高校入試模擬テスト 第3回 1 / 3
1 ⑴ 地震が起こるとき,最初に起こる小さなゆれを初期微動,次に 起こる大きなゆれを主要動という(資料1)。初期微動は主要動よ りも速く伝わるので,図1の左側の直線が初期微動,右側の直線 が主要動の伝わる速さを表すグラフである(資料2)。したがって,
初期微動の伝わる速さは 100÷20=5(㎞/s)となる。
⑵ 初期微動継続時間は震源からの距離にほぼ比例する。100 ㎞地 点での初期微動継続時間が 60 秒であることから,初期微動継続 時間が 48 秒の地点の震源からの距離は,100×48
60=80(㎞)となる。
⑶ 地震計でP波を感知するのは地震発生から10
5=2(秒)後で,
緊急地震速報が発令されるのがその1秒後,60 ㎞地点に主要動 が到達するのはグラフより 48 秒後だとわかるから,
48-(2+1)=45(秒)後である。
⑷ 海底を震源とする地震が起こったときに,海水面が変化して大 きな波が発生する現象を津波という。
2 ⑴ 水の温度による溶解度の差が大きい硝酸カリウムやミョウバ ンでは,固体を高い温度の水に溶かしたあと,温度を下げて結晶 をとり出すことができる。なお,水分を蒸発させて結晶を取り出 す方法も再結晶である。
⑵ 60℃と 20℃での溶解度の差が最も大きいのは硝酸カリウムで ある。このように溶解度の差が最も大きい物質を見つけるときに は,グラフの 20℃と 60℃のところに線を引き,100gの水に溶け る物質の質量を調べるとよい(資料3)。
⑶ 実験2では,水 50gを加えたが,図1のグラフが水 100gに 溶ける物質の質量を表しているので,硝酸カリウムの質量を2倍 にし,水 100gに溶ける硝酸カリウムの質量を考える。図1より,
硝酸カリウムが 60×2=120(g)溶ける温度は約 65℃だとわか るので,エが正答となる。
⑷ ろ過によって,液体に溶けずに混ざっている固体を分けること ができる。なお,ろ過を行うときには,ガラス棒を使ってろうと に液を流し入れること,ろうとの先のとがった方をビーカーの壁 につけることを覚えておこう(資料4)。
資料4
超 ナ ビ
スーパー
資料1
初期微動 主要動
初 期 微動 継続時間
資料2
初期微動 主要動
48 秒
出てくる硝酸カリウム の結晶の質量
資料3
塩化 ナトリウム ミョウバン 硝酸カリウム
高校入試模擬テスト 第3回 2 / 3
3 ⑴ Aは血小板,Bは白血球,Cは血しょう,Dは赤血球である。
赤血球は中央がくぼんだ円盤形をしており,白血球はこれらの血 液の成分の中で最も大きく,血小板は小さくて不規則な形をして おり,血しょうは液体成分である(資料5)。
⑵ 赤血球はからだ全体に酸素を運ぶはたらき,白血球は体内に入 ってきた細菌を分解するはたらき,血しょうは養分や二酸化炭素 などの不要物を運ぶはたらきをもつ。
⑶ ア.養分は小腸で吸収されて肝臓へ運ばれるので,小腸から肝 臓へ運ばれる血液が流れる血管(f)は最も多くの養分をふくん でいる。イ.酸素は肺で血液中に取り込まれるので,肺を通っ た後の血液が流れる血管(b)は最も多くの酸素をふくんでいる。
なお,じん臓を通った後の血液が流れる血管(h)は尿素が最も 少なく,肺を通る前の血液が流れる血管(a)は二酸化炭素が最 も多く,酸素が最も少ない(資料6)。この資料6のような図を使 った問題はよく出題され,その中で最も問われやすいのが小腸 から肝臓へ向かう血液に養分が最も多くふくまれていること,
次に問われやすいのが,じん臓を通ったあとの血液に尿素が最 も少ないことである。小腸から肝臓へ向かう血液が流れる血管は,
特徴的なつながり方をしているので,たとえ肝臓,小腸などの器 官名がかかれていなかったとしても,養分が最も多くふくまれて いる血液が流れる血管を見つけられるようにしておこう。
⑷ 心臓→肺→心臓という血液の流れを肺循環,心臓→肺以外のか らだの各部分→心臓という血液の流れを体循環という。なお,心 臓の部屋は4つに分かれており,からだの各部分を流れてきた血 液(静脈血)は右心房に入り,右心室から肺動脈を通って肺へ送ら れる。肺で気体の交換が行われたあとの酸素を多くふくむ血液 (動脈血)は,肺静脈を通って心臓の左心房へ入り,左心室から全 身へ送られる。全身へ血液を送り出す左心室の壁は最も厚くなっ ている(資料7)。また,肺動脈には静脈血,肺静脈には動脈血が 流れているので,間違えないように覚えよう。
