• Tidak ada hasil yang ditemukan

コルモゴロフの公理(確率空間の定義)は,P の定義域

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2024

Membagikan "コルモゴロフの公理(確率空間の定義)は,P の定義域"

Copied!
3
0
0

Teks penuh

(1)

慶應義塾大学試験問題用紙(日吉)

試験時間 50 平成27121 ( ) 5 時限施行

担当者名  服部 哲弥 君  

科目名  確率論入門 2

受講時限(登録した時限)  時限 学籍番号

氏 名 

採 点 欄 ※

注意: 答案用紙は裏を使わないこと. 解答は答案用紙の表がわに収めよ.

1 . 

以下は,レポート1の文章を若干書き換えた文章である.この文章の記号と設定の 下で,その下の問に答えよ.

2進数列(01の無限列)の集合Ω ={(s1, s2, s3, . . .)|si ∈ {0,1}, i= 1,2,3, . . .} を考える.0 裏,1を表と対応することで,Ωを「無限硬貨投げ」の試行の全体集合と考えることもできる.

無限列の全体集合Ωの部分集合のうちで有限項だけで決まるものA⊂Ωを任意に選ぶ.Aを指定する のに十分な回数の硬貨投げの有限繰り返しを考えると,表と裏がそれぞれ確率1

2 として対応する確率を 計算できる.このとき,無限列上の確率測度Pであって,どのAでもこの計算結果がP[A]に等しくな るものがあることが知られている.ここで,Ω上の確率測度Pとは,Ωの部分集合を集めた集合族F 定義域とする実数値関数P : F →Rであって,コルモゴロフの公理を満たすものを言うのであった.

この確率空間の上の確率変数列{Wn}を,ω = (s1, s2, s3, . . .)に対してW0(ω) = 0,および,n1 のときWn(ω) =

n

i=1

(2si1)で定義して,(原点0を出発点とする)単純ランダムウォークと呼ぶ.単純 ランダムウォークは原点から出発して硬貨を投げる毎に表が出れば右へ,裏が出れば左へ1ずつ動くす ごろくと考えることができる.

無限列の集合Ωの上の確率空間(Ω,F,P)を考える必要性は,たとえば,『このすごろくが負のマス目(0 より左のマス目)に達する前にマス目2に達する事象』をCとおくとき,Cは,すごろく板の中の,座標で

1,0,1,2の4個のマス目があれば表せる事象なのに,有限回の硬貨投げの繰り返しの確率空間では表せな いことでわかる.無限列の集合の上の確率空間(Ω,F,P)によって,Cを次のように有限項で決まる事象たち の可算無限個の排反な和集合で表すことでその確率を計算できる.C0 ={(s1, s2, . . .)|s1 =s2= 1} および, n= 1,2,3, . . . に対してCn={(s1, s2, . . .)|s2i−1 = 1, s2i= 0, i= 1,2, . . . , n, s2n+1 = s2n+2 = 1} とおくと,これら可算無限個の集合を用いてC =

n=0

Cn が成り立つ.他方Cnたちは互い に共通部分を持たないので,Pのσ加法性からP[C]はCnたちの確率を各項とする級数に等しい.

整数aに対して,初めて位置aに達する歩数,つまり,Wn=aとなる最小のnTaとおく.(上記『』

内で定義された)事象CC ={T2 < T1}と簡単明瞭に書ける.出発点が1の単純ランダムウォーク {W}も考えることができる.{Wn}に対して初めて位置aに達する歩数をTa と置くと,{Wn}にとっ ての事象Cと同様に事象C ={T2 < T1 }を考えることができる.P[C]P[C ]と同様に計算でき るが,次のように計算することもできる.{Wn}1歩目で右に行くと2に到達するのでCに含まれ る.左に行くと0なので,そこから{Wn}と確率が等しい.1歩目と2歩目以降は独立なので,P[C] 用いてP[C]を計算できる.このような,異なる出発点の単純ランダムウォークの確率を関連づける性 質は,単純ランダムウォークのマルコフ性と呼ばれる.マルコフ性を用いると,一般に「マス目cから 出発してaに到達する前にbに到達する確率」をpcとおくとき,a < c < bを満たす全てのcに対して pc = 1

2(pc−1+pc+1)が成り立つ.これとpa= 0,pb= 1 からpcが計算できる.

単純ランダムウォークには種々の興味深い性質がある.その一つに反射原理がある.

問.以下,答案用紙は結果だけを書け.

i)

コルモゴロフの公理(確率空間の定義)は,P の定義域

F

σ

加法族であること,すなわち,

空集合を要素に持ち,補集合と可算和という集合の

2

種類の演算について閉じていることを

要求する.補集合について閉じていることを式で書くと

A ∈ F ⇒ Ac ∈ F

となる.同様

(2)

に可算和について閉じていることを式で書くと

An∈ F, n= 1,2, . . . , (a)

となる.P には非負値で

σ

加法性が成り立ち,全測度

1

であることを要求する.全測度

1

を 式で書くと

(b)

となる.空欄

(a)(b)

を埋める式をそれぞれ答案用紙に書け.

ii)p

q

p > q

を満たす自然数のとき,共分散

Cov(Wp, Wq) = E[ (Wp E[Wp ])(Wq E[Wq ]) ]

を計算せよ.答案用紙は,p または

q

以外の記号を含まない形で,結果だけを書 け.

