2011年度 上智大学 経済学部経営学科 網倉ゼミナール 卒業論文
人に好かれる人と顧客に好かれる企業
A0842443 岩渕 聖平
2012年1月15日提出
はじめに はじめに はじめに はじめに
本論文は、私自身が人とのかかわりが好きで、どういったコミュニケーションをとればより人に興味をも たれるか、相手を満足させる対人関係を築けるかということに疑問を持ち出したことが発端である。
世の中には、自然と人がまわりにあつまるタイプの人間が存在する。そのタイプの人々は、いったいどん なコミュニケーションをまわりと図り、どうまわりの心をつかんでいるのかということに、着目していき、次第 にそのコミュニケーション方法、人間性というものが企業から個人へのコミュニケーションにも応用させら れるのではないかと考えた。
企業にはそれぞれの顧客が存在し、顧客は企業に対する満足度というものを感じている。顧客満足 度とはすなわち、、顧客がその企業にあつまり、顧客の心をつかんで離さないということである。
近年では、顧客満足度が高い企業というのはほぼ固まりつつあるが、これから新規参入を考えている企 業は個人のコミュニケーションを応用していくことによって、その上位にある企業に食い込むことができる のではないか。
私も、個人的なことではあるが、新規に会社をおこしてこれから自分の仕事としてやっていこうと思っ ている。その自身の企業にも応用できるような論文を書いていけたらと思う次第である。
はじめに
目次
1.本論文の概要 目的・方法 構成
2.人から好かれる人
まわりに人が集まるタイプとその魅力 印象の良い人、悪い人
人に好かれるコミュニケーション
3.顧客満足度 顧客満足度とは 顧客満足度の高い企業 企業の行動パターン
4.仮説と検証
仮説「人から好かれる人の性質は顧客満足度の高い企業のそれと一致する」
調査
5.対抗仮説と検証 対抗仮説 調査
6.考察 考察
7.まとめ
1.本論分の概要 1.本論分の概要 1.本論分の概要 1.本論分の概要
目的・方法 目的・方法 目的・方法 目的・方法
本論分の目的は、私が魅力的な人間、人々を集めることができる人間になるためにはどうしたらよいの かを解明するものである。同時に、その人間性や魅力というものは個としてではなく、集団としての企業 においても発揮することができるのかも考えていきたい。企業において考えるにあたって、特に顧客満 足度に注目して論じていく。顧客満足度とはその企業の魅力であり、人を集めて魅了する力だと考えて いるため、近いものを感じられるのではないかと考えた。論じるにあたってのデータとしては、人間の魅 力とは数値化することは難しいが、友人へのアンケートという形で、実際に人付き合いや購買行動を通 して感じていることを直接聞くことによってデータとして出すことにした。
構成 構成 構成 構成
はじめに、人を集められるようなタイプの人間とはどういうものかを論じ、次に顧客満足度の高い企業 についても論じることにする。二つの間での相違を明らかにし、仮説をたて検証する。その仮説に対して、
対抗的なもう一つの仮説も検証し、それらをまとめ自分なりに考察していくことによって、魅力的な人間 になるために必要なものと顧客満足度の高い企業にするために必要なものを導き出そうと試みる。
2.人から 2.人から 2.人から
2.人から好かれる人 好かれる人 好かれる人 好かれる人
まわりに人が集まるタイプとその魅力 まわりに人が集まるタイプとその魅力 まわりに人が集まるタイプとその魅力 まわりに人が集まるタイプとその魅力
まわりに人が集まるタイプとは、私がこれまで生きてきた中で数人見たことがある。それらの人はどんな 人が多かったか。近年ではよく聞かれるようになったコミュニケーション力、その高さはやはり要因の一つ であると考えられる。コミュニケーション力とは実際にどんな能力なのか、その基準は曖昧であり、否定的 な考えにとる人も多い。一般的には「他者とコミュニケーションを上手に図る能力」を示すと言われてい る。
