高校入試模擬テスト 第6回 1 / 3
1 ⑴ 塩化銅(CuCl₂)は,水中で〔CuCl₂→Cu²⁺+2Cl⁻〕のように 電離している。
⑵⑶ 塩化銅水溶液に電流を流すと,陽極では,Cl⁻が電子を電極 に渡して2個くっついて,気体の塩素(Cl₂)として発生する。塩 素は漂白作用のある黄緑色の気体である。また,陰極では,Cu²⁺
が電子を2個受け取って金属の銅(Cu)として,炭素電極に付着 する(資料1) 〔CuCl₂→Cu+Cl₂〕。このように,電離している 水溶液に電流を流すと,物質を分けることができる。このよう な化学変化を電気分解という。電気分解で分けることができる 物質と,発生する物質の電極を覚えておこう(資料2)。なお,水 溶液が酸性を示し石灰水を白くにごらせる気体は二酸化炭素,
水溶液がアルカリ性を示し肥料の原料として利用される気体は アンモニア,水溶液が塩酸になるのは塩化水素である。
⑷ 解答例の他に,引っぱると伸びる,電気を通しやすい,熱を 伝えやすいなどがある。磁石につきやすいことは鉄,コバルト,
ニッケルなどのわずかな金属だけの性質で,金属に特有の性質 ではないので注意しよう。
⑸ 原子核には+の電気をもった陽子があり,原子核のまわりに は-の電気をもった電子が回っている。陽子と電子の数が等し いことで電気的に中性になっている。電子が増減することによ って,原子が電気を帯びてイオンになる。銅原子は電子を2個 失って陽イオンになるので,銅イオン(Cu²⁺)のもつ電子の数は 29-2=27(個)となる。なお,原子核は+の電気をもった陽子 と電気をもっていない中性子からできている。(資料3)。
+極へ
Cl
超 ナ ビ
スーパー
資料2
電流を流す水溶液 陽極 陰極 水酸化ナトリウム
水溶液 酸素 水素 塩酸 塩素 水素 塩化銅水溶液 塩素 銅
資料1
-極へ
Cl Cl
Cu --
Cl
-
Cu
-
銅原子
銅イオン
塩素分子 発生
塩化物 イオン 電子を2個
受け取る
電子を1個 渡す
塩素 原子
資料3
+
+
-
-
原子核
陽子 中性子 原子
電子
高校入試模擬テスト 第6回 2 / 3
焦点
焦点 反対側の焦点 を通る光を作 図する。
2本の光を反対側 に伸ばすと,交点に 虚像が見える。
凸レンズの中 心を通る光を 作図する。
2 ⑴⑵ スクリーン上にできる像は,上下(左右)が逆向きの実像であ る。実像は光源を凸レンズに近づけるほど長く(大きく)なり,光 源を凸レンズから遠ざけるほど短く(小さく)なる。なお,光源を 焦点距離の2倍の位置に置いたとき,実像は反対側の焦点距離の 2倍の位置にでき,光源を焦点に置いたときには実像は見えない。
光源が焦点距離の2倍の位置と比べて凸レンズに近い位置にあ るのか凸レンズから遠い位置にあるのかを調べることで,実際の 光源よりも大きい像ができるか小さい像ができるかを知ること ができる(資料4)。
⑶ 光源が,凸レンズの焦点距離よりも近い位置にあると,スク リーン上に実像はできず,凸レンズの反対側から見たときに拡 大された上下(左右)が同じ向きの像が見える。このような像を 虚像という。虚像を作図できるようにしておこう(資料5)。
⑷ 凸レンズを通った光は,鏡で反射して,スクリーンと反対向 きに鏡とスクリーンの距離と同じだけ進んで1点に集まる。実 験2のとき,表よりスクリーンと凸レンズの距離は 45.0 ㎝にな ることがわかるので,鏡を凸レンズから 37.0 ㎝離して置くと,
鏡で反射した光は 45.0-37.0=8.0(㎝)進んで1点に集まる。し たがって,シートと凸レンズの距離は 37.0-8.0=29.0(㎝)とな る。この問題は凸レンズによる光の屈折と鏡による光の反射を 両方理解していないと解けない難問だが,凸レンズによる光の 屈折の基本と,鏡による光の反射の基本が理解できていれば,