Xi(w) = 2si1とおくとX1, X2, . . . は独立でそれぞれ期待値が0で,Wn=n

i=1

Xi iii) P[C ]

の値を計算して有理数で表せ.

iv) 2

から出発した単純ランダムウォークが負のマス目に達する前に

3

に達する確率を計算して

有理数で表せ.

v)

反射原理を式で書くと原点を出発する単純ランダムウォーク

{Wn}

と自然数

a

に対して,

W˜i = Wi, i Ta,

W˜i+1 −W˜i = (Wi+1 −Wi), i Ta,

で決まる

{W˜i}

は単純ランダム ウォークであることから,

b < a

に対して,

P[Wn b, Ta n] = P[ , Ta n]

となる.

W˜n, a, b

を用いた空欄を埋める適切な式を書け.

2 . 

確率空間

(Ω,F,P)

上の正規分布に従う実数値確率変数たちについて,以下の問に答 えよ.

(参考(ガウス積分):v >0のとき,

−∞e−z2/(2v)dz =

2πv)答案用紙は結果だけを書け.

i)v >0

とする.実数値確率変数

X : ΩR

が ρv(x) = 1

√ 2πv e

2v1 x2

を密度関数とする

連続分布に従うとき,

X

の期待値

E[X ]

と分散

V[X ]

を計算せよ.

ii)X

の分布が密度

ρ2(x)(前小問でv = 2)を持つ正規分布,Y

の分布が密度

ρ5(y)(前小

問で

v = 5

)を持つ正規分布,とする.このとき

S = X√+Y

2

T = X√−Y

2

の共分散

Cov(S, T) = E[ (S−E[S ])(T E[T ]) ]

を求めよ.

(レポート2では結合分布の密度が与え られていたので2次形式の対角化が役に立ったが,ここでは,XY の関数としてS, T が与えら れているので,密度の計算ではなく期待値の公式を用いることを勧める.)

iii)

前小問においてさらに

X, Y

が独立なとき,S と

T

の分散

V[S]

V[T ]

を求めよ

iv)

前小問

iii)

と同様の状況で,S と

T

の結合分布の密度

ρ(u, v

を求めよ.

(この小問はレポー ト2の結合分布と積分変数変換が念頭にある.)

v)n

2

以上の自然数とする.i

= 1,2, . . . , n

に対して,m

i

は実数,v

i

は正の実数とし,X

i

は 平均

mi

,分散

vi

の正規分布

N(mi, vi)

に従う確率変数で,かつ,確率変数列

X1, X2, . . . , Xn

は独立とする.このとき,和

Z =X1+X2+· · ·+Xn

の従う分布もまた正規分布になるこ とが(たとえば特性関数の計算によって)わかっている.Z の従う正規分布の平均と分散 を求めよ(m

i

たちと

vi

たちを用いて表せ).

服部哲弥 確率論入門2 問題用紙 2ページ目

(3)

確率論入門

2

 期末試験 略解

2015/01/21

服部哲弥

1 (50=10*5).  【ランダムウォーク,コルモゴロフの公理,相関(レポート1,教科書第1,3,13章)】

i) (a)

n=1

An∈ F

は不可,上限以外不可】  (b) P[ Ω ] = 1

ii) V[Xi] = E[Xi2 ] = 1および独立確率変数列の分散の加法性からV[Wq] =

q

i=1

V[Xi2 ] =q.さら

に,p > qのとき,Wp−Wq=

p

i=q+1

Xiの中のXiたちはWq=

q

i=1

Xiの中のXiたちと共通のものがな いので,E[ (Wp−Wq)Wq] = 0.以上を用いると,p > qのとき,

Cov(Wp, Wq) = E[WpWq ] = E[ (Wp−Wq)Wq] + E[Wq2 ] =q iii) P[C] =

n=0

22n−2 = 14 114 = 1

3

iv) 1c3に対して,cから出発して1に達する前に3に達する確率をpcと書くと,求める値 はp2で,p1 = 0,pc = 1

2(pc−1+pc+1), c= 0,1,2, p3 = 1.順番に代入して解くと,p0 = 1

4,p1 = 1 2, p2 = 3

4

v) ˜Wn2a−b 【等号のみは不可】

問2 (50=10*5).  【正規分布,相関,独立確率変数の和(レポート2,3,教科書5,7章)】

i)ρv(x) は平均0分散vの正規分布の密度関数なので,平均E[X ] = 0,分散V[X ] =v

ii)前小問からE[X] = E[Y ] = 0なので,V[X] = E[X2 ], V[Y ] = E[Y2 ],および,E[S ] = E[T ] = 0となるから,Cov(S, T) = E[S T ].したがって,期待値の線形性も用いると,