私の実体験では、リーダーシップ性が強い、博識、だれに対しても優しい、話す聞くのバランスがいい、
などという特徴が見られる人がまわりからも人が集まっているように思えた。そしてなによりも、人というの は自分が必要とされたいという欲求が少なからずだれにでもあるため、その「あなたのため」という演出が 上手であり、真剣に考えてくれるので自分にとってその人といることに価値を見出すことができるという魅 力があると考えられる。
印象の良い人・悪い人 印象の良い人・悪い人 印象の良い人・悪い人 印象の良い人・悪い人
具体的にどんな人が印象がよく、どんな人が悪いのかというものを、先ほどの主観での意見との比較を するためにアンケートを実施した。
印象の良い人 印象の良い人 印象の良い人
印象の良い人 印象の悪い人印象の悪い人 印象の悪い人印象の悪い人 コミュニケーション力が高い
コミュニケーション力が高い コミュニケーション力が高い コミュニケーション力が高い ネガティブなことを言わない ネガティブなことを言わない ネガティブなことを言わない ネガティブなことを言わない
いつも楽しそうにしている いつも楽しそうにしている いつも楽しそうにしている いつも楽しそうにしている
約束を守る 約束を守る約束を守る 約束を守る 話し上手、聞き上手 話し上手、聞き上手話し上手、聞き上手 話し上手、聞き上手 誰に対しても分け隔てない 誰に対しても分け隔てない 誰に対しても分け隔てない 誰に対しても分け隔てない 待つことより誘うことが多い 待つことより誘うことが多い 待つことより誘うことが多い 待つことより誘うことが多い
細かな気配りができる 細かな気配りができる 細かな気配りができる 細かな気配りができる
物事に対して悲観的 物事に対して悲観的 物事に対して悲観的 物事に対して悲観的 人への意見が批判的 人への意見が批判的 人への意見が批判的 人への意見が批判的
支配的な接し方 支配的な接し方支配的な接し方 支配的な接し方 他人へ依存しやすい 他人へ依存しやすい 他人へ依存しやすい 他人へ依存しやすい 時間、精神ともにゆとりがない 時間、精神ともにゆとりがない 時間、精神ともにゆとりがない 時間、精神ともにゆとりがない
押しつけがましい 押しつけがましい 押しつけがましい 押しつけがましい 自分らしさがない 自分らしさがない 自分らしさがない 自分らしさがない
さまざまな意見があったがまとめるとこのような特徴がみられた。このように、やはり人に好かれている人、
印象が良い人というのはコミュニケーション力があり、相手にポジティブな要因を与えていることがわか る。
人に好かれるコミュニケーション 人に好かれるコミュニケーション 人に好かれるコミュニケーション 人に好かれるコミュニケーション
では、ここまで本論文において何度も出ているコミュニケーション力というものは、いったいどういうもの であるか。先述の通り、「他者とコミュニケーションを上手に図る能力」ということは大前提ではあるが、い ったいどんな技術をつかってコミュニケーションを図っているのか。その人に好かれるコミュニケーション 術というものを解き明かしていく。
そもそもコミュニケーションにおける重要な点というものは、いかに相手の話を理解するかである。
そのためには「まず、自分が生きている社会とは、どんなものか、その社会でなにが起きているのか、
人々は何に関心をよせているかを知ることから始めましょう」(コミュニケーション力 豊かに生きるための 知的技法、山田匡一、寺西裕一、都築由美より抜粋)ということが重要である。つまり、感受性を豊かに し、その中で日常の中でのさまざまなものに対して知見を広げ、自己のブランド力を高めていくことが上 手なコミュニケーションを図る第一歩となる。さまざまなものに精通することにより、自分の知識が広がり、