⑸ 弁は静脈の他,心臓にも見られるつくりである。動脈は心臓か ら押し出される血液の圧力にたえられるように,壁が厚くなって いる。一方静脈は,血液の圧力が小さいので,ところどころに血 液の逆流を防ぐための弁がついている。
資料6
血小板
赤血球
血しょう
白血球
酸素が最も少な く,二酸化炭素 が最も多い血液
酸素が最も多く,
二酸化炭素が最も 少ない血液
養分が最も 尿素が最も 多い血液
少ない血液
資料7
※赤字は動脈血,青字は静脈血が流れる。
超 ナ ビ
スーパー
大静脈
大動脈 肺動脈
右心 房
左心房
左心室
肺静脈
右心室
資料5
高校入試模擬テスト 第3回 3 / 3
4 ⑴ 電流計は測定したい部分に直列に,電圧計は並列に接続する。
また,電源装置の+極からの導線を電流計と電圧計の+端子に,
-極からの導線を電流計と電圧計の-端子に接続する。なお,
この問題では問われていないが,測定値が予想できないときは,
最も大きい-端子(電流計は5A,電圧計は 300V)につなぐこ とも覚えておこう(資料8)。
⑵ 表より,電圧の値は最大で 10.0V,電流の値は最大で 500 ㎃ (0.5A)だとわかる。変化させる値を横軸にするので,横軸が電 圧,縦軸が電流で,電流の最大目盛りが 0.5Aになっているオが 正答となる。このように6つの選択肢が似ていて選びにくい問題 では,すべての選択肢を見た上で正答を選ぶようにしよう。
⑶ 電流と発熱についての問題で使う公式を使いこなせるように しておこう(資料9)。回路全体を流れる電流の値を求め,回路 全体の電流と電源電圧の値から電力を求める。電熱線Aと電熱 線Bを並列につないだので,それぞれの電熱線にかかる電圧は 電源電圧と等しく 6.0Vである。したがって,表より,電熱線 Aを流れる電流は 200mA(0.2A),電熱線Bを流れる電流は 300mA(0.3A)となり,回路全体の電流はそれぞれの電熱線を流 れる電流の和の 0.2+0.3=0.5(A)となる(資料 10)。
〔電力(W)=電流(A)×電圧(V)〕より,0.5×6.0=3.0(W) となる。なお,2つの電熱線を直列につなぐと,それぞれの電 熱線にかかる電圧の和は電源電圧になり,それぞれの電熱線に 流れる電流は回路全体の電流と等しい(資料 11)。
⑷ 図3より,7分間での水の温度上昇は 10℃だとわかるので,
〔水が得た熱量(J)=4.2×水の質量(g)×上昇温度(℃)〕より,
4.2×60×10=2520(J)となる。
⑸ 〔電力(W)=熱量(J)÷時間(s)〕より,Cの電力は
2520(J)÷420(s)=6.0(W)となる。電圧は 6.0Vだから,電流 は 6.0(W)÷6.0(V)=1.0(A),〔抵抗(Ω)=電圧(V)
電流(A)〕より,
抵抗は6.0
1.0=6.0(Ω)となる。なお,電熱線で発生する熱がすべ て水の上昇温度に使われるとき,⑷で求めた水が得た熱量と⑸ で使った電熱線で発生した熱量は等しくなるが,電熱線で発生 する熱の一部が空気中などに逃げるときには,水が得た熱量は 電熱線で発生した熱量よりも小さくなる。
資料8
資料9
求めるもの 公式 電流(A) 電圧(V)÷抵抗(Ω) 電圧(V) 電流(A)×抵抗(Ω) 抵抗(Ω) 電圧(V)÷電流(A) 電力(W) 電流(A)×電圧(V)
発熱量(J)
電力(W)×時間(s) 4.2×水の質量(g)
×上昇温度(℃)
〔電熱線(30Ω と 20Ω)が並列つなぎの回路〕
資料 10
6V 6V 6V
0.5A 0.3A 0.2A
R₁
R₂
〔電熱線(30Ωと 20Ω)が直列つなぎの回路〕
資料 11
超 ナ ビ
スーパー
R₁の電流+R₂の電流=回路全体の電流 R₁の電圧=R₂の電圧=電源電圧
R₁の電流=R₂の電流=回路全体の電流 R₁の電圧+R₂の電圧=電源電圧
電圧計
6V 2.4V 3.6V
0.12A 0.12 A R₁ R₂ 0.12A
電流計 最も大きい-端子