アスベストについて
応用化学科 一年 高取 良太郎
アスベストとは
別名 石綿(いしわた、せきめん)といい、髪の毛の約5000分の1というとても細い 繊維状に変形した鉱物の一つである。大きく分けてアスベストには蛇紋石系と角閃石系と の二つに分類される。どちらもケイ酸塩鉱物であり、ケイ素、そして酸素が多く含まれる。
鉱物であるが、極細の繊維形状のため飛散することがあり、吸い込むことで人体に悪影響 があるとされ、世界的に使用は禁止、中止されている。しかし耐久性、耐熱性、耐薬品性、
絶縁性などに優れた素材であり、日本では「奇跡の鉱物」などと珍重され、建設資材、電 気製品、自動車、家庭用品等、様々な用途に広く使用されてきた。
蛇紋石系
クリソタイル(温石綿、白石綿)
組成式は Mg6Si4O10(OH)8。クリソタイルから作られる石綿を温石綿と呼ぶ。文字通り、綿 のように柔らかい。日本では 2004 年 10 月に使用が禁止。しかし、一部の用途に限っては 2006 年まで使用が認められている。2008 年に全面禁止。
角閃石系
クロシドライト(青石綿)
石綿状のリーベック閃石(Na2(Fe2+3Fe3+2)Si8O22(OH)2)のこと。針状に尖った繊維で、クリソ タイルのような柔らかさは無い。最も毒性が強いとされ、1995 年から使用も製造も禁止。
アモサイト(茶石綿)
カミントン閃石(Mg7Si8O22(OH)2)‐グニュネル閃石(Fe2+7Si8O22(OH)2)系列。1995 年から使 用も製造も禁止された。
アンソフィライト(直閃石綿)
直閃石(Mg7Si8O22(OH)2)。
トレモライト(透角閃石綿)
透閃石(Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2 (Mg/(Mg+Fe)=1.0-0.9))。
アクチノライト(陽起石綿)
緑閃石(Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2 (Mg/(Mg+Fe)=0.5-0.9))。
使用例
石綿は繊維の長さから「グレート」と呼ばれる分類がなされており、このグレートの数が小さいほど、
質の高い石綿ということになる。繊維として用いられる物は主としてこのグレートの小さい 1~4、建 材の原料として用いられるものは比較的グレートの大きい石綿であった。
防音・断熱用として学校や各建築物、船舶、鉄道車両などに広範囲で使用された。
理科の実験で、ビーカーなどを火に掛ける際に使う石綿付き金網(石綿金網とも。
金網の中央にある円形の白っぽい部分が温石綿)という利用例もある。上記の問題 から、現在セラミックを利用した金網が使用されている。
絶縁材料としても使われた。
自動車や鉄道車両のブレーキパッド、クラッチ板
屋根瓦、屋根用波板、石膏板、天井用化粧板
ガスケット、シーリング材、パッキングなど
参考文献
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%99%E3%82%B9%E3%
83%88
http://www.jaasc.or.jp/