コミュニケーション相手がどんな話題を振ってきても的確な反応を示すことができるのである。
そしてその得た知識を周りの人に出し惜しみなく伝えていくことも重要となる。そうすることによって、話 していてためになるというようにコミュニケーションをとるにあたっての価値が生まれてくる。そのため、そ の人の話を聞きたいという人が集まってくるだろう。
内容だけではなく、話し方というものも重要となる。先ほどの「コミュニケーション力 豊かに生きるため の知的技法」より、「話す速さと間の取り方を工夫する」ということと「アクセントとイントネーション」に気を つけるという技術がある。話す速さとは、醸し出す雰囲気も変えるほど重要となる。しかし、単にいつも程 よい速さで話すといいというわけではない。難しい内容の場合は理解を追いつかせるために少しゆっくり と、逆に簡単な内容だとゆっくり話すと聞き手がイライラしてしまうのでスピードをあげて話すことが必要 だ。間をとることによって話のリズムを形成すると、より聞き手は聞きやすくなる。アクセントやイントネーシ
ョンというものは、聞き手を話に引き込むために大事な点は強く話すなどの工夫をするとよいだろう。
話すだけではスピーチとなってしまう。コミュニケーションがなぜ人を魅了するかというと聞くことも重要 なポイントであるからだ。人の話をよく聞くことにより、相手のことを理解できるとともに、相手の話したい 欲求というものを解消することができる。コミュニケーション力の高さとは、この話す、聞くのバランスが非 常によいのだと考えられる。
3.顧客満足度 3.顧客満足度 3.顧客満足度 3.顧客満足度
顧客満足度とは 顧客満足度とは 顧客満足度とは 顧客満足度とは
顧客満足度とはwebサービスのマネー用語辞典によると「企業、あるいは製品やサービス に対する顧客の態度。企業が提供する製品やサービスに対する顧客からの期待と、実際にそれを 消費した顧客が感じた期待に対する適合度からなる。顧客のニーズをどれだけ充たしたかを図る この顧客満足度は、顧客志向によるマーケティング活動を行ううえで重要な指針となる。近年、
特に1990年代ころから市場の成熟化により競合他社との差別化を図ることが困難となり、新規 の顧客獲得よりもコストのかからない既存顧客との関係維持や向上がマーケティング活動の重 要課題となったことを背景に注目されるようになった。また自社あるいは他社の製品やサービス への満足度を、既存の顧客を対象として調査することを顧客満足度調査という。加えて品質保証 や配達、修理、返品などの顧客サービスも顧客満足度を高め、製品やサービス、ひいては企業全 体の評価にも影響を及ぼすものとして有効な販売活動となっている。他にもポイントの付加、会 員特典、顧客同士の交流を図るクラブの設立などにより顧客満足度を高め、ブランドロイヤルテ ィを向上させて顧客を囲い込む工夫も多くの企業で見受けられる。」というものである。
つまり、かみ砕いて言うとどれだけ顧客が期待しているものにこたえられているかということ、
そしてもう一つ重要となるのが顧客の思いがけない満足にあたるサービスを提供できるかであ る。
顧客満足度の高い企業 顧客満足度の高い企業 顧客満足度の高い企業 顧客満足度の高い企業
では実際にどんな企業が顧客満足度が高いといわれているのか。サービス産業生産性協議会の 調べによるとつぎのような表の順位となっている。
順位順位
順位順位 企業名企業名企業名企業名 顧客満顧客満顧客満顧客満 足 足
足足 業界名業界名業界名業界名
1 東京ディズニーリゾート 82.3 レジャーイベント
2 EC カレント 81.1 通信販売
3 あきんどスシロー 78.8 飲食 4 住信 SBI ネット 78.6 銀行 5 シンガポール航空 78.5 国際航空 6 ジャパネットたかた 77.7 通信販売
7 アマゾン 77.6 通信販売