それらを組み合わせて解ける問題である(資料6)。
3 ⑴ 風化によって表面からぼろぼろにくずれた岩石は,侵食によっ てけずり取られ,運搬によって川の下流へ運ばれ,堆積によって 海底に積もり,長い年月を経て再び岩石となる。
焦点 焦点
凸レンズ
資料5 資料4
同じ大きさ の実像
光軸 光源
光源 大きい実像
超 ナ ビ
光源
スーパー
小さい実像
鏡
資料6
シート
赤い光と青い光が鏡で反射した あとに交わる点で像が結ばれる。
8㎝
スクリーン 8㎝
45 ㎝ 37 ㎝
高校入試模擬テスト 第6回 3 / 3
⑵ 土地(海水面)の変化を考えるときは,堆積する粒の大きさがどの ように変化しているかに着目する。地層は下にいくほど古いので,
この地層では堆積する粒の大きさが次第に小さくなっていったこ とがわかる。河口から海底に土砂の粒が堆積するとき,大きい粒ほ どはやく沈むため河口近くに堆積し,小さい粒ほど遠くまで運ばれ るため沖に堆積する。以上のことから,図1の地層が堆積した土地 は河口から遠ざかっていったことがわかる。地層の重なり方から海 水面の変化を考えられるようにしておこう(資料7)。
⑶ 観察2でセキエイやチョウ石などの無色鉱物が多く含まれて おり,問題文よりこの火成岩は斑状組織をもつことがわかるの で,流紋岩だとわかる(資料8)。
⑷ それぞれの地点で,火山灰の層の上面の地表からの深さを標 高から引いて求める。aの標高は 30mで,地表から火山灰の層 の上面までの深さが4mなので,火山灰の層の上面の標高は 30-4=26(m)である。以下同様に,bでは 35-7=28(m),
cでは 37-8=29(m),dでは 40-9=31(m)となる。なお,こ の作図によって,この地域の地層が西に向かって低くなるよう に傾いていることがわかる。
4 ⑴ 植物は,光合成によって養分を作り出すことができるので生産 者と呼ばれる。一方,動物は自分で養分を作り出すことはできず,
他の生物からとり入れなければならないので消費者と呼ばれる。
消費者の中でも,生産者である植物を食べて養分を取り入れるも のを草食動物,草食動物を食べて養分を取り入れるものを肉食動 物という。
⑵ ある生物の数量が減少すると,ある生物を食べる生物の数は 減少し,食べられる生物の数は増加する。なお,増加した生物 はやがてえさ不足におちいって減少し,そのかわりに減少した 生物が増加することで,もとのバランスが保たれる(資料9)。
⑶ 菌類や細菌類がデンプンを分解することを確認する実験であ るため,ヨウ素液を使用する。
⑷ 菌類や細菌類などの他に,土の中の小さな生物も分解者にふ くまれる。
資料9
超 ナ ビ
スーパー
岩石の色 黒っぽい 白っぽい マグマの
ねばりけ 小さい 大きい 火山岩
(斑状組織) 玄武岩 安山岩 流紋岩 深成岩
(等粒状組織) 斑れい岩 せん緑岩 花こう岩 無色鉱物と
有色鉱物の 割合
無色鉱物
資料8
有色鉱物など
資料7
下かられき,砂,泥の順に重なって いる地層で考える。れきは河口付 近,砂は浅い海,泥は深い海に堆積 するので,この地層が堆積した場所 は,河口付近→浅い海→深い海の順 に変化し,海水面が上昇していった
30
れきの層 砂の層
深 い 海で 堆積した 泥の層
浅い海で 堆積した 河口付近で 堆積した 新
古 海 水 面 上 昇
昆虫の数 が減少 する。
生物間のバランスが保たれていたと ころに,突然昆虫の数が減少した。
小形の鳥
昆虫 植物
小形の鳥 の数が減 少する。
昆虫に食べられる植物が増加し,昆虫をえさ とする小形の鳥が減少する。
昆 虫 の 数 が 増 加する。
植物の数 が減少す る。
小形の鳥の数 が増加する。
やがてもとのバランスに戻る。
昆虫 植物
小形の鳥 昆虫 植物
小形の鳥 植 物 の 数
が 増 加 す る。