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世界初の迷路磁区を使った磁気光学Qスイッチレーザー

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Academic year: 2024

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       国立大学法人豊橋技術科学大学

Press Release 

平成28年7月29日 

  豊橋技術科学大学電気・電子情報工学系の後藤太一助教、自然科学研究機構分子科学研 究所、アイオワ州立大学の研究者らのグループは、共同で磁場と光の相互作用である磁気 光学効果を発現する膜を用いた、集積化可能な Q スイッチレーザーの開発に世界で初めて 成功しました。本成果は小型高出力レーザーの発展に寄与するものです。 

   

 

<研究経緯・研究組織・研究内容・今後の展開> 

  高出力、高繰り返し、高安定な小型レーザーは、日々の製造プロセスを、よりシンプルで、

低コスト、スピーディーなものに変えうると期待されています。ドイツでは、製造現場のデ ジタル化(高度情報化)がもたらす製造業の変革をインダストリー4.0 と名付けられ、全工 程の制御自動化が一つのキーポイントとなってきており、レーザー加工はこれに大きく寄与 しうるものです。小型高出力レーザーの適用先は、これにとどまらず、自動車エンジンの点 火プラグや、宇宙開発用スラスターシステムでの利用など多岐に渡ります。 

 

しかし、これまで、レーザーが出るタイミングや、繰り返し回数などが、制御可能で集積 化可能な固体レーザー向けの Q スイッチ素子は無く、開発が切望されていました。制御可能 な Q スイッチ素子は、電気光学素子や音響光学素子が広く知られていましたが、光学素子の 付属が必要であったり、分厚い結晶を用いる必要があったりと、原理的に mm 以下の小型化 が不可能でした。更にどちらも複雑かつ大型の制御電源が必須であり、小型レーザー本体の コンセプトにそぐわないものでした。 

 

豊橋技術科学大学電気・電子情報工学系の後藤太一助教、自然科学研究機構分子科学研究 所、アイオワ州立大学の研究者らのグループは、迷路状の磁気ドメインをもつ厚さ 190 マイ クロメートル(マイクロは 100 万分の1)の透明磁性材料を用いて、初めて、膜の Q スイッ チの開発に成功しました。磁気ドメインとは、磁石の N 極と S 極が膜の面の中に、ランダム に点在することによって生じるもので、磁気のまだら模様と言い表すことができます。実験

世界初の迷路磁区を使った磁気光学 Q スイッチレーザー 

-新原理に基づいた国産 Q スイッチレーザーの発想から実証まで-

 

図1:数十ワットのレーザー尖頭値、40ナノ秒のパルス幅を、ドメイン制御型の磁気光学Qスイッチで実証。

(2)

では、高速磁気パルスを、透明磁石材料に印加し、パルス幅 45 ナノ秒(ナノは 10 億分の1)、 ピーク値約 20 ワットの、Q スイッチレーザーの取得に成功しました。世界で初めての、集 積化可能な磁石材料を使った初めての Q スイッチレーザーの結果報告となります。 

 

さらに、磁性体の強みを活かし、小型永久磁石を、透明磁石材料の近くに設置することで、

レーザーパルス発生に必要な電流を、7 分の1にまで、低減できることを実験によって示し、

チップに収まる程度の小型の制御回路で、同機能が実現できることも示しました。本成果は 小型高出力レーザーの発展に大きく寄与することが期待されます。 

 

           

       

ファンディングエージェンシー: 

○ 日本学術振興会 科研費 26706009, 26600043, 26220902, 25820124, 15H02240 

○ 国立研究開発法人  科学技術振興機構 さきがけ   

論文情報: 

T. Goto, R. Morimoto, J. W. Pritchard, M. Mina, H. Takagi, Y. Nakamura, P. B. Lim,  T. Taira, and M. Inoue, (2016)."Magneto-optical Q-switching using magnetic garnet film  with  micromagnetic  domains,"  Opt.  Express,  24,  (16),  17635-17643.  DOI: 

10.1364/OE.24.017635. 

 

本件に関する連絡先 

担当:電気・電子情報工学系助教  後藤太一  TEL:0532-44-6991  広報担当:総務課広報係  高柳・梅藤  TEL:0532-44-6506 

図2:磁場制御によって制御される迷路状磁気ドメイ ンと透過光の変化の様子。磁場を印加することで、大 きく、かつ、急峻なレーザーパワーの変化を実現でき る。

図3:磁気光学Qスイッチレーザーを操作する研究者等 の様子。左:森本凌平 博士後期課程生、右:後藤太一助

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