8 ヤマト運輸 77.1 宅配
9 楽天トラベル 76.9 旅行
10 じゃらん 76.8 旅行
11 一休 76.7 ネットサイト
12 DHC 76.6 ネット通販
13 スーパーホテル 76.5 ビジネスホテル
13 くら寿司 76.5 寿司チェーン
15 千趣会 75.9 通信販売
16 サイゼリヤ 75.8 飲食
17 帝国ホテル 75.3 シティホテル
18 全労済(損害保険) 75.2 損害保険
19 高速バス 75.1 国内交通
20 阪急電鉄 74.9 近郊鉄道
20 餃子の王将 74.9 飲食
20 かっぱ寿司 74.9 飲食
23 スターフライヤー 74.7 国内交通(長距離)
24 そよ風 74.6 介護サービス
24 ANA 74.6 国内交通(長距離)
26 ツクイ 74.5 介護サービス
27 楽天カード 74.4 クレジットカード
28 スターウッドホテル 74.3 シティホテル
28 カワチ薬品 74.3 ドラッグストア
30 びっくりドンキー 74.2 飲食
31 ホテルオークラ 74.1 シティホテル
31 セシール 74.1 カタログ通販
31 HIS(ネット) 74.1 ネットサイト
34 すき家 74 飲食
35 アフラック 73.7 生命保険
36 ニッセン(カタログ) 73.7 通信販売
37 やずや 73.6 通信販売
38 イオンカード 73.4 クレジットカード 38 近畿日本ツーリスト 73.4 旅行
38 ベルメゾン 73.4 通信販売
38 ソニー銀行 73.4 銀行
42 ロイヤルパークホテル 73.3 シティホテル
43 楽天市場 73.3 通信販売
44 モスバーガー 73.2 飲食
45 全労済(生命保険) 73.1 生命保険
46 京王電鉄 73 近郊鉄道
46 日本旅行 73 旅行
48 ホテル ルートイン 72.9 ビジネスホテル 48 ハイアットホテル 72.9 シティホテル 50 ヨドバシドットコム 72.6 通信販売
50 ソニー損害保険 72.6 損害保険
50 ホテルニューオータニ 72.6 シティホテル
50 ソニー生命保険 72.6 生命保険
企業の行動パターン 企業の行動パターン 企業の行動パターン 企業の行動パターン
企業が顧客満足度を高めるために実際に何をしたらよいのか。それは先ほどの表ででてきた上 位の企業の行動パターンを見ることによって明らかになる。ディズニーリゾートといえば、何年 も顧客満足において高い水準を保っている、言わずと知れたアトラクションテーマパークだが、
サービスの面でも人々を感動させることが多いといわれている。ディズニーリゾートでは第一に 顧客が何を求めて訪れているのか、アトラクションとして必要なものはなにかということを徹底 的に調べ、その期待に応えるべきものを作り出している。さまざまな期待があるが、その多様多 種な期待ほぼすべてにこたえられるようにそれに沿ったサービスを展開しているのである。そし て、ディズニーリゾートでは当然子どもが多いのだが、キャラクターやキャストはたとえ顧客が 子どもでも大人でも分け隔てなく接し、すべての人々を大切にしているのである。
このような顧客の満足を満たすことのできるサービスというものは作り出すために相当な労 力が必要となるだろう。このサービスを作り上げるためにもっとも必要なものは顧客の意見をし っかり受け止め、ディズニーリゾートの顧客に対する要望もしっかりときいてもらうことである。
すべてを顧客の言うとおりにするということは不可能なため、企業側からも顧客への要望等があ るが、それらを押し付けるという形ではなく、うまく顧客に理解してもらい、叶えてもらうとい うことができるのは、日ごろから顧客のことだけではなく、世間の動きや外的な環境についても 学んでいるからだと考えられる。そして発信と受信を程よいバランスで行うことによって顧客と の信頼を築いていくのである。
4. 4.
