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がん免疫療法における低分子医薬品の可能性

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Academic year: 2024

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がん免疫療法における低分子医薬品の可能性

M1 人見 悠毅

がん治療についての研究は盛んであるが、依然、がんによる死亡率 は高く、さらに有効な治療法が求められている。そこで、体の免疫シ ステムを活用する「免疫療法」が、新しい治療法として注目されてい る。

現在、有効な免疫療法として、抗体医薬品による免疫チェックポイ ントの阻害が挙げられる。しかし、免疫チェックポイント阻害剤が効 果を示すのは、一般にがん患者の 20-40%に止まるのが現状である。

さらに、現状の免疫チェックポイント阻害剤は全て抗体医薬品であ り、免疫療法における治療の選択肢は少ない。

そこで、本総説では、低分子医薬品の免疫チェックポイント阻害剤 の開発、さらに、免疫システムに関わる他の標的について解説、考察 する。

【参考文献】

(1) Cell. Chem. Biol. 2017, 24, 1148-1160.

(2) Angew. Chem. Int. Ed. 2018, 57, 4412-4428.

(2)

GPCR バイアスドリガンドの有用性

M1 小出 拓人

ヒトゲノム最大の受容体ファミリーである G タンパク質共役受容 体(GPCR)を標的とした薬剤は、上市されている医薬品の約 40%

を占める。現在においても GPCR を標的とした創薬研究は発展を続 けており、さまざまな GPCR のリガンドが創製されている。

リガンドの結合により活性化した GPCR は、共役する G タンパク 質の結合を経てシグナルを伝達する。その後 GPCR は、β-アレスチ ンにより不活性化されるが、その際にはβ-アレスチンを媒介したシ グナルが伝達される。近年の研究では、G タンパク質またはβ-アレ スチンのどちらか一方を選択的に活性化するバイアスドリガンドが 注目されている。バイアスドリガンドは、その選択性から副作用の軽 減が期待されるが、その一方で創製の困難さが課題とされている。

本総説では、種々の GPCR におけるバイアスドリガンドやその有 用性、さらには GPCR の構造的特徴をもとにしたバイアスドリガン ドの新たな創製法について、実例を交えて解説する。

【参考文献】

(1) Nat. Chem. Biol. 2018, 14, 126-134.

(2) Mol. Endocrinol. 2014, 28, 281-294.

(3)

海洋腹足類由来化合物の有用性

M1 佐野 拓哉

現在、海洋に生息する生物は約 50 万種といわれている。そのそれ ぞれが種固有の化合物を有し、種間コミュニケーションや生態系機 能の調整に用いられる。このような化合物仲介戦略を得た海洋分類 群の中でも、ウミウシ、ホヤを含む腹足類生物は捕食者からの防衛、

獲物の捕獲、求愛など、幅広い行動を媒介するため天然有機化合物を 使用している。その化合物の多くは、餌食とする捕食対象生物からの 獲得、その餌食の二次代謝産物として体内で生成、蓄積される。これ ら化合物は、非常にユニークな構造、生理活性を有し、このことから 海洋生物は近年の創薬研究における一つの探索源とされる。

本総説では、海洋腹足類生物に標的を絞り、彼らの獲得した化合物 の蓄積、解毒、生体内変換および種間、異種間においての化合物の役 割を概説する。また、それら化合物の生理活性にも触れることで、海 洋腹足類生物の創薬研究の探索源としての有用性を考察する。

【参考文献】

(1) Nat. Prod. Rep., 2017,34, 644–676

(4)

慢性 B 型肝炎治療の現状と今後の展望

M1 中山 寛太

Hepatitis B virus (HBV)による慢性 B 型肝炎は、現在、約 2.4 億 人以上の成人が感染し、そのうち約 25%が肝硬変、肝臓がんなどの 病態へ進展するとされている。

1998 年、HBV 逆転写酵素阻害剤であるラミブジンの導入により、

アデホビル、エンテカビルおよびテノホビルなどの治療薬が開発さ れている。現在、これら HBV 逆転写酵素阻害剤および免疫調製作用 を有するインターフェロン製剤が、慢性 B 型肝炎の治療薬として用 いられている。しかし、これら治療薬は、HBV 感染肝細胞内の covalently closed circular DNA (cccDNA)の排除が困難である。そ のため、長期治療が必須となり、患者への負担や多額の治療費、免疫 抑制剤を用いた治療による HBV の再活性化が問題となっている。そ のため、新たな作用機序を有する HBV 治療薬の開発が必要とされて いる。

近年、HBV ライフサイクルを標的とした HBV 侵入阻害剤やキャ プシド集合阻害剤などの開発が進められていることから、cccDNA の 完全排除を目的とした、今後の HBV 治療薬の展望について紹介する。

【参考文献】

(1) Liver Int. 2017, 37, 40-44.

(2) Expert Opin. Drug Discov. 2017, 12, 5-15.

(3) Liver Int. 2016, 36, 85-92.

(4) JAMA 2018, 319, 1802-1813.

(5) Liver Int. 2018, 38, 102-114.

Referensi

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