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ヘム鉄 (11) の酸化と酸素化の機構

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Academic year: 2025

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[月例卓話]

ヘム鉄 (11) の酸化と酸素化の機構*

ー超伝導機構解明への期待一

化学は電子の力学である 。私は電子 を 波動として捉え、原子や分子に存在して いる電子は定常波であり、他の原子や分 子に移る時には進行波として移動すると 考えた 。題記の「酸化」も「酸素化」も 広い意味では酸化であるから、この酸化 還元の概念を電子移動・ 電荷移動・電荷 分離に分類した。

(A) 電子移動とは電子のネットチャー ジが移動する 事(不可逆)

(B) 電荷移動は電子のパーシャルチャ ージが移る事(可逆)

(C) 電荷分離は分子内の電子移動、原 子の相対位置は変わらない(不可 逆)

と定義する事を提案したい。そして題記 の酸化は電子移動が起こる 事でF心と02・

となる 。ヘム鉄が3価になると酸素吸脱 着 の能力は無くなる 。酸素化では電荷移 動はあるが、電子移動は起こらず Fe (II) 3+̲02 5・ となっている 。 しかしヘム 鉄は本質的に 2価であって吸脱着の能力 は失われない。 この機構はアスコルビン 酸から金属錯体への電子移動機構の研究 の結果から婦納された次の仮説によって 説明できる 。

電子移動反応において

( 1) 電子供与軌道、受容軌道の何れも

*第4 9 回京化クラプ例会 〔1994.07.02〕講演

** 島根大学元教授、本誌編集委員

山本康夫**

節面を持つ軌道でなければならな (2) ローブの形はこの節面に関し面対

し°

称でなければならない 。 (3) 両節面が共面である。

以上の3条件が全部充たされた時のみ電 子移動が起こる 。

ミオグロビン ( M b ) の 酸 素 化 物 (M b 0 2) においては、 0 2の電子受容軌 道 がE7Hisの水素結合の為、条件 (2) が 充たされず、慮 子 移動は起こらない。

M bの 代 表 的 な モ デ ル 錯 体 と し て 、 ピ ケットフェンスポルフィリン (PF) があ るが、逆にこれの酸素化物 (PF02) では 02の電子受容軌道と鉄の電子供与軌道の 節面は共面から約45度ずれていて、上記 の条件 (3) を充たさないので電子移動 は起こらず安定である 。 これらは実験的 に証明されただけでなく、この 実験は更 に当時の"酸 素化が安定である為には疎 水的雰囲気が必要である"と広う定説を

も覆した。 (次頁注記)

この酸素化機構は曖昧なままでプーム は薄れ、ポルフィリン化学者達の関心は 別な方に移 って しまった。現在プームに なっている研究の一つは超伝導物質の開 発であるが、 最近非伝導物質である筈の 金属酸化物が闇温超伝導物として報告 さ

(42)   海 洋 化 学 研 究 第7巻第2号 平 成610

(2)

れている 。 この事実 も前記仮説で説明出 来る 。酸素 と金属の結合は共有性が強い ので金属原子 の 回転 を止める事が出来 る。更 に化合物中での金屈原子の振動を 止めて金属原子の軌道、特にd軌道の節 面が連続して共面になるように設計され た化合物では電子移動が容易になる 。原 子の回転を止めるのには非常に低い温度 が必要であるが、振動を1上めるにはそれ より 高温でもよい。 N M R測定に見られる 様に、ベンゼンの六個の炭素原子の各r 電子の節面がしつかりと共面になってい

る場合は、 室温でも、磁場の中で渦電流 が生じる 事 を思い出して頂きたい。 この 様にl‑.記仮説は超伝導機構解明にも適用

できると期待される 。それでこの要旨に は、この事 を副題として書 き加えた 。

(註) このペーパーは 当時の定説に抵 触し、非常識と受け取られたので受理さ れなかったが、 電子移動経路仮説は A. E. Martell  &  D. T .  Sawyer "Oxygen Complexes and Oxygen Activation by  Transition Metals", p. 329,  I  988 Plenum  Press,  N e w  York. に次のように掲載され ている。すなわち、 「電子移動過程に対

する Y. Yamamoto の仮説に従うと、鉄

(ll) ポルフィリンの酸化と酸素化の機 構ははっきり 区別されることになる 。」

本財団は、近畿化学協会と共催して、 「キンカ 京都化学者 クラプ」の活動を 進めています。この京都サロンは毎月第1土曜日(正月に限って第2土曜

日)、京都大学楽友会館にて、 11 :00  13:30に催します。 どなたでも、下記 にご連絡の 上、ご参加下 さい。会費 は1,200円(昼食費)です。

連絡先:〒543 大阪市天王寺区舟橋町3‑1

(財)海洋化学研 究 所 大 阪 分室 TEL: 06‑762‑5317  F A X :  06‑764‑7040 

尚、卓話の題目と演者は、ご希望によりはがきにて予めお知らせすることが できます(年間通信費1,000円) 。卓話の要旨 は〔月例卓話〕として順次本 誌に掲載します。

TransacUona̲ of The search Intitute̲ of  (43)  Oceanochemlatry Vol. 7, No. 2, Oct. 1 9 9 4  

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生命起原物質の非生物学的合成に関する研究において、最近、硫化水素の関与とその 化学的役割が興味深く議論されました。ここに下記2件の論文を全文複写して掲載

し、本財団研究協力員皆様の閲覧に供します。論文の著者並びにエルセビア出版社か らの再録許可に対して、謝意を表します。

(海洋化学研究誌編集部)

T w o  articles cited below were initially printed in  Marine Chemistry by ELSEVIER SCI‑

E N C E  B. V., the Netherlands, and are here reproduced under the permission by both  authors and publisher. W e  are quite appreciative for the permission, hoping the members  of the RIOC would enjoy the stimulative discussions on the participation and the chemical  role of hydrogen sulfide in  the non‑biotic production of amino acids in  anoxic aqueous  environment. 

‑RIOC Editorial Board ‑

" N o n  ‑ biotic Synthesis of Organic Polymers o n  H 2 S  ‑ rich S e a  ‑ floor: A   Possible Reaction in the Origin of Life", b y  T. Kimoto a n d  T. Fujinaga,  Marine Chemistry, 

30, 179‑192 (1990). 

a n  A m i n o  Acids B e  Synthesized b y  H 2 S  in Anoxic Lakes?", b y  

W.  J. 

Cole, M .  Kaschke, 

J.  A. 

Sherringham, 

G. 

B. Curry, D. Turner a n d  M .  

J. 

Russell,  Marine Chemistry, 

45, 243, ‑256 (1994). 

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