4. 4.仮説と検証 仮説と検証 仮説と検証 仮説と検証
仮説 仮説 仮説 仮説
では、冒頭で述べたように「人から好かれる人の性質は顧客満足度の高い企業のそれと一致する」
という仮説が実際に正しいのか、これまで述べてきたものとともに、改めて検証していくことに する。
検証 検証 検証 検証
まず、人から好かれる人のパターンとして表1のようなアンケートの結果がでた。そしてそ の中でもコミュニケーション力というものが重要であるということも先述の通りである。そのコ ミュニケーション力とは広い知識を持ち、相手の話をよく聞き、それに対して的確な回答をする ことによってより円滑なコミュニケーションがうまれる。
次に顧客満足度とは、人の期待に応えること、想定外の満足を与えること、顧客の質や層を選 ばない平等なサービス、そして顧客の意見に耳を傾け、企業としての方針もしっかりと顧客に伝 えることが重要とされる。
人の期待に応えるというものは、相手に対する的確な回答をもつことであり、想定外の満足と は、広い知識から相手への新たな知識をもたらすことである。顧客を選ばない平等なサービスは、
人と分け隔てなく接することと関連していると考えられる。顧客の意見に耳を傾け、企業として の方針を伝えるというものは、まさにコミュニケーション力の話す、聞くのバランスである。
このようにやはり人から好かれる人の性質と顧客満足度の高い企業の性質は一致するという のが第一の結論となる。
5.対抗仮説 5.対抗仮説 5.対抗仮説 5.対抗仮説
対抗仮説 対抗仮説 対抗仮説 対抗仮説
では次に対抗仮説を考える。対抗仮説として「顧客満足度とは純粋に企業利益を追うための手 段の一つであり、人間性などは考えられていない」というものを挙げてみる。
検証 検証 検証 検証
企業とは本来その目的は利益の追求である。そのため、根底としては、顧客満足度を高めるこ とは利益の追求という考え方は間違ってはいないだろう。企業の経営トップの中には顧客満足度
に本気で取り組むことの費用対効果が悪い、将来的な利益にはなるかもしれないがいつになるか の見通しがつきにくいなどという、やはり目先の数字を追った考えも少なくない。しかし、企業 には必ずしも顧客が存在して、その顧客を取り込むために必要なものはなんなのかを考えてみる と、そこに対人という概念がうまれてくるのではないだろうか。そもそも、近年急速に広まった 顧客満足度や社旗貢献活動というものは、今までの企業の純粋な利益追求とは違った形のもので ある。ではなぜそういった活動を行うようになってきたのか。J.Dパワーの「顧客満足度のすべ て」によるとアメリカの自動車業界において、過去五年間の売り上げと顧客満足度を調査したと ころ、顧客満足度が短期間のうちに売り上げに非常に大きな影響を与えるということが明らかに なったそうだ。
日本に限っていうと、かつて経済の面で急成長を遂げ、一時期はバブルという時代まで作り上 げ、一躍経済大国の仲間入りを果たした。その時代では国民の間での格差が少なく、リピーター を増やすということよりもむしろ新規の顧客をより多く手に入れようとする風潮がみられた。
しかし、今では新規の顧客獲得ももちろん大切だが、リピーターの獲得に重きをおいている企 業が増えていると感じる。ネットの普及などに伴い、情報が素早く大多数の人に触れるため、い かに顧客に良い印象を与えるか、ロイヤリティをもつ顧客を増やすかということが、新規顧客の 獲得にもつながるからではないかと考えられる。調査する前は90年代のほうが消費額は多かっ たと思っていたが、実際に調査をしてみると、意外にも消費額は現在のほうが大きくなっている。
(実際には国民総生産自体は減少しており、その消費が増えた分、貯蓄が減っているなどの説は あるが)それはつまり、1回きりの顧客よりもリピートしてくれる顧客をつくるという企業の取 り組みの結果なのではないだろうか。継続的な顧客の評価によって新たな顧客の獲得も果たせる ため、いかに継続的な顧客が重要かということが理解させられる。
顧客満足や社会貢献活動は企業自体のイメージアップを担い、そういった継続的な顧客を作る ための一つの手段であり、そのために現在の日本の企業ではより個人を大切にするということで、
対人のコミュニケーションや、魅了する力のようなものが必要となっているのだ。
つまり、利益を追った結果ではあるが、そこに人間性が考えられないなどということは全くな く、逆に利益を追った結果として、個人を大切に扱うことが改めて考えられ、それが顧客満足度 につながっているのである。
