化学 I
第2章
原子の電子構造と元素の周期律(8)
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補講の予定
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授業計画
1
回 物質観の進歩と自然科学の 発展2
回 原子の電子構造-電子,陽子,原子量-
3
回 水素原子の電子スペクトル4
回Bohr
の水素原子模型5
回 物質の波動性6
回 量子数7
回 原子の電子配置と周期律表8
回 化学結合―
イオン結合―
9
回 化学結合―
共有結合― 10
回 化学結合―
分子軌道法― 11
回 分子の構造―
共有結合の方向性― 12
回 配位結合13
回 金属結合,多重結合14
回 水素結合15
回 期末試験授業計画
1
回 物質観の進歩と自然科学の 発展2
回 原子の電子構造-電子,陽子,原子量-
3
回 水素原子の電子スペクトル4
回Bohr
の水素原子模型5
回 物質の波動性6
回 量子数7
回 原子の電子配置と周期律表8
回 化学結合―
イオン結合―
9
回 化学結合―
共有結合― 10
回 化学結合―
分子軌道法― 11
回 分子の構造―
共有結合の方向性― 12
回 配位結合13
回 金属結合,多重結合14
回 水素結合15
回 期末試験電子配置(その1)
○ 軌道:電子の入れ物
軌道に電子をつめてゆくこと
→
電子配置最もエネルギーが低くなるように電子を詰めた電子 配置(つめ方)
→
基底状態(ground state)
それ以外のエネルギーの高い配置(つめ方)
→
励起状態(excitation state)
電子配置(その2)
○ 基底状態の原子内の電子配置の仕方
→
ただ一つ① 電子はエネルギー準位の低い軌道から順番に 入ってゆく。
② 電子はスピン(
↑
,↓
)ができるだけ平行になるよ うに軌道に入る。(フントの法則)
③ 同一原子内には4種類の量子数がまったく同じ である電子は存在しない。
(パウリの排他原理)
基底状態の電子配置と表記法
元素
1s 2s 2p
記号1
H (1s)
12
He (1s)
23
Li (1s)
2(2s)
14
Be (1s)
2(2s)
25
B (1s)
2(2s)
2(2p)
16
C (1s)
2(2s)
2(2p)
27
N (1s)
2(2s)
2(2p)
38
O (1s)
2(2s)
2(2p)
49
F (1s)
2(2s)
2(2p)
510
Ne (1s)
2(2s)
2(2p)
62.10 元素周期律の発見
18
世紀以降 多数の元素が発見⇒ 19
世紀に入って、元素を分類する試み1810
年Berzelius
元素を電気的に陽性のものと陰性のもの とに分類1817
年Döbereiner
三つ組元素を提唱Li Na K Cl Br I Fe Co Ni 7 23 39 36 80 127 56 59 59 1862
年de Chancourtois
1863
年Newlands
元素を原子量の順番に並べると周期的 に性質の似た元素が並ぶことを指摘メンデレーエフ
1869
年 メンデレーエフ(ロシア)•
当時発見されていた63
種類の元素を原子量の順 に並べると、元素の性質が系統的かつ周期的に変 化することを見いだした。•
表の中で欠けている元素の存在を予言し、性質を 予想。•
後に、メンデレーエフが予言した元素が発見された ことによって、周期表の評価が高まった。当時はまだ原子、電子、電子軌道などという概念なし。
⇒
どのような周期性が現れるのであろうか?Mendeleev の周期表
Reihen
Gruppe 1 – R2O
Gruppe 2 – RO
Gruppe 3 – R2O3
Gruppe 4 RH4 RO2
Gruppe 5 RH3 R2O5
Gruppe 6 RH2 RO3
Gruppe 7 RH R2O7
Gruppe 8 – RO4
1 H=1
2 Li=7 Be=9.4 B=11 C=12 N=14 O=16 F=19