Cov(S, T) = 1

2E[ (X+Y)(X−Y) ] = 1

2(E[X2 ]E[Y2]) = 1

2(V[X ]V[Y ]) 前小問と問題文から,V[X ] = 2, V[Y ] = 5なのでCov(S, T) =3

2. 【符号間違いは不可】

iii)期待値の線形性に加えて独立確率変数の分散の加法性と定数倍に対する公式も用いると,

V[S] = V[ 1

2X ] + V[ 1

2Y ] = 1

2(V[X] + V[Y ]) = 7 2. V[T ] = V[ 1

2X ] + V[ −√1

2Y ] = 1

2(V[X ] + V[Y ]) = 7 2.

iv) (X, Y )の(結合)分布の密度はρ2(x)ρ5(y).一方,(X, Y)の分布から(S, T)の分布への積分変数変換を x

y

=O

u

v

とおくと,

S

T

= 1 2

X+Y

X−Y

=tO

X

Y

から,O = 1 2

1 1

1 1

Oは直交行列であることがtOO=OtO =Eを直接計算することで分かる.当然Oの行列式の絶対 値は1である.よって,ρ˜

u v

∈I

˜

ρ(u, v)dudv = P[

S

T

∈I ] = P[tO

X

Y

∈I ] =

tO x

y

∈I

ρ2(x)ρ5(y)dxdy =

u v

∈I

e(12(u+v))2/4e(12(u−v))2/10 ||O|| dudv 2π√

10 =

u v

∈I

e401(7u2+6uv+7v2) dudv 2π√

10.

よってρ(u, v) =˜ 1 2π√

10e401(7u2+6uv+7v2).

v)期待値の線形性と,独立確率変数の分散の加法性から E[Z] =m1+· · ·+mn,V[Z ] =v1+· · ·+vn

Referensi

Dokumen terkait

き、 その報告は、 「ふたたび戒めタローを食っ・・・・ た」 ことの報告として聞くことができるだろう。 「戒めタロー」 ということ自体が 「笑うべき」 ことであるとき 初めて、 Bが 「戒めタロー」 の話を持ち出したとき、 AとCは大爆笑した、 「またもや戒めタロー」 であることは、 それ自 体は 「びっくりした」 こととは聞けないにして も

たとえば,2個のさいころの目の数の和が2にな る場合と3になる場合では,起こりやすさが異なる。 じゅんさんの考えでは,それらの起こりやすさが同 じ,つまり,同様に確からしいとみなしているとこ ろに誤りがある。 なお,2個のさいころの目の数の和が偶数になる 確率は,次のように求めることができる。 2個のさいころをそれぞれ A,B と区別し,起こ

V をK上のベクトル空間とする.以下の問に答えよ. i o′ ∈V は,どんなx∈V に対してもo′+x=xをみたすとする.このとき,o′ =oとな ることを示せ(すなわちベクトル空間V に対して,零ベクトルはただ1つである). 解答.. ii x∈V とする.また,y∈V はx+y=oをみたすとする.このとき,y=−x となるこ とを示せ(すなわちx∈V

2.2 いわゆる Green の定理 Gaussの定理, Greenの定理は、定理に現れる用語の説明が少し面倒であるが、とりあえず “飛ばして” 定理を一応書いておく。 定理 2.1 Gauss の発散定理 Ωを R3 の有界領域、S=∂Ω は有限個のC1 級正則曲面 からなるとするとき、Ω の近傍で定義された C1 級のベクトル場f に対して ZZZ

共分散、相関 共分散:2つの変数が似たような動きをするかどうかを示す.同じ方向に 動くときに正の値. σXY ≡covX,Y =E[X−µXY −µY] 2.24 相関係数:共分散の単位をそろえたもの.ゼロであるとき,2つの確率変 数は「無相関である」という 「独立」ならば「無相関」 corrX,Y≡ covX,Y √varXvarY = σXY σXσY

1[1996 東京大]まさか、東大でこれが出題されるとは を正の整数とし, 個のボールを つの箱に分けて入れる問題を考える.ただし, 個のボールも入らない箱があってもよいものとする.次に述べる つの場合につい て,それぞれ相異なる入れ方の総数を求めたい. から まで異なる番号のついた 個のボールを, , , と区別された つの

ここで, Ωの武内1擬凸性 とは, Mの定義函数ρが存在し, 皆既函数φ:=−log−ρに対して, i∂∂φ ≥ω ωはX のHermite計量がΩ上, あるコンパクト集合を除いて成立することをいう.. 問題と主結果 C3級Levi平坦境界M の領域Ωにおいて, 武内1擬凸な境界距離δが与えられた時,

距離空間の定義に表れるSは集合としか指定していないので,例えば以下のような例 も考えられる: Snoda ={東武野田線の駅全体} dnodax, y =(駅xから駅yへ電車で移動したときの駅数) (例:駅xの隣の駅までの距離は1,さらにその次の駅までの距離は2) このように定義するとdnodaはSnoda上の距離関数となり,したがってSnoda,