6.考察 6.考察 6.考察 6.考察
以上の点から、個人と企業によって目的に違いはあれど、まわりに人をあつめることができ、
好かれる個人、企業というものはその性質が似通っている。しかし、重要なのはその個人での性 質というものは意識か無意識化は人によって異なるが、企業のそれは意識の上で行っていること であり、最終的なゴールは違うのではないだろうか。つまり、仮説である、人から好かれる人の 性質は顧客満足度の高い企業のそれと一致するというものは完全に正しいとは言い難い。似て非 なるもの、という言葉が一番適切なのか。しかし、もしかすると、そういった性質の個人である
人々も、意識的に行っていて最終的なゴールは自己への利益なのかもしれない。
7.まとめ 7.まとめ 7.まとめ 7.まとめ
まわりにひとを集めることのできる人間というものは、人に好かれていることが第一条件であ る。そしてその好かれるためには、さまざまな要因がある。最重要項目として、一番よく挙げら れるのがここ近年ではコミュニケーション能力となった。そのコミュニケーション能力とは、さ まざまなことに興味を持ち、知識を広げ、相手との上手な距離感で対話をするということである。
顧客満足度を高めている企業は、意識的に顧客との一方的にならないかかわりを持ち、顧客の 期待に応え続けている。企業の最終的な目的は利益ではあるが、その利益をあげる手段として顧 客を満足させるということが有用である。
本来の私の調べだした目的である「人に好かれる人になりたい」という願望と、「自身の会社 を顧客満足度の高いものにしたい」という目標は、もちろん本論文に書き記したことがすべてで はないが、こういったことに気を付け、意識をもつことが重要だということを学ぶことができた。
最終目的がわからないが、こういったタイプの人がまわりから好かれるということは、今後た くさんの人と付き合っていく中で、気を付けなければならないとも思うが、逆に自身がそうなる ことも可能なのだという少しダークな面にも気づくことができた。
もしかしたら私がこれまでに見てきた、人から好かれている人の実態も、本性は裏で損得を考 えその場その場での行動を選んでいるのだとしたら、少しぞっとするが。
おわりに おわりに おわりに おわりに
仮説や検証でのデータ不足が響いてしまい、自分の知識の狭さと計画性のなさに幾度となく 嘆く論文となってしまったが、この論文を書くにあたって自分の中に描いていた理想と調べてい くうちに、そして書いていくうちに湧き上がる疑問や新たな気づきというものが、たくさんあり そういったことを学べたということでこのテーマは私には有益だったと思う。
少し話が広がりすぎていて収集がつかなくなった感は否めないが、今後も継続してこのテー マに興味を持ち続けていこうと思う。
自分は裏のない「人から好かれる人」になれるように精進していく次第である。
参考文献・参考 参考文献・参考 参考文献・参考 参考文献・参考 URL URL URL URL
山田匡一・寺西裕一・都築由美「コミュニケーション力 豊かに生きるための知的技法」
佐野良夫「顧客満足度の実際」
ベッツィ・サンダース「サービスが伝説になるとき」
サービス農業生産性協議会
http://www.service-js.jp/cms/show_news.php?id=212 国内の総所得と総支出 vizoo
http://www.visualzoo.com/graph/19003 コミュニケーション能力向上の7つのコツ http://www.midem-est.com/
マネー用語辞典
http://m-words.jp/w/E9A1A7E5AEA2E6BA80E8B6B3E5BAA6.html 日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090907/204107/?P=3
47news
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010031601001177.html
oricon
http://career.oricon.co.jp/news/74410/full/
経営情報レポート第20号
http://www.mit-morita.co.jp/img/freelink/k_r/keiei/r_k20.pdf