3 Na=23 Mg=24 Al=27.3 Si=28 P=31 S=32 Cl=35.5
4 K=39 Ca=40 – = 44 Ti=48 V=51 Cr=52 Mn=55 Fe=56 Co=59 Ni=59 Cu=63 5 (Cu=63) Zn=65 – = 68 – = 72 As=75 Se=78 Br=80
6 Rb=85 Sr=87 ?Yt=88 Zr=90 Nb=94 Mo=96 – = 100 Ru=104 Rh=104 Pd=106 Ag=108 7 (Ag=108) Cd=112 In=113 Sn=118 Sb=122 Te=125 J=127
8 Cs=133 Ba=137 ?Di=138
9 (–) – – – – – – – – – –
10 – – ?Er=178 ?La=180 Ta=182 W=184 – Os=195 Ir=197
Pt=198 Au=199
11 (Au=199) Hg=200 Tl=204 Pb=207 Bi=208 – –
12 – – – Th=231 – U=240 – – – – –
メンデレーエフの予言と発見された元素の比較
元素の性質 メンデレーエフの予言
(エカシリコン)
実際に発見された
ゲルマニウムの価 差
原子量
72 72.59 0.59
原子価
4
4 的中密度
(g/cm
3) 5.5 5.23 0.27
色 灰色 灰色 的中
融点
( ℃ )
高い937.4
ほぼ的中酸化物
RO
2GeO
2 的中塩化物
RCl
4GeCl
4 的中塩化物の融点
( ℃ ) 90 84 6
授業計画
1
回 物質観の進歩と自然科学の 発展2
回 原子の電子構造-電子,陽子,原子量-
3
回 水素原子の電子スペクトル4
回Bohr
の水素原子模型5
回 物質の波動性6
回 量子数7
回 原子の電子配置と周期律表8
回 化学結合―
イオン結合―
9
回 化学結合―
共有結合― 10
回 化学結合―
分子軌道法― 11
回 分子の構造―
共有結合の方向性― 12
回 配位結合13
回 金属結合,多重結合14
回 水素結合15
回 期末試験陰極線(電子線)による X 線の発生
2.11 Moseley の法則
各系列に特有な定数
原子番号 対陰極に用いた元素の
Z
線の波数 特性
: b a,
:
X
~ :
~
a Z b
元素の性質が“原子番号”によって 特徴づけられることを示した.
2.12 最外殻電子と現代の周期表
現代の周期表
•
元素を原子番号の順に配列•
電子配列に基づいて分族長周期型:18の周期を基準とする 縦の列が族である
短周期型:8の周期を基準にする
各族が
A,B
の二つの亜族に分けられる元素の周期表
sブロック pブロック
d
ブロックf
ブロック元素の周期性(縦の関係と横の関係)
•
縦の関係(典型元素の場合)原子の中の電子はエネルギーの低い軌道から順 番に入っていくが、そのときに周期表(原子番号順に 並べた)の配列に対応して類似した電子配置をとる。
そのため、化学的性質が類似した元素が周期的に現 れる。
•
横の関係(遷移元素および希土類の場合)最外殻電子数に変化は少なく、内側の
d
軌道やf
軌 道が充填されてゆくので(化学的性質は)横に並んだ 元素と互いに類似する。金属・非金属性の周期性
•
周期表の右上の元素ほど非金属性が強く、左下の元素ほど、金属性が強い(
p
ブロック)•
遷移元素は全て金属元素で、左、右、両隣り の元素の性質が似ているイオン化エネルギーの周期性
イオン化エネルギー:
電子を軌道から取り去って陽イオンになるための エネルギ-
電子親和力の周期性
電子親和力:
中性の原子が電子を受け取って陰イオンになるとき に放出するエネルギー
原子半径の周期性
同一周期では1族の元素 が最も大きな原子半径を 持ち(右側に行くに従い減 少し)
17
族の元素が最も 小さい原子半径を持つ。(理由:同一周期では、最外殻電子が増加するにつれて、
電子と原子核との間の引力が強くなるため。)