経済理解 agency 問題と取引費用
Super(ダイエー) vs 松下電器
(2)Category Killer：トイザらす vs 小商店 (3)e コマース：amazon
３マスマーケティングの構造
問屋の合理性：Hub & Spoke 利点と欠点 ex.基軸通貨、航空業界
４メーカーと流通チャネル 中間流通(問屋-小売)の有効活用 化粧品、自動車、医薬品、飲料
５なぜ、コンビニが日本に定着したのか Franchise、POS, 物流 net
時間制約：品揃え+営業時間 これからのコンビニ：深堀と幅 補完・代替ビジネス
６ネットとリアルの融合
Online + Offline：amazon と百貨店
第 3 章 変わる市場のあり方 担当：片倉、八木、前田 補足：
１ネット販売:サントリーのセサミン なぜ？ Net 流通の中抜き構造 ２ 問屋の「中抜き」の要因 差別化と情報化
問屋の機能：物流+商流+金融 ３小売りの中抜き
消費者との link→中小企業のチャンス ４「サブスクリプション」定期購入 Subscription：栗田工業
IoT：ブリジストン/コマツ/GE 垂直統合：Netflix
二部料金、継続取引、囲い込み ５変わる流通ネットワーク
ネットワーク型流通：物流(matching)、
消費者(C2B,C2C) ６データの情報価値
Big Data の活用→Data Cycle
第 4 章 市場の理解とビジネス 担当：市場、土屋、南
補足：一ノ瀬、松本 １市場の論理と組織の論理
市場の利点(Hayek)と限界(Coase) 市場か組織か：Seven vs Loson M&A：規模の経済、範囲の経済
対応：退出 exit と告発 voice ２市場メカニズムを支える裁定行為 裁定取引の意義
３組織を活性化するための市場機能の活用 競争原理の導入
分散型組織の導入
４気候変動問題と市場メカニズム 外部効果
解決法：規制、計画、市場
需給モデル：技術革新、グリーン投資、
排出権、炭素税
Part２ ビジネスはゲームだ 第 5 章 ゲーム理論が視野を広げる 担当：廣田、天貝、新井
補足：赤坂、嶋田、鈴木、西村、森本 １囚人のジレンマ
「戦略的思考とは何か」支配戦略 価格競争、軍拡競争、瀬戸際戦略 ２繰り返しゲームと協調
「つきあい方の科学」協調 石橋 5 章 談合、生物学的ゲーム、斡旋業者、日本的 経営(MainBank/終身雇用/系列/下請) ３先手必勝 commitment
参入阻止行動 石橋 17 章
地方百貨店、背水の陣、one-price policy Stock Option
４ゲーム理論の応用事例
後追い戦略：ヨットレース、panasonic, P&G 弱者の戦略：子犬の策略 ES8,10 石橋 17 章 ５不特定多数が相手のゲーム
「経営戦略のゲーム理論」
(1)買収 by 2 段階ビッド (2)競争入札 auction 石橋 2 章 公開入札=Dutch(花↓)= 1st price 封印入札= English(魚↑)=2nd price Winner’s curse：入札にあまり勝つな ６確率的な判断
混合戦略(確率的判断)→Nash 均衡
第 6 章 Incentive―逆選択と Moral Hazard 担当：和田、奥谷、坂上
補足：永見、前野、金野、佐藤、渋井、林 １インセンティブとリスク
最適線形契約 石田玉田「情報と契約」3 章 W=α+βE、αリスクβ誘因、観察可能性 taxi 契約:大手＜中小＜MK(lease)
効率賃金仮説
賃金契約(農業,Jeepney)＜シェア契約(郊 外,小作,コンビニ,テナント)＜リース契約 (都市)
２逆選択とモラルハザード Agency 問題
(1) 逆選択：中古車、保険 石玉 5 章 cream skimming→lemon の市場 (2) moral hazard：医療保険、預金 ３金融機関のモラルハザード 預金保険の保護+ペイオフ 悪貨は良貨を駆逐する ４シグナリング 石玉 6 章
情報の非対称性(逆選択)への対抗手段
学歴、広告、店構え、行列 ５契約を守るのはなぜ難しいのか
不完備契約：観察可能性/立証可能性
←暗黙的契約(コミットメント/評判/
継続的関係)
Holdup 問題：過少投資 石玉 9 章
←関係特殊的投資、買収
第 7 章 行動経済学とビジネス 担当：積田、岩本、竹田 補足：小山、片倉、八木 See 石橋 13 章、多田、経セミ １限定合理性と錯覚
Heuristics(経験則)：ワイン(松竹梅) 相対評価バイアス：吉牛、航空運賃、新聞、
パン焼き器
Nudge(クセの利用)：トイレ、コンビニ ２⾧期的合理性＜目先の衝動
直観的(衝動)行動：双曲割引 CM、バーゲン
習慣：スタバ、Diet ３現状維持
刷り込み(imprinting)：牛丼→差別化(スタ バ)
Anchoring：通販、文庫化 プロスペクト理論(損失回避)：
４群れの原理
群れの原理(herding 効果)：株価、流行 効率市場仮説とバブル
Part３ 産業組織論からの考察 第 8 章 戦略をより深く理解する 担当：前田、市場、土屋
補足：廣田、天貝、新井
１マイケル・ポーターの競争戦略論
5 つの競争原理：entry、supplier、customer、
substitutes、competition ES14 章 企業の競争条件：Panasonic
２参入障壁を高める戦略 (1)規模の経済・学習効果
(2)差別化 (3)資金力：広告、R&D 投資 (4)技術/資源の独占 (5)流通チャンネル (6)規制
事例：花王、半導体、カップ麺 ３取引相手との交渉力を強化する
(1)調達先：多様化、株式/役員/情報共有 トヨタ、デンソー
(2)顧客：switching cost/network 外部性 IBM/富士通、OS、標準化競争、コストコ ４代替財の存在と産業内の競争
(1)代替財：機能、代替サービス拡大 (2)競争：市場構造(leader の存在)、成⾧性、
switching cost、固定費 ← 緩和策(最低価 格保証) 石橋 10 章
５戦略的ボジショニングを考える
3 つの戦略：略奪価格/M&A、効率化/研究 開発、差別化 石橋 18 章
Positioning：製品特化(スバル)、顧客特化 (三越伊勢丹)、セグメント化(しまむら,ド トール/スタバ)
競争激化と positioning SouthWest vs Continental
６「0.1％商法」と「深掘り戦略」
(1)0.1％商法(niche 戦略)：パン屋 (2)深掘り戦略(継続性)：サプリ
第 9 章 イノベーションがすべてを変える 担当：南、一ノ瀬、松本
補足：和田、奥谷、坂上、赤坂
１いつの時代も Innovation によって変わる Innovation の重要性と困難
改良型(incremental)と破壊型(distruptive) Open innovation：M&A、産学連携
起業(venture)/中小企業育成 銀行型→Equity model
研究開発の Incentive 石橋 19 章 競争度と Innovation 石橋 19 章 共同研究開発 石橋 19 章 ２ Innovation による経済の変化
1920-70：黄金の 50 年代、TFP
19C 末～20C 前半：電化と motorization 1980 年代～：IT 化
Innovation→社会/ビジネスモデルの変化 ３これからの経済を変えるイノベーション
AI+BigData→機械学習 IoT：Internet の活用
DX(社会ビジネスの変化)：GAP の存在、
働き方/学び方改革
４イノベーションがもたらす破壊の意義 古いビジネスの破壊
Unbundling(機能分離)：銀行・証券の解体 格差拡大：所得分配政策
ATM 増大→雇用増+サービス多様化
